たとえ、偽物だとしても。 作:ニンジンマシマシ
ライブが素晴らしかったので衝動書き
────学園アイドルマスター。
初星学園を舞台に、プレイヤー達は担当アイドルを一番星へと導くプロデューサーとして彼女達と接することになる。
かくいう私もその中の1人だった。
彼女達は誰もが魅力的で、素晴らしいアイドル達だったが、その中でも私が1番惹かれたのが、月村手毬という少女だった。
外見もさることながら、彼女の内面を知れば知るほど、私は月村手毬の虜になっていったのである。自らを怠け者であると評して、だからこそそれを変える為に、日々血を吐くような努力をしている。誘惑に負けることもあるが、それもまた人間味を感じて愛らしい。
何かを変えようと足掻くのは容易なことではない。そう思いかえしてみると、彼女に抱いていたのは一種の尊敬にも似た気持ちだったのかもしれない。
さて。
何故このような話をしたのかというと。
────月村手毬が目の前に居たのである。
そのことに気がついたのは、クラスでの自己紹介。それまではどこか既視感のある面々の紹介を聞いていたのだが、そんな矢先、彼女が教壇の上に現れたのである。その姿を目にした途端、先述の知識、前世の記憶とでも表現されるものが頭に流れ込んできたのである。
「──足を引っ張るのだけはやめてよ。」
そう言い放つ姿を見ながら、自分の身の振り方を考える。
折角出会えたのだから、積極的に関わっていきたい。だが、それで彼女に悪影響を及ぼすのは避けたい。そうして思案をしていると、私の出番がやってくる。そうだった、1番の問題は───
「新谷弥生、です。ええっと、1年間よろしくお願いします。」
私自身が、アイドルになってしまったことだ。
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結局、人の性格というものはそう簡単に変わることはないのだろう。成り行きに任せるということにして、思考を放棄した。この有様では他人のことを考える以前に、この学園に居られるかどうかを心配したほうが良さそうだ。そんな取り留めもないことを考えていると、1年1組の懇親会をやる、という声が聞こえてきた。記憶が確かであれば、学園アイドルマスターのイベントの中の1つにそのような内容があったはずだ。
初対面こそ最悪なものの、紫雲清夏、葛城リーリヤの2人が主導して、メンバーを集め、クラスの懇親会を開くというものだったと記憶している。
月村手毬の、葛城リーリヤに対しての誤解が始まるイベントでもあったはずだ。…さてどう立ち回るべきか。イベント準拠の世界ならば、個人プロデュースのときとは話が変わってくる。プロデューサーは誰に対しても付かず、アイドル達が切磋琢磨していく。私の知っている知識がどこまで通用するのかも定かではない以上、不用意な行動は謹むほうが良いかもしれない。そうは考えてはみたが、自分がとれる行動など至極単純。波風を立てず、できる範囲で協力する。色々と懸念することは多いが、せめてアイドル達の生活、仲睦まじい様子に水を差すような真似だけは避けたい。…ただ、その道のりで月村手毬と少しでも関わることができれば。あわよくば仲を深めるきっかけを作って、今後、彼女と親しくなれたら。そんな下心で、主導者の2人に声を掛ける。
「懇親会、私は参加します。…良かったら、なにか手伝えることとか…ありませんか?」
お誕生日おめでとうございます