ラブライブ!~μ'sとの日常~【完結】   作:薮椿

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こんにちは!今回は季節外れのプール……の掃除の話です。
さらに零君が楽しそうでなによりな回となっています。つまりロクなことになっていません(笑



真夏のプール掃除

 

「あっち~!何故こんなことになった……」

 

 

 現在、俺+μ'sメンバー9人は学院内のプール掃除をしている。何故こんなことをしているかって?それは穂乃果と凛のおふざけで、いかにも高そうな花瓶を割ってしまったからだ。ことりの母親が理事長だったおかげで弁償だけは避けられたのだが、その責任としてプール掃除を言い渡されたのだった。

 

 今は9月の初め。ちょうど体育でプールの授業もなくなり、掃除をするタイミングであったのだが、いかんせん暑い。最悪の掃除日和である。

 

 

「何で俺までプールの掃除をせにゃならんのだ」

 

「連帯責任だよ。零君と穂乃果は運命共同体だから!」

 

「うるせぇ!都合のいいこと言いやがって!」

 

 

 穂乃果と凛の2人で広いプールを掃除していては、確実に日が暮れる。穂乃果たちは海未たちに頼み込み、渋々承諾を得たのであった。2人が欠けてはμ'sの練習もできないからな。俺は隙を突いて帰ろうと思っていたのだが、すごい勢いで走ってきた穂乃果と凛に捕まってしまったのだ。

 

 

「全くよ。このスーパーアイドルにこちゃんがこんな雑用を」

 

「う、運命共同体だから」

 

「その言葉聞き飽きた」

 

 

 にこも愚痴をこぼしながらブラシをかける。まぁ、そうだろうよ。それが普通の反応だな。

 

 

「まあこれもトレーニングの一貫だと思って我慢しましょう」

 

「ことりは掃除でもみんなで一緒にできるなら楽しいよ」

 

「お前ら本当に穂乃果に甘いよなぁ」

 

 

 海未もことりも割と積極的に掃除をしている。穂乃果との付き合いが長い彼女たちだからこそ、こういうことには慣れているのだろう。

 

「ちょっと凛!何休んでるのよ!」

 

 

 向こうから真姫の怒鳴り声が聞こえる。1年生トリオと一緒にいると、この怒声はよく聞く。真姫も苦労してんな。

 

 

「ここのプール広すぎるにゃー!それにさっきから凛ばっかり働いてるにゃ!」

 

「当たり前でしょ!あなたのせいなんだから!ほら、キビキビ動く!」

 

「まあまあ真姫ちゃん。一緒にやって早く終わらせよ」

 

「花陽は凛に甘すぎるわよ!」

 

 

 珍しく真姫がギャーギャー騒いでいる。よっぽどプール掃除が嫌らしい。反省の色が見えない凛に呆れているのか。

 

 

 

 

「幼馴染ってやっぱり甘やかしてしまうものなのかしら?」

 

 

 穂乃果や凛たちのやり取りを見て、絵里が疑問に思う。

 

 

「ことりちゃんや花陽ちゃんは優しいからなぁ、穂乃果ちゃんと凛ちゃんがやんちゃになるのも納得やね」

 

 

 迷惑すぎるぜ、全く。

 

 

「最悪掃除するのはいいが、この暑さはないな……」

 

「もう9月に入ったのにね。今日は外での練習は控えめにしようと思っていたのに」

 

 

 どうやら絵里の計画では今日は室内練習、主に歌やポジション確認などの時間に割り当てようとしていたみたいだ。

 

 

「それじゃあ早く終わらせて、部室で涼むとしよか」

 

 

 ごもっともな意見だが。あの部室は少し狭くて、10人が同時に入ると熱帯地方の如く暑くなる。掃除が終わっても冷房が効くまで地獄を見ることだろう。

 

「ダメだ、暑すぎる……」

 

 

ジャー

 

 

 俺はホースの先を頭に当て、水を流す。

 

 

「あ~冷たい!」

 

 

 冷たい水が頭から体、そして足に流れる。服が少し汗でベタついていたため好都合だ。

 

