ラブライブ!~μ'sとの日常~【完結】   作:薮椿

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こんにちは!

今回は一発ネタ、日常回となります。どうぞごゆるりと。





おかしな穂乃果

 

2年生教室

 

 

 

「くんくん、甘い匂いがする」

 

「急にどうしたのですか零?新手の悪行ですか?」

 

「勝手に悪行と決めつけんな。どこからか甘い匂いがしただけだ。俺、結構鼻が敏感だからな」

 

「犬に最も近い人間ということですか」

 

「今日のお前、俺に厳しくない!?お前に何かした!?」

 

 

 最近、海未が怖いよぉ~!今まで俺、海未が嫌がることって何かやったけ?…………ないな。

 

 

「この匂いはチーズケーキだな。ということはことり、お前が犯人だ」

 

「せいか~い。よくわかったね」

 

「この教室でチーズケーキ作る生徒はお前ぐらいだろうからな」

 

 

 それにことりは手作りお菓子をよく持ってくる。しかもケーキ作りはことりの得意分野だ。

 

 

「少しだけど風味を変えてみたんだ。ちょっとだけ食べてみる?」

 

「食べる食べる。ことりのケーキ食べると活力湧くんだよ」

 

「海未ちゃんもどう?」

 

「そうですね……ではいただきましょうか」

 

 

 海未も合意する。甘いモノは太るとかなんだの言いながら、コイツもことりのケーキが好きなんだな。

 

 

「穂乃果ちゃんも食べるよね?」

 

 

 当たり前だろ。聞かずともこっちに飛んでくるわ。嗅覚なら、穂乃果も俺に負けていない。

 

 

「穂乃果は別にいいかな~なんて……」

 

「な・ん・だ・と!!」

 

 

 穂乃果がお菓子を食べない!?俺はどこかの平行世界に迷い込んでしまったのか!?

 

 

「穂乃果!今すぐ保健室に行きましょう!」

 

「穂乃果ちゃん!体調が悪くなったらことりに言ってね!保健委員だから」

 

 

 やはり海未とことりも穂乃果の異常を感知したようだ。

 

 

「ちょっとちょっと!穂乃果を異常者みたいに言わないでよ!」

 

「いや、今のお前は異常者だ」

 

「ヒドイよ~」

 

 

 いつもならことりのケーキに真っ先に食いつくのは穂乃果である。それも俺や海未、メンバーの分まで食べようとする程だ。

 

 

「でも本当に体調が悪いなら保健室に行ったほうが……」

 

 

 冗談抜きでことりは心配している。冗談しかない俺とは大違い(笑

 

 

「大丈夫だよ……あ゛あああああ!」

 

 

 ビックリした!耳元で突然大声を上げるなよ!?

 

 

「どうしたのですか!?急に!?」

 

「自分に秘められた力でも解放するのか?」

 

「穂乃果ちゃん、本当に大丈夫!?」

 

「大丈夫、大丈夫だから……ちょっと用事思い出したから行ってくるね」

 

 

 と言って、穂乃果は教室から猛スピードで出て行ってしまった。

 

 

「何なんだ一体……」

 

「さあ?」

 

それに、出て行く時のあの仕草は……?

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

 

「ケーキは食べたいけど、今はダメなんだよ~……」

 

 

 

 

「あれ?穂乃果ちゃん!?」

 

「凛ちゃん!?花陽ちゃんも真姫ちゃんも」

 

 

 穂乃果は気づかない間に購買近くまで来ていた。そこで出会ったのは1年生トリオ。穂乃果たちに負けないぐらい3人一緒でいることが多い。

 

 

「ちょうど良かったにゃ!穂乃果ちゃんと会えて」

 

「どういうこと?」

 

「今日花陽が特性おにぎりを作ってきてくれることを忘れて、凛が購買でメロンパンを買ってしまったのよ」

 

「うん、花陽たち最近3人でお弁当を作りあってるんだ」

 

「それで無駄にメロンパン買っちゃったから誰かにあげようと思って」

 

 

 メロンパンの袋を見ると、賞味期限は今日までであった。

 

 

「穂乃果ちゃん、ここのメロンパン好きだよね!」

 

 

 凛は新品のメロンパンを穂乃果の前に突き出す。

 

 

「ご、ごめん。穂乃果はいらないかなぁ~。ホラ、にこちゃんも甘いの好きだから、にこちゃんにあげれば?」

 

「「「えええええええ!?」」」

 

「またその反応!?」

 

「穂乃果がメロンパンを拒否するなんて……」

 

「信じられません!」

 

