シロちゃん逆行したってよ。

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目隠し

 

 

 

 

「……ちゃん……どうして……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夢から覚める。

頻繁に見る悪夢だ。

 

どうしようもない怒り。

元凶への怒り。

そして己の無力への怒り。

今の自分の原風景とも言える。

 

 

「またこの夢か。

……でももう少しだ。

もう少しで憂いを断てる」

 

 

俺は寝床から起き上がり隊服に着替える。

もう二百年以上繰り返しているが、未だに慣れない。

霊圧知覚で困ることは殆ど無いとはいえ、

視界を封じている(・・・・・・・・)弊害は多い。

 

だが、これも必要なことだ。

 

 

 

 

 

 

今日は重要な日だ。

何度も聞いた話の日だ。

あの野郎のことに関して、

あいつが記憶違いをしていることは無いだろう。

 

そう、今日は霊術院の現世遠征。

魂葬の実習だ。

今日が今世での初対面になる。

 

あいつに対する俺の感情を、決して奴に悟られる訳にはいかない。

ただでさえ警戒されているのだから。

 

 

「あ、隊長おはようございます!

今日の予定は……」

 

「悪い。

ちょっと用事」

 

「あっこら!

逃げないでくださ…………もうっ!」

 

 

副隊長に捕まる前に瞬歩で逃げる。

周りの隊員も呆れたようにそれを見る。

今世ではよくある光景だ。

 

乱菊には申し訳ないことをしている。

一心隊長の後を俺が継いでからは、書類仕事を殆ど任せてしまっている。

当然、面倒だからとかではない。

 

 

十番隊隊長は気まぐれで放浪癖がある。

 

 

そういう印象を残さないといけないのだ。

そしてそれは誰にも明かしてはいけない。

決して。

運命の日まで。

 

 

「相変わらず奔放な人やねえ。

ボクの友だちをあんまり振り回さんといてくれます?」

 

「市丸か。

藍染の言うことはちゃんと聞いてるか?

あいつは人の後を付け回せなんて指示をしないと思うが」

 

 

本当は藍染に監視を命令されたのだろうが、

俺にはどうせすぐバレるから姿を現したというところだろう。

 

明らかに俺は警戒されている。

暗殺されかけたことも何度もある。

 

理由は明白。

常に視覚を封じているからだ。

 

斬魄刀による温度探知と霊圧知覚の相性が良いから、

それを鍛える為という方便で、俺は常に視覚を封じている。

 

藍染からしたら厄介なことこの上ないだろう。

当然、覚悟の上だ。

 

 

「偶然見かけたので声をかけただけですよ。

藍染隊長には今から会いにいくところです」

 

「そうか。

なら仕事を頑張れ」

 

 

そのまま俺は立ち去ろうとする。

藍染は頭が切れる。

奴の陣営とはなるべく会話をしたくない。

 

 

「ちょっとちょっと!

いい加減乱菊に仕事を押し付けんといてくださいよ。

可哀そうじゃないですか」

 

「あいつは優秀だから大丈夫だ。

なんならお前が助けてやったらどうだ?

きっと飛び跳ねて喜ぶぞ」

 

「……」

 

 

市丸が黙り込んだ。

その隙に瞬歩で距離を取る。

 

今の市丸に追いつかれるようなことはない。

いや、例え藍染であっても不可能だろう。

今世の俺をどうにかできるのなんざ、総隊長くらいのもんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***********************************

 

 

 

 

【檜佐木視点】

 

 

 

 

 

魂葬の実習も大体終わった。

トラブルもなし。

これくらいで引き上げればいいだろう。

 

 

「よし!集合!!

以上で本日の実習を……」

 

 

言った瞬間、極寒の地に飛ばされたのかと思った。

急激な気温低下。

何かがおかしい。

 

俺は即座に辺りを見渡す。

すると……

 

 

「ひ、檜佐木くん……」

 

 

蟹沢が震えながらこちらを見ている。

寒さ故か、それとも恐怖か。

あるいは両方かもしれない。

 

蟹沢の背後に巨大虚がいた。

今まさに蟹沢の体を貫かんとしていた。

しかしそれは叶わない。

 

何故なら、凍りついてしまっているから。

 

 

「運が良かったなあ学生諸君。

偶々俺が近場でランチを楽しんでなかったら、

お前ら全滅してたぜ」

 

「日番谷……隊長……」

 

 

日番谷冬獅郎。

氷結系最強の斬魄刀を持つ天才。

 

斬魄刀を持ったその日に卍解に至ったという異端児。

逆立った銀髪と目を覆う黒い布。

そして奔放な性格。

 

いつも現世をウロウロしていて、

現世の娯楽を楽しみつつ仕事をサボるという不良死神だ。

 

しかし彼にはそれが許される。

何故なら、圧倒的に強いから。

 

 

「他にも何匹かいるな。

大虚でも近くにいるのか?」

 

 

そう言って、突然現れた10体近い巨大虚を斬魄刀の一振りで氷結させた。

始解でこれか。

隊長格は現世に影響を及ぼさないように霊圧を大きく制限されるはず。

それなのにこの実力。

霊圧に差がありすぎてまるで天井が視えない。

 

これが尸魂界最強格の死神。

総隊長がいなければ一瞬で尸魂界を永久凍土にできると言われているだけある。

 

 

「念の為俺が守っといてやるから、お前らは早く帰りな。

余波で凍らせちまうかもしれないしな」

 

「は、はい!」

 

 

俺は慌てて生徒を率いて尸魂界へ帰還した。

 

 

「……れよ…もり」

 

 

帰り際に日番谷隊長の独り言が聞こえたが、

内容は聞き取れなかった。

 

 

 

 

 

 




外見はほぼ五条悟。
雛森を刺してしまった瞬間に逆行。
原作開始の三百年前に跳び、そこから休まず修行している。
才能は公式でもチートクラスなので、
すでに実力は山本総隊長クラス。

ユーハバッハ以外なら単騎でいける実力がある。
でも藍染にはなんやかんやで勝てない。
シロちゃんだしね。

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