では本編です
数週間後
トリニティ自治区・市街地
「おうおう!誰かと思えばいつもビビって震えてるガタガタヘルメット団の皆さんじゃねぇか!」
「あぁー⁉︎いきなりなんだテメーら⁉︎喧嘩売ってんのか!」
「ここは今日からアタシらスケバンの縄張りだ!だっせぇヘルメット連中は出てけ!」
「なんだとテメー⁉︎ウチらのヘルメットを馬鹿にしたことを後悔させてやんよ!」ガチャ
「上等だゴラァ!やれるもんならかかってこいやー!」ガチャ
バババババンッ
ヒュードンッ‼︎
比較的他の自治区よりは治安の良いトリニティでも、やはりここはキヴォトスだ。今日も朝から不良勢力同士の争いが起きていて、銃弾や爆発が無関係の人達を巻き込んでいた
「うわー!お店がー!」「逃げてー‼︎」「またあいつら⁉︎」「正義実現委員会を呼んで!」
市街地より少し離れた場所
ザザー……
『ユウキさん、どうやらその近くで不良同士の銃撃戦が発生している模様です。既にこちらも数名到着していますが、抵抗が激しく応援を要請しています。座標を送るので鎮圧に向かってください』
「こちら天野、了解しました。座標確認次第すぐに向かいます」
『お願いします』
通信終了後すぐに端末へ座標が送られてくる。まったく不良共には困ったものだ……少しは大人しくできないのかね
「ふぅ……よし、行こう」
救護騎士団に運ばれた日から2週間くらいで怪我は治った。どうやら体の再生力も前世より少し高くなっていたようで、治ってから数週間で俺は自治区内のパトロールをしていた。ちなみに、入院中にツルギから"合格"について教えてもらった。どうやら俺がキヴォトス外の人間だと知って、俺が度胸のある人間なのかどうか確かめたかったそうだ。結果として度胸があり過ぎて入院したが……
数分後
バババババッダダダンッ
ドッカーンッ!
「無駄な抵抗はやめてください!」
「はっ、そんな人数でアタシらを止められるわけないだろ!」
正実側は10人程しかいないのに対して、不良勢力は合わせて20人を超えている。2倍の数を相手に正実側は苦戦を強いられていた
「くっ……このままじゃ……」
そんな時
「天野ユウキ現場に到着した。現状はどうなっている?」
「ユウキさん!現状は不良の数がこっちの2倍程で数的不利な状況が続いてます!」
「わかった。なら……俺が前に出て片方をやる、他の人達でもう片方に集中してほしい」
「え、でもそれじゃユウキさんが危ないですよ!」
「大丈夫だ。ツルギ委員長と全力で闘って生き残ったんだ。信じてくれ」
「……わかりました。でも危ないと感じたらすぐに下がってくださいね!」
「任せてくれ。それじゃ……」ダッ
「よし……私達はユウキさんが片方を相手している間にもう片方に集中攻撃します!」
「「「「「了解!」」」」」
俺は片方の集団に銃を構えながら突撃した。当然相手は俺の存在に気づきこちらを撃ってくる
「なんだ?あいつ1人で突っ込んでくるぞ?」
「っ⁉︎早い!あいつに向けて撃ちまくれ!」
ダダダダダンッ
しかし、相手の射線からズレるように高速でジグザクに走っているため弾は1発も当たらない
「くそッ!なんで1発も当たらないんだ!」
「弾が当たらないならこれでも喰らえ!」ポイッ
点で駄目なら面でということで、手榴弾が何個か飛んでくるが、俺はそれをサッカーのように足で蹴り返し、相手の陣地で爆発させた
ドカーンッ!
「「「ぐわぁー!」」」
返した手榴弾によって何人か吹き飛ばされ、気絶したのが確認できた。俺は走りながら跳び、集団の真ん中に降り立った。それによって不良に囲まれる
「1人でここまで囲まれに来たのか?馬鹿な奴め!」
「たかが1人で何ができる!」
「よし!全員で撃──」
「そう慌てんな、ほらプレゼントだ」ポイッ
カランカラン
「あ?なんだ?」
「⁉︎まずい全員──」
不良が何かを言い切る前に"プレゼント"から閃光が発生し、不良達の視力を奪い去った。そう俺は閃光手榴弾を不良達にプレゼントしたのだ
ズダンッズダンッ!
「うぐっ!」「ぐはっ!」
視界を奪われた不良達が次々と撃たれ何もできずに倒れていく。何人かは視界が戻ってきても、高速で背後まで動かれて撃たれる者ばかりだ
「くっ!この!」
ダダダンッ
「当たらん」ススッ
「いつの間に⁉︎」
「眠れ」ガチャ
ズダンッ!
