幻想とつながる箱庭   作:腹痛はらいた

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3話目まだ書けてないけどまあ良いか
相当遅筆です。あしからず
書き忘れましたが時系列は対策委員会3章完結後です



1、日常に起きた異変

 

 

アビドス自治区郊外、人の寄り付かない砂漠には風すら無く、その場所は正午の激しく照りつける日差しで陽炎(かげろう)が出来ている。

 

 

 

何の前触れもなくその空間に手が突き出された。

 

 

唐突に何も無い中空に陽炎から生えてきたそれはあまりに強い日差しに驚いたようかのように次の瞬間には消える。

 

 

 

次に変化があったのは数時間後。少し日が傾き風が吹き始めたその場所で同じように突き出されたその手は確かめるかのように空に手のひらを向けた。

傾いたとはいえ(いま)だ強い日差しを確認したその手を一度引っ込て、今度は顔が出される。

 

 

長いロングの金髪を片側だけ結い金の瞳をしているその顔は周りの景色を見て予想外のものが出てきたかのようにぎょっとした。人の目がないことを確認してその下を何もない場所から出す。

 

 

完全に全身を見せたその少女は白黒の服を軽くはたきながら周囲を確認する。魔女を思わせる帽子を目深(まぶか)に被り直した少女は困惑した様子だった。

 

 

「ここは本当に日本か…?」

 

 

取り留めのない独り言を吐きながら少女は持っていたほうきの先の荷物をつかもうとして、

 

 

「…?」

 

 

ふと伸ばしかけた(てのひら)を見つめる。

 

 

「…」

 

 

頭を振り、先ほど見渡した際に見つけた遠くの町並みに向けて歩き出すのだった。

 

 

 

 

─────────────────────────────

 

 

 

「ホシノ先輩!またこんなとこで寝て!起きてください!」

 

「うへ〜…まだ六時だよ?もう少し寝させてよママ〜」

 

「誰がママですか!?それに今は6時と言っても午後6時です!そろそろセリカちゃん達が帰ってきますからふざけたこと言ってないで早く起きてください!」

 

「うへ~揺らさないで〜」

 

 

 

アビドス高校の空き教室で昼寝をしていた私はアヤネちゃんの声で起こされる。外の景色を見ていたらいつの間にか寝ていたらしい。

 

 

列車砲の一件からしばらくたったその日の午後のことになる。

ユメ先輩の事に一区切りついたとはいえ習慣化していた夜のパトロールを辞める気も起きなかった私は相も変わらず昼間の余韻をむさぼっていた。

何よりもみんなと一緒の場所の方が寝心地がいいから仕方がない。まあ、癖になったものはなかなか治らないよね〜。

 

 

 

「ホ・シ・ノ・せ・ん・ぱ・い〜?」

 

「イタタタ…分かった!分かった!分かったから!引っ張らないで〜!」

 

────────────────────────────

 

 

「セリカちゃん達ってことはノノミちゃんとシロコちゃんも出かけてるってことだよね」

 

 

いつものように定例会議の準備をしてくれているアヤネちゃんを眺めながらさっきの会話を思い出す。

 

セリカちゃんはバイト帰りとして二人ともいないのは珍しい。みんな私が起きてくる頃には集合しているのに。起こしにくるのだってアヤネちゃんだったことも珍しい。

 

 

 

「はい、私が集計している間に手伝えることは無いか、とノノミ先輩がおっしゃたので足りない物資を買い出しに行ってもらいました。シロコ先輩はそれなら時間はかなりある、とサイクリングへ」

 

「うへ~、じゃあアヤネちゃんとおじさんのふたりきりか〜何だか久々な感じがするね〜?」

 

「ふふ、そうですねそれなりに私たちにも余裕が出来てみんなといっしょにいれる時間が増えましたから」

 

 

 

