初陣の日から数日が経った。今日もいつも通りパトロールをしている。今はちょうど昼なので、カフェに寄り軽食と紅茶を楽しんでいた
「……」モグモグ
「……」スー
「……平和だ……」
今日は今のところ特に大きな事件は起きていない。迷子や探し物などの比較的平和なものだけだった
「今日はこのまま何も起きな──」
「うふふ♡」
「……」
野生の浦和フラワーが現れた!
「あら?あなたは……」
「違います」
「まだ何も言ってませんよ?」
「……」
「天野ユウキさんですね?」
「……違います」
「あらあら、どうして顔を逸らすのですか?」
「……そんな格好してるからです」
「あら♡これは唯の水着ですよ?もしかして、照れてるんですか?」
「……とりあえず制服着てくれません?」
「うふふ♡学校に置いてきちゃいました♡」
「はぁ……正義実現委員会としてその格好で街を歩くことは許可できません。一度本部まで連行します」
「あらあら♡男の人に連れ去られてしまいます♡きっとあんなことやこんなことを……」
「しません!」
そんなわけで、ハナコを本部に連れて行くことになった
正義実現委員会・本部
「……あら?ユウキさん早かったですね?どうし……ああ、なるほど」
「うふふ♡ハスミさんこんにちわ」
「ハナコさん……その格好で街や学校を徘徊するのはやめるよう言ったはずです……」
「良いではありませんか♡」
「良くないからこうしてここに連れてこられているんです……」
「副委員長。どうしますか?」
「……今日は制服に着替えてお帰りください。次は営倉行きですよ……ユウキさん、今日はもう解散しても大丈夫です。その代わり彼女が帰宅するまで何もしないよう監視をお願いします」
「……了解しました」
「よろしくお願いしますね♡」
なんでこうなったんだ……
トリニティ総合学園・更衣室
「では俺は外で待っているので着替えてきてください」
「あら♡中で私を監視しなくても大丈夫なんですか?」
「揶揄わないでください……何かあったら呼んでください」
「うふふ♡ユウキさんは優しいですね♡」
「……では早くしてくださいね」
「覗かないでくださいね?」
「覗きません!」
待機中……
「ふんふふん♩」スルスル
「……」
早く着替え終わってくれ……ここまで音が聞こえてきて俺の精神が削られていく……
「うふふ♡」スルスル
「……」グググ
「……あら?」
「……?」
「きゃっ!」
ハナコの悲鳴が聞こえた為、急いで扉を開けた。いや、開けてしまった
「どうしましたか⁉︎」ガチャ
「虫がいて、あ、え……?」
「……あ」
「……!?」///
「す、すいません今出ます!」
「……」///
バタンっ!
ああくそ……やってしまった……思いっきり下着姿を見てしまった……
謝って許してくれるだろうか……
それからすぐ、着替え終わったハナコが出てきた
ガチャ
「!」
「……ユウキさん」
「先程はすいませんでした。俺に出来ることなら何でもします、どうか罪を償わせてください」ペコリ
「ユウキさん……頭を上げてください。あの状況は私のせいでもあります。それに、私を心配しての行動だというのもわかっています」
「それでも結果的には俺が……」
「だ・か・ら……ユウキさんには責任をとってもらいます♡」
「!?」
「"何でも"してくれるんですよね?」
「……はい」
一体何をさせられるんだ?
「うふふ♡そんなに緊張しないでください。そんな大したことないですよ?」
「……」
「ユウキさんには…………私の友達になってもらいます♡」
「……え?」
「友達ですよ、と・も・だ・ち」
「いや、それくらいわかってますが、そんなのでいいんですか?」
「いいんです」
「はぁ……まぁいいですけど……本当にそんなことでいいんですか?後からやっぱり違うは無しですよ?」
「はい、大丈夫ですよ」
「わかりました……」スッ
「?ユウキさんその手は?」
「見てわかりませんか?握手です。友達なら普通でしょう?」
「!そうですね」ギュ
「これから友達としてよろしくお願いしますね」ギュ
「はい!もちろん!」ニコ
そろそろこの辺で任務を再開するか……
「……さて、では帰りましょう。浦和さんを寮に送るまでが俺の任務です」
「……待ってください」ガシ
「な、なんですか?それになぜ肩を掴むんです?」
「ユウキさん。私達は友達ですよね?」
「はいそうですけど……それがどうしたんです?」
なんだか嫌な予感がするな……
「友達ならタメ口で話し、お互いに名前呼びなのが普通ですよね?」
「え?そ、それは人によって違うんじゃないですかね……?」
「……そうですよね?」グググ
「ちょっ、浦和さん?肩が痛いんですが?」
「ユウキさん……?」グググ
「ちょっ、痛いです!わかりました!わかりましたから!肩を離してください!」
「うふふ♡それでは今からタメ口で話してくださいね♡」
「……わかりま──「ユウキさん?」……わかった」
「……これでいいかな?浦和さん」
「……いえ、まだです。名前呼びにしてください」
だが断る……
「……浦w「ユウキさん?」……うr「ユウキさん?」……」
「呼んでくれないと……下着姿を見られたことを広めてしまうかもしれませんね……」
!?それは絶対にダメだ!もしマリーに知られたら俺は灰になってしまう!
