ここ、原作だと本当に面倒なんですよね。ワープ地獄で。
真2以前のメガテンほどダンジョンは鬼畜ではありませんが、代わりに4は視点変更を使わないと分からないギミックが多く、中途半端に立体化したのと(弱い敵シンボルが逃げていかないのもあって)色々ダンジョンは大変でした。しかもシステム的にとにかく死にやすかったですからね。
しっかり休憩を取ってから、ガイア教団の本部に向かう。驚くほど開放的な造りになっていたが。
周りにはとんでもない気配だらけだ。
下手に近付くなと霊夢が警告してきていたのは知っていたが。
これはちょっとばかり、洒落にならないだろう。
それだけじゃない。
雑多な悪魔が彷徨いていて、隙さえあれば人間を食おうとしている。僕達にも何度か襲いかかってくる。
夜叉というらしい。
逞しい男性型の悪魔が襲いかかってきたのを、銀髪の子が不可視の斬撃で切り裂き、足を止めたところにまた不可視の攻撃で穴だらけにしていた。中空に何かいるらしい。それを見て、他の夜叉は見かけ通りの相手ではないと判断したのだろう。距離を取って、ぐっと歯を噛んでいた。
他のガイア教徒はどうしているのだろうと思ったが。
恐らく、隙を見せれば襲われるのだろう。
それも、襲われたら自己責任と言う訳だ。
無茶苦茶だなと、僕は思うが。
ともかく、今は進むしかない。
聖堂に入ると、流石に荘厳な場所になっていた。ただ荘厳な雰囲気の一方。彼方此方に絵が描いてあるが、いずれも暴力を振るう絵だったり、或いは原色で男女がまぐわう絵が描かれていたりと、ちょっとげんなりしてしまう。
なるほど、そういう場所なんだな。
カガに少し話は聞いていたが、確かにこれは。
まあこう言う場所があう存在もいるかも知れないが。これを他人に押しつけるのはあってはならない。
僕に言わせれば、それは東のミカド国で天使達がやっているのとほぼ変わらない。
流石に聖堂に入ると案内が現れる。
ガイア教団のそれなりに偉い存在らしい。
以前双子の老婆がいるのを見かけた。その双子の老婆ではなかった。
逞しい長身の男性で、筋肉ムキムキで。数体の悪魔を従えている。
逞しくて、つよい。それは結構。
だが年を取って衰えたら、この人は悪魔のエサになる事を甘んじて受け入れるのだろうか。
そんな疑問しか湧かなかった。
「ユリコ様から聞いている。 人外ハンターとサムライが来るから通すようにとな。 あの西王母を討ち取った猛者達だろう。 此方に来るが良い。 我等は強き者を歓迎する」
「そのユリコに害を及ぼす可能性とかは考慮しないの?」
「面白い事をいうな。 ユリコ様の戦闘力は、聖堂を守っている方々と大差ない。 それに仮に倒されるとしたらそれまでということだ。 我等としては、また強い存在の麾下に入るだけだ」
「……」
これはあかんな。
多分その強い奴に腹が減ったからエサになれと言われたら、喜んで身を捧げるのだろう。天使共とは逆の意味での狂信者だ。
カガがこれらの中ではまともだった事を僕は間近で見て思い知らされた。
話している分には、即座に襲いかかってくる事はないだろう。
だが、一緒に住めるかというと話は別である。
体を鍛えて強くなるというのは止めないが。
こんな思想を世界中に拡げられたら困る。
人間を止めて動物になれというようなものだ。
動物ですら、互いに相手を思いやるようなことはあるというのに。
「武装解除すらしないのかしら」
「必要ない。 仮に襲われて倒されるなら、私もそれまでだったということなのでな」
「徹底していやがるな……」
「ガイア教団では時々序列を争って戦いが起きるが、それがそもそもガイア教団のあり方だ。 それだけなのだ」
うん。もうちょっと動物でも理性的だぞ。
そう言いたくなるが、我慢する。
ともかく複雑な回廊の中を案内されるが、バロウズに言われる。
何度か空間を跳んでいると。
この聖堂の中は空間が歪んでいるらしく、それで見かけよりも内部がずっと複雑な迷路になっているようだ。
