マリーゴールドを君に   作:Missan

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第九話:The story begins

正義実現委員会・本部

 

この日、正義実現委員会はいつもより慌ただしく動いていた

 

 

「副委員長!第4中隊より新たに増援要請です!他の隊も続々と増援を要請してきています!」

 

「わかりました。第5小隊を向かわせてください!」

 

「3番市街地にて新たな暴動が発生したとの通報です!」

 

「またですか⁉︎第7中隊を向かわせてください……!」

 

「出撃中の隊より出所不明の兵器が次々に出現しているとの報告です!」

 

「くっ……!連邦生徒会へ連絡して確認を!」

 

「それが……現在連邦生徒会内でも大規模な混乱が起きているようで……繋がりません!」

 

「⁉︎こんな時に……!」

 

「他の自治区でも同様の事態が起きてる模様です!」

 

「他の自治区でも⁉︎一体何が起きてるというのですか……!」

 

 

朝早くからこの慌ただしさ……しかもここと同じ状況が他の自治区でも起きてるだと?一体何が起きてるんだ?

各学園と連邦生徒会が混乱……まさか……これはもしかして連邦生徒会長が失踪したか?

 

 

「ついに始まるのか……」

 

「……ユウキさん?」

 

「……副委員長、現在連邦生徒会には連絡が繋がらないんでしたよね?」

 

「ええ、そのようです……」

 

「それならこちらから直接聞きに行ってはどうでしょうか?」

 

「確かに……それは良い提案ですね。ですが今私達にそれができる時間と人が足りていないのです……」

 

「はい、それは俺もわかっています。そこで、その役目を俺に任せてほしいのです」

 

「ユウキさんにですか?ですが、今ユウキさんが抜けてしまうとこちらの戦力が……」

 

「今のこの状況は連邦生徒会の混乱が収拾しない限り、良くなりません。ですので足の速い俺が連邦生徒会に出向き、一刻も早く混乱を治める為に情報を得るべきだと考えます。それに俺は基本1人なので俺が抜けてもそこまで戦力に影響はありません」

 

「……わかりました。ユウキさんは混乱の収拾と原因究明の為に、連邦生徒会に向かってください」

 

「了解しました。ありがとうございます!」

 

「現在自治区の至る所で暴動が発生しています。どうか気をつけてください……」

 

「任せてください、必ずこの混乱を治めるべく戻ってきます」

 

 

 

 

数時間後

 

そんなわけで、俺は今サンクゥトムタワーに来ている。ここまで急ぎだったため電車は使わずに来た。道中暴動に巻き込まれたりしたが、電車よりもかなり早く着いた。

タワー内は、連邦生徒会の生徒達が慌ただしく動いていて、かなり混乱している様子なのがわかる

 

ガヤガヤ……

 

「あ、すみません俺はトリニティの──」

 

「すいません今は手が離せないです!後で対応しますので彼方で座ってお待ちください!」

 

受付の生徒に話しかけたが、今は仕事から手が離せないらしく、ソファのある場所で待つよう言われた。そしてそこには既にスズミとチナツ、ユウカがいた

 

「……ユウキさん?」

 

「どうも守月さん。早いですね」

 

「はい、混乱の原因を連邦生徒会長より聞くためにここまで来たのですが……既に1時間近く待たされています」

 

「Oh……お疲れ様です」

 

スズミとは何回か任務で会うことがあり、一緒にパトロールや鎮圧をすることがあった。俺が鎮圧に閃光手榴弾を使うのを見た時には目をキラキラさせて嬉しそうにしていた

 

「ユウキさんは正義実現委員会の代表としてここに来たのですか?」

 

「はい、まぁそんなところです。今俺達は自治区内の暴動鎮圧で時間も人手も足りてないので、基本1人で活動してる俺が来たわけです」

 

「なるほど、そういうことですか……」

 

「ところでそちらのお二人も連邦生徒会長に会いに?」

 

「え⁉︎え、ええそうよ!」

 

急に話しかけられてテンパるミレニアムオオフトモモ……可愛いね……

いや、マリーの方が可愛いだろ!(手のひらドリル)

 

「はい、そうですね。そちらの方と同じく1時間近く待たされています……初めましてですね、天野ユウキさん。お話は委員長より聞いています。ゲヘナ風紀委員会の火宮チナツです。同じ学年同士よろしくお願いしますね」