アヤネちゃんはみんなの分のお茶を入れながらそう言って微笑む。窓の外は快晴で強い日差しでも気持ちが良い。ここが砂漠でなければ窓をすべて開け放したいくらいだ。

 

いつもより人が少ない分時間がゆっくり流れているような感覚がする。そんなどうでもいい事を考えながら淹れてもらったお茶をすすった。

 

 

 

 

「あら?ホシノ先輩が先にきてるなんて珍しいですね☆」

 

「お帰り〜いや〜アヤネママが起こしてくれてね〜」

 

「まあ、私がいつも起こしてあげてたのに…もう乗り替えるなんて…お母さん悲しいです☆アヤネちゃん買い出しこれで良かったですか〜?」

 

「あはは…ありがとうございます…あれ?何か弾薬多くないですか?」

 

 

苦笑いしながら買物袋を受け取って中を確認したアヤネちゃんはそう言いながら顔を上げる。

 

 

「この前、ヘリコプター用の弾薬が少なくなってきたと言ってたでしょう?メモにはありませんでしたが買っておいたんです☆」

 

「そう言えばそうでした…ありがとうございますノノミ先輩」

 

「いえいえどういたしまして〜☆」

 

 

 

 

 

「ごめ~ん!バイトが長引いちゃって遅れちゃった…ってあれ?シロコ先輩は?」

 

「お帰りなさいセリカちゃん、シロコ先輩は今サイクリングに出かけてるところだよ」

 

「ふーんそうなんだ...あれこの袋詰めのお菓子どうしたの?」

 

「デパートで買い出しついでに福引を引いてきたんです。5等が当たったんですよ〜☆。1等はリゾートだったんですけど…。やっぱりなかなか当たりませんね〜☆」」

 

「うへへへ…セリカちゃんが当てた時はやっぱり運が良かったんだね〜。」

 

「あ~懐かしいわねその話…」

 

「そんな顔しないでよ...今では良い思い出でしょ?セリカちゃんだって打ち上げ楽しんでたし!」

 

「そうですよ~!それにいい写真も撮れましたし☆見ます?みんなの日焼け姿!痛くなって涙目のセリカちゃんとか特によくありません?」

 

「ちょっと!いつの間に撮ってたのよそんなの!」

 

「良いね〜!おじさんにもかわいいセリカちゃん見せて〜」

 

「ハンモックで日焼けが変になった先輩のもあるわね、これ」

 

「うへ!?セリカちゃん切り替え早くない!?」

 

「あはは…」

 

 

くだらない冗談といつも通りの会話にふと思う

ああ、本当、こんな日がずっと続けばいいのに、と

 

 

「ん、ごめん遅くなった、氷嚢(ひょうのう)貰える?」

 

「お帰り〜どうしたの?シロコちゃん何か立ち眩みで…も…」

 

 

別にフラグが欲しい訳じゃなかったんだけどな...

 

帰って来たシロコちゃんの背中には大きな黒い帽子と金髪が乗っていた。何か前にも同じようなことがあった気がする。あとその手のほうきは何?

 

 

「シロコちゃん…その子どうしたの?まさか拉致!?」

 

「前も似たような事あったわね…」

 

「あの時ホシノ先輩いましたっけ☆」

 

「あはは…えっとシロコ先輩、その方はどなたですか?」

 

 

シロコちゃんはソファーにその子を落ろす。首にシロコちゃんのタオルが巻き付けられたその子は黒の服と白のエプロン、フリルの付いたとんがり帽子といった妙な格好をしていた。ヘイローはついていない。気絶してるのかな?

