もう一人の東京守護者   作:dwwyakata@2024

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真5ではギミックが楽しい(別に修正なんかいらなかったような気がします)妖怪城ならぬ魔王城と化していた東京駅。その後もアスラ王とミトラスがオフ会会場にしていたりと、赤煉瓦の駅で何をやっているんだかとちょっと呆れてしまいましたね。

真4では銀座への入口としてしかほぼ意味がなかった此処ですが。

まあ確かに新宿駅とかと比べると規模も小さいしダンジョン感も弱めです。

とはいっても比べる相手が悪いだけで、別にちいさな駅ではないのですけれどね……







砂城瓦解
序、東京駅


東京駅。名前からすると、東京の中枢のようにも思えるが。東京の中枢と言われるかというと、実はそうでもない場所であるらしい。僕はそんな説明をバロウズから聞きながら、煉瓦らしいもので作られている建物へ足を踏み入れる。

 

この駅も、地下に人が住み着いているが。悪魔も平然と彷徨いている。

 

それなりに荒々しい性質のものも多そうだが、人間を見境なく襲うことはしていないようだ。

 

今回はニッカリさんが案内に来てくれている。

 

志村さんや小沢さんと並ぶ歴戦の戦士。

 

人外ハンターでも古株で、ナナシとアサヒの師匠だと聞くと、此方も敬意を自然に払う気持ちになれる。

 

「ここは今では銀座への関門となっていてな。 それもあって、ガイア教団が抑えているんだ」

 

「東京駅っていうから、東京の中枢かと思ったのだけれど、新宿駅の方が大きいみたいですね」

 

「ああ、そうだな。 此処も当初作られたときは、国の威信を賭けたずっと使える駅をという感じで作られたらしいんだが、どこが流通の中心になるかは読めないものでね。 いつの間にか新宿にそれは取って代わられたのさ。 ただ、駅としては世界的な規模で、とても大きなものなんだよ」

 

「ふーん、不思議なものだな」

 

線路図というのがあったので見るが、これは蚯蚓がたくさん並べられているのか。度肝を抜かれてしまう。

 

ヨナタンは見てなる程と唸っていたが、ちょっとすぐには覚えられそうにない。ヨナタンはよくこんなもの覚えられるなと感心してしまう。

 

「街としては小規模ですわね」

 

「此処は戦場になる可能性があるし、何よりガイア教団の膝元だからな。 力がない奴には何も与えないって組織だし、人も離れる。 何より悪魔とのトラブルも日常茶飯事。 つよい奴には良い場所なのかも知れないが、それも何処まで本人達が理解しているのか、疑問が残る」

 

血の跡が壁床にべったり。

 

悪魔に食われたのか、それとも誰か喧嘩して殺されたのか。

 

ちょっと僕もうんざりする。

 

これは、人間が生活する都市じゃない。

 

一応人外ハンターの支部もあるようだが、足を運ぶ気にはなれなかった。

 

途中、連絡が来る。

 

神田明神の近くで大規模戦闘があったらしいが、救援は求められなかった。現地にマーメイドが出ていた事もある。現地の人外ハンター達とサムライ衆で解決したらしい。かなりナバールも活躍していたそうで、そうかとだけ呟いた。これは今のナバールなら当然だろうという、信頼からだ。

 

ともかく、ニッカリの案内で「連絡通路」とやらに行く。

 

途中、行き場も無さそうにしている悪魔を見かけたので、声を掛ける。子供の姿をした悪魔だが、あっさり契約を受け入れていた。

 

そろそろハイピクシーが転化すると言っていたっけ。

 

ハイピクシーも最近は戦力になれていなかったのだが、転化すれば一線級になれるという。

 

非力な悪魔だって、転化すれば別物に変わる。

 

それを何度も間近で見ている僕としては。

 

弱い悪魔はいらないなんていうつもりはなかった。

 

通路で仁王立ちしているのは、筋骨隆々のガイア教徒だ。相変わらず傘みたいなのを被って、首から数珠というのか。最近知ったそれをぶら下げている。仏教徒という人達の姿に近いらしいのだが。

 

カガの話によると思想はその極北らしいので。

 

色々ややこしい話である。

 

