ガトー「ソロモンよ、私は帰れないようだ」   作:大福もちち

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「えっ?核弾頭?知らないよ」

「ふむ…3年待ったのだ。先ずは、ガンダム試作2号機と核弾頭を奪取しなければな」

 

鏡で連邦軍の制服を確認する男が居た。彼はアナベル・ガトー。かつて、3年前に終戦した一年戦争でソロモンの悪夢と称されたジオン軍の軍人である。

ガトーはジオン軍の残党であるデラーズ総督率いる軍隊、デラーズフリートに所属しており、星の屑と称された作戦を遂行するために地球連邦のオーストラリアの基地に潜入したのだ。大丈夫、仮にバレてもブローカーから大金を払ってゲットした『ガトー・イスカンダル』というちゃんとした軍籍もあり、誤魔化すことが出来るのだ。

 

ではここで星の屑の概要を説明しよう!!星の屑作戦とは!!ガトーの上司であるデラーズさんが3年間、じっくりねっとり考えた作戦である!!先ず、ガトーがオーストラリアの連邦軍トリントン基地に潜入して、核弾頭搭載型モビルスーツ ガンダム試作2号機サイサリスを奪取、その後はガトーさんがサイサリスと共に宇宙に上がり、コンペイトウことソロモンで行われる観艦式に向けて…ガトーさんがサイサリスで核弾頭をぶっぱなす!!正にガトーさんが居ないと成り立たない作戦なのだ。

 

(てか、この作戦…本当に大丈夫!?俺個人の負担でかすぎじゃね!?)

 

そう、ガトー個人にかかる負担があまりにも大きすぎて、立案者のデラーズさんの脳ミソがイカれてると言ってしまいたいほどにグダグダな作戦なのだ。

 

(変装は完璧だ。さあ、基地に乗り込むぞ)

 

基地にやってきたガトーさん。そこで目にしたのは…

 

「そこ!!後ろにも眼をつけるんだ!!」

 

一年戦争最強の悪魔。天パの髪型がトレードマーク!!テム・レイが酸素欠乏症を演じてまで製作した、ガンダムの魔改造後継機 アレックスを操り、新兵の訓練及びデータ撮りに励むチート野郎 アムロ・レイ。

 

「くっそぉぉぉ!!今日こそは2分持つんだ!!」

 

アムロにフルボッコにされるが、なんとか食らいつこうとする新人士官でテストパイロット コウ・ウラキ。

 

「コウ!!そっちにアムロ大尉が行ったぞ!!てっ!?うわ!?置きバズ!?」

 

同じくアムロにフルボッコにされるが、なんとかテストパイロットをこなすウラキの親友であるチャック・キース。

 

「アムロ、ほどほどにな。新人くんが泣くぞ。たっく、アレックスでの模擬戦はブロッサムに乗るあの子だけの方が良いんじゃないのか?」

 

アムロの大暴れでペンキまみれとなるウラキとキースの機体を見て、呆れるように告げる壮年の男性はテム・レイ技術少佐。御存知、アムロが一年戦争の大半で乗っていたガンダムの産みの親であり、その後は酸素欠乏症を演じてジオン軍にバレないようにアレックスを設計。現在はアムロが戦場に出ないように自分の部下にして、アムロやかつての教え子達と機体のテストしたり開発を行ったりしている。

 

「皆、そろそろ休憩にしましょう!」

 

テム・レイの元でアレックスのテストパイロットを務め、アレックスをアムロに届けた教え子であり、部下であるクリスチーナ・マッケンジー。操縦技術もなかなかだが、流石にアレックスは満足に動かすことが出来なかった。

 

「アムロくん!次は俺としてくれないか?」

 

クリスチーナの彼氏であり、かつてはアムロにアレックスが渡る前になんとか破壊しようとした優しい青年バーナード・ワイズマンことバーニィ。元ジオン軍の兵士だが、パイロットとしての素質は高く…戦後に「君、クリスと親しいし…腕も良いときた。うちで働かない?」とテム・レイからヘッドハンティングされて、テム・レイの開発チームに所属した。

 

「ふっ…若いやつは良いの」

 

若いパイロットが育ってることを確認し、笑みを浮かべるのはバニング大尉。ウラキとキースの教官であり、一年戦争ではなかなか名の売れたエースパイロットの1人であった。

 

(なに!?この魔境!?あのガンダムって白い悪魔だよね!?えっ…大丈夫?これ、バレた瞬間に殺されね!?あの白い悪魔だよ!?問答無用に、ビームライフルでコックピット狙ってこない!?)

