融合でもお前らはダメだろ!   作:カニ漁船

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多分一度は想像したことがあると思う。


6/5手札の現世と冥界の逆転を墓守の罠に。この時の現世と冥界の逆転制限カードやん。

6/6現世と冥界の逆転に戻しました。GX本編でも当時制限のミラフォを十代が2積みしてたからええやろ……。


過去と未来が悪魔合体《エボリューション》!

 原作がある世界に転生した上で最も嬉しいことは何か?

 

「なぁ、この前の試験見てたぜ。お前ってすっげぇ強いんだな! 俺とも決闘してくれよ!」

「ア、アニキ~、そんなすぐに挑まなくても」

 

 それはやっぱり原作主人公との邂逅、もしくは認知されることである。生の遊戯十代と話せる日が来るとはな……嬉しすぎて涙が出てきそう。

 

「あぁ、ありがとう。ところで君は?」

「俺は遊戯十代、十代でいいぜ。よろしくな!」

「ぼ、僕は丸藤翔っす」

「そっか。俺は朝比奈遊輝、これからデュエルアカデミアでよろしく」

 

 2人が声をかけてきたのは、やっぱりあのティアラメンツが気になったかららしい。そりゃ気になるよなって話なんだが。

 

「お前のカードって見たことないモンスターばっかりだよな。どこで手に入れたんだ?」

「あ、あ~。企業秘密ってやつで」

 

 転生特典です、なんてバカ正直なことは言えないからな。言ったところで信じてもらえないと思ったが、十代なら普通に受け入れそうな気がするわ。

 

 お互いに話すのはデュエルアカデミアでの生活。特に十代は決闘に心を躍らせているようで、向こうでたくさん決闘できることにワクワクしているらしい。

 十代って決闘大好きだからな。今も昔も変わらない、遊戯十代という主人公の良さだ。

 

「遊輝、向こうに着いたら早速決闘しようぜ! お前と早く戦ってみたいんだ!」

「はは、着いてしばらくしたらな。初日はさすがに忙しいだろうから」

 

 しかも俺は目をつけられているようだ。原作主人公と決闘する機会とか楽しみで仕方ない。

 

(デュエルアカデミアでの生活も、楽しいものになるんだろうな)

 

 俺も内心、向こうでの生活にはしゃいでいる。いや、だってさ。離島での生活ってだけでも心躍るじゃん? そこに加わる遊戯王GXという作品よ。

 

 これから待ち受けるイベント、強敵との戦い、仲間たちとの青春。想像はどんどん膨らんでいき、考えるだけで楽しくなってくる。

 

「楽しみだな、デュエルアカデミア」

 

 思わずそう口に出すくらいには、俺もデュエルアカデミアでの生活に心躍らせていた。さて、楽しみだぜ……できれば他のデッキも使わせてもらえるとありがたいんですけど。

 

(そこんとこどうです? キトカロスさん)

〈ダメです。遊輝には我ら以外を使う選択肢など与えません〉

 

 あ、はい。もう諦めて受け入れた方が良さそうだ。

 

 

 船ではそんなことを考えていたんだが。

 

(なんでこんなことになったんだろうなぁ)

 

 なぜかデュエルディスクを展開している俺。目の前にいるのは血気盛んなオベリスクブルーの先輩。周りには野次馬の十代たちがいる。

 

「生意気な新入生をぶっ倒してやる!」

「頑張れよ遊輝ー! 負けんなー!」

「頑張ってくださいっすー!」

 

 なんで入学早々に俺は先輩に絡まれているんだ。どうしてこうなった!

 

 

 

 

 

 

 事の発端は、俺が入寮することになった経緯が由来している。

 

 デュエルアカデミアには中等部と高等部が存在しているんだが、高等部からの編入組は基本的にラーイエローまでしか入れない。オベリスクブルーに入ることができるのは、よっぽどの例外がない限りは中等部からのエスカレーター組だけである。編入組がオベリスクブルーに上がるには、月一で行われる試験で結果を出す必要があるのだ。

 なので俺もオシリスレッドかラーイエローに入るもんだと思っていた、のだが。

 

「シニョール遊輝。あなたは特別措置でオベリスクブルーデスーノ」

「……はい?」

「何度も言わせないでほしいノーネ。あなたはオベリスクブルーに入ることが許されたーノ、ペペロンチーノ!」

 

 なぜかオベリスクブルーに入寮することに。俺自身がよっぽどの例外として扱われていたようである。後で聞いた話だと、俺を推薦してくれたKCが一枚嚙んでいるらしい。なにやってるんですか社長。

 