向こうは此方を知っていた。

 

「おお! 覚えているぞ。 西王母を討ち取ったますらお達であるな。 あの時俺は白虎とやりあっていた。 西王母を倒し、力を示した者達には敬意を示さなければなるまい」

 

「褒めてくれているというのは分かるよ。 それで銀座に行きたいんだけれど、通してくれるかな」

 

「別にかまわぬが、彼処では命が飛ぶように安いぞ。 幹部であっても一瞬で死ぬ事もよくある。 活躍を聞く限り、貴殿は弱きを助け強気を挫くように動いていると聞く。 あまり良い気分にはならぬと思うが」

 

「仕事でね」

 

つれて来ている銀髪の子は、無表情でガイア教徒の男を見ていた。

 

これは、多分嫌っているな。

 

力が全てとかいう寝言で、この東京の人口を更に減らしている元凶でもあるのだから仕方がないか。

 

阿修羅会よりはマシではあるのだが。

 

「そういえば其処にいるはニッカリどのか。 なるほど、何かしら政治的な話でもするのかな」

 

「まあそんなところ」

 

「分かった、通られよ。 本来なら力試しをするのだが、西王母を屠った貴殿等にそれは不要であろう」

 

快く通してくれる。

 

そして、槍を持った武人らしい姿の悪魔を二体出して、見張りにつけていた。理由なく誰かを通す気はない。

 

そういう雰囲気だ。

 

「自分を律してはいるな。 池袋の連中よりはずっと好感が持てる。 ただ、いつ誰が死んでもおかしくない場所を好きこのんで作るのはやはり良くないんだろうな」

 

「その通りだ。 そんな場所では子供も育てず、結局衰退するだけだ」

 

「ガイア教団のやり口はスパルタに似ている。 古い時代ギリシャという場所にあった国なのだが……ガイア教団のようなやり方をしていた結果、最終的には滅びてしまった国だよ」

 

ニッカリがそう告げると。

 

そうかと、ワルターはぼやく。

 

実例があるのだ。

 

そういった実例に対して、脊髄反射で文句をいうような阿呆ではない。それはワルターの美点である。

 

連絡通路というのを黙々と行くが、途中で悪魔がそれなりの数湧いてくる。こっちを見ているが、隙さえあれば仕掛けて来るだろう。

 

銀髪の子に絡もうとしたのが一匹いたが、一瞬で叩き潰されて壁の染みになった。それを見て、さっと逃げ出す悪魔達。

 

今の、不可視の質量攻撃。

 

更に精度が上がっているな。

 

多分だけれど、殿の方じゃない。銀髪の子が、より力を使いこなせるようになっているんだ。

 

そう思うと、ちょっと頼もしいし、頑張ろうという気にもなれる。

 

しばらく黙って進むと、やがて街に出ていた。

 

「ここからが銀座だ。 古くは此処で銀を鋳造して、貨幣を造っていた。 以降は欲望の街として、東京の金持ち達が集った場所だよ」

 

「東のミカド国にもギンザ街はありますが、そういう語源だったんですね……」

 

ヨナタンが感心している。

 

周囲はぎらぎらとしていて、金の臭いが凄まじい。僕はうえと思わずぼやいていた。金は必要なだけあればいいと思う方だ。ワルターは貪欲に稼いでいるが、金を稼ぐこと自体に興味を持っているようには見えない。

 

悪魔も人も行き交っているが、空気はぴりついている。

 

そんな中、石の塊が、街のど真ん中に存在していた。

 

ニッカリが教えてくれる。

 

大戦の時。

 

空から核ミサイルが降り注ごうとした。それを、彼処で誰か……人外ハンターの戦士の一人が、将門公に祈り、自らを生け贄に捧げた。

 

ニッカリは直に見ていたわけではないが、そういう話を聞いたらしい。

 

祈りに答えた将門公は巨大な姿を現し、天蓋となって、核ミサイルとやらを全て防ぎ。代わりに東京は太陽を失った。

 

「将門公は大戦の前から祟り神として怖れられていてね。 日本三大怨霊なんて言われていたのさ。 事実この辺りのビルでは、背中を見せないようにと配慮もしていた」

 