 

「は、初めまして天野ユウキさん。噂に聞いていたけど本当に男性なのね……ミレニアムサイエンススクール、セミナーの早瀬ユウカよ!よろしく」

 

「お二人とも初めまして、正義実現委員会所属の天野ユウキです。よろしくお願いしますね」

 

 

2人との自己紹介がちょうど終わった時、チンっという音と共にエレベーターの扉が開き、中から2人の人物が出てきた。

その中の1人を見たユウカがずかずかとその人物に向かっていった。

ん?待て待て男性がいないぞ?どにいるんだ?まさかそこの大人の女性が……

 

「……ちょっと待ちなさい!見つけたわよ代行!もう1時間近く待ってたのよ!連邦生徒会長を呼んできて!」

 

「連邦生徒会長に会いにきました。風紀委員長が今の状況について納得のいく説明を要求しています」

 

2人がリンちゃんに連邦生徒会長に会わせるよう詰め寄る中、俺はリンと一緒に出て来た大人に話しかけていた

 

「……初めまして、あなたが先生ですか……?」

 

"うん?初めまして、君の言う通り私が先生だよ!君は?"

 

「俺はトリニティ総合学園、正義実現委員会所属の天野ユウキです。よろしくお願いします」

 

"ユウキ君!よろしくね!"

 

そう言って笑顔を向けてくる先生……まさか女先生が来るとは……

これじゃ本当に男性が俺だけしかキヴォトスには存在しないジャマイカ……

 

「うへぇ〜……」グッタリ

 

"どうしたの?どこか体調が悪いの?"

 

「いえ……大丈夫です。ありがとうございます」

 

"そう……?本当に悪くなったらすぐに言ってね!"

 

生徒の俺がぐったりしてるとすぐ心配してくれるところは流石先生といったところだ

 

 

「こんな状況で連邦生徒会長は何をしてるの?どうして姿を見せないの?今すぐ会わせて!」

 

「……連邦生徒会長は現在、席におりません。正直に言いますと、行方不明になりました」

 

「え⁉︎」

 

「……‼︎」

 

「……」

 

「結論から言うと、サンクトゥムタワーの最終管理者がいなくなったため、今の連邦生徒会は行政制御権を失った状態です」

 

「認証を迂回できる方法を探していましたが……先ほどまで、そのような方法は見つかっていませんでした」

 

「それじゃあ、今は方法があるということよね?」

 

「はい。この先生こそが……」

 

「この状況を解決する鍵になるということか」

 

「……はい。貴方の言う通りです。」

 

"私が?"

 

「ちょっと待って。そういえばこの先生はいったいどなた?どうしてここにいるの?」

 

「キヴォトスの外から来た方のようですが、先生だったのですね」

 

「はい。こちらの先生は、これからキヴォトスの先生として働く方であり、連邦生徒会長が特別に指名した人物です」

 

「行方不明になった連邦生徒会長が指名……?ますますこんがらがってきたわ……」

 

"こんにちわ!私が先生だよ!これからよろしくね"

 

「こ、こんにちわ、先生。私はミレニアムサイエンススクールの……い、いや、挨拶なんて今はどうでもよくて……」

 

「そのうるさい方は気にしなくていいです。続けますと……」

 

「誰がうるさいって⁉︎ 私は早瀬ユウカ!覚えておいてください、先生!」

 

"うん、よろしくね、ユウカ!"

 

今更だがこの先生かなりフレンドリーな人なんじゃないか?

これは一体何人が脳を焼かれるのやら……

 

 

「……先生は元々、連邦生徒会長の立ち上げた、ある部活の担当顧問としてこちらに来ることになりました」

 

「連邦捜査部"シャーレ"」

 

「単なる部活ではなく、一種の超法規的機関。連邦組織であるため、キヴォトスに存在する全ての生徒達を、制限なく加入させることすらも可能で、各学園の自治区で制限無しに戦闘活動を行うことも可能です」

 

「なぜこれだけの権限を持つ機関を、連邦生徒会長が作ったのかはわかりませんが……シャーレの部室はここから約30km離れた外郭地区にあります。今はほとんど何もない建物ですが、連邦生徒会長の指示で、建物の地下に"とある物"を持ち込んでいます」

 

「先生をそこまでお連れしなければなりません……モモカ、シャーレの部室に直行するヘリが必要なんだけど……」

 

「シャーレの部室?……ああ、外郭地区の?そこ、今大騒ぎだけど?」バリボリ

 

モモカの言葉を聞き、表情が曇るリン。

てか、君はお菓子を食べてる場合なのか……?