「くっ!わかった……」
「……何がですか?」
「名前呼びをすることが」
「誰を名前呼びすることがわかったんですか?」
「……は、は……ハナコさんを名前呼びすることがわかった」
「……まぁ、今はそれでいいです」
「ほぅ……ていうか、ハナコさんはタメ口で話してくれないの?」
「私は元から誰にでもこうですから……」
「そうか……」
「……それでは、寮まで私をエスコートしてくださいね?ユウキさん♡」
「わかったよ。行こうかハナコさん」
数分後
トリニティ総合学園・寮
「……もう着いてしまいましたね」
寮に行く道中、ハナコと好きな食べ物や、趣味、行きたい場所だったりなどの雑談を楽しみながら歩いてきた。しかし、楽しいことほど終わりが早くなる
「そうだな……楽しいことほどすぐ終わってしまう。だけど、俺とハナコさんは友達だろ?ならまた会えるよ」
「……本当ですか?」
「もちろん。あ、だけどそれにはモモトークを交換しないとだ」
「あら、そういえばまだ交換してなかったですね……はい、これが私のです」スッ
「ありがとう……はい、交換できたよ。何かあったらいつでも連絡してくれ」
「うふふ♡ありがとうございます♡」
「……それじゃあ、またな」サッ
「はい!また会いましょうユウキさん♡」ヒラヒラ
さて、任務は終わったが、まだ家に帰るには早いな……そういえばまだセイアと未来について話してなかったな……今時間あるか聞いてみるか
プルルルル……ガチャ
『やぁユウキ君。君から電話とは珍しいね。どうしたんだい?』
『こんにちわ。時間ができたので、前に少し話した未来について2人きりで話したいと思いまして。百合園さんは今時間ありますか?』
『……そうだね、今は何もやることが無くてね、話し相手が欲しかったところさ。ティーパーティーがいつも使ってるテラスに来てくれないかな?あそこなら今は誰もいないはずだ』
『ありがとうございます。わかりました今向かいます』
『ああ、先に紅茶でも用意して待っているよ』
そんなわけで、テラスに到着した
「こんにちわ百合園さん」
「やぁユウキ君。ちょうど今用意ができたところだよ。さぁそこの椅子に座って話そうじゃないか」
「わかりました。ありがとうございます」
「紅茶はそれでよかったかな?」
「はい、とても美味しいですよ」
「それはよかったよ。さて、それじゃあそろそろ話してもらうよ。君がなぜ私の未来視について知ってるのか。そしてこのキヴォトスの未来をどこまで知っているのか」
「わかりました。では──」
それから俺はキヴォトスの未来について知っている範囲で教え、"先生"がキヴォトスに来ることや、アリウス分校や色彩の襲来に対策する必要があることを伝えた。セイアの未来視については、俺も同じ未来視があるから知っていたと話した
「……なるほど、では"先生"という存在がこのキヴォトスの命運を左右するのか……」
「はい。しかし、先生はキヴォトス外の人間です。弾丸の当たりどころが悪ければ1発で命の危険があります。結果が見えていたとしても、それは簡単に全く別のものに変わる可能性が高いです」
「確かにその通りだね……」
「特にエデン条約締結日に先生はアリウス分校の奇襲によって撃たれてしまいます。俺が見た未来では幸い急所は外れ生きていましたが、これも実際にはどうなるかわかりません」
「ふむ……」
「ですが、それらすべてを回避しようと動いてしまえば、次に何が起きるかわかりません。ですので、その未来を程よく回避し、程よく受け入れるべきだと俺は思います」
「それには私も賛成だね……最悪の未来を回避しようとして、それよりも最悪な未来になっては目も当てられないからね」
「その通りです。それでは──」
それからは具体的にどうしていくかを話し合い、その後は軽く雑談をした
「今日はありがとうございました」
「いや、こちらこそ感謝をさせてくれ、今日の話し合いはとても有意義なものだったからね」
「そうですね……だけど次会う時はもっと普通の会話がいいですね……」
「ふふ、それはそうだね」
「それではまた──」
別れの言葉を言おうとした時……
「あー!ユウキくんいたー!」
「ミカ?」
「聖園さん?どうしたんですか?」
「どうしたじゃないよー!ユウキくんって他の人のこと絶対に名前呼びしないのに、今日ハナコちゃんのことを名前呼びしてたって噂になってたんだから!」
「……それは本当かい?」
「……」
なんで噂になってるんだ⁉︎まさか寮までの雑談で名前呼びしてるのを聞かれたのか……?