堂々と案内しているように見えるが、特定の手段を経ないと奧に行けない可能性が高いし。
それも或いは、可変性があるのかも知れない。
一応、バロウズに道については覚えていて貰う。
そうしないと、いつ迷子になってもおかしくなかった。
途中で、背の高い赤い肌の大きな悪魔が姿を見せていた。手には三つ叉の槍を持っている。
ぞっとするくらい強い悪魔だ。
戦ったら、無事に切り抜けられる自信は無い。
「ベリアル様。 この方々が例のサムライ衆と、西王母を倒すのに活躍してくれた娘、それと人外ハンターの代理人にございます」
「まだ若いな。 二十歳前か」
「18です」
「そうか。 無駄に命を散らさぬようにな」
ベリアルという悪魔は、それだけ言うと見張りに戻っていった。銀髪の娘を見て複雑な顔をしていた。
案内のガイア教徒が教えてくれる。
「ベリアル様には娘がおられてな。 最近は姿をお見せにならないが、もう一方ネビロス様という方とともに、擬似的な家族を構成しておられる。 二人ともその娘をとても可愛がっておいでで、他の娘にもああした優しい目を時々向けておられるのだ」
「そう。 ちいさな女の子だけではなくて、誰にでもその視線を向けて欲しいものだけれどね」
「この荒れ果てた東京で面白い事をいうものだ。 そういう事をいう余裕があること自体が、強さの証なのかも知れぬな」
ガイア教徒はそういうが、僕にはあまり感心できない。
優しい目を向けるなら、子供が殺される状況を止めろよとも思う。ガイア教団で体が弱い子供が殺されているのは周知の事実だ。それを止める力もある筈だろうに。
広い部屋に出る。
四方に柱があって、なんだか歪んで見えている。
此方だと言われて、柱の間を複雑に歩く。道を外れると、戻ってくるまで一苦労であるらしい。
広間をぐるぐる歩き回って抜けると、また通路に出る。
其処で案内は止まっていた。
「大事な話だと言う事で、私はここまでだ。 先へはそなた達だけで行くようにせよ」
「立ち会いはいいのか」
「かまわない。 私は案内を任されただけの者だ。 お偉いさんの話を聞く地位にはない。 力が全てを決める組織では、それが全てだ」
戻る時は、そのまま広間に入れば入口に出られる。
そういって、男は通路を出ていった。
僕は嘆息していた。
「徹底した自己鍛錬の結果があれだとすると、ちょっと考えてしまうね。 ある意味狂信の極みだ」
「人としての強みを捨てているという糾弾は私も聞いたことがある。 それには納得が行くな」
ニッカリもぼやく。
ニッカリは本来なら引退している年齢の戦士だ。それでもこの東京では引退を許される状態にはない。
いずれにしても、この先でユリコが待ち受けている。
皆に、準備を整えるように指示。
全員、頷く。
皆悪魔の調整も終えている。
僕も昨日のうちにハイピクシーの転化をすませていた。それでハイピクシーは、ラハムほどではないが、魔術戦をやらせたらかなりの使い手にまで成長していた。まだ上があるかも知れない。
準備万端。
それを確認すると、通路を進む。
奧には、床に大きな模様が描かれた部屋があった。
バロウズが曼荼羅というものだと教えてくれる。
本来は、仏教思想を絵にして表すものであるらしい。此処に書かれているのは、それを呪術的に文字で表したものだそうだ。
もう気配は感じている。
奧には上座があって、其処には黒いもやみたいな影が座っていた。
間違いない。
奴だ。
「ようこそ。 これでようやく話が出来るわね」
「……内容次第だね。 それで?」
「現在、阿修羅会に対して貴方たちは決め手を欠いている。 此方で隙を作ってあげましょう」
くつくつと影みたいになったユリコは笑う。
殿が前に出る。
それを見て、別にユリコは驚かない。
「わしの事に気付いているようだな、原初の人間の最初の妻」
