こちらでも次回予告詐欺。
今回はこたつに入ってぬくぬくしてるだけ。ことりとのデート回はまた今度にでも。
「はぁ~やっぱりこたつって気持ちいいね~穂乃果のウチよりも暖かいかも」
「この魔力は一体どこから来るのかにゃ~」
「このにこちゃんを虜にするなんて、このこたつもやるわね~」
「オイ!何寝てんだオラ!」
ここは俺の家のリビング。そこには俺を含め穂乃果、凛、にこがいた。何故この3人がいるかって?じゃあ各学年から勉強できない奴を1人ずつピックアップしてみろ。そして、こたつの上にはそれぞれのテスト範囲と問題集と筆記用具。後は分かるな?
「だって~最近寒くなってきたじゃん?」
「ああ」
「それなのにお母さん、あの寒い所で饅頭作り手伝わせようとしてるんだよ!ヒドイよ!」
「何の話だ!!そんなコト一言も聞いてねぇ!」
「えぇ~そうだっけ?」
「お前なぁ……」
穂乃果の奴……いつもブッ飛んだ頭してるが、今日はいつも以上に頭イってやがる。
「まぁまぁ。そんなに起こるとシワが増えるにゃ~」
「いつも海未や絵里に怒られて、ストレス溜まってるのも分かるケドね~。にこたちで発散しないで欲しいわ」
「だあぁぁぁぁぁ!!今日ここへ来たのはお前らのテスト対策の為だろ!!ゴロゴロしてんじゃねぇよ!!まだ始まったばかりだろ!!」
「凛ちゃん、みかん取って~」
「はいにゃ~」
「聞けよ!!!」
「うるさいわね!眠気吹っ飛ぶじゃない」
「オーケー!お前らそこに一列に並べ!」
もうすぐ2学期の期末テストだというのに、俺は自分の勉強を返上してまで3人を教えている。そもそも俺は2年生、にこの3年生の範囲は教えられない。ただ絵里曰く、『にこは最近よくできるようになってきてるわ。でも1、2年生範囲でもド忘れしちゃうコトがあるから、その時はよろしくネ!』だそうだ。迷惑すぎる……
ちなみに俺の頭の方は問題ないぞ。意外と思われるかもしれないが、勉強のコトなら海未に質問されたりもするし。
「大丈夫。みかん食べたら始めるにゃ~」
「俺、やらないの方に全財産賭けるわ」
コイツら、俺の家にきた瞬間からこたつに駆け込みヌクヌクし始めた。勉強道具は取り出しただけで進んでいない。
「ちょっと喉渇いたわね。零、飲み物頂戴」
「穂乃果も!」
「凛も!」
「自分で取りにいけ!そこの冷蔵庫にお茶もジュースも入ってる」
「え~寒いからヤダ!」
駄々こね穂乃果誕生!ただメンドくさいだけだ。
「取ってくるぐらい数十秒だろ」
「数十秒だったら零君が行けばいいのににゃ」
「全くよ。にこたちに押し付けるなんて、ストレス溜まってんの?」
「えーえー。現在進行形で溜まっていますよ」
いつもμ'sの練習で振り回されている海未と絵里の気持ちが分かったよ。お前ら、こんなにも苦労していたんだな…
「「「はーやーくー」」」
3人の顔面にパンチを入れたくなってきた。スクールアイドル?知らんな。
「ちっ!分かったよ。だけど飲み終わったら、ちゃんと勉強するぞ」
「「「はーい!」」」
コイツらにとってそんな約束は線香花火の様にすぐに消えてしまうだろう。だが一応俺がそういう姿勢を見せておけば、海未に報告するネタになる。海未の怒号が飛び交うのを心待ちにしているがよい。
「全く……」
俺は渋々こたつから抜け、冷蔵庫へと向かう。
「飲み物は何でもいいんだな?」
「みかんに合うのなら何でもー」
こたつの方から穂乃果の声が聞こえた。みかんに合うモノならって……だったら自分で取りに来いよ。
また歩かされるのが面倒なので、無難にカル○スを選んだ。みかんに合うのかは知らん。
~※~
「ぐぉ~」
凛の奴、予想通り寝やがった。さっき全財産賭けたぞ、金寄越せコラ!