「さては偽物かにゃ!?」

 

「もうその反応さっき聞いたよ…」

 

 

 どうやら1年生組も穂乃果の異常に気づいたらしい。一度、海未からの地獄のダイエットを経験したことがあるにも関わらず、最近はまたバクバク食べているあの穂乃果が、校内で一番好きだと言っていたメロンパンを拒否するなんてありえないからだ。

 

 

「あ゛あああああ!また来た!」

 

「ど、どうしたのよ急に!」

 

「力が覚醒するのかにゃ?」

 

「保健室に行ったほうがいいと思うよ」

 

「その反応、さっきと全く一緒だよ……」

 

 

 冷静にツッコんでいるが、ある違和感が穂乃果を襲っている最中なのである。

 

 

「ごめん凛ちゃん!他の人探してみて!」

 

 

 そう言い残して、穂乃果は廊下を全速力で駆け抜けていった。

 

 

「穂乃果ちゃん、大丈夫かな……」

 

「何か焦ってたようにも見えたけど」

 

 

 

「おーい!」

 

 

 

「あ!零君だにゃ!」

 

「穂乃果がこっちに来なかったか?」

 

「さっきまでいたよ、すごい勢いで走っていっちゃったけど」

 

「穂乃果に変わった様子はなかったか?」

 

「変わっているというより、全部が変だったわ。いつもの穂乃果じゃないみたい」

 

「じゃあその時、何かいつもと違う仕草をしてなかったか?」

 

「そういえば、顔を手で抑えながら走っていたような…」

 

「本当か花陽!と言うことは……」

 

 

 教室でのやり取りと仕草、そして花陽が見た仕草から考えると、段々繋がってきたぞ!

 

 

「その顔!何かわかったのかにゃ?」

 

「大体な。とりあえず穂乃果を探してくる」

 

 

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

 

 

「うぅ~メロンパン食べたかったなぁ~。でもこの状態じゃ絶対美味しく食べられないよ」

 

 

 

 

 

「あれ?穂乃果ちゃん。どうしたん?」

 

「希ちゃん!」

 

「どうして穂乃果がここにいる訳?」

 

「に、にこちゃん!」

 

「もしかして、匂いに釣られたのかしら」

 

「絵里ちゃんも!?どうして?」

 

「どうしてって、調理実習よ」

 

 

 3年生組は2限連続で調理実習の授業らしい。穂乃果はまた気付かぬまま調理室の前まで来てしまっていた。

 

 

「へ、へぇ~調理実習なんだ。何作ってるの?」

 

「にこたちは無難にハンバーグしてるわ」

 

「料理得意なにこっちのおかげで調理がサクサク進んでなぁ、もう少しで完成なんよ」

 

「それはアンタもでしょ、希」

 

「むしろ私はほとんど出番がなかったわ……」

 

 

 母親がいない時に家事を切り盛りしているにこや、一人暮らしの希のおかげで作業効率は良いようだ。逆に絵里の出番はほとんどなかったらしい。彼女も料理が出来ないわけではないのだが、にこや希と比べてしまうと見劣りしてしまうのは事実である。

 

 

「穂乃果。アンタ少し食べてく?みんなの分も作ったんだけど、出来立てを食べたほうがいいでしょ?」

 

「よりによって、またこんな時に……」

 

「どうするのって聞かなくても穂乃果なら食べるわね」

 

「もう!みんな穂乃果を大食い野郎か何かと勘違いしてない!?」

 

「野郎ではないけと思うんやけど」

 

 

 

 

「あ゛あああああ!また来た!イタタタタ!」

 

 

「ちょっと!ビックリするじゃない!アンタどうしたのよ!」

 

「ごめんごめん。ここには通りかかっただけなんだ……じゃあね!」

 

 

 

「珍しい、穂乃果が食べていかないなんて」

 

「何かあったんやろか」

 

 

 

 

「おーい!」

 

 

 

 

「零、どうしたの?あなたも匂いに釣られてきたクチ?」

 

「確かにいい匂いだが、今はそれどころじゃない。穂乃果見なかったか?」

 

 

 この匂いはハンバーグだな。俺好きなんだよね。この3人のことだ、俺たちの分も作ってあるだろうから放課後に期待だな。

 

 

「穂乃果ちゃんなら、さっきまで一緒にいたよ」

 

「アイツに変なトコなかったか?」

 

「あったわよ。急に叫ぶからビックリしたわ」

 

「イタタとか言ってたから、どこか痛めたのかしら…」

 

