もう一人の東京守護者   作:dwwyakata@2024

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タヤマの元へ向かう英雄達とサムライ衆。

しかしその途中。

待っていたのは満身創痍のアベ。

仁義に生き愛を守るために、アベは本来だったら敵対しなくても良かった相手に、最後の力を振り絞ります。









2、日本神話最初の人の英雄

市ヶ谷の深部へと潜る。

 

僕は周囲を見回して、目を細めていた。気配が強すぎて、僕では何処にタヤマが呼び出したらしい必殺の霊的国防兵器がいるか分からない。

 

霊夢は分かっているようだが。

 

いずれにしても、これは厄介極まりない相手だと断言できる。

 

近付くにつれて、血と草の臭いが濃くなってくる。

 

この地下で草の臭いなんてする訳がない。

 

だとすると相手は、野原を駆け回って、幾多の戦いをしてきた存在と言う事なのだろうか。

 

黙々と歩く霊夢は、ずっと口を引き結んでいる。

 

ブツブツ呟いているのは、何かの詠唱か。

 

いや、違うなこれは。

 

恐らくだが、相手によってうつ対策を考えながら歩いていると見て良い。

 

最後尾をマーメイドが固めて、最前列を秀が守ってくれる。

 

これは秀が化身によって大技を受け流せるのが理由だ。本人がそう言って、最前衛を買って出てくれたのだ。

 

扉を蹴り開ける。

 

阿修羅会の者達が、ひっと悲鳴を上げた。

 

一瞥だけすると先に行く。

 

拳銃を手にしている手が震えていた。

 

「降伏するなら何もしない。 逆らうなら容赦しない」

 

「こ、降伏する! なんとか条約に従って、捕虜として扱ってくれ!」

 

「お前達が降伏した相手に対して、そんな扱いをしたのか? 笑わせるな」

 

身勝手な事をいう阿修羅会に、ドクターヘルが吐き捨てる。そして、すぐに人外ハンターを呼んで、身を確保させていた。

 

彼方此方の部屋で見つかる阿修羅会は、殆どそんな感じで、抵抗もせずに捕まっていった。

 

たまに恐怖から発砲するものもいたが、僕が手を出すより早く、秀が腕を切りおとしてしまう。

 

大げさな悲鳴を上げて哀れみを誘う様子が苛立つ。

 

此奴らが人間を加工して悪魔のエサにして。

 

それで悪魔から安全を買っていたのは、僕もその加工現場を見たから分かっている。

 

それで哀れみを誘って、仕方がなかったとかほざくつもりか。

 

こいつらは見境なく人を喰らう悪魔の同類だ。

 

だから、腕を切られようが悪魔の餌になっていようが、同情する気にはいっさいなれなかったし。

 

実際此奴ら自身、何処の世界の何処の法でも、厳罰が下される存在であることは確定である。

 

阿修羅会の幹部の女になっていた連中もいた。

 

子供もいるが、明らかに敵意を込めた目で此方を睨んできているし。

 

彼方此方の街やシェルターで見かけた子供と違って、太っている上に着ている服も露骨過ぎる程上物だった。

 

反吐が出る。

 

子供に手を出すつもりはないが。

 

なんか分からない言葉をこっちにわめき掛けて来た子供に対して、ワルターが掴むと、天井近くまで放り投げていた。

 

地面すれすれで掴み、また天井近くまで放り投げる。

 

それで、恐怖で黙り込む。

 

児童虐待だとか喚く阿修羅会の女。

 

お前にそれを言う資格はない。

 

そうワルターが喝破。

 

悪いが僕もそれと同意見だ。

 

掴み掛かってきたところを、僕が延髄に一撃入れて眠らせる。

 

後は人外ハンター達に任せる。

 

無駄に殺すつもりはない。

 

ただ、阿修羅会に股を開いて、それで楽な生活と安全を確保していた代わりに。たくさんの人を赤玉に加工して。それを知りながら、むしろ笑いながら見ていた。

 

その醜悪な行動と心は、これから徹底的に叩き直して貰う。

 

それで泣こうが喚こうが知った事か。

 

更に奧へ。

 

