ラブライブ!~μ'sとの日常~【完結】   作:薮椿

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こんにちは!話の元ネタはCarnival Phantasmから。

今回はギャグ回なのですが、いつも以上に意味不明な展開になりました。展開的にも文字に起こしてみると読みにくい回です。完全にノリで読んでもらえればいいかと…。


メイド喫茶で大暴れ!?

 

「それでは朝礼を始めま~す」

 

 

 店の準備が終わったので、店長が全員に声をかけた。南ことりがアルバイトをしているメイド喫茶では、午前中のシフトの従業員が集まって朝礼をするのが決まりになっていた。

 

 

「休みのことりちゃんの代わりに、臨時ウェイトレスとして入ってもらう海未ちゃんで~す!」

 

「う、海未です。よろしくお願いします」

 

 

 海未がここへ臨時で入ったのはことりの紹介であった。海未は一度アルバイトを経験して社会勉強をしてみたいと思っていた。それ以外の理由もあるのだが…。ことりや店の為に承諾したのだが、フリフリの制服はあまりにも恥ずかしい。

 

 

「今日1日頑張ろうね!」

 

「は、はい……」

 

 

 その後、他の従業員たちにも可愛い責めをくらい、早速心が折れかけるのであった。

 

 

 

 

 さあ!営業開始!

 

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

 

 

 

カラカラ

 

 

 ドアのベルが鳴り響く。海未はお客を出迎えるために入口へ急ぐ。

 

 

「い、いらっしゃいませ」

 

「うぇぇ!海未!アンタ何やってるのよ!」

 

「に、にこ!こ、これはことりや店長に頼まれて……やむ無しです」

 

 

 メイド喫茶の従業員として冷静な態度を崩さない海未。

 

 

「お店が困っていると聞いては捨て置けません。それに……」

 

「それに?」

 

「な、何でもありません!とりあえずこちらの席へどうぞ」

 

 

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

 

 

(いきなりの接客が知り合いでよかったです。しかし、もう少し笑顔で、そして積極的にならなければ!)

 

 

 同じμ'sの仲間であるにこが海未の接客一発目であったことが、緊張をほぐしたようである。海未はここからもっと積極的になる決意を秘める。

 

 

(次は注文を聞かなければ……)

 

 

 海未はにこの元へ行き、注文を取る。

 

 

「ご注文はどうなさいますか?」

 

「じゃあ、コーヒー」

 

「ホットですか?アイスですか?」

 

「ホットで」

 

「お食事は?」

 

「お腹空いてないし」

 

 

バン!

 

 

「うぇ!?」

 

 

 急に海未が勢いよく机を叩いた。

 

 

「お腹が空いては戦はできません!空腹時にライブをやることになったらどうするんですか!?」

 

「はい……?ってそんな時にライブなんてやらないでしょ……」

 

 

バン!

 

 

「うぇ!?」

 

「いついかなる時も自分がアイドルであることを忘れないこと。これはにこがいつも言っているではありませんか!?」

 

 

 海未のやる気スイッチが痛い方向に入ってしまっている。積極性を意識しすぎた結果だろう。

 

 

「わかったわよ……じゃあホットケーキ」

 

「まさかにこともあろう方がそれだけですか?」

 

「あ゛あ!もううるさい!!カレーとスパゲティも持ってきなさいよ!!」

 

「デザートは?」

 

「あんたねぇ……」

 

 

 ここから海未のやる気が暴走し始めた!

 

 

 

 

 

 

「そんな少食で戦えるのですか!?サラリーマン!!」

 

 出勤前のサラリーマンにダメだし。

 

「行儀が悪いです。ほら、こぼしてます!!」

 

 ぺちゃくちゃ喋りながらの女子校生たちに厳重注意。

 

「嘆かわしい!男子ならおかわりするべきです!!」

 

 携帯やゲームをしている男子学生に指図。

 

 

 

 

ハハー!!!(土下座)

 

 

 

 店内のお客全員が海未に土下座をする事態に陥っていた。

 

 

「もう接客じゃなくてしつけね」

 

 

 

「今日は忙しいわね~。こんなことこの店始まって以来だわ~」

 

 

 店長はホクホクとした笑顔でレジを打つ。

 

 

「海未ちゃん!これからアルバイトとして毎日ウチへ来て欲しいなぁ」

 

 

 接客が楽になるためか、他の従業員もそう思っているらしい。だが……

 

 

「それは私が武士だと知ってのことか!!」

 

 

 

ハハー!!!(土下座)

 

 

 

「もう意味が分からないわよ……」

 

 

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

 

 

 

ガタン!