「そんなに恐ろしい人だったんですか」

 

「史実を見る限り、気の毒な人だね。 悪い人達に騙されて、戦っている内に引くに引けなくなって、それで戦死した。 首を切りおとされて晒されたけれど、首は飛んでいって故郷に戻った。 その首が落ちたのが、首塚といわれる場所さ。 以降、首塚に不敬を働くと必ず祟りがあると言われて、実際に色々と起きたらしいね」

 

そうか。

 

でも、板東武者の祖だという話も聞く。

 

恐ろしい所もあったけれど、それはそれとして、尊敬もされる武人だったと言う事なのだろう。

 

行き交う人々も、石の塊には敬意を払っている。近くで話す者もいないし、礼をしているものも見かけた。

 

イザボーが、ぎんぎんぎらぎらの雰囲気を嫌ったのか、歩きながらニッカリに聞く。

 

「三大怨霊というと、他にも二人いるんですのね」

 

「ああ。 一人は菅原道真公といって、学問の神様として今は崇められている人だよ。 誠実な人だったらしいんだけれど、卑劣な政治的陰謀で悲劇的な死を遂げてね。 死後雷神になって復讐したって言われているんだ」

 

「雷神になって復讐って、それはまた気合が入ってるな」

 

「貴族の間では陰湿な陰謀合戦は日常茶飯事だ。 そういう風に仕返しをして、それが話題になるようになったら、少しは収まるのかも知れないが」

 

ヨナタンがぼやく。

 

咳払いして、最後の一人についても教えてくれる。

 

「最後の一は崇徳上皇と言われている人だ。 この人は色々あって反乱を起こして負けて島流しにされた人なんだが、その後に非常に恐ろしい噂ばかりが流れた。 この人自身はとても温厚で、心優しい人であったそうだよ」

 

「先から聞いていると、三大怨霊の方々は、皆被害者ばかりのように思えますわ」

 

「僕も同感だよ」

 

「この国には、判官贔屓という言葉があってね。 悲劇の死を遂げた人のことを悲しんだり、祀ったりする風習があるんだ。 三大怨霊と言われた人達は皆善人だったり立派な武人だったのに悲劇的な最後を遂げたりした人達だ。 日本的な空気もあって、復讐を皆で代行したのかも知れないね」

 

そういうものか。

 

でも、そういった風潮は、東のミカド国ではなかったな。

 

成立がよく分からない東のミカド国だ。

 

文化が共通しているのも言葉だけ。

 

そういった細かい文化は、伝わらなかったのかも知れない。

 

街の中で、人外ハンター協会に出向く。此処はかなり大きくて、明らかにガイア教団の者も出入りしていた。

 

大柄な筋骨たくましい男性が、失礼と行って戸から出ていった。

 

マスターが、またかとぼやいている。

 

ニッカリが僕達を紹介すると、マスターは噂には聞いているよと疲れた様子で言うのだった。

 

「何か問題か」

 

「ああ。 最近インド系と他の系統の神々や悪魔が揉めているそうでな。 ガイア教団でも鎮圧はしているらしいんだが、手が足りていないらしい。 それで人外ハンター協会に話を持ち込んでくるが、そもそも原因もわからねえからな。 どっちに荷担していいものやら」

 

「いずれにしても、後で調べるべきでしょうね」

 

「それは同感。 ああ、マスター。 ターミナルの噂は聞かない?」

 

ターミナルか。そういうと、苦々しい顔で教えてくれる。

 

血の気の多いガイア教徒が挑んでは、手やら足やら失って出てくるらしく。怪我人の手当てで毎回迷惑しているらしい。

 

また番人がいて、それで荒っぽく歓迎しているわけだ。

 

僕としては、なんで蠅の王とやらがそんな事をしているのかよく分からないが。まあ、此処にも一発で移動出来るようにしておいた方が良いだろう。

 

まず先に、それを片付ける。

 

それから、ガイア教団の本部に足を運んで。あのユリコと色々話をしなければならないだろう。

 

勿論その時には、交戦も覚悟しなければならない。

 

ただ今回は、殿がきてくれている。

 

この人の手腕には安心しかない。僕だと口八丁くらいしか回らないのである。

 