 寮なんてどこでも変わらないか、なんて思って普通に受け入れたのだが、これがオベリスクブルー生徒の反感を買う結果となる。

 

「なんでアイツがオベリスクブルーなんだ」

「大人しくラーイエローにでも入ってろ」

「エリートに変なのが混じったらたまらん」

 

 などと、編入組の俺に対して鋭い目を向けていた。簡単に言えば敵意むき出しである。

 

〈遊輝になんて目を向けているのかしら。ペルレイノに沈めるわよ〉

(落ち着いてくれシェイレーン)

 

 俺はどっちかというと敵意に殺気で返そうとしていたシェイレーンたちを宥めるのに必死だった。

 

 そんな経緯があったのだが、やはり面白くないのがオベリスクブルー生。入学式も終わり、それぞれの寮に戻るというタイミングで声をかけられた。

 

「おいお前!」

「……なんすか?」

「俺と決闘しろ! お前にオベリスクブルーは相応しくないんだよ!」

 

 こんな経緯で、俺は決闘することになったのである。

 

 

 で、今まさに決闘しようとしているのだが。

 

「俺が勝ったらオベリスクブルーの入寮を辞退しろ。エリートにお前みたいなのが混じると敵わんからな」

「俺の一存じゃどうしようもなくないですか? それこそ学園に掛け合わないと」

「だから自分からお願いしに行くんだよ。自分じゃオベリスクブルーに相応しくありません~ってな」

 

 そんなに気に入らんのか。エリート意識が高いというかなんというか。ま、これまで崩されてこなかった伝統に例外が生まれたんだからいい気はしないか。

 

 場所はアカデミアの外。生徒の邪魔にならないよう、少し外れた場所で決闘することになる。

 あ~あ、それにしても。

 

(早く寮に戻って荷解きしたいんだけどな)

 

 俺としてはもう帰りたい気持ちしかない。でも無視したら面倒なことになるから、受けるしかなかった。

 

 いいや。さっさと終わらせて帰ろう。デュエルディスクを展開した都合上、ティアラメンツしか使えないわけだし。

 

「身の程を分からせてやる!」

「早く帰りてぇ~」

「「決闘(デュエル)!」」

 

 

朝比奈遊輝:Lp4000

底野尾前:LP4000

 

 

 さ~て、初期の手札は、と。

 

(……過去と未来の悪魔合体だな、こりゃ)

 

 この時代でしかできないことがやれてしまうな。ま、今は都合がいいか。

 早速先攻と後攻を決めよう、としたが。

 

「俺の先攻、ドロー!」

 

 向こうに取られた。ダイスとかじゃんけんじゃないのか、いったもん勝ちだったわ。

 

「俺は《ブラッド・ヴォルス》を召喚! カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

ブラッド・ヴォルス 闇属性 レベル:4

獣戦士族・通常モンスター

ATK/1900 DEF/1200

悪行の限りを尽くし、それを喜びとしている魔獣人。手にした斧は常に血塗られている。

 

 

 この時代なら無難な立ち上がりか。気になるのはあの伏せカードだが。

 

「ヒヒヒ」

 

 あんないかにも何かあります、みたいな笑みしてんだからミラフォとか攻撃反応系だな、ありゃ。

 

「俺のターン、ドロー」

 

 トップドローは……お、ちょうどいいじゃん。

 

「まずは魔法カード発動、《大嵐》!」

 

 これで相手の魔法・罠を一掃。伏せカードはやっぱりというか、攻撃反応系だった。

 

「くっ、俺の《炸裂装甲》が!」

 

 もう一枚はブラフのカード。特に警戒する必要はない。

 さて、相手のカードは一枚のみ。効果を持たないブラッド・ヴォルスだから、やりたい放題できるな。

 

(それじゃ、やりますかね)

 

 やる以上は全力でぶっ倒しに行く。どのデッキだろうと変わらない。

 

「俺は魔法カード《苦渋の選択》を発動!」

「そ、そのカードは!?」

 

 

苦渋の選択

魔法

自分のデッキからカードを5枚選択して相手に見せる。相手はその中から1枚を選択する。相手が選択したカード1枚を自分の手札に加え、残りのカードを墓地へ捨てる。

 

 

 この時代においてはそこまで脅威になるものではないだろう。カオス系統は軒並み高いし、エクゾなんて普通は流通していない希少品。墓地で発動する効果もまだ少ないから、そこまで脅威になりえない。

 ただし、ことこのデッキにおいては凶悪極まりない。

 

「俺が選択するのはこの5枚だ。効果は知りたいカードを言ってくれれば教えるぞ」

 