既に殺された阿修羅会の死体が散らばっている部屋に出た。いずれも幹部級のようだ。どれも抵抗しようと銃に手を掛けて、それでも殺されていた。

 

やったのはあのトキという暗殺者の子供だな。

 

そう思って、嘆息した。

 

阿修羅会の幹部は始末しておけ。

 

ガイア教団から、そういう指示が出ていたのだろう。悪いが僕には止める気はなかった。

 

奥の方から戦闘音が聞こえる。

 

それにしても、かなり地下に潜ってきたのだが。

 

悪魔の抵抗は既に散発的だ。僕が出なくても、殆どがワルターとワルターが連れている悪魔が片付けてしまう。

 

体力に自信があるし、霊夢や秀、マーメイドの戦力を温存したいという気持ちもあるのだろう。

 

それに何より、銀髪の子に人殺しをさせたくない。

 

そういう気持ちもあるのかも知れない。

 

戦闘音がしている部屋に入る。

 

両手に鉈を持ったトキと、灰色の髪の青年が向かい合っている。秀が、ぼそりと呟いていた。

 

「以前間諜として潜り込んできたハレルヤなる者だ」

 

「くそっ! 兄貴はやらせねえぞ!」

 

「そこにいるのが堕天使シェムハザだと知って守っているのか」

 

「知っている! それでも俺には優しい兄貴なんだ!」

 

ハレルヤはどちらかというと気が弱そうな青年だが、それでも感じる力に関しては凄まじい。

 

トキという子は、恐らくこれは気付けていないな。

 

無視して進んでも良いが、背後から強襲を掛けられても不愉快だ。

 

僕は前に出る。

 

トキが獲物を横取りするなと、冷えた声で言ってくるが。はっきり言ってその程度の技量では脅威にならない。

 

ハレルヤという青年は、ナイフ一本で良く暗殺の専門家とやりあっているなと感心はするが。

 

潜在能力を引き出し切れていないようだ。

 

「降伏するなら手出ししない」

 

「っ……! でも兄貴は許さないんだろう!」

 

「ハレルヤ、いい。 さがれ」

 

「兄貴!」

 

奧から出てくるのは、半死半生の様子のアベだ。

 

アベは唯一、阿修羅会でまともだと感じた相手だった。だが人間ではないことは既に分かっている。それに全身傷だらけで、何より人間の姿をあちこち保てていない。

 

余程の強敵にやられたということだ。

 

アベの正体がシェムハザで、ネフィリムという悪魔にやられたことは僕も聞かされている。

 

負傷してなおこのプレッシャーか。

 

いや、これは。

 

恐らくは、子を守ろうとする獣の気迫だ。

 

「アベ。 そのハレルヤって子は、人を殺したり、食ったりはしたの?」

 

「これでも阿修羅会の人間として俺は鍛えて来ました。 しかし、それでも人様に顔向け出来なくなるような事はさせてはいません。 それは阿修羅会ではなく……親としての俺が保証します」

 

「……兄貴分になっていたのは、気が弱いハレルヤを守るためだったんだね」

 

「そうです。 もしも俺の子だって事がばれれば、そのまま弱みになりましたから。 阿修羅会はそういう場所です。 愚かな連中を統御するためにも、俺は弱みを見せる訳にはいかなかったんです」

 

そうか。

 

トキという子は身動きできずにいる。

 

それはそうだ。

 

トキとアベでは、子猫と大猪ほど力の差がある。

 

銀髪の子が前に出る。そして、咳払いすると、トキとハレルヤを一瞬で気絶させていた。不可視の何かの攻撃だろう。

 

その手際は、鮮やかすぎるほどだった。

 

「アベよ。 そなたは阿修羅会で唯一マシな男だ。 降れ。 そうすれば悪いようにはしない」

 

「貴方が人外ハンター達の長ですね。 それは分かっていましたが、一体何者ですか。 神や悪魔ではないようですが」

 

「死後に神として祀り上げられはしたが、今はただ眠りから叩き起こされた幽霊にすぎんよ。 それで、降るか?」

 

「俺はタヤマさんに恩があります。 貴方たちがタヤマさんを許す可能性はない。 ならば、他に手はありません」

 

