融合でもお前らはダメだろ!   作:カニ漁船

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怒らせたらどうなるか。


機嫌損ねたらクソやべぇ!

 あれから女子寮の覗き事件とか月一試験とか、原作でも見たことがある流れを一通り見てきた。

 

 なんでこんなダイジェスト風味かと言われると、普通に原作通りの流れで終わったからだ。別に俺が天上院の取り巻きと決闘する流れもなかったし、月一試験もオベリスクブルー相手に決闘しただけで終わった。

 

「そういえば十代達は筆記どうだったの? 十代はなんとなく察しつくけど……あ、威嚇する咆哮で攻撃無効」

「うぅ、全然ダメだったっす……もう諦めてたっす」

「げっ、バトルできないじゃん! なら、ターンエンドで。なぁに、筆記がダメでも実技ができればいいのさ。昇格はしなかったけど」

 

 十代らしいお言葉ありがとうございます。ちなみに場所はオシリスレッド寮。現時点でこんなところに来るもの好きブルーは俺しかいないだろう。そのせいで珍しがられてるけど。

 

 で、今は十代と決闘しているわけだが、デュエルディスクではなくスタンディングでやっている。古き良き地面や机の上においてやる決闘だな。

 なんでこれをしているのかというと。

 

「なぁ遊輝、一ついいか?」

「ん~? どうした、十代。あ、ターン貰います。ドロー」

 

 十代から怪訝な表情をされる。俺の後ろを指さし、若干震えてるような声で。

 

「後ろのティアラメンツたち、ものすげー怒ってるけど大丈夫なのか?」

「いや何言ってるのアニキ、遊輝君の後ろには誰もいないでしょ」

「翔の言う通りなんだなぁ。彼の後ろには誰もいないぞぉ」

 

 はい、現在俺の後ろにいるティアラメンツたちが激おこなことを指摘されましたね。視線だけで人を殺せそうなぐらいの圧に、流石の十代もたじたじのようだ。

 

 しかし、問題はない。怒りの原因も何もかも俺には分かっているからな。対処法もばっちりだ。

 

「問題ねぇよ。俺が他のデッキ使ってるから拗ねてるだけだ……あ、手札から融合発動! エアーマンとフェザーマンを融合してグレイトトルネード!」

「うおぉ! また俺の知らない新しいHEROが出てきた! くぅ~、カッケェー!」

「グレイトトルネードの効果で十代の場のモンスターは攻守が半減だ。それじゃあバトル!」

 

 彼女らが怒っている理由はシンプル。俺がティアラメンツ以外のデッキを使っているからだ。フハハ、スタンディングならデュエルディスク関係ないから使えるもんね!

 対処法も簡単。反応しなければいいだけだ。どうせ怒るのなんて目に見えてるからな、なにも問題はない。手出しもできないわけだし。

 

〈遊輝が浮気しているわ! 許せないわこんなこと!〉

〈……万死に値する。呪う呪う呪う呪う〉

〈マスター様は~、殿方の方がお好きなのですか~? 我々以外と恋仲になるなど~、許しませんよ~?〉

「何てこと言いやがんだメイルゥ! 普通に違うからな!?」

 

 カッコいいだろうがHERO! 別にいいだろ使ったって!

 

 俺が使っているのはいわゆる【属性HERO】と呼ばれるモンスターだ。十代が使う素材が指定されているHEROとは違い、HEROと特定の属性モンスターを融合することで生まれる、HEROの中でも出しやすいカードたち。

 俺がクロノス先生との決闘で使おうとしてたのもこのデッキ。さすがにダークロウみたいなM・HEROは入ってないけど、それでも十分強力だ。

 

 なんでこのデッキをチョイスしたかって? 決まってるだろ……アニメ版十代と漫画版十代との対決、気にならないか? 気になるだろ。そういうことだ。

 

(使ってるの俺だから十代並じゃないけど。それでも楽しいぞこの対戦カードは)

 