 

「大騒ぎ……?」

 

「矯正局を脱出した停学中の生徒が騒ぎを起こしたの。そこは今戦場になってるよ」

 

「……うん?」

 

あ、リンの額に青筋が

 

「連邦生徒会に恨みを抱いて、地域の不良たちを先頭に、周りを焼け野原にしてるみたいなの」

 

「それで、どうやら連邦生徒会所有のシャーレの建物を占拠しようとしてるらしいの。まるでそこに大事なものでもあるみたいな動きだけど?」

 

「……」

 

あ、青筋が増えた……

 

「まぁでも、もうとっくにめちゃくちゃな場所なんだから、別に大したことな……あっ、先輩、お昼のデリバリーが来たから、また連絡するね!」

 

ブツッ

 

そう言ってモモカは通信を切った。てか、この混乱の中ここまで到達できたデリバリー配達員すごいな……

 

「……」プルプル

 

あ、リンが限界突破した

 

"大丈夫?深呼吸でもする?"

 

「……だ、大丈夫です。……少々問題が発生しましたが、大したことではありません」ニコニコ

 

いや絶対大丈夫じゃないだろ。顔がめっちゃ怖いんだが……目が笑ってないじゃないか

 

「……」ジー

 

「……なぜこっちを見るんです?」

 

「な、何?どうして私達を見つめてるの?」

 

「ちょうどここに各学園を代表する、立派で暇そうな方々がいるので、私は心強いです」ニコニコ

 

あっ、この後戦わせられるんですね……

 

「……え?」

 

「キヴォトスの正常化のために、暇を持て余した皆さんの力が今、切実に必要です。行きましょう」

 

いや、全然暇じゃないんだが……よし、帰ろう

 

「じゃあ、俺ちょっとこの後あれがアレなんで──」

 

「もちろん。貴方も行きますよね?」ニコニコ

 

「ハハハ!……もちろん行きますとも!」グッ

 

もうダメだぁ……お終いだぁ……

 

「ちょ、ちょっと待って⁉︎ ど、とこに行くのよ⁉︎」

 

 

 

 

 

D.U.外郭地区・シャーレの部室付近

 

 

ドカアアァァァァン!

ダダダダダダッ‼︎

 

「なんで私たちが不良たちと戦わなきゃいけないの‼︎」

 

「サンクトゥムタワーの制御権を取り戻すためには、シャーレの部室の奪還が必要ですから……」

 

「それは聞いたけど……!私これでも、うちの学校では生徒会に所属して……」

 

「油断してると撃たれますよ。伏せて!」

 

「えっ?……っ!」サッ

 

ダダダダダッ!

 

「あ、危なかった……ありがとうユウキさん」

 

「いえ、ここは既に戦場です。気を引き締めてください。それに、今は先生が一緒なんです。先生は俺達と違って弾丸1発すら危険なんです。先生を守ることを最優先に部室を奪還しましょう」

 

「ユウキさんの言う通りです」

 

「わかってるわ。先生、先生は戦場には出ないでください!私たちが戦ってる間は、この安全な場所にいてくださいね!」

 

"私が指揮するよ!先生だからね"

 

「え、ええっ?戦術指揮をされるんですか?まあ……わかりました……」

 

「生徒が先生の言葉に従うのは自然なこと、ですね。よろしくお願いします」

 

「俺が前に出て敵を撹乱します。任せましたよ、先生」

 

"おっけー!任せて!"

 

「よし、じゃあ行くわよ!」

 

 

 

 

その後、先生の指示でしばらくの間何回か交戦をしたが、こちら側は特に被害無く不良たちを倒すことができていた

 

 

「なんだか、戦闘がいつもよりやりやすかった気がします……」

 

「……やっぱりそうよね?」

 

「ユウキさんが敵を撹乱してくれたのもありますが、先生の指揮のおかげで、普段よりずっと戦いやすかったです」

 

"そう?みんなが強いからだよ!"

 

「なるほど……これが先生の力……」

 

「まだこれからも戦闘は続くと思います。先ほどと同じようにお願いしますよ、先生」

 

"ユウキくんもお願いね!"