銀髪の子に憑いている殿は、大きく嘆息していた。

 

哀れみを込めた目。

 

或いはこういう不器用でだが強い信念を持つ相手を、たくさん斬ってきたのかもしれなかった。

 

「……そうか」

 

「僕がやりましょうか」

 

「いや、わしがやる。 アベ、いや堕天使シェムハザ。 ハレルヤと言ったか。 この者の身の安全はわしが保証しよう」

 

「感謝します」

 

アベの体が膨れあがる。

 

堕天使というには、両の翼をもがれてしまっている。

 

さっとマーメイドが、ハレルヤとトキを回収。二人とも縛り上げていた。

 

僕はワルターとともに前衛に出る。

 

銀髪の子はすっと身を低くすると、吠え猛るアベに向かって、正面から突進。アベは巨大に膨れあがった腕を振るって、叩き潰しに行く。

 

銀髪の子が加速。

 

腕の一撃を横っ飛びに回避。

 

追撃を掛けようとしたアベの腕が、根元から切断されていた。

 

大量の鮮血をブチ撒けながらも、アベは踏み込み、もう一本の腕で追撃を掛けようとする。

 

だが天井近くまで跳躍した銀髪の子が、多数の不可視の弾丸を叩き込み。アベの全身が穴だらけになる。

 

着地。

 

更に左右にステップしながら、間合いを侵略する。アベはそれでも踏みとどまり。血を吐きながらも、残ったボロボロの腕を振るって迎撃。殿は悪あがきをといわんばかりに、不可視の質量体で、腕をねじり潰していた。

 

あれは、金砕棒か。

 

僕が使っていたとんぼちゃんに形状が似ている。

 

更に、横殴りの一撃。

 

丸く体がえぐれたところからして、恐らくは球体による一撃だ。ぐっと呻きながら、両腕を失ったアベはそれでも両足で踏みとどまり、至近から銀髪の子に蹴りを叩き込む。

 

光の壁で防ぐ銀髪の子だが、弾き飛ばされて吹っ飛ぶ。

 

それでも転ぶことなく、着地。

 

とにかく立ち回りが冷静だ。

 

今のも光の壁を破壊される事を想定して、それで最初から後ろに飛んでいたのだ。

 

詠唱を開始するアベ。

 

なりふり構わず勝ちに来ている。

 

殿は嘆息したようだ。

 

銀髪の子は目を閉じると、詠唱を始める。

 

詠唱が終わるのは、ほぼ同時。

 

僕は念の為、アナーヒターとラハムを呼び出し、壁を展開させる。ヨナタンも天使達を呼び出し、壁を展開させていた。

 

「勝たせて貰いますよ、人界の英雄!」

 

「貴方は悲しい人。 でも、この下にいる悪い人を倒さないと、もっと悲しい人が増える。 だから、勝たせて貰うね」

 

この声。

 

あの銀髪の子の声か。

 

初めて聞いた。

 

ちゃんと喋れるのか。

 

或いは、敬意を払える存在に出会って、その最期を見届けると決めたからか。

 

普通の穏やかな女の子の。いや、年齢に不相応なほど落ち着いた声。この子がどれほどの地獄を見てきたのか。この声だけで分かる程だった。

 

烈光を、アベが放つ。

 

それに対して、銀髪の子が放ったのは、全域を抉り取るような術式だった。

 

一瞬だけ、巨大な異形が見えた気がする。

 

アベが放った烈光は、恐らく、アベが万全の状態だったら相討ちに持ち込めるほどの火力があったのだろう。

 

だが堕天使にとっても象徴であろう翼を失い。

 

両腕を失い。

 

全身を穴だらけにされた状態で放つそれは、もはや必殺技とはなり得なかったのだ。

 

術式は抉り飛ばされて消し飛び。

 

そしてその余波で、全身の大半を抉り取られたアベは、しばし立っていたが。やがてマグネタイトになって消えていく。

 

誰かの名前を呟いていた。

 

それはきっと、ハレルヤという子の母親の名前。

 

僕は礼をする。

 