「さっきの仕事、受けてくれないか」

 

「こっちも仕事で来ていてね。 そうでなければこんな欲望まみれの街、御免被る。 特にうちは難しい年頃の子らがいるから、悪影響は与えたくなくてね」

 

「その子か?」

 

「いや、この子は普通の子供じゃない。 うちに来てくれている英雄の一人だ。 とにかく桁外れにつよいぞ」

 

冗談かと思ったのか、銀髪の子を見てマスターが笑おうとしたが。ニッカリの表情を見て、本当だと悟ったのだろう。

 

いずれにしても、支部を出る。

 

まずはターミナルだ。ニッカリは手にしている長物の銃を整備して、頷いていた。すぐ側にターミナルはある。入ってみると、案の場領域になっていた。

 

「あらー。 また来たのですわねー」

 

「今度は女の子か……」

 

「あらあら。 とにかく退屈を紛らわせるのは大事ですのよ」

 

さいですか。

 

僕が呆れていると、幼い女の子の姿をしている番人が、スカートを摘んで案内する。こいつが蠅の王ベルゼバブだと思うと、それに対してあまり良い感情は抱けない。

 

ワルターが前に出る。

 

前にイザボーが色々指導した事もある。妙な腐れ縁が生じていて、それで逆に遠慮がなくなっている。

 

まあ僕も、しらけた目で見ているし。ヨナタンもどう反応して良いか分からないようである。

 

「いいからさっさと悪魔だしな。 俺たちも仕事で、それなりに忙しいんでね」

 

「もう、ちょっとくらい話につきあってくれてもいいじゃないですの」

 

「……」

 

ぱちんと指を鳴らす番人。

 

姿を見せたのは、なんだこれ。ちょっと僕には、なんと言って良いのか分からない姿の悪魔だった。

 

それは巨人、なのだろうか。

 

全身に大量の目がついていて、人型なのに露骨な異形だ。特徴的な相手だからか、すぐにバロウズが解説してくれる。

 

「鬼神アルゴスよ。 ああ見えてギリシャ神話の神々の忠実な下僕で、各地で神に仇なす怪物を狩って廻っていた存在よ。 特に大きな手柄は、神々の最大の敵の一人、蛇神エキドナを倒した事でしょうね」

 

「なるほど、神に対してとても強く出られると」

 

「しかも全身の目を交互に使って眠るため眠る事がなく、全身に死角がないわ。 一説には孔雀から生じた悪魔ともされている存在よ」

 

「あらあら、説明どうもですわー。 今回は死角のない対悪魔に特化した悪魔。 さあどう攻略します?」

 

番人も楽しそう。

 

まあ、こういう相手なら、やる事は決まっている。

 

僕がハイピクシーを呼び出し、ハンドサインを出す。そうすると、ニッカリさんはなんだか丸いのを取りだした。

 

あれが何かしらの武器である事は分かる。

 

アルゴスが唸りながら立ち上がる。全身に充溢する気迫は凄まじく、流石に言われるだけの事はある。

 

だが。

 

「てえっ!」

 

僕が声を掛けると同時に、イザボー、魔術戦部隊の悪魔達、一部の天使が、一斉に雷撃の魔術を放つ。銀髪の娘も、恐らく魔術だろう。何かの閃光を炸裂させた。

 

それだけじゃない。

 

ニッカリさんが投擲したものが炸裂。

 

皆が顔を庇う中、それが凄まじい光を放っていた。

 

アルゴスが悲鳴を上げる。全身の目を閉じてしまう。

 

色々な悪魔と交戦して僕は知らされたことがある。

 

古い時代、目というのは力の源泉とされていた事がある。目が妙に多い悪魔や神々がちらほら見かけるのはそれが理由だ。

 

アルゴスという巨人は、まさにそういった思想の権化。

 

悲鳴を上げてもがいているアルゴスに、僕とワルターが突貫。そのまま、ワルターが大剣を頭に叩き込み、僕は両足の腱をオテギネで払い、一撃で切り裂く事に成功していた。勿論本来だったら通らなかっただろう。

 

全身の目を閉じてしまったから、その力の大半が失われ。

 

それで何もできなくなってしまったのだ。

 