 

 

 乱暴にメイド喫茶のドアが開かれる。

 

 

「おお!本当にいるじゃないか!」

 

「れ、零……」

 

 

 来店したのは零であった。よりにもよって、メイド服姿を一番見られたくない人に見られてしまった。

 

 

「良い成りだな海未。お前を……ご指名だ!」

 

「断ります!!」

 

「恥ずかしがりやがって。愛い奴め」

 

「ご退店願います!零!」

 

「海未ちゃん!お客様、お客様だよ」

 

 

 店長は来店した客を追い返そうとしている海未を見て、注意を促す。

 

 

「はっ!」

 

「ハハハ!」

 

 

 海未からの抵抗がなくなったためか、零は海未の頭をポンポンと叩いた。

 

 

「ぐぬぬ……」

 

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

 

 追い返すことができなかったため、海未はしぶしぶ零を席に案内する。

 

 

「ご注文は?」

 

「よ~し、まずは酒だ!高いのから順に持って来い!」

 

「ここは喫茶店です!」

 

「知っているワザと言ったんだ。ジョークだよジョーク。一度言ってみたかったんだよな、ハハハハ!!」

 

(勤務時間外なら、弓で串刺しにしてやるところなのですが……)

 

ペキッ

 

 怒りで手に力が入りすぎて、持っているペンから不穏な音がなる。

 

「じゃあこのサービスランチっていうのを頼む。フルコースでな。あとスマイル」

 

「ぐぐ…ぐぅ」

 

 

 零の明らかな作り笑顔に、海未も引きつった笑顔で返す。

 

 

 

 

「この店、超気に入った!褒美を取らせる、好きに取るがいい!!」

 

 

 バサッとお札なようなものをばらまく零。

 

 

「これは何です!?」

 

「知らないのか?お気に入りのメイド喫茶に配る、いわば投票券のようなものだ」

 

 この辺り一帯にはメイド喫茶が多く立ち並ぶ。もちろん店毎の競走も激しい。そこで導入されたのが投票システムである。メイド喫茶本部から投票券を貰い、気に入ったメイド喫茶に渡せば1票入る。そうやって月毎に票が多いメイド喫茶の上位5店が、本部やホームページでも紹介されるのだ。その情報を見て、遥々遠くからやって来る客も多い。

 

「みんな拾って拾って!」

 

 

 店長の言葉に、周りの店員はバタバタと投票券を回収し始めた。人気が出れば、それだけ店の売上にも繋がるからだ。

 

 

「すごいすごい!」

「夢のようだよー!」

「うひょ~」

 

 

 店員もテンションダダ上がりである。

 

 

 

「なぜあなたがこの券をこんなに一杯?」

 

「毎日1人1枚貰えるんだけど、それをこの時までずっと貯めてきたのさ。お前のメイド姿を見る時までな!!」

 

「あなたって人は……」

 

 

 呆れてものを言えない。そのマメな努力を、普段の日常生活に注げばいいのにと思う。

 

 

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

 

 

 この騒ぎが噂となり、海未がアルバイトしているメイド喫茶には、いつも以上にたくさんの客でごった返していた。

 

 

 

「ランチ10人前入ります!」

「お次の方ご案内します!」

「合計で2560円です!」

 

 

 もちろん店員としてアルバイトをしている海未も大忙しであった。

 

 

「何だか大変そうね」

 

「はい……」

 

 

 零とのやり取りで、もはや忘れられそうになっていたにこが店内を見渡す。

 

(客商売とは、こんなにも大変なものなのですか……)

 

 

 

 

 

「海未、お会計だ。テイクアウトは………お前だ!!」

 

「うっ……」

 

 

 メイド服で働くという羞恥、仕事の忙しさ、それになりより零というメンドくさい客、海未は冷静ではいられなくなってきた。

 

 

(『お前だ…お前だ…お前だ…お前だ…』)

 

 

 心の中で零の声が鳴り響く。自分の心が負に支配されていくのがわかる。

 

 

「どうした海未?早くお持ち帰りさせてくれよ~」

 

 

 

 

ブチッ!

 

 

 

 

ついに……海未はキレた。

 

 

 

 

「うあ゛ああああああああ!!」

 

 

 

「う、海未さん?」

 

「この状態になった海未はヤバイわよ!零なんとかしなさい!」

 

「部長のにこが何とかするべきでは?」

 

「ここで部長とか関係ないでしょ!!それにアンタがまいた種だし」

 

 

 

 

 

「黙った聞いていれば何ですか?お客様は神ですって?神は死んだ!!!」

 

 

 

「訳わかんないわよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

「零!」

 

「な、何だよ」

 

「ケーキを残していますが?」

 

「それかなり甘すぎるんだよ。ことりが作ってくれるチーズケーキより何倍も」

 

「無礼者!!食べ物を粗末にしてはなりません!!」

 

 

ビシッ!!!

