白峯 凛は防人となる 作:秋嘉
今回は、原作キャラ&自作キャラ以外のゲストが居ます!
四国を囲む様にそびえ立つ植物繊維状の壁の上に、8隻の大きな木製の船が並ぶ
私達、防人の御役目に就いた31人の少女がその船の前に整列し、正面に立っている2人の内の片側―防人番号1番の少女、楠芽吹隊長が言葉を発するのを皆待っている
「我々のお役目は、あくまで外界の実地調査。神樹様から分けられた苗を植えるポイントにたどり着き、そのポイントの土壌サンプルを持ち帰ること!」
真っ直ぐと見返す者、唾を飲む者、深呼吸して落ち着こうとしている者――様子は様々だが、全員が同じ一言を待っている
その様子を見て、楠隊長の隣に立つ巫女服を着た少女――国土亜耶さんが口を開く
「バーテックスが沈静化したとは言え、何があるか分かりません。皆さん、絶対に無事に帰ってきて下さい。絶対に!」
「亜耶、始めて。…今日が私達防人隊の初陣よ。お役目を果たして、私達の力を大赦に証明するわよ!総員、配置に付け!」
「了解!!」
国土さんが全員の無事を祈る言葉を贈り、その直後に楠隊長が号令を発し私達は船に乗り込む
桜井先輩が船体中央の赤いマストに当たる御神木に手を触れ、あらかじめ覚えていた祝詞を唱えると緑色に光る線が走り、船体が浮かび上がる
「全隊、出撃!」
楠隊長の号令で各船がゆっくりと四国の外へ向けて進み始める
元の位置に1人残された国土さんの口が動き、何かを喋っている様に見えたが、それが何だったのか知ることが出来ないまま神樹様が作られた結界をくぐり抜けた
突如として光景が変わり、先程まで見えていた青空は無く、周りは灼熱と言える赤に染まった世界となっていた
時折マグマが弾ける中、私達防人達が乗っている葦原船8隻の船団が空中を進む
「ここが壁の外…勇者様も、こんな世界で…?」
「温度がかなり高いわね…戦衣のおかげで問題なく活動出来るって話だけども、本当なの…?」
私と冬花先輩が、それぞれ壁の外の世界や戦衣への感想を呟く
「芽吹隊長、こちら第七班桜井。正面10時の方向、遠くに星屑の群れや。まだ気づかれてへんみたいやけど、先に撃つか?」
桜井先輩から星屑発見の一報が入り、私達の間にも緊張が走る
『いいえ、迂回してでも可能な限り無用な戦闘は避けましょう』
『あら、楠さん、もしやこの私に戦果を挙げられて隊長の座から降ろされることを恐れているのですか?ですが、それも仕方ないこと、この弥勒夕海子が本気になれば――』
『私達の今回の目的は、神樹様の苗を植えるポイントへ行って土壌サンプルの採取と壁の外の世界に慣れることです。戦闘は可能な限り避けます』
『…分かりましたわ』
弥勒さんが楠隊長からの指示に不満を漏らすも、その言葉を遮って今回の目的を言い放ち、弥勒さんは渋々とだが了承し通信を終える
「ふぅ~ん…なんや、以外と堅実派なんやな。芽吹隊長は」
桜井先輩が銃剣を肩に当てながら、率直な感想を述べる
「被害を避けられるなら、その方が良いはずよ。だって、アタシ達は戦いにまだ慣れていないんだもの」
そのようなやりとりもあり、星屑との交戦も無いままサンプルの採取地点に到着すると、あらかじめ決められていた通り指揮官クラスと護盾隊が周辺警戒を、一般銃剣隊がサンプル採取へそれぞれ向かう
「2人とも、打ち合わせ通りよろしくね」
「んじゃ、ちょっくら行ってくるわ。帰ってきたら船が無いってのは流石に勘弁してやー」
指揮官クラスと護盾隊は、さらに【銃剣隊に同行するチーム】【葦原船を警備するチーム】の二手に別れる
私と冬花先輩は、銃剣隊と別れて葦原船の警備をしていると出水さんから通信が入る
