「わたしに……決闘?」
トレーニングをしていたわたしのところにやってきたライスシャワーとキングヘイロー。
二人はわたしに決闘を申し込んできた。
「ふ、ふざけて言ってないよ」
「私たちは本気よ」
覚悟を宿した瞳で、わたしを見つめる二人のウマ娘。
彼女達が本気で言っているのが分かる。
「……理由を聞いても良いかな?」
わたしが問うと、先にライスシャワーが答える。
「どうしても……聞きたいことがあるの。ウララちゃんに?」
「わたしに?」
「うん。なんでそんな風になったのか……知りたい」
キングヘイローは前に出て、「私も同じよ」と告げる。
「あなたがなぜ魔王になったのか知りたいの。だから……あなたに私達と決闘する権利をあげるわ」
「……」
なるほど……そういうこと。
「悪いけど……メリットがないことはしないんだよ」
わたしがそう言うと、二人のウマ娘は頷く。
「知ってるよ。だから……」
「あなたが勝った時に得られるものを持ってきたわ」
キングヘイローはポケットからUSBメモリを取り出した。
「それは?」
「これにはあなたが戦っていないウマ娘の分析データや新しく発見された速く走れる方法が入っているわ」
「!!」
「私とライスシャワー、そして今の生徒会長であるエアグルーヴさんが集めたデータよ。もし私達に勝てたら、これをあげる」
なるほど……どうやら本気でわたしと戦いたいみたいだね。
「いいの?私と戦って?他のウマ娘みたいに心が折れてレースから去ることになるかもしれないよ?」
わたしの言葉に二人のウマ娘は「大丈夫」「問題ないわ」と答える。
「私達が」
「あなたを」
「「倒すから」」
瞳を怪しく光らせて、威圧を込めた声を吐くライスシャワーとキングヘイロー。
彼女から放たれる強者のオーラに、わたしは肌がビリビリするのを感じた。
なるほど……他のウマ娘とは違うみたい。
なら、
「いいよ……叩き潰してあげるよ」
二人がわたしを倒しに行くというなら、わたしも全力で倒しにいく。
心が壊れても……恨まないでよね。
ライスちゃん、キングちゃん。
<><><><>
『桃桜の魔王』ハルウララと別れた後、キングヘイローとライスシャワーは廊下を歩き、あるところに向かう。
場所は誰も使われていない部屋。
「おかえりなさい」
「待ってたぜ」
部屋に入ると、二人の男がキングヘイローとライスシャワーを出迎えた。
一人は眼鏡を掛けて、少し太った男性。
もう一人は背が高く、髪を金色に染めており、耳にはピアスを付けた男性。
「ただいま、お兄様」
「戻ったわよ。トレーナー」
二人の男はキングヘイローとライスシャワーの担当トレーナーだ。
「決闘を申し込んできたよ」
「決闘は明日」
キングヘイローとライスシャワーの言葉を聞いて、二人のトレーナーは顔を引き締める。
「ついにこの日が来たんですね」
「ああ、魔王を倒しに行くんだな」
二人のウマ娘が戦うのは、最強にして最凶のウマ娘の魔王―――ハルウララ。
彼女と戦った者は恐怖と絶望で支配され、次々と引退していった。
だが、それを知っていても……キングヘイローとライスシャワーには戦わなければならない理由がある。
「大丈夫だよ、お兄様。ライス……絶対に勝つから」
「一流のウマ娘を信じなさい、トレーナー」
二人のトレーナーは力強く頷く。
「ええ、信じております」
「負けるなよ」
ライスシャワーは瞳を怪しく輝かせる。
「もちろん。だってライスは……ヒーローだから」
キングヘイローは高笑いしながら胸を張る。
「キングは負けないわ」
二人の中にあるのは魔王を倒すという強い気持ち。
そして……大切な友達の目を覚まさせるという想い。
「絶対にウララちゃんに」
「必ずウララさんに」
「「勝つ!!」」
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