もう一人の東京守護者   作:dwwyakata@2024

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4、新たな局面へ

市ヶ谷に結界を貼り、更には甲賀三郎と南光坊天海に守りを固めて貰う。他の必殺の霊的国防兵器の内、オモイカネは比較的容易に復活させられそう、ということだ。逆に日本武尊は大綿津見神を霊夢が神降ろししてやっと、ということだそうだが。

 

ただ、僕達も力が上がっている。

 

そろそろ他にも、色々出来る事が出てくるかも知れない。

 

裏技ではなく、実力で必殺の霊的国防兵器を悪魔合体で呼び出せるようにするとか。

 

ともかく、シェルターに戻る。

 

市ヶ谷には、これから純喫茶フロリダの機能を移して、第二の人外ハンターの拠点にするそうだ。

 

縮退炉はドクターヘルが現状維持の状態にしたので、それまで。

 

一度市ヶ谷に散らばっている兵器の残骸の回収と復旧に努めて欲しいとフジワラが頼み。

 

まあそれも仕方がないかとドクターヘルも納得していた。

 

納得した理由は簡単だ。

 

あのヒカルという奴の本性と。

 

それに、クリシュナという奴の実力。

 

それらを間近で見たからだ。

 

あれは実力伯仲だった。

 

あの場で二体が戦いはじめたら、あの場の全員が倒されていただろう。帰路、それは話しておく。

 

殿も、それは認めていた。

 

帰路のバスの中で話す。

 

「どうやら東京は新しい局面に入ったようだな。 今後更に荒れることを覚悟しなければなるまいて」

 

「次はどうするんで?」

 

「不安要素を一つずつ排除する。 まずは市ヶ谷を固める。 霊夢よ、頼めるか」

 

「ええ、分かっているわ。 少なくともあと二三体、必殺の霊的国防兵器をよみがえらせる必要があるわね。 元、というべきかしら。 今後は自分の意思で従って……いや協力してくれるはずよ。」

 

戦闘力が劣る八十禍津日と、霊夢がある程度縁があるオモイカネが候補に挙がるらしい。この二体なら、大綿津見神を神降ろしすれば、それほど疲弊せずに呼び出せる可能性が高いそうだ。

 

「次は東のミカド国だ。 大天使どもの形を変える」

 

「いよいよですわね」

 

「ああ。 東のミカド国を壟断していた大天使達を排除する時が来た」

 

イザボーとヨナタンが乗り気である。

 

僕としては、それでいいのだろうかとちょっとだけ思った。他にも懸念事項があるからだ。

 

ともかく、東のミカド国も、どうにかしないとまずいだろう。

 

咳払いすると、殿が言う。

 

「政にかんしてはわしに任せておけ。 東のミカド国とやらの状態は把握しておる。 ヨナタン、そなたの悪名を利用するぞ。 悪いが、彼方で王になって貰う」

 

「えっ……」

 

「実際の血縁なんぞどうでもいいわ。 実際問題、わしの生きた時代では、「家系図」を作るのが流行っておってな。 誰も彼もが、ありもしない先祖からの血縁をねつ造して、それで偉大な血を引いているなどと自称していたものよ。 馬鹿馬鹿しい話だが、バカ相手にはそれで充分だと言う事だ。 政治の方は任せろ。 数ヶ月ほどで安定させてやる。 ただその間、ある程度の鉈を振るうことになるがな」

 

ヨナタンがしばらく黙り込んだが。

 

分かりましたと、覚悟を決めた顔で頷いていた。

 

向こうで数ヶ月だと、こっちだと数日か。

 

幾つかの事を平行でやるしかないか。

 

殿が手を叩いて、順番に話をする。

 

「というわけだ。 まずは霊夢、必殺の国防兵器の復活からだ。 まだ残念ながら少し実力が足りんのであろう。 負担は掛かるが、神降ろしからの悪魔合体を頼むぞ」

 

「ええ、それしか無さそうね」

 

「その後は大天使達をどうにかする。 そもそも調べて見たが、あれらは一神教成立前から各地で神として崇められていたものであろう。 その状態にせよ。 それで軛を脱することが可能となる」

 

「負担が大きいけれど、まあどうにかするわ」

 

その後、僕達と殿で、スカイツリーを昇り、奈落経由で「古来の本来の姿」になった大天使とともに東のミカド国へ行く。東のミカド国のターミナルを殿は登録しておらず使えないので、殿を護送して連れて行く事になる。直に登録しないとその場所にいけないのが、ターミナルの不便な所だ。

 

そして、もう一つ。

 

「マーメイドよ」

 

「はい……」

 

「それで、そなたは何を目論んでいる」

 

「少し長い話になるの。 シェルターで話しましょう。 でも、この世界を悪いようにはしないし、させないとだけ」

 

そうかと、殿はため息をついた。

 

僕は話が終わった所で、皆に提案しておく。

 

「じゃ、シェルターに戻るまで休憩しておこう。 これからまた忙しくなるし、横やりが入る可能性も高いしね」

 

「賛成だ。 それに、まずお前、その服洗濯しろ。 後、傷は大丈夫なんだろうな」

 

「問題ないよ。 これでも体は丈夫だし」

 

「いや、驚異的ですわ……」

 

イザボーが呆れる。

 

ちょっとだけ空気が柔らかくなったかも知れない。

 

東京を大アバドンが飲み込む事態はかろうじて避けられた。だけれども。いきなり二体の強大な存在が姿を見せた。

 

その存在らが何を目論んでいるのかはまだ分からない。

 

目論み次第では戦う事にもなりうる。

 

あれらの実力は、日本武尊よりも更に上だとみた。

 

だとすれば、なおさらに。

 

まだ、力が足りない。

 

ただ、力を錬磨しなければならなかった。

 

僕に出来るのは、一筋の槍として、困難を貫くことだけ。そのために僕は。まだまだ倒れるわけにはいかない。

 

 

 

(続)








陥落した市ヶ谷。そしてクズの手から縮退炉は無事に取り返すことが出来ました。

次回、マーメイドの真実が本人の口から語られます。











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