『あの、白峯先輩』
「出水さん?どうしました?」
『昨日のお話の続きなんですが…わたしの事も名前で呼んで貰えませんか?』
何の内容かと身構えていたが、呼び方を変えて欲しいと言う内容で少し意表を突かれる
「出水さん…突然どうしたんです?」
『昨日、白峯先輩は言ってましたよね。綾川先輩から一緒に住む家族になるんだから他人行儀は止めましょう。って言われたって、でしたら今のわたし達だって立派な家族です!』
『そないな話やったら、2人ともウチの事を一葉って読んでーや』
出水さんだけでなく、桜井先輩までもが首を突っ込んでくる
「え、えーっと…とりあえず、帰ってから考えさせて下さい」
(昨日、冬花先輩と呼んでいる理由を話したのは失敗だったのかもしれない…)
2人への返事を保留しつつ、あの話をするんじゃなかったと少し後悔していると無線機が鳴る
『サンプルの量はこれくらいで良いでしょう。総員、撤収開始!』
楠隊長が号令を出し、銃剣隊の隊員達が葦原船へ戻り始め全員揃った班から順次、御神木に触れて祝詞を唱え船を浮上させる
「しっかし、この船凄いなぁ!祝詞唱えたらすぐ動いてくれるなんて、めっちゃ便利やん!」
「桜井先輩、国土さんに付きっきりになって貰って凄く練習してましたもんね」
「ばっ!千秋!何で知っとんねん!」
「え?何の話?詳しく聞かせて貰っ――」
桜井先輩が祝詞を必死に覚えてたのを出水さんにバラされ、冬花先輩が昨日のお返しと言わんばかりにそれを聞き出そうとしていると、突然無線機から声が響く
『総員、戦闘体制!』
楠隊長の号令が発され、船首正面方向を見ると無数の白い物体―星屑が近づいてきていた
「さっき見かけたヤツらか…!?」
「文句は後で!第七班、アローフォーメーションへ!」
「「「了解!」」」
冬花先輩も続けて号令を出し左舷に出水さん、右舷に桜井先輩が、中央御神木付近に私と、それぞれが配置に就き星屑の接近に備える
『銃剣隊、一斉射撃!』
楠隊長から射撃命令が出るも、どの船からも1発たりとも撃たれない
どうしたのかと、出水さんの様子を見ると手が震えていて照準が定まっていないように見えた
『どうしたの!一斉射撃!』
「うわあぁぁぁ!」
再度、楠隊長が射撃命令を出した事で数名の悲鳴と共に発砲されるが星屑から的外れな方向に撃ってしまっており、全く数が減らなかった星屑達が船体にぶつかりながら通過していく
「わあぁぁぁ!」
『落ち着いて!防御陣形、展開!』
星屑が通り過ぎる際に出水さんが悲鳴を上げ、楠隊長の号令によって船団が自動で動き始める
(このまま死ぬの?私は…何も知る事が出来ないまま?)
自分でも分かるくらいに呼吸が荒くなり、一瞬意識が途切れる
気が付くと、私達自身を見下ろす形で意識が浮いていた
(これは…また、悪い夢を見てるの?)
恐怖で叫ぶ出水さん、怒鳴り合いながらも次の襲来に備える先輩2人、そして何も出来ずに立ち尽くしているだけの私…
『―凛』
聞こえる筈のない声が聞こえ、振り返る
そこには、父の姿を模した光が現れていた
(お父様…)
『―凛、お前が何故そこに居る?…大赦のご意向に…私の言葉にすら従わないお前に、存在する価値などない』
(黙って!私は、アナタには従わない!だから、もう何も言わないで!)
目を閉じ、耳を塞ぐ私を指差し言葉を続ける
『―ならば、お前は…他の者の変わりとなって、ここで死ね』
父の言葉に呼応するかの様に、私の身体が勝手に船外へ飛び出して行った
『――凛!!』
誰かの呼びかけで我に返ると、目の前に星屑が迫っていた
(皆が逃げる時間を稼がないと…!)