悪魔だろうが、尊敬できる相手はいる。自分の子を守るために、全てを擲った奴を、誰が馬鹿に出来ようか。

 

激しい破壊に見舞われた部屋で。

 

悲しい戦いが終わった。

 

ドクターヘルが、馬鹿者がと嘆くと。捕獲したトキとハレルヤを回収するようにと、人外ハンター達に連絡を入れていた。

 

 

 

そこからは、誰も迎撃には出てこなかった。

 

勿論市ヶ谷に行かず各地に逃げ散った阿修羅会もいるだろうが、今頃奴らの所業は誰もが知ることになっている。

 

奴らの居場所なんかもう東京の何処にも無い。

 

狩られるだけだ。

 

そして誰もそれを助ける事はないだろう。全ては自業自得という奴である。

 

「アベ、たいした奴だったな。 親になるってのは、ああいうことなんだろうな」

 

「ああ。 阿修羅会に体を売って子供を産んだ親とはまるで別だった」

 

「あのような立派な殿方も堕天使だったのですわね。 まったく、何が堕天使の基準なのか、ますます分からなくなりましたわ」

 

イザボーも嘆く。

 

それはそうだろう。

 

愛と忠義に殉じた男の姿を間近にしたのだ。

 

恋愛が大好きなイザボーにも、思うところはたくさんあったに違いなかった。

 

殿は何も言わない。

 

恐らくあんな相手を、たくさん斬ってきた。その僕の予想は、外れてはいないようだった。

 

霊夢が足を止める。

 

それで、全員がぴたりと足を止めていた。

 

「いるわ」

 

「……血と草の臭い、至近だね」

 

「それにしても草の臭いってなんだよ。 農作業してると分かるものなんか」

 

「うん。 それにしてもおかしいね……」

 

なんというか、戦士とあまり合致していないというか。

 

ともかく、非常に厳重そうな扉に出る。

 

ドクターヘルが前に出ると、すぐにそれを開けてくれた。何重にもなっているそれは、力尽くでは僕達でも開けるのは苦労しそうな代物だった。科学技術で開けてくれるのなら、それは有り難い。

 

左右に開く重そうな扉。

 

奧には広い広い空間があって。

 

座り込んでいるタヤマと、散らばっている酒瓶。

 

それに、それを軽蔑しきった目で見ている、不思議な仮面をつけた男がいた。霊夢が、即座に特定する。

 

「間近まで気付けなかったわけだわ。 多数の人格が入り交じり、その本来の姿を隠している。 草の臭い、それは正解よ。 草薙の剣を用いて火攻めを回避した逸話を持つ英雄。 日本神話最古の、人としての英雄の主。 日本武尊ね」

 

「へへへ、ようやくきなすったか英雄方。 俺の王国を全部ぶっ潰して、何もかも奪って満足かい?」

 

「その体で酒なんか飲んでると死ぬよ」

 

タヤマに僕が指摘する。

 

此奴は病気だ。

 

手足にろくに血が通っていない。それは恐らくでは無く、確定で贅沢な生活をしていたからだ。

 

特に酒。

 

ヨナタンやイザボーにも確認はしてあるが、やはりラグジュアリーズにはこいつと同じような病気になるものがいるそうだ。

 

若い頃から酒を浴びるように飲んで。

 

それでこういう病気になる。

 

ドクターヘルが解説してくれる。

 

「症状からして糖尿だ。 それも遺伝性ではなく後天性のな。 本来なら薬や治療設備もあるんだが、此奴が皆壊して殺したから誰にも治療できん。 それに重度になると何をしても手遅れだ。 どの道其奴は長生き出来ん」

 

「そういうことよ。 ひひっ。 だから酒ぐらい好きに飲ませろや、ああん?」

 

「そのお酒にしても、他の人が誰も飲めないくらいの貴重品を勝手に独占したものでしょ。 そんなに酒ばっかり飲んでいたからその病気になったんじゃないのかな」

 

僕としては以前此奴に対しては全力でキレた。

 

だからもういい。

 

今は頭もいたって冷静だ。

 

これで分かったが、既に此奴には出来る事なんて一つも無い。縮退炉について知識があったとしても、手元がふらついてまともな操作なんてできないだろう。

 

