「いっぱい泣いちゃった」
わたしはティッシュでチーンと鼻をかむ。
久しぶりに思いっきり泣いたな~。
まぁでも……嫌な気分じゃない。
「大丈夫?ウララさん」
心配そうな顔でわたしの背中を優しくさする白雪トレーナー。
彼女の優しさに思わずわたしは頬を緩める。
「大丈夫だよ、トレーナー。むしろ……いい気分だよ。それから……キングちゃん、ライスちゃん」
わたしはキングヘイローとライスシャワーに視線を向ける。
「ありがとう……わたしを……魔王を倒してくれて」
二人には感謝しかなかった。
キングちゃんとライスちゃんが……友達が
もうわたしは魔王じゃない。ただのハルウララ。走るのが大好きなウマ娘。
「本当に……ありがとう」
わたしは深く頭を下げた。
するとキングヘイローとライスシャワーはわたしの肩に手を置く。
「友達として当然のことをしたまでよ。なにせ私は一流のウマ娘だから」
「むしろ……ウララちゃんが苦しんでいたのに、早く気付いてあげられなくてごめんね」
二人の言葉を聞いて、わたしは救われた気がした。
「あの……こんなことを言うのはあれなんだけど、また……仲良くしてもらってもいいかな?」
不安そうにわたしが尋ねると、二人は微笑んだ。
「ええ」
「もちろん」
わたしは涙が出そうになった。
ありがとう……二人とも。
二人が友達で、本当によかった。
「……でも、これからどうしよう。わたし……多くのウマ娘を傷つけて、引退させてきた。こんなわたしがトレセン学園にいてもいいのかな?」
わたしは魔王として多くのウマ娘達を、レースから引退させた。
ウマ娘達を傷つけ、恐怖させ、絶望させた。
そんなわたしがトレセン学園にいていいのだろうか。
「いいんじゃないかしら。このキングが認めてあげるわ」
「ライスも……いいと思う。それに……レースは戦いだよ。傷つけあうのはしょうがない」
本当に二人は優しいな。
わたしがそう思っていると、
「あ、そうだ。これを渡さないとね」
ライスは大きな紙袋をわたしに渡した。
気になったわたしは紙袋を開けて、中身を見る。
そして……目を大きく見開く。
「これって」
紙袋に入っていたのは、ピンクの体操服と赤い鉢巻き。
わたしが捨てた勝負服だ。
なんでこれが……もしかしてライスちゃんとキングちゃんがゴミ箱から拾ってくれたの?
「ウララさんにはそっちのほうがお似合いよ」
「うん。そうだね」
微笑むキングヘイローとライスシャワー。
わたしは視界を涙で滲ませながら、勝負服が入った紙袋を抱き締める。
「ありがとう……二人とも。ありがとう……」
嗚咽を漏らしながら、わたしは二人に感謝の言葉を言い続けた。
本当に……ありがとう。
おまたせしました。
遅くなり申し訳ございません。