「はあぁぁぁああ!!」
星屑の1体に近づき盾で殴りかかる。大したダメージを与えられておらず、すぐに反撃が来るが盾で防ぎ、次の星屑を殴るという動きを繰り返す
「凛!!船に戻りなさい!」
冬花先輩が追いかけて来ていたのか、星屑が私に近づかないように牽制射撃をしている
「先輩は逃げて下さい!私が囮になりますから!」
牽制射撃の合間を抜けた星屑の体当たりを受け、バイザーに亀裂が走り一部が欠ける
「っ!…まだ!」
バイザーの破片で頬を切ったが、構わず殴り続ける
「凛!そんなことをして、アタシ達が喜ぶと思っているの!」
「私一人が残れば、他の人達は安全に帰れるはずなんです!だから――」
「この…!分からず屋!」
冬花先輩の怒りが込められた叫びと共に1発の銃弾が放たれる
それは星屑達を狙ったものではなく、私を狙ったものであり、顔の至近距離を擦っていった
「っ!」
驚いて動きを止めてしまった瞬間を見逃さず、私の腕を掴みそのまま後退していく
それと同時に、私達が居た場所に3体の星屑が別々の方向から飛来しぶつかる
(あのまま居たら、私だけじゃなく冬花先輩も…)
「どうして、私の思いを…分かってくれないんですか…」
「最初から自分が犠牲になる選択肢を取るんじゃないわよ!まずは自分を含めた全員が生き残れる手段から考えなさい!!」
失意から小さく絞り出た声で呟くと、冬花先輩から叱責される
「こちら冬花、凛を捕まえたわ!もう少しだけ持ち堪えて!」
『こちら一葉、早ぅ戻って来てや!もう持たへ――千秋!8時方向!!』
衝撃音に遅れて悲鳴が聞こえ、その後通信が途切れた
何が起きたのか確認しようと、冬花先輩が何度か呼びかけるも返事が返ってこない
「一葉!?っ!急いで戻るわ!」
いつの間にか、船団を囲っていたバリアは消滅しており、私達の七番船と三番船に星屑達が殺到しているのが見える
「先に行くわ!凛は千秋ちゃんと一葉を守って!」
そう言って私の手を離し、出水さんに接近している星屑の1体を撃って剣で突き刺す
「ごめん!待たせたわね」
そう言いながら、出水さんを守る様に船上に着地し他の星屑を撃っていく
「綾川先輩!白峯先輩!桜井先輩が…桜井先輩がぁ!」
2人の声を聞きながら私も葦原船に降り、盾を展開しつつ出水さんと桜井先輩の姿を見る
出水さんは銃剣を手放してしまっており、桜井先輩に至っては左手があらぬ方向へ曲がっており、床に倒れたまま動かない
「っ!こちら第七班!楠隊長、至急救援を!!」
『五番船、六番船!七番船の援護に向かって!』
救援要請とほぼ同時に楠隊長からの無線が飛び、六番船がこちらへ進路を変えてくれているのが見える
「千秋ちゃん!銃を拾って!2人で迎撃するわ!」
「は、はいっ!」
冬花先輩の声で、出水さんも銃を拾って星屑をひたすら必死に撃ち始めるも、星屑の体当たりを受け銃剣を再び手離してしまう
「いやあぁぁぁあ!!」
「させない!」
私は盾を捨てて出水さんが落とした銃剣を拾い、再び出水さんに襲いかかろうとしていた星屑に突き刺し発砲する
(もう…これ以上は、やらせない!)
その思いから、銃剣を持ったまま次の星屑の元へ跳び斬りかかる
(リロードの仕方は分からない…だけど!)
「私だって、やれる!」
そう叫び、次の星屑へ銃剣を振るう…が、星屑達も私達の攻撃法を学習したのか銃剣の剣先を器用に噛んで攻撃を防ぎつつ、その巨体を活かして銃剣ごと私を振り回す
「しまっ…!きゃあぁぁぁ!」
『凛!!っ、このっ!』
私の窮地に冬花先輩も気付いたが、他の星屑が救援に向かう事を妨害するように動く
(私は…また、何も出来ずに…!)