 

 

 

シャーレ部室に向かう道中……

 

ピピ

 

『先生、聞こえていますか?』

 

"うん!聞こえてるよ、リンちゃん!

 

『誰がリンちゃんですか……まぁ今はそんなことより、先ほど、この騒ぎを巻き起こした生徒の正体が判明しました』

 

『狐坂ワカモ。百鬼夜行連合学院で停学になった後、矯正局を脱獄した生徒です。似たような前科がいくつもある危険な人物なので、気をつけてください』

 

"ありがとうリンちゃん!"

 

『誰が……はぁ、では任せましたよ』

 

 

 

 

数十分後

 

「よし、建物の入り口まであと少しよ!」

 

「おかしい……」

 

「ユウキさん?何がおかしいのですか?」

 

「ここまで来るのに、騒動の中心人物であるワカモに一度も遭遇してないんですよ」

 

ゲームだと確か一回だけ先生達の前に姿を現して襲ってきた筈なのに……出てくる気配がない

 

「たしかに……そういえばまだ姿を見てないわね……」

 

「既に建物の中に入っているのかもしれませんね……急ぎましょう」

 

俺たちがその場を動こうとしたその時……

 

 

ゴゴゴゴゴゴ──

 

「……うん?この音は……」

 

「オラオラー!パンツァーフォー!」

 

ドカーンッ!

ダダダダダッ!

 

「!?」

 

「ティーガー戦車⁉︎ 不良がなぜあんなものを……!」

 

「えぇ……」

 

なんでティーガー戦車が出てきた⁉︎ プロローグで出てくるのは確かクルセイダー戦車だろ⁉︎

今持ってる装備じゃあの重装甲には効かないぞ……!

 

ドカーンッ!

 

「きゃー!」

「くそっ!」

 

"ユウカ、ユウキ!一度下がって!"

 

「了解!」

 

俺とユウカは一度障害物の後ろに隠れたが、あの大口径の砲で撃たれては長くはもたないだろう……

 

"何かあの戦車を破壊する手は……"

 

「今の私たちの装備ではあの戦車の装甲を貫くのは難しいです……!」

 

「ヒャッハー!隠れてないで出てこいやー!」

 

ドカーンッ!

ダダダダダッ!

 

"危なっ!"

 

「先生!隠れていてください!」

 

「くそっ……何かあいつを貫ける物はないのか……!」

 

あの装甲を貫くにはRPGや対物ライフルくらいの物じゃなきゃ無理だが、俺たちにそんな装備は今無い……

 

「こんな時にアレがあったら!……まぁここは現実だしそもそもゲームが違うから……ん?」

 

その時、俺の左腕が金色に光り出し、眩しさに目を閉じた

 

「くっ……な、なんだ……!?」

 

光が収まり、目を開けると……

 

「⁉︎ な、なんでコイツが左腕に⁉︎」

 

薄く金色に光りながら"そいつ"は俺の左腕の側面にあった

 

「でも……コイツならあの戦車をやれるかもな……!」

 

 

"考えるんだ私……考えろ……"

 

「先生!」

 

"どうしたの?"

 

「あいつにとっておきの1発をコイツでぶち込みます。それにはあいつに近づかなきゃいけません」

 

"わかった!つまり援護だね?その前に、ユウキくんのその左腕に付いてるのは何なの⁉︎ なんかすごくかっこいい形してるけど!"

 

「なんか気づいたらありました……」

 

"なんで⁉︎ "

 

「それより、あの戦車を早く片しましょう」

 

"わかった!援護は任せて!"

 

"みんな!今からユウキくんがあの戦車を破壊するとっておきを喰らわすみたいだから、私の指示で援護をお願い!"

 

「ゆ、ユウキさんが⁉︎」

 

「わかりました。お任せください」

 

「気をつけてくださいね」

 

「ありがとうございます。では、行ってきます!」ダッ

 

"さぁ援護するよ!"