『イタタ』? 手で顔(花陽に後で詳しく聞いたら頬あたりだったという)を当てていたとなると……これではっきりした。さっき穂乃果のカバンを探ったら、アレが出てきたしな。

 

「アンタのそのムカつく顔。何かわかったのね」

 

「ああ。とりあえず本人に真実を確かめてくるよ。大丈夫、駄々こねても行かせるから。じゃあまた後で!」

 

 

 

 

 

 

「行かせるって?」

 

「さあ?」

 

 

 

~※~

 

 

 

 

 

 

「とりあえず痛みが収まるまでここにいよう」

 

 

 どこへ行っても知り合いに会うので、穂乃果は屋上へとやって来た。ここなら邪魔は入らないだろう。

 

 

「やっぱり行かないとダメか~。でも怖いもん!あそこ!」

 

 

 

 

 

 

 

「な~にやってんだ、こんなところで」

 

 

 

 

 

 

 

「れ、零君!」

 

「もうすぐ授業始まるぞ。そんなところに座り込んでどうしたんだ」

 

「だから何でもないって。大丈夫だよ!」

 

「お前、顔押さえて何してんだ??」

 

「え!?あ、あぁ別に……」

 

「でもそのポーズ、痛いんじゃないのか?」

 

「え、あっ、ちょっと強く手を当てすぎたみたい……ハハハ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「……お前虫歯だろ」

 

「え゛っ!な、何のコト?」

 

 

 バレバレだっつうの。コイツ、まだとぼける気でいるのか……

 

 

「いつもは喜んでありつくお菓子の拒否、頬の周辺に手を当て、『イタタ』という言葉、それだけで想像できるだろ」

 

「あはは……やっぱ零君はすごいね」

 

「これ、お前のカバンのポケットから少しはみ出していたぞ」

 

 

 俺は穂乃果にあるカードを渡す。それが決定的証拠だ。

 

 

「あっ、診察券」

 

「何でみんなに黙ってたんだよ」

 

「だって話したら、絶対に歯医者に行かされるじゃん!」

 

「行かなきゃ治らないだろ」

 

「だって怖いもん!ガリガリガリとか……ゴリゴリゴリとか……」

 

「工事現場か!!虫歯治療は麻酔打つから痛くないぞ」

 

「その注射が痛いからヤダ」

 

 

 どうしろと……

 

 

「もうすぐライブだろ。これからって時に痛み感じてちゃマズイだろ。怖いかもしれないけど、みんなに迷惑がかかるんだぞ。折角ここまで築いてきたコトを無駄にするのか?」

 

 

 少しキツイ言い方だったかもしれないが、μ'sの設立者である穂乃果だからこその励ましである。

 

 

「……そうだよね。よし!明日歯医者に行くよ!」

 

「その意気だ。ずっと痛みを抱えているより、僅かな治療時間耐えている方がよっぽど楽だからな」

 

「うん!でも、このことは海未ちゃんには言わないで」

 

「どうして?」

 

「絶対黙っていたこと怒られる。中学の時もそうだったから……」

 

「2回目なのかよ……」

 

「零君も怒ってる?」

 

「歯医者に行くって決めたんなら許してやるよ」

 

「さすが零……「俺はね!」……君?」

 

 

 

バン!

 

 勢いよく屋上の扉が開く。出てきたのは……

 

「う、海未ちゃん……」

 

「話はすべて聞かせてもらいました。明日とは言わず、今日行きましょう。今すぐに!!」

 

「ちょっと!!零君どういうこと!!」

 

「ここに来る前に海未とことりには真相を話しておいた。もし、お前がダダこねた時の最終手段として連れてくるためにな」

 

 

 穂乃果のカバンを漁っていれば、十中八九海未とことりから何をしているのか聞かれる。それに2人なら、穂乃果が歯医者へ行く後押しができそうだからな。

 

 

「さあ!行きますよ穂乃果!!」

 

「この裏切り者ぉおおおおおおお!!」

 

 

 

 

 

 

 穂乃果の本気の叫び声が響き渡った。別に初めから裏切ってなどいないのだが。それにそんなに大きな声で叫ぶと……

 

 

「いったああああああああ!!」

 

 

 歯に刺激が加わるぞ。みんなも歯磨きはしっかりしような。

 

 

 




ということで、今回は穂乃果の虫歯回でした。この話は過去の自分の経験が元になっています。その時は自分が子供だったので、子供の歯を抜くことで対処できましたが、大人の歯の虫歯治療は非常に大変だと聞くので、みなさんもお気を付け下さい。





それではこの辺で失礼します。ありがとうございました!











次回は凛ちゃん猫になる!
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