星屑に振り回され、自分自身の力の無さを嘆き涙がこぼれそうになって目を閉じる
(私…本当に、ここで死ぬの…?)
そう思うと、神樹館時代の事、お父様との最後の会話、お助け部の皆との思い出…これまでの出来事が脳裏に浮かんでは消えていく
(『まずは自分を含めた全員が生き残れる手段から考えなさい!!』)
(『皆さん、絶対に無事に帰ってきて下さい。絶対に!』)
走馬灯を辿っていると、先ほど冬花先輩や出撃前に国土さんから言われた言葉を思い出した
(そうだ、私には、帰りを待っている人が居て、まだやらなくちゃいけない事がある…だから、私は――)
「私は…まだ、死ねない!」
そう叫んで目を開き、目の前で銃剣を咥えるものと、背後から挟み撃ちを試みている2体の星屑を睨む
しかし、今の私には、この状況を打開する術は持ち合わせていなかった
突然、星屑の1体が何者かに撃たれ、もう1体も少し遅れて撃たれて消滅する
『大丈夫!?助けに来たよ!』
第七班の誰のものでもない声が聞こえる
銃弾が飛んできた方向を見ると、1隻の葦原船が私達の七番船に接近しており、それに乗っている防人の1人――胸元と左肩に防人番号06と書かれた人物が私が持つ銃剣を咥えた星屑を狙撃してくれる
自由になった私は、体勢を立て直して自分達の船へ戻る
「凛!無事だったのね…」
私が再び船に着地すると冬花先輩が安堵の声を上げ、六班の班長さんへ無線を繋ぐ
「白駒さん、助けて頂いてありがとうございます!」
『話は後で!まずは――』
白駒さんと呼ばれた人物が無線に応答しながら飛んできたのか、私達の船へ着地しながら話を切り上げ、更に飛来する星屑を撃っていく
「そうね、まずはアレを何とかしないと…千秋ちゃん、大丈夫?戦えそう?」
冬花先輩が尋ねるも、出水さんは返事もせず小さく膝を抱えているだけだった
「凛、千秋ちゃんはもう限界みたい。盾に持ち替えて一葉と千秋ちゃんの2人を守って!迎撃はアタシ達がやるわ!」
そう言って冬花先輩は、白駒さんと呼んだ第六班の班長さんと共に次々と星屑を撃っていく
そうしていると、六番船が接舷し第六班の班員達も戦闘に参加する
「第六班、これより第七班の援護に入ります!」
「「「おけまる!」」」
14番の防人が手に持つ盾を展開し、18番の防人が盾に足止めされた星屑に銃剣を振るい斬っていき、その死角から迫る星屑を27番の防人が的確に撃っていく
(アレが…勇者様を選ぶ選抜試験に呼ばれていた人の力なの…?)
以前、桜井先輩から聞いた話によれば、第六班の班員の殆どは勇者様の選抜試験に参加していたらしい。だから、こんなにも強くて連携も上手いのだろう
(皆と比べて、私は…)
他の人達との明確な差を見せつけられ、私はただ自身の無力感を実感させられ俯く
『狼狽えるな!』
突然、通信機から楠隊長の声が響き、ハッと顔を上げる
楠隊長も、他の班の援護に入っているのだろうか、戦闘をしながら他班の船に乗って班を鼓舞している
『私達が訓練してきたのは、死ぬ為じゃない!…皆揃って生きて帰るのよ』
生きて帰る、実際にそう言われて意識し始めたのか、防人達の間に発生していたパニックが次第に治まっていく
『敵も少数になっています、ここで片を付ける!銃剣隊、射撃陣形!ってぇー!!!』
その後、防人達が再び一斉に銃剣を構え、一斉に放つ。先程までのそれと比べても威力、精度共に上がっており的確に星屑を撃ち抜いていく
それを何度か繰り返し、星屑の数を確実に減らしていった
『各班、被害状況を報告』
星屑を殲滅し終え、静寂に包まれた空間に楠隊長の声が無線機越しに聞こえ各班の班長が順番に状況を報告していく
『こちら第六班、軽傷者3名、船体の損傷は軽微です』