 なによりティアラメンツ以外なのがいい。悪いとは言わないがこの時代じゃオーバースペック過ぎるからな。他のデッキを使って、たまには息抜きをするのが大事ってことだ。

 

 無論、このデッキには当時の漫画版のカードぐらいしか入れていない。シャドーミストは不採用だ。

 舐めプじゃないよ。ほら、前にも言ったように当時の強さで戦ってみたいだけ。それにこれはスタンディング、デュエルディスクほどガチではない。

 ま~漫画の時期とアニメの時期って誤差があるけど大丈夫でしょ。

 

 

 さて、現在の状況は俺がフレイムウイングマンをグレイトトルネードで破壊したところ。十代のライフはもう1000を切っており、場は更地。絶望的な状況だ……普通なら。

 だがこんな状況は絶望に入らない。油断したらすぐに逆転されてしまう。

 特に相手は十代だからな。こんな状況は幾度も脱してきた相手、一瞬たりとも油断はしない。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド。さぁ、ここからどう返す?」

〈……あまりにも許しがたい蛮行。これはお灸をすえる必要がありますね〉

 

 フハハ、できるものならやってみませい。精霊という都合上、スタンディングなら手出しはできんからな。実体化はココでしたら困るだろうし。

 

「こういう状況でも、俺は諦めないぜ! ドロー!」

 

 気合いを入れる十代。引いたカードは。

 

「へへ、ミラクルフュージョンを発動! 墓地のフレイムウイングマンと手札のスパークマンを融合して、シャイニングフレアウイングマンを召喚!」

「そこでミラクルフュージョン引くか~。けど、問題ない! 罠カード《強制脱出装置》!」

「あぁ! シャイニングフレアウイングマンが!」

 

 ミラクルフュージョン。シャイニングフレアウイングマンを出してくるが、しっかりと対策済み。強制脱出装置でお帰り願った。

 

「うぐ~、た、ターンエンド!」

「よし、俺のターンだな。ドローして、グレイトトルネードで攻撃!」

 

 グレイトトルネードの攻撃で決闘は終わる。俺の勝ちだ。

 

「対戦、ありがとうございました」

「ありがとよ遊輝、楽しい決闘だったぜ!」

「こちらこそ。ガッチャ! ってな」

 

 いや~、楽しいねやっぱ。こういう決闘も大事よ。中々に白熱した勝負を楽しませてもらった。俺のLPもなんだかんだ1000付近まで削られてたし。

 

「にしても、見たことないHEROばっかりだったな~。ちょっと見せてくれよ!」

「いいぞ。好きなだけ見ていってくれ」

「お、俺も見たいんだなぁ」

「勿論構いません」

 

 属性HEROにキャッキャしている十代達に微笑ましさを感じる。

 

 さて、と。

 

〈遊輝なんてもう知らないんだから! フン!〉

〈……呪う呪う呪う呪う〉

〈我らの方が~、強いですよ~?〉

〈あ~あ、怒らせちゃったね遊輝。もう僕は知らないよ〉

 

 ごめんて、本当にごめんて。ただ他のデッキも使いたいんだよ。許して。

 

 

 今日も決闘したぞ~って感じの帰り道。

 

「朝比奈遊輝、俺と決闘しろ!」

「……何回目だよコレ」

 

 オベリスクブルーの生徒に絡まれましたとさ。逃げるわけにもいかないから受けるけどさぁ。

 

 俺はブルーの中でもいわゆる厄介者とか異端者のカテゴリ。特別扱いされている俺が気に入らない生徒はかなり多い。この辺はブルー生のプライドの高さが由来しているだろう。

 さらにはオシリスレッドである十代達も仲良くさせてもらっている。これも面白くないと思われる要因の一つ。エリートが落ちこぼれと仲良くしている事実が気に食わないんだろうな。

 だからか俺にお灸をすえてやろうと決闘を挑んでくる。もう結構な数コテンパンにしたのに、それでも挑んでくるからガッツはあるな。

 

「早く構えろ!」

「分かってますよ。今構えますって」

 

 デュエルディスクを使用、ということはティアラメンツの使用と同義。デッキをセットして、構える。

 

「「決闘(デュエル)!」」

 

朝比奈遊輝:LP4000

幸薄男:LP4000

 

 さ~て、手札はどうなってるかなっと。

 

・壱世壊に軋む爪音

・壱世壊に澄み渡る残響

・壱世壊に澄み渡る残響

・壱世壊に軋む爪音

・壱世壊に澄み渡る残響

 

 わぁ、綺麗な赤色……じゃねーよ! とんでもねぇ大事故かましてんじゃねぇか!

