感想返しをするかはまだわかりませんが、全部読ませていただきます。応援ありがとうございます。
「おかえり、サージタウス。…結構やられたね?」
『戦力ハ想定内ダッタ。シカシ、人ガ生ミ出ス信頼トソレニ伴ウ脅威度ノ上昇ヲ侮ッテイタ』
「サージタウスは産まれたばっかだからね。経験も何もないでしょう?今回は良い感じの経験値稼ぎになったんじゃない?」
『今回ノ戦闘ハ当個体ニオイテ極メテ重要ナデータト認定。永久保存ヲ実行』
「それが良いよ。C&Cと真っ向からやり合えるのは珍しいしね。とにかく、よく頑張りました!負けたとは言え任務はバッチリ果たしてるし、さすが私が生み出した子です!」
『…恐縮』
実は私の作るキラーマシン達には恐らくレベルのような概念がある。今回のサージタウスはゲーム的に言えば、出撃時レベル10くらいと言ったところだろうか。だから流石にC&C相手じゃキツイかなとは思ってた。
レベルは原作同様戦ったりすることで上がっていき、他にも料理専門キラーマシンなんかは料理する度に作れる料理が増えて美味しくなる。そう言った経験値は戦闘なら戦闘終了後、料理なら完成した時に精算される。今回サージタウスは撤退して来たから勝つよりかは経験値少なめだけど、見た感じ30レベくらいにはなったはずだ。
そしてこのレベルの概念、恐らく上限がない。モンスターズでいう種族値限界的なのもない。正確にはあるけどそれ以降も緩やかに上がっていく。これのせいで一番長く稼働してるロビン、キラーマ、のっひーが三体集まってジェットキラーアタックをすると超Gキラーマジンガがワンパンで瀕死になる。ちなみに「トリプルソード使わないの?」って聞いたら「何それ?」みたいな態度で返された。DQ8でもそうであってくれ(キレ)
閑話休題。
ベホマを掛けながらサージタウスを労うと、タービィのソロ専用後日談をやっていたはずのアリスが目を輝かせながらすぐ側にやって来ていた。
「キシリアは回復魔法が使えるのですね!さぞ高レベルな神官とお見受けしました!ヒーラーはパーティに必須です!アリスが勇者になったら、キシリアをスカウトしに来ます!」
「残念、私は全ての回復魔法を使えるけどそれ以外何もできない癖強ヒーラーでスポット参戦のみのキャラクターなのだ」
「そ、そんな…!」
「まあでも、モモイのようなお友達が怪我したらこっそり回復くらいはしてしまうお助けキャラではあるかもね?」
「!!モモイがすぐ起きたのはもしかして…」
「おっと、リオリオから連絡だ。…アリス、最上階に行くよ。そこでみんなが待ってる。アリスの中に眠ってる魔王の因子を仲間にしに行こう!」
「…はい!」
◻︎
私達はヴェリタスやエンジニア部の助けもあって
「…そっちも丁度終わったみてえだな」
「“ネル!?大丈夫?その怪我…”」
私達はC&Cの皆と合流したが、ネルは特にボロボロで見ているこっちが痛いくらいだった。
「こんくらいなんて事ねえよ。今は私の怪我より、やることがあんだろ」
「“…そうだね。ありがとう、ネル”」
ゲーム開発部、C&Cの面々と共にエリドゥの真ん中に聳え立つ塔に踏み入ると、待っていたかのように目の前のエレベーターの扉が開く。まるで「来い」と言っているかのように。
「行こう、先生」
「ここまで来て引き返すなんて選択肢あり得ないからね!」
ミドリとモモイの声に賛同するように9人全員がエレベーターに入る。扉独りでに閉まり、ボタンも押してないのにエレベーターが上昇していく。ランプの示す目的地は、最上階。
何十分にも感じたエレベーター内にいる時間の間、誰も言葉を発さず沈黙が場を支配していた。そうしてみんなが決意を固めれば、上昇が止まり、満を辞して扉が開く。
扉の外に一歩踏み出せば、そこには大量の機材、モニター、ケーブル、そして…
「エイミ!冷房18度なんて極寒の環境で私が生きていけるわけないでしょう!早く暖房30度に設定しなさい!」
「全部脱いで良いならいいけど…」
「良いわけないでしょう!?人としての尊厳を保ってください!」
「2人とも、あまりエアコンの設定を弄られると風邪を引いてしまうのだけれど」
「はい!アリス知っています!これが“整う”という事ですね!」
「…私自分の部屋に戻って良い?」
私は目の前の光景を理解するのを拒んだ。
結局、ネルが銃を1発撃ち全員の注目を集めたところで説明を求めた。…暖房は30度派が勝ったらしい。
「そうね…まず、私がキシリアと同盟を結んでいるのは知っているでしょう?そして、キシリアがそもそもキヴォトスを滅ぼし得る存在なのも、薄々気づいてるはずよ」
「それ本人の前で言う?」
「キシリアの前だから話せてるのよ」