「こちら第七班、重傷者1名、軽傷者3名…うち1人は、これ以上の戦闘行動は困難です。また、船体の損傷は軽微ですが、現在操舵可能な者が居らず制御困難です。他班による曳航を願います」
救援に来てくれた第六班は、あれだけ戦っていたのに軽傷で済んだらしい。私達の班は他班に比べても被害が大きく、被害が軽かった他班に周囲を守って貰う――輪形陣と言うらしい艦隊陣形に組み変えて進み、壁の内側へ入り出発地点である神樹様による壁の上へ着陸していく
出発した時と違い、世界は夕日によって綺麗な赤に染まり、壁の上には既に数基のヘリコプターと医療班が待機していて無駄なく桜井先輩ともう1人の重傷者を収容して飛び去って行った
医療班が居なくなり、私達防人達の他には、いつもの神官様と国土さんが残っていた
「皆はそのまま、葦原船の被害箇所等の確認作業を進めて下さい」
それだけ言うと、神官様と話を始める
(私達も、作業を進めないと…)
そう思いながら出水さんを見る…が、未だに船体の影で膝を抱えて小さくなっていて、とても作業が出来そうに見えない
それが私には、まるで“今も何かに怯えてる”様にも見えた
「凛」
突然、冬花先輩に呼ばれ振り返る
振り返った直後に、冬花先輩から平手打ちされる
その目は怒りを隠しもせず、私を睨んでいた
「…叩かれた理由、分かってるわよね?今回の被害、アナタの勝手な行動が原因よ。今後、身勝手な動きは辞めて頂戴」
私の頬が叩かれた際に周囲に響いた音で、不穏な雰囲気を察した他班の子が心配そうにこちらを見てくるが、私はその視線も、叩かれた頬の痛みも気に留めずに言い返す
「私は…私の選択が間違っていたなんて思いません。あのまま、皆が撤退していれば――」
「…もし、皆がそのまま撤退してたらアナタは1人でどうするつもりだったの?」
「その時は…私一人の犠牲で済んでいたはずです」
「ッ!ふざけるんじゃないわよ!」
私の返答を聞き、激昂した冬花先輩が両手で戦衣の襟を掴む
「それで生き残って、アタシ達が喜ぶなんて思ってるの!?残される側の事も考えなさい!!」
「勇者様だって、同じ状況だったら誰かが――」
「勇者様勇者様って、アナタは勇者様じゃないの!今、ここに居るアタシ達は防人なのよ!勇者様とは違うの!!」
「あ、あの!冬花先輩、凛先輩、喧嘩はいけません!仲良くして下さい!」
「綾川さん、落ち着いて下さい!」
私達の不穏な雰囲気に我慢出来なかった誰かが、国土さんと楠隊長を呼んできたらしく、仲裁する為に冬花先輩の肩を掴む
「…っ、良い?凛、隊の中の1人が勝手に動けば、それだけで隊を全滅させることも可能なの。それだけは忘れないで」
それだけ言い残し、楠隊長に連れられ歩いていく
国土さんは残って出水さんの後頭部を撫でている
「千秋ちゃん…もう、大丈夫ですよ」
「う、うわぁぁ~ん!」
出水さんが国土さんに抱きつき、人目も気にせずに思いっきり泣き始める
(私だって、悲しませたい訳じゃないんです…でも)
「それでも、私は…私、は……」
全滅の恐れを受け入れて全員で戦うべきか、安全に逃げる為に誰か1人が犠牲になることを容認するべきなのか、私には答えを出すことが出来ず、夕日に照らされた葦原船と盾を見ながら小さく呟くことしか出来なかった
今回の話は、「うどん屋@兎に角ゆゆゆ応援したい(@udonya_yuyuyu)」様の作品の「白駒由布子はこれでも防人である」にて描かれている防人隊第六班の4人にゲストとして出演して頂きました…!
出演許可を出して頂き、ありがとうございました!!
今回の「勇者部満開35」にて新刊を頒布されるそうです
良い作品ですので行ける方はぜひ手に取って頂けますと…!