 

(ティアラメンツ罠カードはティアラメンツモンスターかヴィサスがいないと使えない。今の状況じゃ宝の持ち腐れもいいとこだぞ!)

 

 なにこれ、俺ちゃんとシャッフルしたよね!? シャッフルしてこれってどういうことだよ! ちゃんと混ざってねーぞジャッジー!

 しかも、天使の施しとか強欲な壺とか要らないから全部抜いていたはずだ。なんだってそんなときに事故が起こるんだよ。

 

「俺はこれでターンエンド。お前のターンだ、さっさとしろ」

「……」

「お前のターンだ特待生! さっさとしろって!」

「え、あ! はい!」

 

 いかん、あまりの手札事故に放心していた。しかも相手の盤面見てねぇ! え~っと、相手の盤面は。

 

(……ジェネティックワーウルフに伏せカードが2枚。裂け目はなしか)

 

 

ジェネティック・ワーウルフ 地属性 レベル:4

獣戦士族・通常モンスター

ATK/2000 DEF/100

遺伝子操作により強化された人狼。本来の優しき心は完全に破壊され、闘う事でしか生きる事ができない体になってしまった。その破壊力は計り知れない。

 

 

 いつもなら問題なく返せるが、今は手札が手札だ。正直、かなり厳しいといわざるを得ないだろう。

 

 仕方ねぇ、ここは一発逆転にかけてのドローだ!

 

「俺のターン、ドロー!」

 

 頼む、なんかいいカード来てくれ!

 

・壱世壊に軋む爪音

 

 ……。

 

「ポーカーやってんじゃねーんだぞこっちは!!」

「な、なんだお前急に!? いきなりどうした!」

「すいません、ただの発作です!」

「お前の発作どうなってんだ!?」

 

 なんでスリーカード×2なんだよ。つーかなんで俺はメタノイズを3積みしてんだよ絶対要らねぇだろ。純構築に寄せてんのか、昨日の俺。クライムも3積みだし。

 

 ヤバいヤバいヤバい、なんでこんな大事故起こしてるんだ!? 徳か、徳が足りなかったのか!?

 

 考えろ、考えろ俺。最近やったヤバいことを。

 

(確かに女子寮にはいったが何もしていない。翔を返してもらったらすぐに帰ったし、月一試験もそれなりの好成績に実技も後攻ワンキルを決めた以外は何もしていないはずだ)

 

 ご飯だって残してない、悪いことはそんなにしていないはずだ。

 いや、もしかしたら今までの揺り戻しがきた? ありえるな、これまで運がよすぎた……?

 

(あれ、ちょっと待てよ?)

 

 確かこの世界って、精霊との結びつきが強いほど運命力が強くなるってハゥフニスが言ってたはず。なんか突然、そんなことを思い出した。

 ……これ、もしかして。

 

「あ、あの~、シェイレーン、さん?」

 

 相手には聞こえないように小声で。動かない俺を怪訝な表情で見てるけど些細なことだ。

 シェイレーンを呼び出したのは単純。キトカロスを除いたリーダー格が彼女だからだ。基本的にシェイレーンがまとめ役を担っている。なので、いろいろ聞くならシェイレーンが一番ってことだ。

 

 シェイレーンが出てくる。出てくるが……いかにも私怒ってます、みたいな表情をしていた。さっきの決闘のことまだ引きずってるのか。

 