 

 

「シロコちゃん、もしかしてこの子殺しちゃった…?」

 

「え!今度こそ本当に!?」

 

「皆さん落ち着いてください!こういう時は死体を埋める場所とスコップを…!」

 

「ん、みんな本当に私の事なんだと思ってるの?前を歩いてた人が急に倒れたから助けただけ。多分、熱中症。持ってたペットボトルで首を冷やして日陰に置いて落ち着いたからここにつれてきたの」

 

 

そう言われてみれば確かに息をしているし顔色が少し赤い。

 

 

「そうだったんですね。えっと…勘違いしてしまってすいません。とりあえず医務室に運びましょうか」

 

「手伝います〜」

 

「あ、じゃあ私保冷剤取ってくるわ!」

 

そう言ってノノミちゃん達はあの子背負って行ってしまった。

 

 

「うへ〜そういうことなら早く言ってくれれば良かったのに〜」

 

「1番最初に殺したとか言ったのはホシノ先輩」

 

シロコちゃんがジト目でそう言ってくる。言われてみればそうだ。自分の発言に苦笑いがこぼれる。

 

「それは…ごめんってば」

 

「ん、許す」

 

─────────────────────────────

 

 

白黒のあの子の荷物をとりあえず整理した私とシロコちゃんがノノミちゃん達を追いかけて医務室についた時にはアヤネちゃんしかいなかった。どうやらアヤネちゃんは金髪の子に冷えたタオルを準備していたらしい。

 

肝心のその子は顔をしかめていて当分起きそうも無い。  

 

「あれ、一人?ノノミちゃん達は?」

 

「ノノミ先輩とセリカちゃんは定例会議の準備のついで玄関の掃除をしてもらっています。どうやら吹き出した風で砂が入り込んでしまったようで…途中ですれ違いませんでした?」

 

 

確かに途中の廊下はいつもより砂が多かった気がする。多分道具を取りに行って行違いを起こしたんだろう。

 

 

「ん、ごめんアヤネ。もしかしたら玄関ちゃんと閉めれてなかったかもしれない」

 

「いえ、気にしないで下さい。仕方ないですよ」

 

「それにしても見ない格好してるよね〜この子、どこから来たんだろ…シロコちゃん、この子どこから連れてきたの?」

 

 

私はそう言いながらその子の顔を覗き込む。金髪のくせ毛を乗せたその子の顔はその綺麗な金髪のせいかどこか浮いているかのような現実味のなさを感じさせる。人形のように綺麗というのはこういう感じなのかもしれない。

 

 

「私が最初に見つけたときはここから一番砂漠に近い廃墟を歩いてた。行きの足跡は見あたらなかったからアビドスを通ったわけじゃないのかもしれない。持ち物を調べてみたけど学生証はもってなかった。」

 

「なるほど...」

 

「...」

 

 

アヤネちゃんはそちらに何があるかを調べてくれている。私の記憶に間違いないならその先と周辺には砂漠以外には何もないはずだ。そちらに近い自治区はゲヘナだが格好からしてその可能性も少ないだろう。第一、徒歩で来る必要がない。

 

しかし、何か身分証明できるものがないとなると...  ?

あれ?

 

 

「ちょっと待ってください?学生証が無かったって…シロコ先輩、もしかしてこの人のサイフ、勝手に見ちゃいました?」

 

「...ん」

 

「シロコちゃん...?」

 

 

あ、目をそらした

 

 

「...大丈夫、中身はさわってない」

 

「メッだよ、シロコちゃん、それでもダメなものはダ~メ」

 

「......ん、わかった...きをつける」

 

 

シュンとシロコちゃんの耳が垂れる。まあ...ただこの子の事何もわからないから正直助かった。それはそれとしてダメだけど。

でも、そうか…

 

「学生証、持ってなかったのか…」

 

「どこか落としてしまったんでしょうか?」

 

「それとも生徒じゃないとか」

 

どこから来たのかわからない。あんな場所で何をしていたのか定かじゃない。熱中症で倒れたところを見ると何かアビドスに悪意があるようには...目的があるようには見えないけれど…。

 

やっぱり怪しいか?

 

とにかく面倒事じゃないといいなぁ…

 




違和感あると思いますがよろしくです

本当にエミュって難しい
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