「く……そっ……」バタン
そして、10人ほどの不良達は、ユウキたった1人に5分程度で制圧されてしまった
「こちら天野、こちらは全て制圧した。今からもう片方にも制圧に向かう。攻撃を止めて気絶してる不良共を拘束しておいてくれ」
『もう制圧したんですか⁉︎わ、わかりました。後は任せました!』
「よし、もう一仕事だ……!」
そうして残りの不良も、正実側による集中攻撃によって既に何人かやられていたのもあり、一瞬でユウキに制圧されたのであった
「ふー……疲れたな」
「ユウキさん凄かったです!」
「すごくかっこよかったね!」
「来てくれて助かったわ!」
ユウキの周りに正実モブ達が集まってきて感謝を伝えている
「そ、そうか?やるべきことをやっただけだから気にしないでくれ」
「それでもユウキさんに感謝したいんです!」
「「「「「うんうん」」」」」
「そうか……じゃあ、どういたしまして」ニコ
「「「「「///」」」」」シュー
ユウキの笑顔を見た正実モブ達は脳が焼かれたようだ……
「あ、あの!」
「どうした?」
「そ、その……あ、頭を撫でてもらってもいいですか⁉︎」
「え?あ、ああ別に構わないけど……」
「!そ、それではお願いします!」
「よし……今日もよく頑張ったね……」ナデナデ
「えへへ……」///
「あ、ずるい!」
「私も撫でろー」
「「「「「ナデテー!」」」」」
「えぇ……流石にこの数は……まぁいっか」
この後めちゃくちゃ撫でた
正実モブは可愛いねぇ……
しばらくして……
「ユウキさーん。迎えに来たっすよー」
「ありがとうございます。では早速拘束した奴らを車に収容しましょう」
「そうするっす!……あれ?なんで他の子達は顔が赤くなってるんすか?」
「?」
「あ、あのそれは……」///
「皆んなユウキさんに撫でてもらってたから照れてるんです!」
「言わないでよ!」///
「あーそれは……罪な男なんすねー……あはは……」チラ
「おい早く歩け」ズイッ
「ちょっ!押すなよ!てかお前男子だったのかよ」///
「つべこべ言わず早く中に入れ」ズイズイ
「わかったからもうやめてくれ!」///
「……ほんと罪な男っすねー……」
不良収容後……
「それでは後は任せました」
「収容手伝ってくれて助かったっす!後は私に任せてほしいっす」
ブロロロロロ……
「……さて、パトロール再開だ」
その後、特に何事もなく終わって戻る。
はずだった
トリニティ自治区・裏路地
「……」スタスタ
「……隠れてないで出てこい」
そう言うとすぐ、何もない空間から全身が黒く顔に白く光る亀裂のある人物が現れた
「クックック……やはり貴方には見つかってしまいましたか」
パトロールの途中で妙な視線がずっとついてくるのを感じたから路地裏に入って確認したが、まさか黒服とはな……
「……なんの用だ黒服」
「クックック……やはり貴方は面白い人だ。なぜ初対面である私の名を知っているのでしょう?」
「それは秘密だ……それより俺に何の用だ?あんたの研究の為に俺の体が欲しいならお断りだぞ」
「クックックックックッ……⁉︎ ゲホッゲホッ!」
「お、おい大丈夫か……?」
「失礼しました……大丈夫です。しかしまさか貴方にそこまでバレているとは……えぇそうです、今回私が貴方の前に姿を表したのは、私の研究の為に貴方の身体をお貸しいただけないかお願いしに参ったからです」
「さっきも言ったが、それは断らせてもらうよ」
「なぜ?断る理由を聞かせてはもらえないでしょうか?」
「そんなの簡単だ。俺が守りたい人がいるからだ。それに研究ってことはずっと同じ場所にいて色々されるんだろ?俺はモルモットになる気はないよ」
「そうですか……残念ですが今日はここまでにしておきましょう」
「もう来なくてもいいぞ」
「クックック……今日貴方と会ってさらに興味が湧いてきたのでまた必ず来ますよ。それではまた次の機会に……」シュー
黒服はそう言って消えていった
「……はぁ、帰ろう」
正義実現委員会・本部
「天野ユウキ、只今帰還しました」
「お疲れ様でした。今日は初の鎮圧任務にも当たってもらいとても感謝しています。こちら側は特に被害も無く、ユウキさんが素早く不良を制圧してくれたと聞きました。ツルギもこの報告を聞いて喜んでいましたよ」
「そんな、自分はただ責務を全うしただけですよ副委員長」
「それでもです。ありがとうございました」
「は、はい……」
「それでは今日はお疲れ様でした。明日もよろしくお願いしますね」
「お疲れ様でした」
「さて……」