〈なによ浮気者。私に何か用なわけ?〉

「用というかなんというか……今のこの手札事故、なにか関与していらっしゃるのでしょうか?」

 

 なぜかへりくだっているが、相手を刺激しないように動かなきゃいけない。対応を間違えるわけにはいかんのだ。

 だがシェイレーンは塩対応。私知りませんとばかりにそっぽ向かれた。

 

〈さぁ? 大方、私達を雑に扱う遊輝にデッキも嫌気が差したんじゃない?〉

「スタンディングで別のデッキを使っただけで!?」

〈ハァ!? 関係ないわよ! なんであろうと浮気は浮気、絶対に許さないわ!〉

 

 ヤバい、想定以上に怒ってる! てか関与していること確定じゃねーかその口ぶりだと!

 

「何やってんだ特待生! お前のターンだぞ、さっさとしろ!」

「すいませんすぐに進行しますんで! 俺はカードを2枚伏せてターンエンド!」

「お、おう。良すぎて悩んでるのかと思ったらそうでもねぇな……」

 

 現状これしかすることがない。けど、解決札を引けねぇとマジでヤバいぞコレ!

 

「俺のターン、ドロー! ジェネティックワーウルフで攻撃する時、速攻魔法《突進》発動!」

 

 

突進

速攻魔法

フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで700アップする。

 

 

 ジェネティックワーウルフの攻撃力が2700に。上級モンスターすら殴り倒せるラインになった。

 攻撃が俺へと飛んでくる。掴みかかられて思いっきりぶん殴られる……前に、シェイレーンが拳を受け止めていた。

 触れるんだ、これ。ダメージだけ受ける。

 

朝比奈遊輝:LP4000→1300

 

「あ、ありがとうシェイレーン」

〈……フン〉

 

 ひとまずお礼を言うが、状況は何も好転していない。現状俺の手札は終わり散らかしているうえ、相手の場にはワーウルフ。次のダイレクトアタックが通れば負け確定だ。

 

「おいおい、噂の特待生も大したことないなぁ? これは、俺が未来の決闘王になったりしてな! これでターンエンドだ!」

 

 ターンが返ってきたが、その前にすることがある。

 

「なぁ本当に悪かったって! ちょっと他のデッキを使いたくなっただけなんだよ! 分かってくれるだろ?」

〈知らない。スタンディングでもなんでも、私達以外を使うなんて許せないのよ〉

「なぁ頼む、俺が悪かったから! 本当に悪かったからどうにかしてくれ!」

「いきなり何やってんだお前!?」

 

 決闘中も関わらず土下座まで決めてしまう。対戦相手のぎょっとした声が聞こえてきたが、そんなのは些細なことだ。

 

 十中八九、この手札事故はシェイレーンたちの機嫌を損ねたことで起きたものだろう。そうでなければここまで事故るなんてことはありえない。なまじ今までが良かっただけに。

 

(俺の運命力は桁違いって言ってた。なのに事故が起きたってことは、結びつきが弱くなったってことだ)

 

 その原因は……まぁ、はい。他のデッキを使ったことですね。

 けどさ、これは決闘者(デュエリスト)の性みたいなもんなんだよ。他のデッキだって使いたいよ、俺も。ただでさえここGX世界なんだし。

 

「確かに他のデッキも使うけど、変わらず一番はお前らだ! それは揺らがない!」

〈ッ! ふ、フン。その程度の言葉で私達が絆されると思っているわけ? 甘い考えね〉

 

 よし、ちょっと機嫌良くなった! この調子で褒めちぎるしかない!

 

「ティアラメンツ最高! シェイレーン最高! やっぱシェイレーンしか勝たん!」

〈な、中々言うじゃない。けど、そんな程度で許されると思ってるの?〉

「さすがは環境の破壊者! 11期の問題児筆頭は伊達じゃない!」

〈それ褒めてないでしょ!〉

 

 え、俺からしたら褒めてるつもりなんだけど。それだけ活躍したってことだし。

 

 ただ、どんなに推しても状況は好転していない。変わらずシェイレーンは不満そうな顔のままだ。

 シェイレーンが不満ということは、他のティアラメンツ勢も不満ということ。ちょっとチョロいとも思ったが、それでも彼女を動かさない限り俺に勝機はない。

 ……こうなったら、背に腹は代えられねぇ!

