AI2回行動の権化の主、肉体は脆弱。   作:KIARU

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エデン条約編の前置き的な話なので短いです。


AI2回行動の権化(黄金狐)

「やあ。久しぶりだね、キシリア」

 

 最後の記憶は自室で眠っていたところで止まっていたはずだが、いつの間にか広々としたテラスの椅子に座っていた。テーブルを挟んだ対面にゴールデンセクシーフォックスが座っており、もう何度目かもわからないがこの夢の茶会に招かれたのだとわかる。

 

「久しぶり、セイア。最近めっきり顔を見せなくなったけど、なんかあった?」

 

「何かあったか、と問われれば確かにあったさ。恐れていた事態がとうとう現実になった」

 

 私とセイアは直接の面識は無いが、こうしてセイアの能力で夢の中で度々会う間柄だ。夢の中でモモトークのIDを記憶して起きてから交換したし、現実でも通話したりする。最近めっきり連絡も寄越さないし夢の招待も無かったものだから何かあったとは思っていたが、恐れていた事態が現実になった、という事は…

 

「襲撃された?」

 

「ああ。尤も、私自身は君が送ってくれたミニキラーマシンのおかげで無事だし、今はミネの下で匿ってもらっているが。とはいえ、私は表向きには入院中。ミカやナギサといった一部の者にはヘイローを破壊されたと認識されている。彼女らはもう、止まれないだろう。現にミカはアリウスと手を組みトリニティ転覆の計画を進め、ナギサはシャーレの権力を利用してでも容疑者達をまとめて退学させようとしている。…まあ、そんな事はどうでもいいんだ。このキヴォトスには物語の意味を根本から変えてしまう異常変数とも言える君と、トランプのジョーカーのような先生が居るからね。そこまで気にしてはいない」

 

「なんか今私のことちょっと貶さなかった?」

 

「悲惨な未来しか見えなかった私の予知夢に映らず、それらを悉くひっくり返すような行いをし、私の悲観主義をぶち壊した君にはぴったりの名称だと思うが?」

 

「…心のままに行動せよって言ったのは連邦生徒会長です!故に全ての責は連邦生徒会長にあります!!*1

 

 なんだよ。そんなジト目で見たって連邦生徒会長のせいという主張は曲げないぞ。だってあのこ今失踪中だからなんとでも言えるし。

 

「ミニキラーマシンについても、20cmほどの大きさで私の撤退を完遂させたのは見事だが今は置いておこう」

 

 無視された…

 

「今私が聞きたいのは、私たちが最初に夢の中で出会った時聞いた君の目標、それは今も変わらないかい?」

 

「勿論。私の目標、()()()()()()()()()()()()。そのために神秘あふれるこのキヴォトスのあらゆる脅威を調査及び討伐し、その全てが同時に来たとしても薙ぎ払える究極のキラーマシンを作る。キラーマシンという機械の神において、絶対的な指針は強さだけでいいからね」

 

 キラーマシンの神。スライム系統などと違って、キラーマシンの神と呼ばれるモンスターは原作には存在しない。近しいもので言えばオムド・ロレスになるだろうが、あれはキラーマシン系統では無い。ドラクエ世界では普通に神様が存在し、プレイヤーでも倒せる存在ではあるので、唯一万能の絶対神というのが神の条件というわけでも無いだろう。なら、神という存在の構成を知れば、キラーマシンの神も作れるはずだ。

 

「…最初聞いた時は正気を疑ったが、今も本気のようだね」

 

「私は不可能じゃ無いと思ってるよ。機械仕掛けの神、なんて言葉もあるくらいだし」

 

「デウス・エクス・マキナの事か。確か物語において、危機的な状況や混乱に陥った時、絶対的な力を持つ存在が一石を投じ解決に導く、という手法を指す言葉だったね。…おや、目の前にいる人物がそのような事柄の体現者だった気がするな」

 

「私自身が神になるつもりはないよー」

 

「まあ、だろうね。君は絶対者や審判者には向いてない。些か贔屓がすぎる面があるのでね。とにかく、その目標が変わらない内はキヴォトスが多少混乱に陥っても君が率先して解決するだろう。今日はその確認がしたかっただけさ」

 

「言うてもう先生がトリニティでなんかしてるんでしょー?私が動かなくてもなんとかなる気がするけどなあ」

 

「それは否定しきれないけれどね。だがクリア評定のAとSには、大きな差があると言う事だよ」

 

 そう言ってセイアはTSC2のマルチミッション一覧に全てS評価が付いたスマホの画面を見せてきた。ちょっと待って??

 

「暇だったからね。ゲームの体験などほとんどした事はなかったが、なかなか面白かったよ。折角のマルチミッションなのに身を隠してる影響でローカルプレイしか出来なくて、全部ソロでS評価を取るのは苦労したがね」

 

「TSC2のマルチってNPCとか連れて行けないから完全ソロなのに…野良のフルパで行ってもB評価とかザラなのに…どうして…」

 

 私が現場猫になっている間に周りの風景がぼやけていく。

 

「おや、そろそろ目覚めのようだね。ゲーム開発部の子達には新作を楽しみにしていると伝えてくれ」

 

「初心者にゲーマーとして負けたああああああ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「知ってる天井だ…」

 

 起きるなり私は八つ当たり気味にモモイへ[ティーパーティーのお偉いさんが君たちの新作楽しみにしてるって言ってたよ]と送りスマホの通知を切った。

 1時間後通知が500件くらい溜まってたので一旦ブロックした。

 

 

*1
えぇ!?




tips セイアについて 前々からキシリアのことを知っていて夢への招待や動向を追うごとに「なんかこいついるならバッドエンドとか無くね?」と思うようになり楽観主義になった。今はホストだった時の仕事の疲れを癒すのに好都合なこの状況でゲームしたりしてる。やってる事は完全にニート。ミネママー!

tips キシリアが言うキラーマシンの神について 既に幾つか条件を達成している
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