レースとウイニングライブを終えたわたしは白雪トレーナーと一緒にトレセン学園に帰った。
トレーナー室に到着すると、白雪トレーナーはすごく心配そうな顔でわたしに尋ねる。
「ウララさん……どうしたの、あの走り?ライブの時も別人のようだったよ」
「……トレーナー」
「なに?」
「わたし……これから勝ち続けるよ」
わたしの言葉を聞いて、白雪トレーナーは目を大きく見開く。
「トレーナーがわたしを選んでよかったって思えるウマ娘になるよ」
もう白雪トレーナーを悲しませたりしない。
そのためなら勝利という結果を生み出す機械になってみせる。
レースも、ライブも支配する魔王になるよ。
「だから……ずっと見てて」
「ウララさん」
「それと……今回のレースで1着を獲ったからトレーニングマシンが使えたり、すごく走れる秘訣の本が借りられるんだよね?」
「そ、そうだね」
「なら今すぐそのトレーニングマシンを使って、本を読もう」
「い、今から!?」
「うん。一秒でも早く強くなりたい」
もう負けないために、鍛え続ける。
だって弱い自分は捨てたのだから。
楽しく走るだけのあのハルウララはもういない。
これからは……勝ち続けるウマ娘の魔王になる。
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それからわたしは新たなトレーニングマシンで己を鍛え、走る秘伝の本を読んだ。
おかげで前より強くなったのが分かる。
次のレースはG1……絶対に勝ちに行く。
そのためには……アレを捨てないと。
「……」
トレーナー室のゴミ箱の前で、わたしは……勝負服を持ったまま立っていた。
赤い鉢巻きとピンクの体操服……これはハルウララの大切な勝負服。
わたしが……俺が好きなハルウララの衣装。
だけど……もうこの勝負服はいらない。
弱い自分はいらないんだ。
だから、
「さよなら……
わたしは勝負服をゴミ箱に入れ、蓋を閉めた。
感情を捨てたからか……なにも感じない。
「これで……いいんだ」
すでに注文してある。
魔王となったわたしに相応しい勝負服を。
もう弱い自分はいない。
今、いるのは……永遠に勝ち続けるウマ娘の魔王だ。
「さて……トレーニングを始めよう」
わたしはトレーニング用の体操服に着替え、トレーナー室から去っていった。
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トレーニングを行うために、トレーナー室から去っていったハルウララ。
誰もいないトレーナー室に二人のウマ娘が入ってきた。
「「……」」
二人のウマ娘はゴミ箱の蓋を開け、ピンクの体操服と赤い鉢巻きを取り出す。
そして彼女達は……なにも言わずトレーナー室から出て行った。
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