 

 

俺は障害物から飛び出して戦車に走りだす。

先生の指示でユウカ達が戦車の気を引いてくれていたおかげで気づかれなかった

 

戦車までもう半分というところでようやく俺に気づいたようだ

 

「⁉︎ 敵が1人こっちに向かってきてるぞ!」

「主砲を喰らえ!」

 

ズドンッ

 

「ふんっ!」

 

主砲を撃ってきたが、砲弾が当たる寸前で横移動し、回避する

 

「なっ⁉︎ あいつ避けやがった!」

「機銃だ!」

 

ダダダダダンッ

 

「そんなデタラメで当たるか」

 

横移動でも回避できないように撃ってくるが、一丁の機銃がデタラメに撃ったところで意味がない

 

「装填終わったぞ!」

「撃て!」

 

ズドンッ

 

主砲をもう一度撃ってくるが……

 

ズダンッ

ドカーンッ!

 

「⁉︎ あいつ砲弾を撃ち抜きやがった……!」

 

砲弾に向けてSGを撃ち、散弾で砲弾を撃ち抜いた

 

そして、主砲をもう一度撃たれる前に主砲の死角に入り、戦車に近づく

 

「くそっ!あいつはどこだ!」

「外に出て確認してみる」

 

ガチャ

 

「あいつはどこに隠れたんだ……」

 

とっておきを喰らわすために戦車の上に上がったが、タイミング悪くハッチから不良が顔を出してきた

 

「よぉ……後ろだ」

 

「なっ⁉︎いつの間に!てかその腕のはなんだ⁉︎」

 

「いやいや、ちょっとプレゼントをね。死にたくなかったら逃げな」

 

「……は?」

 

俺は高くジャンプをして左腕を振り上げ、左腕のコイツに力を込めるイメージをして……急降下する

 

「な、なんだ⁉︎逃げろ!」

「お、置いてくな!」

 

ヒュュュュュ──

 

「喰らえやぁ‼︎」

 

ズドンッ!

 

ドカアアァァァァン!

 

 

戦車の天板へゼロ距離で金色のデカい杭が超高速で打ち出され、戦車に大きな穴を開けて破壊した

 

 

「ふぅ……流石の威力だな。だけどなんでコイツがいきなり現れたんだ?」

 

「パイルバンカー……」

 

今俺の左腕には前世でよくプレイしていたゲーム、AC6の近接武器の一つ、「パイルバンカー」が付いている

 

「なんでこの世界に……」

 

そう考えていると

 

パラパラ……

 

「消えていく……」

 

なぜか塵のようにパイルバンカーが消えてしまった……まぁあんなのを生徒に喰らわせたら、いくら頑丈でも死ぬ可能性があるからいいか……

 

 

"おーい!ユウキくん大丈夫かーい!"

 

先生達が俺の方に向かってくる

 

「ユウキさんのおかげで突破できました」

 

「怪我はありませんか?」

 

「さっきのはすごかったわ!」

 

「ありがとうございます。先生と3人が援護してくれたからやれたんです。ありがとうございました」

 

"何もなくてよかったよ!こちらこそありがとうね、ユウキ!"

 

「よし、それじゃ行きましょ!」

 

 

 

 

数分後

 

「着いた!」

 

「ふぅ……」

 

『シャーレ部室の奪還完了。私も、もうすぐ到着予定です。建物の地下で会いましょう』

 

"わかったよ、待ってるねリンちゃん"

 

『……』

 

「……先生、建物内は俺が護衛します。3人はここで建物に侵入者が入らないよう監視をお願いします」

 

「わかったわ!」

 

"エスコートよろしくね?"

 

「任せてください」グッ

 

 

 

 

 

シャーレ・建物の地下

 

「先生……この先にはワカモがいると思われます。警戒して進みましょう」

 

"わかったよ!"

 

ガタガタ……

 

「!」

 

「うーん……これが一体何なのか、まったくわかりませんね。これでは壊そうにも……」

 

「動くな」ガチャ

 

「……あら?」

 

"こんにちわ!君がワカモかな?"

 

「先生……」ハァ

 

ワカモに元気に挨拶をし始める先生……まぁ仕方ないか……先生だし

 

「あら、あららら……」

 

"どうしたの?"

 

「あっ」

 

そういえばこの世界の先生は女性だけど、ワカモは先生に一目惚れするのか?なんか俺の方を見てる気がするんだが

 

「……」

 

「あ、ああ……」

 

「ワカモ……?」

 

「し、し……失礼いたしましたー‼︎」

 

ワカモはそう言って、猛スピードで逃げていった。

多分先生に一目惚れしたんだな……!きっとそうに違いない

 

"……え?どうしたんだろ?"

