ちなみに私はスクフェスをやった事はありません。
「いや……穂乃果、もう嫌だよ……」
「どうした?お前が自暴自棄になるなんて珍しいな」
「うわーーーん!寒いよーーーーっ!!!」
「な、何だ!ビックリさせるなよ!」
「だって零君、毎日毎日毎日毎日寒すぎると思わない?」
「確かにそうだが、叫ぶ程ではない。早く春が来て欲しいのは確かだがな」
秋も終わり、世間ではすっかり冬モードだ。最高気温も一桁代が普通になってきている。朝が特に寒く、布団の暖かい魔力で遅刻する人が増えないか心配するぐらいだ。
「早く春になれーーーーっ!!」
「耳元で叫ぶな!叫んだって春が来るんじゃないんだから諦めろ」
以前、穂乃果が生徒会長になった時、雨を強制的に止めたことがあったが、結局あれ以降効いた試しがない。修学旅行の時なんて逆に雨が強くなったし。
「女子はスカートだから尚更寒いわな。ジャージでも履けば?」
「それは女子としてどうかと……」
穂乃果が女の子しているぞ。これ言ったら怒られそうだけど。
「あっ、そうだ!寒さに対抗する裏ワザ、誰か知らないかな?みんなに聞きに行こっ!ほら、零君も早く早く」
「そうやって元気でいれば寒さ吹き飛ぶと思うぞ……」
~※~
「寒さ対策……?」
俺たちが最初に訪ねたのはことり。ファッション好きの彼女ならいいアイデアを持っていそうだ。
「うん、ことりちゃん、何かやってるコトとかない?」
「特にやってるコトはないけど……寒さ対策になりそうなコトなら知ってるよ~」
「なになに!??」
「オシャレは我慢なんて、もう古い!あったかファッションであったかくなろー☆」
「何だよソレ?」
普段はおっとりぽわぽわしていることりだが、結構奇抜な考え方やテンションになったりもする。そこら辺、おにぎりとアイドルの話で豹変する花陽と似ている。
「下にパニエを履いたり~ニーハイブーツを履いたりするといいと思うんだ!」
「パニエ?ニーハイブーツ?よく分からんが制服に合わないんじゃないか?」
俺はファッション知識は皆無に等しい。服はいつも姉が勝手に買ってくるため、自分では買ったコトはない。
「じゃあかわいいコートを着たらいいんじゃないかな?きっと幸せな気持ちになるよ!」
「幸せな気持ちになるかもしれないけど、学校の中では着られないよ~」
「そっか~あったかファッションって難しいね……」
この一連の会話の流れを聞いていると、ことりが凄くアホの子に見える。学校でブーツを履いたり、コートを着る発送に至っているコトにビックリだ。
「どうしたのですか?みんなで難しい顔をしていますが……」
「海未ちゃんーーっ!!こういう時、海未ちゃんなら解決してくれるハズだよっ!」
「穂乃果が寒い時にどうやったら温かくなるか、知りたんだと」
「そうですか……寒い方が精神が研ぎ澄まされますし、対策を取る必要がないと思いますが……」
「論外だ。次行くぞ!」
「そうだね」
「ちょっと待って下さい!一体どういうコトですか」
ガシ!
海未は咄嗟に俺の肩を掴む。力強いって!