「ええ。 その子はその子で凄い英雄のようだけれども、武力という観点とは違う意味での強さを感じていたもの。 貴方は武力よりもその知恵と手腕で実績を為した英傑。 そういう意味では、たぶらかし甲斐がありそうだと思ってね」
「アホらしい。 わしが興味を持つ女はしっかり子供を育てた実績を持つ者だ。 お前はどうだ。 子供を大量に産み散らかすだけで、育てられた試しがなかろう。 子供は全て道具扱いであろうが」
「あら、耳が痛い。 しかし貴方は、それをいうだけの資格がありそうなのも困った話だわ」
毒のある応酬だな。
それにしても、ちょっと驚く価値観だ。
子供を育てた経験のある女性がいいというのか。
東のミカド国では、夫を亡くして再嫁する場合、色々と言われる事が多い。いわゆる処女信仰というのがあって、それで許嫁以外と関係を持つのは論外と言われる事も多いのである。
ラグジュアリーズはそうでもないようだが、カジュアリティーズは少なくともそうだ。
僕もそういう価値観が周囲で当たり前の環境で生きてきたから。
殿の言葉と価値観はちょっと不思議だった。
「それはそうと、その隙とは何か。 何を求める」
「私が求めているのは阿修羅会の討滅よ。 奴らは少しばかりやり過ぎているし、無能なタヤマと、それ以上に無能な部下達に、大きな力をこれ以上握らせておくのはまずい。 貴方と同時期に姿を見せた英傑の中に、戦う力はないものがいるでしょう。 知っている筈よ。 やりようによっては、大アバドンを東京に出現させる事が出来る厄物があることを」
「大アバドン……?」
「アバドンとは、地獄そのものと言われる大悪魔よ」
バロウズが解説してくれるが。
ちょっとそれがどういう意味かはわからない。
殿は無言で考え込んだが。
やがて、顔を上げていた。
「その隙とはなんだ」
「阿修羅会に唯一アベというまともな奴がいる。 その者の動きを封じましょう。 此方が仕込んだ罠でね」
「!」
「六本木ヒルズは、其方の総力を挙げれば落とせるはず。 赤玉の製造拠点となっている其処を落とし、守りについている必殺の霊的国防兵器を従えれば、市ヶ谷も落とす事が可能になるでしょうね」
具体的な日時などを、詳しくユリコが説明してくれる。
それを殿は、じっと聞いていた。
「なんなら、もう二三度殺されてあげましょうか?」
「ふん、どうでもいいわ。 戻るぞ皆。 状況を整理する」
「おっと、良いんですかい」
「ワルター、どの道此奴が呼びつけてきたのは、わしの存在を確認する事。 それに現状の皆の戦力を見る事が目的だろうよ。 わしの存在は既に此奴らには知られていたし、いずれガイア教団とは激突する可能性も高かった。 別に不満はないわ」
僕は挙手。
殿は、言ってみろと言う。
頷くと、僕はユリコに前から許せなかったことについて確認しておく。
「ガイア教団では男女でまぐわう事を推奨する癖に、生まれてきた子供を殆ど殺してしまうって聞いているけれど、それは本当?」
「本当よ。 弱い人間は必要ないのでね」
「だったらこっちで引き取るよ。 後、戦えなくなった老人や、体を壊した人についても希望者をね。 それを今回の話を受ける条件とする。 悪魔のエサなんて、信仰心と恐れで充分な筈だけれど?」
「そうだな、それも良いだろう。 其方の話などどの道信用できん。 此処とシェルターは近い位置にあるから、引き渡しも難しくは無いはずだが?」
殿も聞いてくれるか。
それは有り難い話だ。
しばし考え込んだ後、ユリコはふっと笑っていた。
「赤玉に加工されると面倒だったから処分していた面もあったのだけれど、良いでしょう。 ただし金をそれなりに用意して貰うわ。 ガイア教団というのはそういう組織よ」
「かまわんよ。 マッカ程度で未来を買えるのなら幾らでも買ってやるわ」
「あら、貴方伝承ではケチだという話なのに」
「金というのはな、必要な時に使えば良いのであって、そうでないときには使わずに貯めておくものだ。 そうしなかった奴は滅びた。 その教訓をわしは間近で見ていた。 それだけの話だ」