 

「……わからないです」

 

 

コツッコツッ

 

「お待たせしました。……?何かありましたか?」

 

"ううん、大丈夫だよ!"

 

「……そうですか。ここに、連邦生徒会長の残したものが保管されています」スッ

 

「……幸い、傷一つなく無事ですね。受け取ってください」

 

"ただのタブレット端末?"

 

「ただのタブレット端末ではありません。これが、連邦生徒会長が先生に残した"シッテムの箱"です」

 

"シッテムの箱?どこかで聞いたような……"

 

「実は正体がわからない物なのです。製造会社も、OSも、システム構造も、動く仕組みのすべてが不明」

 

「連邦生徒会長は、この"シッテムの箱"は先生の物で、先生がこれでタワーの制御権を回復させられるはずだと言っていました」

 

「私たちでは起動すらできなかった物ですが、先生ならこれを起動させられるのでしょうか……」

 

"……"

 

「……では、私はここまでです。ここから先は、全て先生にかかっています」

 

リンがそう言って邪魔にならないように先生から離れる

 

「先生、起動できますか?」

 

"できる気がする……"

 

ピッ

 

『Connecting To Crate of Shittim...』

 

"起動できたよ!ユウキ!"

 

「よかったです。パスワードを入れる必要があるはずなので集中しましょう」

 

『システム接続パスワードをご入力ください』

 

"パスワードは……(あれ?頭に浮かんでくる……)"

 

……我々は望む、七つの嘆きを。

……我々は覚えている、ジェリコの古則を。

 

「……(大丈夫みたいだ)」

 

『……接続パスワード承認。現在の接続者情報を確認できました。シッテムの箱へようこそ』

 

『生体認証及び認証書生成のため、メインオペレートシステムA.R.O.N.Aに変換します』

 

 

 

???

 

 

"あれ?私いつの間にこんな所に……?"

 

「あれ?なんで俺まで……?」

 

気づいたらアロナのいる世界に俺と先生がいた。なんで俺までいるんだ?

 

"あ、ユウキくん。ここどこかわかる?"

 

「わからないです……とりあえずそこで寝てる子に聞いてみては?」

 

"寝てる子?あ、本当だ"

 

「くううぅぅ……Zzzz」

 

「むにゃ、カステラにはぁ……いちごミルクより……バナナミルクのほうが……」

 

なんだろう……アロナを見ていると前世で青封筒ばっかり出されてたのを思い出してくる……ムカついてきたな……

 

「くううう……Zzzzzz」

 

「えへっ……まだたくさん青封筒ありますよぉ……」

 

「……」イラッ

 

ベシッ

 

"ユウキくん⁉︎"

 

「うにゃ……天井はまだですよぉ……しっかり払ってもらわなきゃ……」

 

「……」

 

ギュッ

 

「むぅ……」

 

グイー!

 

「痛たたたたた!痛いです!」

 

"ユウキくん急にどうしたの⁉︎ 離してあげて⁉︎"

 

「……よし」パッ

 

「むぅ……痛かったです……いきなり何するんですか!て、ありゃ?ありゃりゃ?え?せ、先生⁉︎」

 

「俺じゃなくてこっちの女性が先生だ」

 

「え?どうしてこの空間に生徒さんも⁉︎」

 

"こんにちわ!私が先生だよ!君は誰かな?"

 

「う、うわああ⁉︎ そ、そうですよね⁉︎ もうこんな時間⁉︎」

 

「えっと……その……あっ、そうだ!自己紹介から!」

 

「私はアロナ!このシッテムの箱に常駐しているシステム管理者であり、メインOS、そしてこれから先生をアシストする秘書です!」

 

「やっと会うことができました!私はここで先生をずっと待っていました!」

 

「寝てたじゃないか」

 

「あ、あうう……も、もちろんたまに居眠りしたこともあるけど……というか、あなたは誰ですか⁉︎ なぜこの空間に⁉︎」

 

「俺は天野ユウキだ。なんでここにいるのかは俺もわからないんだ」

 

「えぇ……(困惑)」

 

"これからよろしくね!"

 

「は、はい!よろしくお願いします!これから先、頑張って先生のことを色々な面でサポートしていきますね!」

 

 

その後、先生とアロナの生体認証などの手続きが進んでいった。

終わった後は先生がアロナと少し雑談して、最先端の機能を持つ機械に嫉妬して泣いたアロナを先生が慰めていたりした

 

 

「……なるほど……先生の事情は大体わかりました。連邦生徒会長が行方不明になって、キヴォトスのタワーを制御する手段がなくなったのですね……」

 

「なんとかできないか?」

 

「はい!私ならその問題は解決できそうです!」

 

"じゃあお願いするね、アロナ!

