ts転生者、脳を灼く   作:Y.Y@TSスキー

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5話 ダンジョンの中(side総司)

「…はぁ…」

 

 

 

「少し休もっか、あっちの方にモンスターのこない小川があるから」

 

 

 

そう言った姉ちゃんについて行って僕らは川の、少し開けた場所に腰を下ろした。

 

 

 

「どうだった?初めての実戦は?」

 

 

 

「…すごく、つかれた…」

 

 

 

姉ちゃんが最初のモンスターを倒してから1時間くらい、僕はずっとモンスターと戦った。でも全然上手くいかなかった。

 

なんとか勝てはしたけど本気で殺しにくるモンスターはすごく怖くて、じいちゃんが教えてくれた事なんか半分も出来なかった。

 

姉ちゃんはあんなに簡単に倒してたのに僕は…ダメダメだ。顔を上げれない。

 

 

 

「……」

 

 

 

衣擦れの音がする。俺の横に姉ちゃんが座った。

 

 

 

「…どうしたの?」

 

 

 

「……」

 

 

 

「言ってくれなきゃ分からないよ?」

 

 

 

分かってる。でも言えないよ…

 

 

 

「戦うの…怖かった?」

 

 

 

僕はビクッとした。考えてる事を当てられたからだ。

 

 

 

「総司…」

 

 

 

僕の名前を呼んだ後、僕は姉ちゃんに抱き寄せられた。

 

 

 

「ね、姉ちゃん…!?」

 

 

 

僕は困惑した。普段の姉ちゃんはいつも仏頂面でこんな事絶対しないからだ。

 

 

 

「総司…ここにはお爺様はいない、だから2人の時は甘えてもいいんだよ」

 

 

 

そういって僕の頭に顔を埋める姉ちゃん。僕は心臓が高鳴るのを感じた。

 

 

 

僕の身体を包む熱…柔らかな感触…背中に回された手の指が背中を這う度に身体がどんどん熱くなるのが分かる。意識しないよう勤めても姉ちゃんの胸から女の子のいい匂いがして頭がふんわりとする。

 

どんどん何も考えられなくなっていく。

 

 

 

「怖かったよね?お姉ちゃんも最初は怖かったの…」

 

 

 

「ね、姉ちゃんも…?」

 

 

 

「うん、でも総司の事考えてたら強くなろうって思えて頑張れた」

 

 

 

「僕の事…?」

 

 

 

「そうだよ……強くなってお姉ちゃんが守らなきゃって思ったの」

 

 

 

姉ちゃんの左手が背中を這うように動いていく…肩…首筋をなでる様に伝い、そしてを頭まで到達すると優しく撫でてくれた。僕は自分の呼吸が乱れるのが分かった。

 

 

 

「でも今日総司が戦うの見てそんな必要なかったなって思っちゃった…私の初めての時よりずっと上手く倒してたよ…」

 

 

 

何か言わなきゃ…でもまるで喉に栓が出来たみたいに言葉が出ない。姉ちゃんが顔を下げて顎を僕の肩に乗せる。

 

 

 

「総司も…男の子だったんだね?」

 

 

 

「…んっ///」

 

 

 

姉ちゃんの吐息が耳を通り過ぎて変な声がでる。なんだろう…身体の奥がすごくじんじんする、ぼーっとする。

 

 

 

「ねぇ…総司、気づいてた?私の喋り方…ダンジョンの中と外で違う事…」

 

 

 

「え…」

 

 

 

言われてみて気づいた。確かにいつもはもっと丁寧な…市役所の人みたいな他人行儀な話し方をする。でも今は…昔のお姉ちゃんみたいな喋り方だ。

 

 

 

「私もさっきまで自分でも気づかなかったの…2人きりだからかな?総司に甘えたかったのかも…」

 

 

 

するり…と僕を抱きしめていた姉ちゃんが離れていく。そして僕の頬を右手で優しく触れた。

 

 

 

「ねぇ総司…お姉ちゃんも甘えていい?」

 

 

 

「…ふぇっ!?」

 

 

 

ドキッとした。僕をみつめる姉ちゃんの顔が…微笑みがいつもと違ってすごく女の子だったからだ。

 

 

 

姉ちゃんが僕の手を頭に乗せる。

 

 

 

「総司ばっかり私に甘えるの…ずるいよね?ほら、お姉ちゃんも撫でて?」

 

 

 

そういって姉ちゃんは僕の手を動かして撫でさせる。1回…2回…最初はされるがまま動いていた手がいつの間にか僕の意思で動いていた。すべすべの髪を僕の手が滑り落ちる…何度も…何度も…。

 

 

 

「ね…姉ちゃん…」

 

 

 

夢中で撫でる手は止まらず、僕は気がついたら姉ちゃんを見つめていた。

 

クラスの女の子とは違う…女の子。そっか、姉ちゃんも女の子なんだ…。

 

大人な顔つき。長いまつ毛、優しく細まった目元…いつの間にか僕は姉ちゃんの唇から目が離せなかった

 

 

 

「ふふっ…どうしたの?総司、顔が真っ赤だよ…?」

 

 

 

「姉ちゃん…僕…いやお、俺っ///」

 

 

 

「疲れちゃったかな?少し早いけどお昼には帰ろっか」

 

 

 

そういって立ち上がる姉ちゃん。

 

 

 

「あっ…」

 

 

 

身体を駆け巡る熱の中、その後ろ姿を僕はただ見ている事しか出来なかった。

 

 

 

 

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