「ここまで気持ちいいと、やる気削がれるわね~」
「お前には元々削ぐやる気自体ないだろ……」
絵里や希に教わって何とかそこそこの大学を狙える様になったらしいが、にこのこの状態を見る限りそうは思えない。
「まぁ絵里と希に感謝するコトだな。2人ともお人好しだから、お前をほってはおけないだろうし」
「ぐぅ~」
「だから聞けよ!!!」
この短時間でどうやったら寝られるんだよ……
結局、凛もにこも寝てしまった。穂乃果は俺の向かいで寝そべっているので寝ているかどうかは分からない。
「「すぅすぅ……」」
全く気持ちよさそうに寝てやがる。無防備というか、何ていうか、男の家の来てここまでくつろげるか?普通?そこまで俺を信頼してくれているということか。2人の可愛い寝顔を見ていると、さっきまでのストレスも吹き飛びそうだった。
「ぎゃぁあああああ!!」
「「!!」」
「どうした!?」
突然穂乃果が騒ぎ始めた。そんな声で叫んだら喉が潰れるぞ。2人も目を覚ましたし。
「く、く、く、く、蜘蛛がいる……」
「ええ!!」
「凛、蜘蛛は苦手だにゃ~」
「何だ蜘蛛か。別に人間には害はないからいいだろ。むしろ家に住む害虫を食ってくれるから大歓迎だ」
「穂乃果にとっては害があるんだよ!!」
「じゃあこれで叩け」
床に置きっぱなしだった昨日の新聞紙を丸めて穂乃果に渡す。
「ヤダ」
「何で?」
「こたつから出たら寒いもん」
もはや開いた口が塞がらない。とことん自分でやるべきコトは自分でやらないんだな。
「凛たちはこの最終防衛ラインを守るにゃ!!」
「アンタが一番したっぱなんだから行ってきなさい!」
訂正、コイツら可愛くないわ。
「零君!!早くしないとこっちに来るよ!!」
「や・だ・ね!」
「いいからとっとと行きなさい!!」
スパーン!
「いて!!!」
今新聞紙で俺の頭叩いたよね!?その勢いで蜘蛛を倒せば良かったのでは?
しょうがないなので再びこたつから抜け出し、蜘蛛の元へ向かう。
スパーン!
一撃で蜘蛛を撃退した。
「いいぞ~零君!」
「よくやったにゃ!」
「さすが特攻隊長なだけのコトはあるわね」
「したっぱじゃなかったんかい」
「零君にはご褒美をあげるよ」
「ってコレ、俺んちのみかん!!」
「じゃあ剥きたてのみかんをあげるにゃ!」
「ああ、ありがとうございます(棒)」
正直言うと、あまりみかんの皮を剥くのは好きではない。爪に皮の残骸が入るのが気持ち悪いからな。
~※~
「もうこんな時間じゃない!勉強する時間ほとんどなくなっちゃったわね」
言葉とは裏腹に、にこはグデ~としている。
「みかん食べて、昼寝して終わっちゃったね~」
「充実した一日だったにゃ~」
「そりゃよかったな」
ポカ
「にゃ!」
蜘蛛を倒した新聞紙で、凛の頭を軽く叩く。
「いきなり何するんだにゃ~。凛がバカになってもいいの?」
「それはツッコミ待ちか?俺、試されてる?」
あの後、俺たち全員はこたつの魔力に負けてしまいそのまま眠ってしまった。気付いた時にはもう夕方、晩飯の時間帯だ。
「これだと明日海未ちゃんに怒られそうだにゃ」
「向こうはこっちがちゃんとやっていたか分からないんだし、大丈夫でしょ」
「海未ちゃん騙されやすいもんね」
コイツら、俺の存在忘れてないか?
「はぁ~お腹空いた!じゃあ穂乃果はこの辺で失礼しようかな」
散々人の家のみかんを食い荒らした挙句、お腹が空いているのか。こりゃ太っても仕方ないわな。
「どこへ行くのですか?」
「どこって家に帰るに決まってるじゃん……って」
「そうですかそうですか…人様の家で食べて寝るだけの生活を送っていたあなたが……いい身分ですね」
「う、海未ちゃん……どうして?」
「零から連絡を貰ったんですよ。3人にヤキを入れて欲しと」
「海未ちゃん、顔が怖いにゃ~」
「そんな顔、アイドル失格よ」
「明日、明日やるから……」
「黙りなさい!!」
「「「ハイ!!」」」
「零、申し訳ありませんでした。元々私が教えるハズだったのに、急用のおかげで零に押し付けてしまって」
「いいよ別に。それよりソイツら、みっちり仕込んでやれ。今日何もやってないから」
「はい。今日は私の家に連れて帰ります」
「「「えぇー!!」」」
「ホラ!早く行きますよ!」
海未は穂乃果たちの襟を掴んでこたつから引っ張り出し、玄関へと向かった。
「それでは零、失礼します」
「おう!頑張れよ!」
「寒いにゃ~!」
「海未ちゃん落ち着こうよ!ね!」
「零!助けなさいよ!ねぇ!」
「溜まったストレス分はきっちりお返しするぜぇ」
遂に20話です。初めの目標が『飽きずに20話投稿する』だったのでとりあえず達成されました。1つ超えたらまたすぐ次目指せと言いますし、次は50話ぐらいを目標にしていこうと思います。
毎回付けていた次回予告ですが、『非日常』との兼ね合いで書留ができなくなったのでしばらくお休みです。