・ティアラメンツ・シェイレーン

・ティアラメンツ・メイルゥ

・現世と冥界の逆転

・古衛兵アギド

・古尖兵ケルベク

デッキ38→33

 

 うん、知ってる人が見たらどれも落としたくねぇ! ってなるカード群だなこれ。これができるから苦渋の選択は鬼強い。二度と帰ってくることはないだろう。

 ちなみに何を落としたところで変わらないんだけどな。

 

「く、クソ! 古衛兵アギドだ、アギドを選択する!」

「はいよ。なら残りのカードは墓地へ。そしてケルベクの効果を発動! お互いのプレイヤーはデッキからカードを5枚墓地へ送る!」

 

 ティアラメンツはこの段階ではまだ使わない。このケルベクで落ちなくても問題ないからだ。

 今の俺の手札をちらりと確認する。

 

・ティアラメンツ・シェイレーン

・壱世壊=ペルレイノ

・天使の施し

・壱世壊を揺るがす鼓動

・現世と冥界の逆転

・古衛兵アギド

 

 何を選択しようが結果は変わらない、ってのはこういうことだからだ。万が一落ちなくても、施しでシェイレーンを捨てれば融合展開にもっていけるのだから。

 

 ケルベクで落ちたカードを確認。

 

・ティアラメンツ・ハゥフニス

・強欲な壺

・苦渋の選択

・宿神像ケルドウ

・壱世壊を揺るがす鼓動

デッキ 33→28

 

 ケルドウの効果は、使わなくてもいいな。ハートビーツもそもそも罠がないから意味がない。

 

「俺は今墓地に落ちたハゥフニスの効果を発動! 手札・墓地・フィールドのモンスターで融合召喚する!」

「おぉ、きたきた!」

「やっぱとんでもない効果っす……」

 

 俺もそう思う。

 

「ハゥフニスとシェイレーンをデッキに戻して融合召喚! 現れ出でよ、《ティアラメンツ・キトカロス》!」

〈うふふ。加速していきますよ〉

「キトカロスの効果を発動。レイノハートを手札に。さらに第2の効果でキトカロス自身を対象にメイルゥを選択。メイルゥを蘇生しキトカロスを墓地へ」

 

 キトカロスが落ちたことでデッキから5枚墓地に、さらにはメイルゥの効果が連鎖する。

 

「チェーン1でキトカロス、チェーン2でメイルゥの効果を発動! メイルゥの効果でデッキから3枚墓地へ、キトカロスの効果で5枚墓地へ!」

「クソ、どんだけ墓地にカードを落とすつもりだ!?」

 

 そりゃあもちろん、お前を倒すまで。さて、落ちはっと。

 

・ティアラメンツ・ハゥフニス

・古衛兵アギド

・墓守の罠

・壱世壊を劈く弦声

・壱世壊=ペルレイノ

・ティアラメンツ・レイノハート

・ティアラメンツ・クシャトリラ

・壱世壊に奏でる哀唱

デッキ 30→22

 

 悪くない。なら、さらに連鎖するとしよう。

 

「ティアラメンツ・クシャトリラの効果を発動! さらにデッキからカードを2枚墓地へ!」

 

・ティアラメンツ・メイルゥ

・壱世壊に澄み渡る残響

デッキ 20→18

 

 メイルゥが落ちたな。よし!

 

「メイルゥが墓地に落ちたことで効果発動! キトカロスと墓地のメイルゥで再び融合召喚!」

 

 今回召喚するのもルルカロス。相手は通常モンスターだけだし、ドラゴスタぺリアの出番はないな。

 

「こい、《ティアラメンツ・ルルカロス》!」

〈ふふ、貴方に呼ばれたのであれば、どこへだろうと〉

 

 ……はい。まぁいい。続きだ続き。

 

「さらに俺はペルレイノを発動! 発動時の効果処理としてハゥフニスを手札に。さらに魔法発動、《天使の施し》!」

 

 

天使の施し

魔法

自分のデッキからカードを3枚ドローし、その後手札を2枚選択して捨てる。

 

 落とす手札は決まってる関係上、デッキからカードを3枚ドローするだけ。

 

「カードを3枚引いて2枚を墓地へ。俺が落とすのは古衛兵アギドとティアラメンツ・レイノハート。この瞬間アギドとレイノハートの効果が発動する!」

 

 チェーンブロックはアギドが①、レイノハートが②だ。

 

 

古衛兵アギド 地属性 レベル:4

天使族・効果モンスター

ATK/1500 DEF/1300

このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

①:手札・デッキからカードが相手の墓地へ送られた場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。その後、自分の墓地から「古衛兵アギド」以外の天使族・地属性・レベル4モンスター1体を選んで特殊召喚できる。