ユリコの奴、殿の正体も完璧に見抜いているらしい。
それについてはちょっと興味もあるが、いずれにしても無為に殺される子供達がいなくなるのは良い事だ。
即座に戻る事にする。
僕としてはユリコをブッ殺しておきたい所ではあるのだけれども。
ずっと殿が仕掛けるな、と合図を出していた。
今はやるべきときではない。
そういう事だったのだろう。
確かに僕もサムライ衆だけでガイア教団と事を構えるのは気が進まない。ベリアルと同等の悪魔が複数ついているということだったし。
それに、ユリコと対面してみて分かった。
危惧していた通り、奴の周囲には強い悪魔の気配が多数あった。もしもユリコと殺し合いになる場合、ユリコだけを相手にするわけにはいかず。この聖堂を攻城戦で攻め落とすくらいの覚悟がいるだろう。
あの場で戦うのは、殿が憑いている銀髪の娘が相当な強者である事を考慮しても無謀。そう判断出来るくらいの頭は、僕にもある。
最悪でもこの場にいる面子に加えて霊夢と秀と規格外マーメイド、それに人外ハンターの精鋭での総力戦を仕掛けたかったし。
残念だが今はその力がないのだ。
聖堂を出ると、あっさり入口についていた。本当に空間が歪んでいるらしい。
僕は嘆息する。
ガイア教団のさっきの信徒が、もう話はついたのかと聞いてくる。僕は頷く。この人も、まっとうな生き方が出来ていれば、こんな組織にいなくても良かっただろうに。
帰り道を護衛してくれる。
外では、悪魔同士が争っているようだった。
勿論誰も止めない。
死んだ方が悪いという理屈では、それは正しい行為になるのだろう。
やがて断末魔が上がった。
誰も驚いている様子もない。
ここではいつものこと、というわけだ。
「銀座に寄っていくといい。 大戦前の自衛隊の装備なども、金さえ出せば手に入る。 それに早くから阿修羅会が銀座は制圧していたこともあって、街も比較的無事だ。 時々戦闘が発生するが、それでも動いている店も少なくない」
「時々戦闘が発生するって……」
「俺もどちらかといえば荒くれだがな、ちょっとやり過ぎだな……」
イザボーが呆れて。ワルターもそれに同調していた。
これもこの街のあり方だとガイア教徒は言うのだが。
僕はそうか、としか答えられなかった。
ターミナルは開放してあるので、其処から戻る。銀座にはこれでいつでも来られる。
あの聖堂を制圧するために来る可能性も生じてきた。それについては、今度考えるとして。
シェルターに戻り、そこでヨナタンに提案された。
「そろそろ塔についての話をギャビーにされるかも知れない」
「そういえば彼奴が救出しろと言っていたな。 だがもしも東のミカド国につれて行きでもしたら……」
「そうだ。 東京に地獄がもたらされる。 さっきユリコが言っていたが、下手をすると大アバドンが生じる危険なものすらあるという。 もしも阿修羅会ではなく、大天使達がそれを抑えでもしたら……」
「そうだね、地獄になる」
ニッカリも交えて、軽く話をしておく。
ニッカリも幹部だ。
殿の正体については知っているようだが、ただユリコと違って、まだ憶測の段階のようである。
ニッカリが提案する。
「しばらくは東のミカド国に戻らないのも手では」
「……それだとギャビーが怪しんでくる可能性もある。 他にもサムライ衆は出ていて、中にはギャビーの息が掛かっている者もいるかも知れない」
「此方の数日で向こうでは一年が過ぎてしまいますし、サムライ衆の拡充を急いでいる以上、此方に来るサムライ衆が増えるのは避けられないでしょうね」
「それならこうしておけ。 塔は制圧したが、封じられている三人の救出に手間取っているとな。 非常に衰弱していて下手に動かすと死にそうだし、匿っているといっておけば問題ないだろう」
ヨナタンは少し考え込んでから、分かりましたと殿に答える。
殿には僕も安心感がある。
実際ユリコに対して全く隙を見せていなかったし、軽口まで応酬していた。政治的な話は全部任せてしまいたいくらいだが。