へらへら酒の力を借りて笑っている姿は。

 

死刑を執行される前の罪人同様だった。

 

こんな奴が東京を支配したから、全てが狂ったんだ。それがよく分かったから、僕は此奴には同情しない。

 

ただ、軽蔑だけする。

 

タヤマは、側に立っている最後の必殺の霊的国防兵器に命令を出す。

 

「日本武尊よう。 どうだ、お前が望んでいた英雄達が来たぞ。 殺し合えよ」

 

「……」

 

無言で前に出る甲賀三郎と南光坊天海。

 

日本武尊は反吐が出るような表情で飲んだくれているタヤマを見据えると、前に出ていた。

 

これは、なんとなく分かる。

 

武人として、最後の名誉を守りたい。

 

そんな気持ちなのだろう。

 

気持ちはわかるが、それでも。あまり良い気分はしなかった。

 

日本武尊が言う。

 

「今の私はタヤマの犬だ。 すまない。 あまり加減は出来ない。 この愚かな男に制御用の札を、この国の大臣が渡さなければこんな事には」

 

「大臣が?」

 

「……大戦の混乱の中で、まだ権力にしがみついていたこの炉を作った大臣は、誰でも良いから護衛を欲しがった。 自衛隊も在日米軍も、大臣を罪人として追っていたからな。 そんな中、大臣が唯一手を借りられたのが阿修羅会だった。 阿修羅会の上部組織も大臣を追っていたからな。 タヤマはその時だけ頭が働いた。 アベも側にいたから、余裕があったのだろう。 タヤマは戦力を温存しながら力を蓄え、東京が闇に閉ざされ、悪魔討伐隊の戦力が消耗しきるのを確認してから、我等を従えて闇から這い出たのだ」

 

「おう、そうだそうだ。 何しろ何もかも力を持つ奴は死に絶え、三英傑しかのこらなかったからな。 三英傑も大天使どもとの戦いで手一杯。 だったら俺にもチャンスがあるよなあ!」

 

タヤマが酒に狂って喚く。

 

首を横に振る日本武尊。

 

心の底からタヤマを軽蔑しているのが分かった。

 

どんと酒瓶で床を叩くタヤマ。

 

「さっさと殺せ日本武尊! 其奴らを皆殺しにした後、この炉を暴走させてやる! 何も手に入らないんなら、全部ぶっ壊してやるまでだ! ひひひっ! どうせこの東京、ほっとけば悪魔か天使に食い尽くされるだけだからな! それならいっそ、今ひと思いに楽にしてやんよ!」

 

「口だけだ。 そんな事を出来る手段を奴は知らない。 だが、私が奴の命令に逆らえないのも事実。 この情けない犬を、叩き斬れ。 未来の為にも!」

 

日本武尊が、数体に分裂する。

 

ぎょっとしたが、霊夢が来ると叫んでいた。

 

これは、総力戦だな。

 

あれは残像の類じゃない。ほぼ確定で、全てが力を持った分身だ。元々凄まじい力を持っている。

 

その上霊夢がいうには、多数の人格を持つ存在。ならば、人格ごとに肉体を作り出せるのかも知れない。

 

全員が散る。

 

戦闘が始まる。

 

阿修羅会を潰しても、まだまだ東京に悪魔はたくさんいる。何を目論んでいるか分からないガイア教団だっている。

 

それに何より、大天使達は東京を全て滅ぼすつもりだ。それに対処しなければならないし。

 

何よりも、太陽さえない東京の人々を、如何にしてか救い出さなければならない。

 

真っ先に突っ込んできた日本武尊を、僕がオテギネをしごいて迎え撃つ。

 

ワルターも、秀も、銀髪の子も、マーメイドも。ヨナタンも。

 

それぞれ武技を悪魔を展開し、交戦を開始。

 

イザボーは飛びさがると、詠唱を開始する。イザボーの悪魔も全て展開され、イザボーを守る。

 

げらげらと笑うタヤマの声だけがノイズだ。

 

「あひゃははは! みんな死ぬ! みんな死ぬんだあ!」

 

その声には、もはや哀れみすら感じなかった。

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