 

「一回だ」

〈え、何よ? 何が一回なの?〉

「一回だけ、お前らのお願い事何でも聞いてやる! だからどうにかしてくれ!」

 

 もうこれを切るしかない。これを切ってどうしようもなかったら、今の手札でどうにかするしかない。かなり厳しいからできるだけしたくないけど。

 だから頼む、これでどうにかなってくれー!

 

 シェイレーンの声が届く。

 

〈……本当にお願い何でも聞いてくれるの?〉

「あぁ、男に二言はねぇ。お前らのお願い事何でも聞いてやる」

〈後で無しとか言わないわよね?〉

「あぁ、絶対に言わない。言ったらペルレイノに沈めてもらって構わん」

 

 不退転。もはや後退のことを考えず、ただただ目の前の状況を打開するために。

 

 流れる時間。重苦しい静寂。聞こえてきた言葉は。

 

〈~~~ッ、しょうがないわねぇ。私がなんとかしてあげるわ〉

「ッ! ほ、本当か!?」

〈本当よ。だからさっさとドローしなさい〉

 

 顔を赤くしてそっぽを向いているシェイレーン。これはもしかして、もしかするのではないか?

 シェイレーンの言葉に促されてドローする。引いたカードは……ペルレイノ。

 

(よっしゃぁぁぁ! なんとかなったぁぁぁ!)

 

 神様仏様ティアラメンツ様、本当にありがとうございます! これでどうにか首の皮一枚繋がりそうです!

 

〈ほら、さっさと決めちゃいなさい遊輝!〉

「あぁ、任せろ! それじゃ、行くぜ!」

「なんかアイツ情緒不安定だな……土下座して叫んだと思ったら急に元気になりだしたぞ」

 

 それに関してはすいません。でもあぁでもしなきゃダメだったんです。

 

「まず俺はペルレイノを発動! 発動時の効果処理としてティアラメンツ・クシャトリラを手札に加える。そのまま特殊召喚!」

 

 出てくるのは異形のティアラメンツ。除外するのは手札のメタノイズだ。

 

「レベル7のモンスターがいきなり……だ、だからどうした!?」

「慌てるな、ここからだよ。ティアラメンツ・クシャトリラの効果でデッキから3枚墓地に」

 

 落ちたカードは。

 

・ティアラメンツ・ハゥフニス

・壱世壊に奏でる哀唱

・ティアラメンツ・メイルゥ

 

 ッきた!

 

「俺はハゥフニスの効果をチェーン①、チェーン②でサリークの効果を発動! デッキからティアラメンツモンスターを一枚手札に加える!」

 

 

壱世壊に奏でる哀唱

永続罠

このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:自分フィールドに「ティアラメンツ」モンスターまたは「ヴィサス=スタフロスト」が存在する場合、相手フィールドの効果モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの効果を無効にする。その後、自分フィールドのモンスター1体を選んで墓地へ送る。②:このカードが効果で墓地へ送られた場合に発動できる。デッキから「ティアラメンツ」モンスター1体を手札に加える。

 

 

「俺が加えるのはレイノハート。さらにハゥフニスの効果でメイルゥと融合召喚! 現れ出でよ、《ティアラメンツ・キトカロス》!」

〈遊輝、言葉を違えてはなりませんよ? しっかりと、覚えておいてくださいね〉

 

 分かったので舌なめずりするのは止めてください。何をされるんですか俺は。

 

「そしてこの時ペルレイノの効果を発動。相手のカードを1枚対象を取って破壊します。右の伏せカードを破壊!」

「く、炸裂装甲が!」

「さらにキトカロス第1の効果でシェイレーンを手札に。第2の効果でキトカロスを対象に手札のレイノハートを選択、特殊召喚。墓地に送られたキトカロスをチェーン①、レイノハートをチェーン②で発動!」