 

「わかりました!それでは、サンクトゥムタワーのアクセス権を修復します!少々お待ちください」

 

「…………サンクトゥムタワーのadmin権限を取得完了……先生、サンクトゥムタワーの制御権を無事に回収できました。今サンクトゥムタワーは、私の統制下にあります」

 

"ありがとうアロナ!それじゃあその権限を連邦生徒会に渡せるかな?"

 

「わかりました。これよりサンクトゥムタワーの制御権を連邦生徒会に移管します!」

 

 

 

 

「……はい、わかりました」

 

カチャン

 

「サンクトゥムタワーの制御権の確保が確認できました。これからは連邦生徒会長がいた頃と同じように、行政管理を進められますね」

 

"あれ?いつの間に戻ってた?"

 

「……」

 

「?どうかされましたか?」

 

"いや、なんでもないよ!"

 

「そうですか……お疲れ様でした、先生。キヴォトスの混乱を防いでくれたこと、連邦生徒会を代表して深く感謝いたします」

 

「それじゃあ俺はそろそろ学園に帰りますね、先生」

 

"え、もう帰っちゃうの?"

 

「はい、委員会に報告することがたくさんあるので。何かあったら気軽に呼んでください。これ、俺の連絡先です」

 

"そっか、今日はありがとうねユウキくん!"

 

「私からも、感謝いたします。ありがとうございました」

 

「いえ、お二人もこの後の仕事頑張ってくださいね。それでは」サッ

 

 

 

 

 

正義実現委員会・本部

 

「天野ユウキ、戻りました」

 

「!おかえりなさいユウキさん。それで、どうでしたか?」

 

「はい、それが──」

 

その後今日あった事を全て話し、連邦生徒会長が行方不明になったこと、先生が来たこと、行政権を取り戻したことを説明した

 

 

「なるほど……ではこれからはいつも通りに戻るのですね……ユウキさん、本当にありがとうございました」ペコリ

 

「お役に立てたようで嬉しいです。それで、この後はどうしますか?」

 

「今日はもう休んでください。あとは私たちに任せてください」

 

「……了解しました。では失礼します」

 

 

 

 

自宅

 

「うーん、やっぱあの時のあれは黒服ならわかるか?」

 

あの時とはティーガー戦車と戦った時である

 

「……よし、黒服に連絡してみよう。連絡先は……よし」

 

ぷるる……ガチャ

 

『クックック……お待ちしておりましたよ』

 

「出るの早くないか?」

 

『いつでも出られるようにずっと電話機の前で待っていたのですよ』

 

「おう、キモいな」

 

『クックック……酷いですね……それで、ご用件は?』

 

「会って話したいことができたのと、俺の身体についてだ」

 

『なるほど……では座標を送るので、そこまで来てください』

 

「わかった」

 

『お待ちしていますよ。クックック』

 

ブツッ

 

ぴこん

 

「おっ、来た」

 

座標が俺の端末に送られてくる

 

「結構近いな……よし、行くか」

 

黒服の元に向かうため俺は家を出た

 

 

 

次回に続く

 

 




というわけで、先生が来ました
結構悩んだ結果、女先生の方になりました

この話の前にユウキ君の容姿や性格などについて書いた話を載せる予定だったんですけど、字数が足りなくて出せなかったです......
なのでここにユウキ君と女先生の容姿を書いておきます。


天野ユウキ
身長172cm
容姿:灰色に近い黒髪ショート、鼠色の瞳
似てる人:折木奉太郎


女先生
身長168cm
容姿:銀髪セミロング、水色の瞳
似てる人:一色いろは


てことで、2人の容姿でした。これはあくまで作者が勝手にそう想像してるだけなので、これは嫌だ!って方は自分の好きなキャラなどを重ねて見てください

ちなみに、今回我慢できずにAC6要素を出しましたがいかがでしたか?作者的にはもっと迫力を出したかったんですけど、戦闘描写が下手すぎて出来ませんでした......これからも何回か出す予定があるので、他の作者さんの作品を見させてもらって勉強します!
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