②:このカードが手札・デッキから墓地へ送られた場合に発動できる。お互いのデッキの上からカードを5枚墓地へ送る。その後、自分の墓地に「現世と冥界の逆転」が存在する場合、自分または相手のデッキの上からカードを5枚墓地へ送る事ができる。

 

 

 レイノハートの効果で墓地へ送るのはシェイレーン。これでもう一度融合召喚ができる。

 

「アギドの効果で5枚墓地へ」

 

・壱世壊に澄み渡る残響

・ティアラメンツ・レイノハート

・壱世壊を揺るがす鼓動

・古尖兵ケルベク

・宿神像ケルドウ

デッキ20→15

 

 さて、詰めといきますか。

 

「落としたシェイレーンの効果も発動! 俺は墓地のレイノハートとハゥフニス、シェイレーンの3体で融合召喚を行う!」

 

 レイノハートと融合するシェイレーンとハゥフニスがすんごい嫌そうな顔をしていた。気持ちは分からんでもないけどさ。

 

「こい、《ティアラメンツ・カレイドハート》!」

〈醜い者にはご退場を願おうか〉

「カレイドハートの効果により、ブラッド・ヴォルスをデッキに戻してもらう!」

「あ、あ……っ」

 

 最後の砦であるブラッド・ヴォルスが消えたことで相手のフィールドは更地。対してこっちは。

 

・ティアラメンツ・ルルカロス ATK3500

・ティアラメンツ・カレイドハート ATK3500

・ティアラメンツ・メイルゥ ATK1300

・ティアラメンツ・レイノハート ATK2000

 

 はっはっは、総ダメージ1万越えのオーバーキルだ。

 

「それじゃ、一斉攻撃!」

 

 ……なんかどさくさに紛れてカレイドハートもぶん殴られているような気がしたが気のせいだろう。うん、きっと気のせい気のせい。

 

〈気のせいじゃないね。さらっと僕を殴るのやめてくんない?〉

〈あら、これは失礼。丁度そこに殴りやすそうな男がいましたので〉

〈はっはっは、随分面白いジョークだ。鞭で叩いてやりたいね〉

 

 仲良くしてくれよ。絶対に無理って分かってるけどさ。

 

「あぎゃぱぁぁぁ!?」

 

底野尾前:LP4000→0

 

 相手のライフを0に。これで俺の勝ちだ。

 

「対戦、ありがとうございました」

「す、すごいっす……後攻ワンキルを決めたっす」

 

 そらティアラメンツ相手にあの盤面ならそうなるよ。アレがこの世界のスタンダードなのは分かってるんだけどね?

 

 

 ソリッドビジョンで映し出されていた景色は消え、元のデュエルアカデミアに戻る。さて、時間はっと。

 

「……そろそろ戻らないとまずいな。それじゃあ十代、翔。お前らも達者でな」

「おう! 明日は俺と決闘しような!」

「それじゃあ遊輝君、また明日っすー!」

 

 この先輩は放心してる。さっきから俺にピクリとも反応していない。

 一応担いでいくか。このまま放っておくのも後味悪いし。

 

 帰りの道中でさっきの決闘を思い出していたが、うん。

 

(苦渋の選択と天使の施しが使えるのヤバいな)

 

 施しはそうでもない。元々墓地送りの手段が豊富な現在のティアラメンツだと、天使の施しまで使うのは過剰もいいところだ。効果を使う前に他の効果で墓地へ、みたいなことが多い。

 ただ、普通のドローソースとしても強いからあまり抜きたくはない。この辺は取捨選択だな。

 

 そして苦渋の選択。うん、許されていいわけねーんだわ。5枚も選べるうえに4枚墓地肥やせるとか許しちゃいけねーんだわ。

 

(OCGじゃ一生帰ってこねぇよコイツ。帰ってきたらダメな類だよ)

 

 でもこっちの世界じゃ使いたい放題だ。これでティアラメンツ以外も使えたら選択肢も広がるんだけどなぁ。

 

 ま、いいか。イシズギミック以外のティアラメンツもあるし、そっちの調整もしつつ使っていこう。

 

「これからどうなるのやら。ひとまず十代と顔見知りになれたのは最高の気分だ!」

 

 どんなティアラメンツ使おうかな~? ティアラメンツ以外も使えないかな~。

 

〈ダメに決まってるでしょ。遊輝には私達だけでいいの〉

〈……許さない。絶対に絶対に許さない〉

 

 やっぱり駄目ですかそーですか。




ティアラメンツに苦渋の選択と天使の施し鬼つえぇ!みんなも使おうぜ!天使の施しは過剰だと思うけど!
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