 

 こうなったらもう止まらない。どうやら神の宣告の止める系ではないようだしな。

 

「レイノハートの効果でメイルゥを墓地に。キトカロスの効果で5枚墓地へ!」

 

・ティアラメンツ・シェイレーン

・ティアラメンツ・クシャトリラ

・壱世壊に渦巻く反響

・壱世壊=ペルレイノ

・ティアラメンツ・レイノハート

 

 落ちも順調だ。てかやっぱ純構築に寄せてんなコレ。

 

「レイノハートの効果で墓地に送られたメイルゥの効果を発動。メイルゥとシェイレーン、レイノハートで融合召喚! 現れろ、《ティアラメンツ・カレイドハート》!」

〈無論、僕のお願いも聞いてもらうよ遊輝。フフフ、何を命令してやろうか?〉

 

 お前もお前で俺に何をする気だ。

 

「カレイドハートの効果でもう一枚のセットカードをデッキに戻してもらおう!」

「あぁ、ミラーフォースが!?」

 

 攻撃反応系2枚かよあっぶな。ここまで来たらもう大丈夫だけど。

 

「俺はこのターン通常召喚を行っていない。シェイレーンを通常召喚!」

〈さぁ、決めるわよ遊輝!〉

「おうよ! バトルフェイズ、全モンスターで一斉攻撃だ!」

 

 クシャトリラ、シェイレーン、カレイドハートが一気に殴り掛かる。全員攻撃力2000を超えているので、ワーウルフは何の障害にもならない。

 

「おんぎゃあああ!?」

 

幸薄男:LP4000→0

 

 あ、あっぶねぇ。なんとか勝てた。

 

 

 決闘が終わった後、相手に向かって一礼することを忘れずに。

 

「対戦、ありがとうございました」

「ち、畜生! 覚えてやがれー!」

 

 泣きながら去っていくブルー生。いやはや、一時はどうなることかと思ったが。

 

(マジで危なかった。サリーク引いてたら負け確だからなあの状況)

 

 さすがのティアラメンツでも罠カードしか引けなかったらどうしようもない。今回は純構築にしていたみたいだし、イシズギミックも入っていないから余計にだ。

 相手が破壊してくれたらワンチャンあったけど、どうも魔法・罠破壊のカードはなかったようだし。

 

「い、命拾いしたぁ……」

 

 心の底から安堵する。コイツらで負けるのは我慢ならないからな。

 

 ただ、その代わり。

 

〈遊輝。約束、ちゃんと覚えているでしょうね?〉

「……ハイ、オボエテイマス」

 

 俺はティアラメンツ全員のお願いを聞いてあげることになった。そうするしかなかったとはいえ、今から怖くて仕方ないんだが?

 

〈ふんふふ~ん♪遊輝に何してもらおうかしら? 今から楽しみね~〉

〈……ふひ、ふひひ〉

〈楽しみですね~、何をお願いしましょう~?〉

〈何も心配する必要はありませんよ遊輝……うふふ〉

 

 だったらその蠱惑的な笑みを止めてくれ。蠱惑魔にジョブチェンジでもしたんか。

 

〈ま、頑張りなよ〉

「……ありがとうレイノハート」

 

 無事に勝つことができた。てか、機嫌を損ねたらこれとか、もう一生ティアラメンツ以外握れないんじゃなかろうか。

 

 

 ちなみに後日。俺は決闘中に土下座したり大声で謝罪したりわけ分かんないことを口走る変人扱いされていましたとさ。

 校舎の外、十代とヨハンが例のやり取りをした迷シーンの場所。屋上とかそんな感じのとこ。

 誰もいないその場所で俺は一人、黄昏る。

 

「間違ってねぇけど、間違ってねぇけどさぁ!」

 

 渾身の叫びを聞いたものは誰もいない。なんとなく空しかった。




伝説って?あぁ!の場所です。
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