 

「零君ズルい~穂乃果もやってやって!」

「凛も凛も!」

 

「こら凛!」

 

 

 真姫の説教をくらっていた凛と穂乃果が俺の元に来る。2人は俺に頭を突き出しているため、何か小動物っぽい。

 

 

「わかったよ。ほら」

 

「冷た~い!」

「生き返るにゃー!」

 

 

 2人の頭から水をぶっかけてやる。まるで水浴びをしている子犬のようだ。

 

 

 

 

「!!!」

 

 

 ビショビショに濡れている2人を見て、俺はとんでもないことをしていることに気づいた(いい意味で)。濡れた服がピッタリと体に張り付いている。それは俺も2人も同じなのだが、2人は女の子。胸に女の子特有の膨らみがくっきり出ている。既に俺は2人を凝視していた。凛は少し控えめだが、穂乃果は歳相応だ。

 

「じー」

 

「ん?零君どうしたの?」

 

「い、いや何でもないよ!ハハハ……」

 

 

 いつまでも拝んでいたいのは山々なのだが、もし海未たちに気づかれてしまったら鉄拳制裁どころでは済まない。誰か気づいているのだろうか…

 

チラ

 

「海未ちゃんもやってみなよ!」

「そんなことしていたら風邪引きますよ」

 

 

 どうやら俺の様子には気づいてないみたいだ。あの光景はこのまま脳内フォルダに閉まっておくぜ。

 

 

「……」

 

 

 何やら背中に誰かからの目線が突き刺さる。俺は首だけそちらに振り向いた。

 

 

 

 

「絵里……どうした?」

 

「あなた、さっき変なこと考えてたでしょ?」

 

「まあ、男の子なら仕方あらへんけどな」

 

 

 明らかに絵里と希はわかっているようだ。だが、ここで認めては地獄が降り注ぐだろう。ここはシラをきり通さなければ……

 

 

 

「変なことって何だよ~絵里ぃ~?」

 

「へ、変なことは変なことよ!!」

 

 

 いつもはμ'sのお姉さんポジションの絵里だが、こういうことに耐性はない。そこを突いていけば、言葉責めで負けることはないだろう。

 

 

「まあまあ零君。程々にしとかないかんよ」

 

 

 希に止められてしまった。何かと口車がうまい彼女は俺の天敵でもある。俺のふざけた話も上手くはぐらかす。

 

 

「……」

 

「どうしたん?」

 

 

 俺は絵里と希を見る。μ'sでも1、2を争うそのスタイルは、現在プール掃除がゆえの軽装なおかげでより一層際立っていた。そして俺の手にはホース、いつでも放水可能だ。

 

 

 

ドクンドクン

 

 

 心臓の音が聞こえる。やってはいけないことだとわかっているが。既に穂乃果と凛には水をかけてしまったため、もう今更だろう。

 

 そう決めた瞬間、俺の行動は早かった。体をグルリと傾けると同時にホースの先を摘み、2人に銃口を向ける。そして……

 

 

 

 

ブシャー!

 

 

 絵里と希、2人に向かって放水した。

 

 

「「きゃあ!!」」

 

「おおおおおおおおおお!!」

 

 

 水浸しになった彼女たちの姿は『水も滴るイイ女』の表現がピッタリだった。これは声を上げざるを得ない。水によってビタっとカラダに張り付いた姿は、全世界の男が興奮を覚えるだろう。

 

 

「ちょっと!突然何すんの!?」

 

「全身びしょ濡れよ!」

 

「大丈夫だ!2人とも、もの凄い絵になってるぞ!永久保存版だ!」

 

「全然大丈夫じゃないわよ、全く!」

 

 

 μ's切ってのスタイル2人はさすが胸も大きい。凛とどこで差が付いた。凛も2年後ああなるのだろうか……いやないな。

 

 

 

 

「零!何してるんですか!」

 

 

 海未に怒鳴られてしまった。そりゃそうだろうな。また殴られる前にやめるか……

 

 

「わかったわかった。もう止めるって」

 

「ホース持ったまま、こっち向かないで下さい!」

 

「え?」

 

 

 ここで俺はホースから水が出っぱなしだったことに気づく。だが時、既に遅し。

 

 

 

ブシャー!