 

ガトー、早速魔境に来てしまう。だが、ここで立ち止まってはいけない。ガトーは試作2号機と核弾頭を強奪するため、モビルスーツ格納庫にやってきた。

 

 

「ふむ…ここが格納庫だな」

 

格納庫にやってきたガトー。アレックスや他の機体は出ており、当然ながらない。奥に進むと、目当ての機体があった為か、ガトーはニヤリと笑みを浮かべた。

 

左からガンダム試作0号機ブロッサム。連邦軍からの指示でアナハイムエレクトロニクス社が設計したが、連邦軍からの要求をこれでもかと詰め込みすぎた結果…出来るかバカヤロー!!と投げ出した代物。しかし、そこにテム・レイが現れてブロッサムを現実の物にしたが…テム・レイの技術力を用いても操作性が最悪レベルとなり、普通の人間では操縦不可能。しかし、神のイタズラか…ムラサメ研究所を爆破したニュータイプを強化人間に改造した少年が現れ、殺処分を免れるため…その強化人間サン・ムラサメが選ばれた。

 

続いてガンダム試作1号機ゼフィランサス。ガンダムを参考に、人型兵器の性能を最大限に発揮(人間が操縦できる)ことを目的に開発。つまり、ガンダムやアレックス(デチューンモデル)の発展型と言えるだろう。コアファイターを採用しており、宇宙用と地上用でコアファイターが異なるとか。

 

そしてガトーがここに来た目的であるガンダム。試作2号機サイサリス。敵拠点への強襲用および核弾頭による殲滅を目的としたガンダム。核弾頭を使わなくても、重装甲とブースターの出力に物を言わせた機動力で強襲して粉砕し、オプションを変えることでビームバズーカも使えるのだ。

 

(これだ!!これがあれば!!)

 

ガトーは目的のサイサリスを確認したことで笑みを浮かべる。しかし、ただサイサリスを奪えば良いと言う訳ではない。ガトーは確かめなければならないのだ。確実に星の屑を成就するためにも核弾頭が装備されているかどうかの確認をしなければ。

 

(さりげなく聞けそうな、明らかに新人なヤツはいないか?)

 

キョロキョロとガトーは周囲を確認し、話しかけても問題無さそうな連邦軍兵士を探す。しかし、話しかけても良さそうな人物は見付からず、誰もが忙しそうに働いている。

 

と、その時だった。ガンダム試作0号機ブロッサムのコックピットで週刊少年ジャンプを読む、14歳ほどの少年が居たのだ。髪の毛は茶髪であり、顔つきは日系人だろう。

 

「あ~To LOVEる もう一回連載してくれないかな?てかよ、終末のハーレムエロすぎじゃね?俺ちゃん大歓迎だけど、集英社大丈夫なのコレ?」

 

ペラリ、ペラリとページを捲り、鼻血を垂れ流す少年。その少年はジャンプから目を離して前を見る。少年とガトーは目が合ってしまった。

 

「誰おっさん?ここは関係者以外立ち入り禁止だよ」

「すまない。私は今日から配属の連邦軍士官でね。君こそ、子供がどうしてここに居るのかな?」

 

ガトーがそう言うと、少年はブロッサムのコックピットから降りてきた。

 

「連邦軍士官で俺のこと知らないの?マジでウケる。もしかして俺ちゃんがやったこと、秘匿されたのか。

俺ちゃんはサン・ムラサメ。ムラサメ研究所を爆破して、殺処分寸前だったけどテムのおやっさんに拾われて、ブロッサムのテストパイロットをしてるんだぜ?」

 

サン・ムラサメ。少年はそう名乗った。ムラサメと言えば地球連邦軍が日本の何処かに作ったという、強化人間やニュータイプの研究所だ。間違いなく、そこの研究所で作られた強化人間か実験台のニュータイプなのだろう。

 

「シュールストレミングを1000個爆発させて、施設を激臭まみれにして、研究資材を全て台無しにし、とどめに糞職員の性癖や恥ずかしい写真、不倫の証拠をスギ花粉のようにばら蒔いただけなのに殺処分って酷くね?死人出てないのによ~」

 

聞いてもないのに、そう言ったサン。それを聞いたガトーは思った。間違いない、関わってはいけないヤバいヤツに話しかけてしまったと。

 

「お陰で、日本語での数字のムラサメシリーズは終わり。次からは外国語の数字にするってさ。今頃ドゥーとかサードとか出てるんじゃね?おっ、鼻血の塊出た」

「鼻血出てるのに鼻をほじるな!!てっ、そうじゃない!サンと言ったか?2号機に弾頭は着いてるかね?」

 

これで弾頭が着いてるなら、ガトーはサイサリスを強奪してとんずらする。しかし…

 

「着いてるわけないじゃん?情報ふる!!」

「えっ?」

 

サイサリスに核弾頭なんて着いてるわけがないのだ。

 

「だってオプションの催眠弾やフレアとかの試験済んだもん」

「そうか(あっれ~報告と違うんだけど)核弾頭はどうしたのかね?」

「あれ、会議でバカじゃね?ってことになって、廃止になったって」

「そうか…ありがとう」

 

 

 

 

「やっべ!!報告した予定表、前のヤツだわ!!有給使って逃げよ!!」

 

そしてスパイは有給使って逃亡し、ガトーはトリントン基地で臨時教官をする羽目に成ったのだ。

出来るだけ早く合流して欲しい人

  • シャア「私もサンくんの悪巫山戯に?」
  • 岩柱と化したセイラさん
  • ニャアン
  • シイコさん
  • テムさんのファンとなったシロッコ
  • コモリ少尉
  • ブライトさん
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