ラブライブ!~μ'sとの日常~【完結】   作:薮椿

17 / 64
こんにちは!今日はμ'sとの日常ではなくてA-RISEとの日常回。と言っても出てくるのは1人だけですが…

話の長さ的には、お互いが淡々と会話しているだけなので短めです。



綺羅綺羅なアイドル

 

「ん?何だこれ?」

 

 

 穂乃果たちの生徒会仕事からトンズラして帰宅している俺は、道端に落ちている学生手帳のようなものを見つけた。落ちていた手帳はデザイン的に音ノ木坂のモノではない。正直、音ノ木坂のよりも綺麗で高級そうな手帳だ。

 

 

「こんなトコに落とすとは、ずいぶんマヌケな奴もいたもんだな」

 

 

 俺はその手帳を拾い上げ、表紙から学校名を確認する。

 

 

「これUTX学院のモノじゃねぇか!?」

 

 

 それだけで気品あふれる手帳に見える。俺の帰宅するルートはUTX学院の生徒と被るところがあるため、ここに落ちていても不思議ではない。最悪学院に届けてやることもできる。

 

 

「じゃあ、ちょっくら中を確認して……」

 

 

 あまり個人情報が入っているかもしれない手帳を開けたくないのだが、一応UTX学院に少し興味はあったので覗くこととした。

 

 

「お!学生証あるじゃん。えーと、名前は綺羅ツバサ……どっかで聞いたことがあるな」

 

 

 綺羅ツバサ……綺羅ツバサ……花陽やにこがその名前を口にしていたような……花陽とにこならアイドル関係かも。

 

 ダメだ出てこない。スクールアイドルの活動に取り組んではいるものの、他のスクールアイドルについてはからっきし興味はない。興味あるのはμ'sだけだ。

 

 

「でもこの写真可愛いな」

 

 

 その写真からでもオーラがヒシヒシと伝わってくる。容姿も整ってるし、実際に会ってみたいものだ。

 

 

「写りがイイっていうか、本当のアイドルみたいだな。まてよ、もしアイドルなら、この学生証をオークションにかければ……」

 

 

 

 

 

 

「何恐ろしいこと考えてるの!」

 

「うわぁ!」

 

 

 誰だ!?後ろから大声で叫ぶ奴は!?

 

 

「な、何者だお前。これは俺が先に見つけたんだ!金が入ってもやらんぞ」

 

「それ、私のなんだけど……」

 

「え?あ!写真と同じ顔!」

 

「今気づいたの!?」

 

「そうならそうと早く言ってくれよ」

 

「あなたが勝手に話を飛躍するせいでしょ」

 

 

 俺は綺羅ツバサなる人物に手帳を手渡す。写真通りの容姿だが意外と小柄なんだな……言ったら怒られそうだけど。

 

 

「なあ、少し聞きたいことがあるんだが…」

 

「じゃああそこのクレープ屋で食べながら話さない?今日私あのクレープ食べに来たから」

 

 綺羅ツバサが指差したのは公園のクレープ屋であった。子供から学生、大人まで人気があり、夕方は特に学生が多い。ここは毎日通るのだが、俺は食べたことはなかった。それ以上に気がかりなのは……

 

「これってもしかして……デート?」

 

「あら、あなたの頭の中はお花畑なのね」

 

「何だと……でもお前のような綺麗な女の子に誘われたら舞い上がるだろ」

 

「フフッ!ありがと!素直に受け取っておくわ」

 

「とっとと行くぞ!」

 

「はいはい」

 

 

 そんなこんなで綺羅ツバサとデート?することになった。

 

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

 それぞれクレープを購入し、公園のベンチに座る。

 

 

「改めて、私は綺羅ツバサ。あなたは?」

 

「神崎零だ」

 

「神崎君か……ねぇ零君って呼んでいい?」

 

「ぶっ!いきなり名前呼び!?初対面なのに度胸あるな、お前」

 

 

 μ's内では普通に名前呼びで呼び合っているが、今まで女子とあまり関わりがなかった俺からしたら、初めの頃はかなり抵抗があった。

 