 

 

 海未は人差し指で零の鼻を思いっきりつつく。

 

「何だ?……「ビシッ!」……お前は……「ビシッ!」……俺の……「ビシッ!」……お母さんか……「ビシッ!」……何かか?って、いちいち鼻をつつくな!!」

 

「可愛い可愛い、ゴスロリメイドウェイトレスです!お客様!!!」

 

「なんかすんません」

 

 

 零が畏まるほど、海未は暴走していた。日頃、零や穂乃果、凛のイタズラなどで鬱憤が溜まっていて、それが一気に発散されている。

 

 

 すると、周りの客たちもこの騒ぎに乗り始めた。

 

 

「海未さん!マジリスペクトっす!」

 

 

 

「う、海未!」

 

 

 とりあえずこの場をなだめる為に、にこが海未の説得に入る。

 

 

「今日はもう疲れたのよね?家に帰らない?ね?」

 

「フン!これしきのことで疲れたなどと……」

 

 

ガサァ

 

 

 

「口が裂けても言えません!!」

 

 

 しかし手と膝を床につけながら。

 

 

「言ってるも同然よ!」

 

 

 一連の暴走に体力を奪われたのか、少し疲れ気味なのは見て取れる。

 

 

「お腹が空いただけです」

 

「えぇ~……」

 

「これより休憩にする!美味な賄いを寄こしなさい!!」

 

「は、はい!」

 

 

 ついに海未は店長より権力を振りかざし始めた。

 

 

 

「当店1番人気のオムライスです」

 

 

パクパクパクパクパクパクパクパク

 

 

 

「ど、どうですか?」

 

「美味!!おかわりです!!」

 

 

パクパクパクパクパクパクパクパク

 

 

「普段相当抑圧されてたのね……」

 

 

 これからはもう少し部長として部員を気遣ってあげなければ、と思うにこであった。

 

 

「零!」

 

「今度は何だよ」

 

「シフトが上がったら街へ繰り出しますよ!付いてきなさい!」

 

「へ、へ~い……」

 

「災難ね、アンタ」

 

「それで海未の気が収まるならいいよ」

 

 

 

 店の客は大いにヒートアップしていた。

 

 

「海未さん、マジ淀みないっす!」

「俺一生付いていくっす!」

「街に繰り出すっす!」

 

「海未!海未!海未!」

 

「海未!海未!海未!」

 

「海未!海未!海未!」

 

 

 そして店中で海未コールが流れた。

 

 

「今日、私は学んだ。労働とは尊いものだと……」

 

 

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

 

 

 シフトが終わり、店を出た海未。あの暴走は既に鎮火し、メイド喫茶もいつもの状態へ戻っていた。

 

 

「よう!遅かったな」

 

「零!?何故!?」

 

「何故って、お前が街へ繰り出すから待ってろって言ったんだろ?」

 

「そういえばそんなこと……」

 

 

 海未の中では完全に黒歴史と化していた。とりあえず、待っていてもらって申し訳ないので歩きながら話すことにする。

 

 

 

 

 

 

「お前に聞きたいことがあったんだ」

 

「何ですか?」

 

「どうしてメイド喫茶でバイトしてたんだ?ことりに頼まれたとはいえ、お前がメイド喫茶でバイトするなんて考えられないからな。嫌なら断ることもできたはずだし」

 

「そ、それは……」

 

「それは?」

 

 

 零は一度疑問に思ったことは必ず解決しようとしてくる。実に完璧主義者の彼らしい。

 

 

「あなたへ何か贈り物でもと」

 

「お、俺に?」

 

「ええ。いつも何かとお世話になっていますし、ここまでμ'sがやってこれたのもあなたのおかげです。いつか恩返しをしようと思っていた矢先、ことりがアルバイトの話を持ってきたんです。そこで少しでもお金を稼いでいい物が買えればいいと思いまして」

 

「俺の為にバイトを……」

 

「はい。でも似合ってませんでしたよね?メイド服なら穂乃果やことりが着た方が似合っていますし」

 

 

 

 

ポン

 

 

 

 海未の頭に零の手が置かれた。店内でふざけていた時とは違う、暖かくて優しい手。

 

 

「そんなことない。可愛かったよ。誰かと比べる必要なんてないんだ」

 

「零……」

 

「今日はお前のメイド姿を見られてよかったよ。なんだかんだいって楽しかった!」

 

「なっ!今日のことは忘れてください!!」

 

「ハハハ!」

 

「笑わないでください!!」

 

 

 

 

 

 夕日が茜色に空を薄塗りしている。

 2人のお出かけはまだ始まったばかりだ。

 

 





何だこの展開(笑)。今回思ったことはそれだけです。

Carnival Phantasmネタは一旦ここで終了。ギャグの勉強として使わせてもらったので、この作品には感謝です。元ネタがあるとオリジナルとは違って、展開が決まっているので書きやすいのですが、オリ主や地の文を入れるとテンポが阻害されてしまうのが難点ですね。

最後はいい感じに終わりましたが、海未回はしっかりとデート回として書いきます。いつになるかは未定ですが…。




それではこの辺で、ありがとうございました!









次回は罰としてプール掃除!?


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