それでは駄目だろう事も分かる。
難しい話である。
一度フジワラも交えて、話をしておくことにする。
フジワラを呼んで殿も交えて軽く話をすると、すぐに会議を招集してくれた。霊夢は寝起きの後色々と神田明神で作業をしていたらしいが。
やっとお酒が生産ラインに載ったらしく。
それで元気を取り戻している。
本当にお酒が好きなんだなと思って、ちょっと呆れたが。
まあ、それはいい。
六本木ヒルズの話が出ると、人外ハンター達に緊張が走った。
「いよいよ仕掛けるんですね」
「ああ。 やっと、赤玉を生産している悪の工場を滅ぼせるときが来た。 人質交換で彼処に送られた人々を二度助けたが、まだ彼処では赤玉が生産されている。 阿修羅会が決定的な隙を見せるというのなら、その時に仕掛けるしかない」
「問題は入口を守る必殺の霊的国防兵器、南光坊天海ですが」
「それなら対応がある」
殿が憑いている銀髪の子がこくりと頷く。
霊夢はじっとその様子を見ていたが。
特に異議は無いようだった。
「閉所での戦闘になる。 秀さん、ヒルズでの戦闘には貴方に出てほしい。 大威力の魔術は使うと捕らわれている人を巻き込む可能性がある。 装甲バスを横付けして、医療班で救出した人間をピストン輸送する必要もある」
「外の護衛が必要ね。 私がするわ」
「頼む」
マーメイドがそう言ってくれたので、フジワラがそれを許可。
今回は霊夢が此処を守るらしい。
ただ、日本神話系の神々と話して、残りの封じられている神々の場所について割り出す作業と。
例のミカエルウリエルラファエルの対処についてもかかりっきりになる。
ヒルズには一線級の人外ハンターをあらかた招集するらしいが。
純喫茶フロリダにはツギハギを配置し。
此処はフジワラが守る。
つまり、今回の戦闘では。僕達が最前衛で、かなり手強い相手とやりあわなければならないと言う事だ。
ただそれは上等である。
僕としても、東のミカド国のガンは一刻でも早く除きたい。
あのユリコもそうだし。
ギャビーもそう。
神話での正義と悪に別れる存在なのかも知れないが。僕からすれば、どっちも敵である。どっちも滅ぼさなければならない。
それには、出来るだけ急ぐ必要がある。
ニッカリはこのまま六本木に出て、阿修羅会の動向を監視するという。
志村は腕が悪いハンター達の最終訓練と、若い者の中から有望な者を選抜して戦闘訓練を仕込むらしい。
アサヒとナナシは関聖帝君に修練をつけて貰い、座学もするとか。
次は総力戦になる。
恐らく塔での戦い以来の規模になる筈だ。
それは嫌になる程分かった。
解散とフジワラが言うと、さっと皆が散る。僕達は東のミカド国に戻って、一旦休憩を入れる。
どうせユリコが言っていた阿修羅会の隙にしたって、今すぐ出来るものでもないだろう。
東のミカド国でしっかり休憩を取って、体を休めておくべきである。
ヨナタンに報告書を任せなければならないが。
それについては、ヨナタンがしっかりやってくれると信じる。
僕は久しぶりに戻った気がする隊舎で休むが。もの凄く寒くなっていて驚いた。此方では、驚くほどの速度で時間が経過している。
新人のサムライ達が目に見えて増えている。
二度の成人の儀で採用されたサムライ達が、奈落での訓練を終えて一人前として扱われているのだろう。
後で、訓練を頼まれるかも知れない。
僕としては別にどうでもいい。
今は、六本木ヒルズでの戦闘で。
この世の悪の果てに晒されている人々を、少しでも助け出さなければならなかった。
どうにか堪えて、ユリコとの取引を終えるフリン。
前に貸しは返したと宣うユリコの言葉に納得した訳ではありません。
今は優先順位が上のことがあるだけです。
赤玉に今も加工されている人々を救うのが先です。本作のフリンはそう考える事ができる奴です。
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