 

「んー初対面だけど、あなたのことは知ってるよ」

 

「俺のことを?」

 

「この前のμ'sのPV、撮ったの君でしょ?撮影者の名前が出てたもん」

 

「よく見てるな。って、μ'sを知ってるのか?」

 

「よーく知ってるよ。だって私もスクールアイドルだから」

 

 

 何ですと!やけに整った顔立ち、女性が憧れそうなスタイルをしていると思ったら(小柄だけど)、スクールアイドルだったとは驚きだ。μ's以外のスクールアイドルには会ったのはこれが初めてである。

 

 

「A-RISEっていうグループ名で活動してるんだ」

 

 

 A-RISEってどこかで聞いたような……にこがグッズを持っていたような……花陽が曲を聴いていたような……

 

 

「思い出した!あいつらがよく話題に出してるグループだ!お前らそんなに凄いのか!?」

 

 

 μ'sメンバーはよくスクールアイドルのランキングについて確認している。その時によく話題出ていたのがA-RISEだった。

 

 

「自慢ではないけど、現在ランキング1位かな」

 

「1位!?そりゃあいつらも尊敬するわな……それに俺たちの敵ってことか」

 

「俺たちのって、零君はμ'sにどう関わってるの?」

 

「お前!名前!?」

 

「いいじゃんいいじゃん。可愛いなぁ」

 

「男に向かって可愛いとか言うんじゃねぇ!」

 

 

 

ヒソヒソヒソ

 

 

 

「周りの人がこっちを見てるような」

 

「あんなに大きな声だすから。それに零君、カッコイイから見られるのも無理ないと思うよ」

 

 

 圧倒的美貌を持つ綺羅ツバサと圧倒的イケメンの俺がベンチに座って、仲良くクレープを食べながら談笑しているその姿に見とれるのもおかしくないということか。

 

 

「クレープいただき!」

 

 

パク

 

 

「お前!人のモノ勝手に!」

 

「ほら!私のもあげるから」

 

 

 綺羅は俺にクレープを突き出す。こいつは間接キスなどは気にしないのだろうか。さすがの俺でも、こいつとの間接キスはドキドキする。

 

パクパクパク

 

 ニヤニヤしながら突き出すので、思いっきり3口分ぐらい食ってやった。ざまぁみろ。

 

 

「こうやってるとカップルっぽいね」

 

「初対面の人にそんなこと言うな!勘違いするだろ!」

 

「勘違いじゃなかったとしたら?」

 

「そんな好感度ゲージを上げたつもりはないね」

 

「つれないな~」

 

 

 初対面の人にも関わらず、グイグイとくる綺羅ツバサ。これもトップアイドルが故なのだろうか。

 

 

「そういえば話が流れてて忘れていたけど、零君がμ'sに関わっている理由って何なの?」

 

 

 以前、真姫に話した理由をこいつに話すのか……さすがに嫌だ!失礼がない奴だとは思うが、関係者以外には話したくない。

 

「それは……あれだよ……あいつらに頼まれたんだよ。顔も性格もイケメンな俺がいてくれた方が人気上がるかもってな……」

 

「ふ~ん」

 

 

 あれ?完全に信用されていない顔だ。バレてるな、こりゃ。

 

 

「わかったわかった。ありがと」

 

 

 俺が話したくないということを察したのか、この話を終了してくれた。とりあえず感謝する。

 

 

「そういやA-RISEって何人でやってんの?」

 

「私を入れて3人。統堂英玲奈と優木あんじゅ、それに私」

 

「その2人はどんな奴なんだ?」

 

「あれ?もしかして興味アリ?って私には興味なし?」

 

「お前のことはよーくわかったからな」

 

 

 特に性格は驚く程わかったよ。でも、一緒にいて楽しいタイプかな。

 

 

「英玲奈は大人っぽくて女性ファンが多い、あんじゅはおっとりお嬢様風で男性ファンが多いかな」

 

 