アルゴスが尻餅をつく。

 

目を開ける前に、更に後から来ていたヨナタンが、グラムで心臓を貫いていた。ぎゃっと悲鳴を上げると、それでも最後の抵抗と、アルゴスが目を開けようとするが。しかし、往生際が悪いとワルターが首を刎ね飛ばす。

 

僕は其処までする気にはなれなかったが。

 

いずれにしても、それで勝負があったのだった。

 

アルゴスが消えていく。

 

マグネタイトの量も多い。

 

まともにやりあったら、かなり手強かっただろう事は分かる。だが、真面目にやりあう必要はない。

 

バロウズがガントレットに表示したのだが。アルゴスを倒したのは、ヘルメスという神。フジワラが従えている神の一体だが、これが殆どとんちに近い形で倒している。

 

要するに、そういった相手だったのだ。

 

まともに戦って怪我をしても、馬鹿馬鹿しいだけ。

 

武勲を競うような相手でもない。

 

「見事。 特定条件で強くなるタイプの悪魔は、君達が相手だとちょっと分が悪いようだな。 我等が主には、その辺りも伝えておこう。 いや、伝えておきますわー」

 

「もう子供のふりはいいよ蠅の王。 貴方の事は調べた。 バアル信仰が貶められた極北の存在。 それもあって、色々思うところがあるのは分かるけれど、僕達以外の人間に手強い悪魔をけしかけるのはやめて。 人が入れなくするようにするだけでも良い筈だよ」

 

「そう言われても、主はこの末世を打開する人材を望んでいるのだ。 私だっていちいち空間を跳んでターミナルの守りをするのは億劫だし、もっと色々と仕事をしたいのだがな、中間管理職の悲しさよ。 適当に放たれている堕天使どもとは立場も違うから、その分不自由も増えるのさ」

 

なるほど、ホープ隊長みたいな地位と言う訳だ。

 

同情が視線に篭もったからだろうか。

 

番人は苦笑する。

 

「悪いが、私は今の主君を気に入っていてね。 悪魔としては私より若い存在ではあるんだし、その存在に神話的な裏付けだってないんだが。 それでも魔のカリスマとして人気が出て、それが故に力を持ったというその事自体が、さながら人間の信仰に対するアンチテーゼではないか。 だからこそあの御方を私は好きなんだ。 君達は、私の仕事を減らしたいなら、各地でターミナルを自力で開放してくれ。 そうすれば無駄な事をしなくてもすむからね」

 

「……分かった。 そうするよ」

 

「すまないが、他には話はできん。 それではな」

 

すっと番人が消え、ターミナルが残る。

 

ニッカリが大きく嘆息していた。

 

「話には聞いていたがあいつは本当に魔王ベルゼバブのようだな。 それとあれだけ気軽に話せるとは、とんでもない度胸だな君は」

 

「まあ、性分です。 それよりも、引率お願いします。 これからが本番ですから」

 

「分かっている」

 

「ニッカリさん、僕達は一度東のミカド国に此処から戻って休憩を入れてきます。 彼女と少し休んでいてください」

 

ヨナタンが銀髪の子を視線で指していうので、分かったとニッカリが受けてくれる。

 

まあ、銀髪の子には殿もついているし、問題が起きることはないだろう。

 

何より銀髪の子はもの凄く行動が落ち着いていて、色々苦労した事が一目で分かってしまう。

 

子供みたいに遊び回ってさらわれるみたいなことは起きないだろう。

 

東のミカド国に戻り、休憩を入れる。

 

さて、此処からだ。

 

黒いサムライが何を目論んでいるかは知らないが、いずれにしても次で最悪、今まででもっとも悪い条件での戦いをしなければならないかも知れない。

 

バロウズが教えてくれる。

 

ハイピクシーが転化出来るようだと。

 

僕は頷く。

 

厳しい状況の中、これで少しはまた、希望が見えてくるかも知れなかった。









銀座で金の事しか口にしない東西南北を守るガイア教徒を見て、げんなりしたのは自分です。

後半になってくると此奴らが要求してくる金額も遺物で集められるんですが、力こそ金とか言われると、お前別にこの世界じゃなくても良かっただろとぼやいてしまいますね。




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