もう一人の東京守護者   作:dwwyakata@2024

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4、集まる神魔

しばし東のミカド国で政務を行って安定させる。殿とヨナタンを残して、僕らは東のミカド国から東京に。

 

そして、東京でまだ彼方此方にいる悪魔を退治して周り。或いは麾下に加えた。天照大神の力は日ごとに増大しているが、それでも光が届かない場所にいる存在はどうしてもいるのだ。

 

ただ、流石に大天使達を倒した事は伝わっているようで、殆どの悪魔は僕達を見ると諸手を挙げて降参してしまう。

 

そういった悪魔はどんどん味方に加えて、それで悪魔合体の素材になって貰った。

 

そして霊夢の提案で、やっておく。

 

悪魔合体で、召喚する。

 

イザボーが作り出したそれは、大天使ガブリエル。

 

あの冷酷なギャビーではない。

 

明確に穏やかな目をした、静かな雰囲気のガブリエルだった。

 

どよめきが上がる。

 

霊夢が咳払い。

 

神田明神の近くだ。最悪の場合が起きても、力を取り戻している神々や僕らで袋だたきである。

 

「大天使ガブリエル、此処に」

 

「ガブリエルはもとの神にしなくていいのか」

 

「これでいいのよ。 これで三位一体は完全に崩れたわ」

 

霊夢いわく。

 

一神教の思想である、父と子と聖霊の御名において。つまり三位一体の思想。

 

父とは四文字の神。

 

子とは預言者。

 

聖霊とは天使。

 

そのうちの聖霊は、これにて完全に崩壊した。既に四文字の神と深い関係にあった四大天使は、これにて完全に四文字の神の影響下から脱したことになる。

 

このガブリエルは一神教のガブリエルだが。

 

悪魔合体でイザボーが作り出した存在で、つまりイザボーの麾下にあるものだ。

 

そしてイザボーはこれで、直衛にダグザとガブリエルを有した。

 

接近戦のスペシャリストであるダグザと。

 

魔術戦のスペシャリストであるガブリエル。

 

高火力の魔術を専門に戦うイザボーとしては、最高の布陣が揃った事になるだろう。

 

二日ほどして、ヨナタンが戻ってくる。

 

上は安定させたと、少し疲れ気味の様子で言う。

 

王として即位を済ませ。

 

更には王妃として、身分問わずに人間を集め、それを教育して様子を見るという。少なくともラグジュアリーズから優先して王妃を取る事はないそうだ。

 

「好みの女を王妃にしたりはしないのか? それくらいは許されるんじゃねえの?」

 

「実際の王というのはそんなに自由じゃないんだよ。 本来は国家第一の奴隷というのが正しいくらいさ」

 

「まあ、そうちゃんと考えている王様ばかりだったら、専制もいいのでしょうけれどね」

 

霊夢がぼやく。

 

まあろくでもないものを色々見たし、此方に来るときに教えられたのだろう。

 

それでは、最後の作戦会議だ。

 

皆を集めて、シェルターで話す。

 

計測したところ、東のミカド国と此方で、時間の流れが変わり始めている。前は60倍くらいあった時間の流れの差が、現時点では10倍程度にまで緩和されてきているという事だ。

 

それでもあまり長い時間至高天にいるわけにもいかない。

 

出入りを何度もするのも難しいだろう。

 

決着は、一度で付ける。

 

「問題は至高天とやらにどれだけの近衛がいるかだが……」

 

「恐らくサタンがいるでしょうね」

 

「!」

 

マーメイドが言う。

 

サタンとは、本来は一神教で上級悪魔程度の存在でしかなかったという。この考えを受け継いだのがイスラム教のシャイターンで、決して最高位の悪魔ではないそうだ。

 

だがサタンとは本来「敵対者」を意味する存在であり。

 

故に現時点では、「座を監視する」「場合によっては神すらも打倒する」存在としてあるという。

 

「サタンとは私も戦ったけれど、とてつもなく強いわ」

 

「そうか。 それは厄介だな……」

 

「更に問題があるとすれば。 私の貰った知識によると、本来は四文字の神には、様々な神霊としての分霊体が存在するそうよ。 「神が神殿にいる状態」であるシェキナー、神の別名とされているエロヒム、神の軍とされるツァバト。 四文字の神として座につくまで名乗っていたエルシャダイ。 いずれも四大天使と同格か、それ以上の存在かも」

 

「厄介だな……」

 

一度で無理をして突破をする必要はないのではと穏健策を殿が口にするが。

 

なんでもマーメイドの話によると、至高天が開かれたら悪魔が殺到するという。出来るだけ急ぐべきなのだと。

 

いずれにしても、かなり厳しい戦いになりそうだ。

 

蜻蛉切りを見る。

 

僕が最初にとんぼちゃんを作ったのも、きっとこの槍の事があったから。とんぼちゃんはずっと相棒だった。

 

僕は、この槍を手にしているなら。

 

誰にだって勝てる。

 

本多平八郎忠勝だった時は、東国で無双のサムライだったという。だけれども、それは関係無い。

 

僕として、今の技の全てを尽くして。

 

四文字の神の分身がいるなら、全てを撃ち倒すだけだ。

 

「先にクリシュナと明けの明星にも声をかけておくとしようか。 多少は道を開けるかもしれん」

 

殿がぼやく。

 

「大丈夫。 僕らが全部やっつけます」

 

皆で頷く。

 

利害も思想も違うけれど、それでも今、やるべき事は全員共通している。

 

これ以上。

 

四文字の神に好きにさせるつもりはない。

 

 

 

(続)







ついに東のミカド国を解放し、至高天で惰眠を貪る四文字の神を座から引きずり降ろすときが来ました。

世界中の破壊を為した存在との決着が近付いています。












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