「沈黙は肯定と受け取っていいんだね?」
「ズルい!私のことも名前で呼んでよユウキくん!」
「その、わ、私も頼めないだろうか?」
「いや、それは……」
「呼んでくれないの?」ウルッ
「私では駄目だろうか……?」
「うっ……」
その時……
ガチャ
「2人とも、ユウキさんを困らせてはいけませんよ」
はっ!ナギサ様だ!助けてー!
「桐藤さん!助けてください!」
きっとナギサなら大丈夫だろう!
「そうですね……では私のことを名前で呼んでいただけたら助けてあげますよ」ニコ
「なん……だと?」
もうダメだぁ……お終いだぁ……
こうなったら……逃げるしかない……!
「……」ダッ
「あっ!逃げないでよー!」
「逃げられてしまったか……あと少しだと思ったのだがね……」
「逃げられてしまいましたね……」
「「はぁ……」」
「ユウキくん待ってー‼︎」ダダダッ
「……」ダダダッ
その後無我夢中で逃げ、なんとかミカの追跡を振り切ることができた
「はぁはぁ……」ゼェゼェ
「なんとか逃げ切った、ぞ……」ゼェゼェ
「ユウキさん……?」
「え?伊落さん?」
「こんにちわユウキさん。かなり息が荒いようですが……大丈夫ですか?」
「あはは……ちょっと身の危険を感じたから逃げてたんだ……」
「え⁉︎大丈夫ですか⁉︎」
「もう大丈夫だよ」グッ
「それならよかったです……」
「うん、ありがとう」
「……私ユウキさんの噂を聞きました。名前呼びをされている方がいると……」
「……うん。いるよ」
「その方とはどんな関係なんですか?」
「……今日のパトロールで知り合って、仲良くなったんだ。そしたら名前呼びをしてほしいってお願いされて……」
「……ユウキさん」
「ん?」
「私のことは名前で呼んでくれないのですか?」
「え?いや……でも男の人にいきなり名前呼びされたら嫌でしょ?」
「嫌じゃありません!私はユウキさんに呼ばれるなら嬉しいです!」
「そうか?でも……」
「私では嫌なんですか……?」ウルッ
「⁉︎」
「だから呼びたくないんですか?」ツー
「ち、違う!」
「ではどうしてですか……?」
「それは……」
「……」
「……か……だ……」
「……?」
「恥ずかしいからだ……!」
「……え?……ふふ、そんな簡単な理由だったのですね」
「簡単じゃないよ……」
「簡単なことですよ」
「ユウキさん、お願いです。私のことも名前で呼んでくれませんか?」
「……わかった。ま、ま……マリーさん」
「さんはいりません!」
「…………マリー……」
「はい!マリーです!」ニパー
「可愛いい……」
「え?」
「いや、なんでもないよ」
「……ユウキさん」
「ん?どうしたのマリーさ──」
「……」プクー
「……マリー」アハハ
「……今度の休日に2人でお出掛けしませんか?」
「え?2人だけ?」
「は、はい!」
もしかしてデート⁉︎……いや、違うか……荷物持ちをしてほしいのかな?
「わかった。いいよ」
「……!ありがとうございます!」
「荷物持ちなら任せてくれ!」
「え?………… 鈍感……」プクー
「え?なんで頬を膨らませるんだ?」
「知りません!」
「えぇ……」
なんか怒らせるようなこと気づかないうちに俺したのか……?
「……それではまた連絡しますね」
「あ、ああわかった……」
「それではまた」ペコ
「またねマリー」フリフリ
「!」///
最後に顔を真っ赤にして行ったけどどうしたんだ?
まぁ可愛いからいっか……
次回に続く……
ユウキ君の口調がどんどん変わっていってる気がする・・・
ユウキ君の容姿は想像に任せると言ったな・・・あれは嘘だ
原作開始直前くらいになったら簡単なユウキ君の設定集を出そうと思います。
面白いと思ったらぜひぜひ評価と感想をお願いしマス