 それを聞いて、この3人は全く別の性格をしていると思った。そのおかげで1人1人が一際輝き、今の人気を得ているのだろう。それに対し、μ'sは9人だ。癖の強いメンバーだが、根強いファンならともかく、一般人にしてみれば9人は多すぎる。記憶の底に埋もれてしまうメンバーも出てきてしまうだろう。スクールアイドルとして、全員を目立たせるための努力を、これからしていかなければならないな。

 

 

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

 

「じゃあ俺、そろそろ帰るわ」

 

「え!?もう?」

 

「もうって、あれこれ話して1時間ぐらい経ってるじゃねぇか」

 

 出会ってから既にそのぐらいの時間が経過していた。時間を忘れて話し込んでしまったのは、意外にも綺羅ツバサの魅力に惹かれたからかもしれない。

 

「そっか、もうそんなに……ねぇねぇ連絡先教えてよ!」

 

「本当にグイグイ来るなお前は」

 

「こうやって気軽に話できる人って少ないからね」

 

「あれ?友達少ない派?」

 

「別に多い訳でも少ない訳でもない。でもA-RISEだからって、高嶺の花みたいに思われてるの。だから、一歩引いて話してくる人が結構多い。でも零君は別はいきなりタメ口だし、言葉遣い悪いけど、友達として仲良くできそうかなって思ったの」

 

 

 俺のことを蔑んでいるのかどうなのか、ニコニコしながら言うんじゃない。

 

 

「わかったよ。ホラ!」

 

 

 スマホで連絡用アプリのIDを見せる。そのIDを向こうが登録すれば完了というハイテク機能だ。

 

 

「ダメ元だったんだけど……いいの?」

 

「そりゃお前のような奴と連絡交換できるなら嬉しいし」

 

「そっか」

 

 

 少し嬉しそうな表情をしている。もしかして脈アリ!?そんな訳ないか。

 

 そうして俺と綺羅ツバサは連絡先を交換した。俺のアドレスにまた1つ、女の子の情報が追加された。

 

 

 

 

「じゃあ、これからもアイドル活動頑張ってね!応援してるよ!」

 

「敵を応援してどうすんだよ」

 

「敵じゃなくてライバルかな?私、μ'sのライブを生で見てみたいから」

 

「まあその時はμ'sが勝つだろうな。なんたって俺がいるんだから」

 

「凄い自信満々だね。でも嫌いじゃないよ、そういう性格」

 

 

 綺羅ツバサは微笑みながらそう言った。その笑顔は今日一番、俺を惹きつける。なんだよ……急に……

 

 

「じゃあな、綺羅」

 

 

 右手を挙げ、その場から立ち去ろうとした時……

 

 

「ツバサ」

 

「何?」

 

「名前で呼んでよ」

 

 

 

 

 

 

「じゃあなツバサ!」

 

 

 その時の俺はいい顔をしていたと思う。最大の好敵手と出会った喜びか、トップアイドルと友達になれて浮かれていたのかはわからない。次に会うのは予選なのか、またここでなのか、俺は密かに楽しみにしていた。

 

 

 

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

 

 

 

自宅

 

 

「あれ、メール来てる」

 

 

 差出人を確認すると、早速ツバサからメールが来ていた。そこには一言……

 

 

『マヌケで悪かったね!』

 

 

 気にしていたのかよ……てか聞いてたのかよ!?

 

 

 

 





と言う訳で、今回は綺羅ツバサとの初対面でした。私はアニメを見ただけなので、彼女のキャラが上手く掴めてなかったのですがどうだったでしょう?自分の想像では仲のいい友達同士なら、小説のようにグイグイ来そうなタイプでした。結果、若干ウザキャラみたいになっちゃいましたけど。

零が終始ツッコミに回る珍しい回でした。前回が前回だっただけに違和感を感じますね。ボケとツッコミを両方こなせるキャラは書いていて面白いです。…後書きやすい(内緒)

前書きにも書きましたが、現在1話から加筆を随時行っています。読みにくかったところを中心に修正を入れているので、時間がある方は読み返してみて下さい。


それではこの辺で失礼します。ありがとうございました!










次回は穂乃果の様子が変な回!?

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告