思わぬ返しに黙りこくるキシリア。
「…話を続けるわ。そんな経緯もあって、私は元々キヴォトスを滅ぼす力を持つ者が、絶対にキヴォトスを滅ぼすわけではないのを知っている。同じように、機械も心を持ち得ることも」
「ですが、それは可能性の話。同時にキヴォトスを滅ぼす可能性もまたあるということ。ですから今回、珍しく私とリオとの大掛かりな共同作戦が開始されたと言うわけです」
「実際にキヴォトスを滅ぼし得る力を持つキシリアが同盟相手なのだから、キシリアを試金石にすれば、アリスがただの生徒なのか、脅威となる存在なのか…正しく判断できると言うわけよ。そして今回、アリスは自分が生徒である可能性を掴み取ったわ。あなた達と一緒にね」
「あなた達には不本意でしょうが…まあ、最初から私達の掌の上だったと言うことですね♪」
私達は皆苦い顔をしていたと思う。アリスの命を賭けていたのはそうだろうが、リオ達は多分、私達がこの試練を乗り越える前提で作戦を進めた。私達がゲームオーバーになったらアリスのヘイローは破壊される、それは本当だろう。けど、最初からゲームオーバーの可能性なんて考えてない。そういう言い草だ。
「ひどい!私達はあのダサいロボットとも必死に戦ったのに!」
「ダサっ…!?」
モモイの発言にリオが露骨にショックを受けた。…まあ少なくともキシリアの作るキラーマシンに比べたらダサいと言う言葉は適切以外の何物でもないだろう。
そんなリオから引き継ぐようにヒマリが口を開く。
「あら。ですが皆さん、今回アリスが暴走して、この作戦もなく普通に仲直りして過ごしていたら、どうなっていたと思いますか?」
「それは…」
「アリスは可愛い後輩です。ですがキヴォトスを滅ぼす力があるのもまた事実です。今回の暴走でモモイが怪我したように、次の暴走ではゲーム開発部が、ミレニアムが消えるかもしれません。そうなる前にアリスと皆さんがしっかり向き合い、覚悟を決め、魔王を仲間にする。そう言うチャートを組む必要がありました」
「チャートはちゃーんと組まないとね」
「少し黙ってくださいキシリア。…おほん。ですから、ゲーム開発部の皆さん。ここにアリスの深層意識へと接続するダイヴ装置があります。設定は全て終わらせました。これで皆さんには、アリスの中に眠る名も無き神々の王女、その鍵を説得して来てもらいます。簡単に言ってしまえばアリスを魔王にするための起動キーと言ったところでしょうか」
「アリスはこれから自分の中に眠る魔王の力を仲間にして来ます!…モモイ、ミドリ、ユズ、それに先生。一緒に来てくれますか?」
「「「…うん!」」」
そう言って4人の
私も装置に乗り込む前になんとかショックから立ち直ったリオの元に近づき頭を下げた。
「“リオ、ごめんね。私勘違いしてた”」
「先生?」
「“リオはきっと私が子供の責任を負うように、ミレニアムの生徒会長として責任を負おうとしたんだよね。そして、アリスを含めた全員が笑顔になれるように、最悪の場合でも、モモイ達は守れるように、保険をかけた上でのハッピーエンドを目指そうとしてた。それを私は、頭ごなしに否定しようとした。それは先生としてやってはいけない行動だった”」
「…仕方がないわ。私はあの時悪役のように振る舞っていたし、先生が生徒の味方である以上、生徒が生徒を殺すなんて、許容できるはずもないもの」
「“それは、私に責任を感じさせないためだよね?”」
「…」
「“リオの優しさに今、みんな救われてるよ。だから、ありがとう。…ユウカに怒られる時は、一緒にいるからね”」
「ちょっと待って???」
わかりやすく取り乱したリオを置いて、私もダイヴ装置に入った。
私は絶対者ではない。間違えることもある。でも、先生として、間違えた事に対する対応は、間違えてはいけない。
…リンちゃんからの書類の不備に対する説教の時を思い出したが、多分気のせいだろう。
◻︎
「おいキシリア。あの後輩はどこだ」
「トキの事?トキなら夜通しゲームしたから眠くて寝てるよ」
「…そうだったのね。道理でいないとおもったわ」
「携帯マナーモードだったしよっぽど寝たかったんじゃない?」
「おいリオ!あいつはお前直属のC&Cじゃねえのかよ!?手綱握ってねえのか!?」
勇者達が深層意識への旅をしてる外で、そんな一悶着があったという。
tips ヒマリはキシリアによって変わったリオと関わって2人の関係が改善されている。2人とも思考が合うことが多くなり、意見が割れても擦り合わせが出来るようになった。それに釣られてかトキは既におもしれー女になっている。
tips ロビン、キラーマ、のっひーの能力値はゲームで測るなら200レベを超えている