帰るのもいいが今はまだ他の所も活動をしている時間だ
「マリー……」
入院中何度か彼女はお見舞いに来てくれていたが、それ以外では会うことは無かった。数週間の間にほんの数回しか会えていないという状況は、ユウキには中々辛いものだった
トリニティ大聖堂
「……来てしまった……入っても大丈夫なのか……?」
「あら?正義実現委員会の方が聖堂の前でどうされたのですか?」
聖堂前で悩んでいたら、シスターの1人が話しかけてきた
「あ、いや、その……伊落さんって今居ますか?」
「マリーさん?ああ貴方がマリーさんの話していた人ですね!ふふ、言ってた通り優しそうな人ね……」
「……あの?」
「あ、ごめんなさい。マリーさんですね?呼んできましょうか?」
「いえ、一目見るだけで大丈夫なんです。中に入っても大丈夫ですか?」
「ええ。聖堂は誰でも受け入れてくれますから。マリーさんなら今ちょうど祈りを捧げている最中だと思うので案内しますね」
トリニティ大聖堂・礼拝堂
「あそこに居るのがマリーさんです。もう少し近づいてみましょうか?」
「いえ、ここで大丈夫です。ありがとうございます」
「わかりました。何かあれば言ってくださいね」
「はい……」
後ろ姿しか見えないが、彼女の全ての生きる人が平和であってほしいという思いがその祈り姿から強く伝わってくる
「ほんと優しい子だな……」
「ふふっ」
「?どうしました?」
「いえ、なんでもないですよ」
「そうですか……」
「……知ってますか?」
「?」
「実はシスターフッドでは恋愛は特に禁止されてないんですよ?あくまで部活動ですからね」
「……そうなんですね。でもなぜそれを俺に?」
「さぁ?なんででしょうね?ふふっ」
「……?」
「あっ、ユウキさんそのままこちら側を向いていてもらえないですか?」
「?わかりました」
「ではいくつか質問させてください」
「……」
「マリーさんは可愛いと思いますか?」
「……それ答えなきゃダメですか?」
「ダメです♩」
「わかりました……そうですね彼女は可愛いと思いますよ」
「どんなところがですか?」
「……彼女がふと見せる優しい笑顔と、あのモフモフの耳ですかね」
「では次……マリーさんにしたいことやされたいことはありますか?」
「したいことは今は特に無いですけど……彼女を守りたいっていうのが今したいことですかね」
「それは素敵ですね!では彼女からされたいことはありますか?」
「そうですね……伊落さんから外出のお誘いを受けてみたいですかね」
「なるほど……ふふっ、では最後に、彼女をどう思っていますか?」
「……それは」
「それは……?」
「……すいません。これだけは秘密で」
「……そうですか。残念です……ですがここまでお答え頂いたので十分です!」
「そうですか?それはよかったです……ではそろそろ帰るとしますね」
「はい、今日はありがとうございました!また来てくださいね?」
「わかりました」クル
「……あれ?」
マリーがいなくなってる……まぁしょうがないか……
「それではお気をつけて」フリフリ
「あ、はい。ありがとうございました」
そうしてユウキは帰っていった
ユウキが帰った後……
「……そろそろ出てきても大丈夫ですよ」
そう言って陰から出てきたのは……
「は、はい」///
「ふふ、どうしたのですか?顔が真っ赤ですよ?マリーさん」
そう。マリーである
「もう!私が居るってわかってて彼にあんな事を聞きましたね!」///
「さぁ?なんの事でしょう?ふふふ」
「もぅ……」///
ユウキに気づいて近づこうとした時に、先輩シスターにジェスチャーで制され、見えない所で彼の自分への想いを聞かされ続けていたのだ
「でもよかったじゃないマリーさん」
「……何がですか?」
「彼、貴女のことを守りたいって言ってたじゃない」
「……」///
「頑張ってね!成功するように祈っておくから!」
「はい……ありがとうございます」///
マリーはその後しばらくの間顔が赤いままだった
ユウキ宅
「はぁ……今日は疲れたな」ゴロゴロ
「初陣にしては結構上出来だったんじゃないか?マリーの姿も見れたし、また明日から頑張れそうだ」
「……そういえば、あのシスターさんはなんであんな質問をしてきたんだ?思い出したら恥ずかしくなってきた……」
「今日はもう寝よう……おやすみ」
自分の想いをマリーが聞いていたこと知らずに眠ってしまうユウキであった
次回に続く
どうでしたでしょうか?
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