 

 

 

「きゃあ!」

「冷たい!」

 

 

海未とその隣にいたことりにも水がかかってしまった。水の勢いは絵里と希にかけた時と同じなので、当然びしょ濡れに。

 

 

「きたぁああああああ!!これは僥倖だ!!」

 

 

 女性ウケする海未のスラッとしたスタイル、あそこの大きさなら絵里と希にも負けないことり。普段中々見れない同級生の痴態を脳内保存する…………保存完了。

 

 

 

「花陽も涼むか?」

 

「わ、私はいいかな」

 

「まあそう言うなよ」

 

ブシャー!

 

 

 ここまで来たら、もう後には引けない!全員同じ道を歩ませてやる!

 

 

「いいって言ったのに~!!」

 

 

 おお~!普段から見ていたけど、花陽もスタイルいいな。1年生では珍しい方だろう。

 

 

「流れがマズイわね……」

「零が花陽に構ってる間に逃げましょ」

 

 

 おいおい聞こえているぜぇ~にこちゃん、真姫ちゃんよ~。

 

 

「お前らだけ逃げようたってそうはいかんぞ!くらえ!」

 

 

 ブシャー!

 

 

「「きゃ!」」

 

 

 いい声だ!

 

 

 真姫も穂乃果同様に歳相応だな。にこは……もう少し頑張ろう。

 

 

 

 

 

「ミッションコンプリート。いや~いい汗かいたわ!」

 

ブシャー!

 

 

 改めて自分に水をかける。あぁ……いいことした後は水が気持ちいい……

 

 

 

 

 

ゴゴゴゴ……

 

 

 

あれ?何か後ろの方に黒い炎を感じるぞ……

 

後ろを見ると、9人が燃えている。そんなことしてたら、服が乾いちゃうじゃないか!

 

 

「零、もう1度聞きます。何故このようなことを…?」

 

「えーと…」

 

「「「「「「「「「……」」」」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

「運命共同体です☆」

 

 

 

 

 

ドゴォ!!!!!!!!

 

 

「ぐふっ!!」

 

 

 目には見えない9連パンチが襲いかかった。いつもは温厚なことりや花陽まで……

 

 

 

 

 

「とりあえず着替えに戻りましょ」

「そうね」

「じゃあ後はよろしくね~」

 

 

 みんな帰ろうとしやがる。あれ?掃除は?

 

 

「零君」

 

「ことり、お前は見捨てないでくれたのか!」

 

「これ、お母さんに言うから」

 

「ごめんなさい、すいません、何でもしますから」

 

「それじゃあプール掃除頑張ってね♪」

 

「はい!喜んで!」

 

 

 

 

 

 

 

 それから1時間、俺は地獄のような暑さの中で1人でプール掃除をした。しかし、元はと言えば穂乃果と凛が掃除をする原因を作ったので、その後はみんなで取り組んだ。

 

 今日のみんなの痴態は俺の脳内フォルダに閉まっておいた。反省はしているが、後悔はしていないとは正にこのことであろう。

 

 だが、みんなはそれを恐れ、俺の記憶を消す儀式(ホースでの水責め)が行われたことは、俺にとって忘れたい記憶となった。

 

 

 





零が暴走する時って、メンバーがロクな目に遭わないような気が…。デート回のようなイケメンな時もありますが、こちらが素なのです。許してやって下さい(汗



ちなみに今回出てきた「運命共同体」について
大辞林 第三版によると
「一方の盛衰がそのまま他方の盛衰となるような関係にあること」
主に夫婦の関係によく使われるみたいです。もしかしたら、今回の話の中での意味は少しニュアンスが違ったかもしれません。まあ、履歴書やエントリーシートじゃないので、大体の意味が伝わればいいかなぁと思って書いています。完全に雰囲気ですね。



それではこの辺で、ありがとうございました!











次回はトップアイドルのあの人登場!
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