「温かくなる方法を知りたいんだよ!俺らは精神論に何ら興味はない!」
「精神力を鍛えれば、寒さなんて忘れますよ!」
「えぇーーい!メンドくさい!ことり!後は頼んだぞ!」
「ことりちゃん、よろしくね!」
「えっ!?えーー!?」
海未の相手をことりに任せ、俺と穂乃果は次なる寒さ対策を求めるため教室を出た。
「待ちなさーーい!!」
「海未ちゃん、どうどう……」
~※~
「私は冷たい空気って、結構嫌いじゃなくて…だから、いいアイデアがなくてごめんね」
「そっか……」
次に俺たちは飼育小屋から戻って来た、花陽と凛を捕まえてアイデアを求めた。だが、花陽も寒さは嫌いではないらしい。イメージ的にはμ's内で一番あったかそうなイメージなだけあって、かなり意外ではある。俺の単なる妄想だけど。
「そうだ、凛いいコト思いついちゃった!身体を動かせばあったかいにゃ!」
「身体を動かす、かぁ~。でもちょっと走ったぐらいじゃあったかくならないよね?」
「あったかくなるまで走ればいいにゃ!ほら、零君も穂乃果ちゃんも行こ行こっ☆」
「うぁああ!」
「何か嫌な予感がするんだが!?」
凛の謎理論が発動し、一気に不穏な空気になる。しかも、また掴まれたし。最近女の子からのボディタッチが多いな。いや、いいコトなんだけど。
「い、行ってらっしゃ~い……」
花陽、手を振ってくれるのは嬉しいが今は助けてくれ。
~※~
「はぁはぁ……疲れた……凛ちゃん……いつもあんなに走ってるのかな?」
「はぁ……はぁ……冬でもアイツが元気な秘訣が分かったよ」
確かに走っている間は物凄く温かかった。むしろ暑い。今日は体育もないのに無駄な体力を使ってしまった。猫は猫らしくコタツで寝ていればいいのに。
「どうしたん?2人で自主練してるん?」
息を切らしている俺たちの前に希、絵里が現れた。
「んな訳ねぇだろ。凛に無理矢理やらされたんだよ」
「そうそう。それに寒さ対策を取らないと、もうダメなんだよ~っ!」
足を止めたコトで、また身体が冷えてきた。穂乃果は完全に限界に近づいている。
「そう?これくらいくらいなら何ともないわ」
「ウチも早朝の掃除が習慣になってるから、そんなに寒いとは思わないなぁ」
お体が強い2人ですこと。絵里はロシアに住んでいたコトもあったから、向こうと比べれば日本は全然だろう。希も生地が薄い巫女服を着ながら神社の掃除をしているため、この寒さ程度なら文句はないらしい。
「く、くそう……いい気になりやがって……」
「別にそんな気はないけど。零だっていつも一緒に練習で身体を動かすコトがあるんだから、寒さに負けない体力を持っているものだと思っていたけど」
「クソッ!絵里に見下されるとは」
「私って零の中でどんな扱いよ……」
「ドジっ子」
「その一言で、私の位置づけがよーく分かったわ」
でも事実だよね!?絵里ってμ's加入前と後で全然違わない!?
「体温寄越せ!このやろ!」
バッ!
俺は絵里に向かって手を伸ばした。俺も穂乃果まではいかないが結構な寒がりだ。
「ちょっと!?零!?」
バキ!!
「ぐふっ!!」
何者かが俺に鉄拳制裁を加えてきた。穂乃果、絵里、希は手を出したりはしない。となれば…
「何やってるのよ学校で!」
「真姫……お前かよ」
「助かったわ、真姫」
「無抵抗じゃ零の思う壺よ。絵里も反撃しないと」
冷たい廊下に転げさせられ、身体の底から冷え切ってくる。
ん?穂乃果の様子がおかしいぞ。
「は、はは…ははは…」
バタ!
「うわっ、穂乃果ちゃんが倒れた!早く起きて!寝たら死んじゃうやーんっ!」
希、俺も死にそうなんですがそれは……
「……」パチッ
「あ、目開けたわ」
「もうおしまいだ……このまま穂乃果は長い冬眠に入るのだ。零君、絵里ちゃん、希ちゃん、真姫ちゃん、今までありがとう……」
「ちょっと!縁起悪い発言やめてよね!」
「南~無~(合掌)」
手を合わせて穂乃果の長い眠りを見届ける。
「それが一番縁起悪いわね……」
「だって寒さ対策が見つからないんだもん……ほら、眠くなってきた……」
もう本当に冬眠しそうなぐらい、穂乃果はウトウトしていた。
「寒さ対策ですって?」
廊下でギャーギャー騒いでいたのが聞こえたのか、にこがこちらにやって来た。
「まさかそんなコトも知らないなんてねぇ~。にこが教えてあげるわよ。冬の寒さ対策、それは……」
「「「「「それは……?」」」」」
次回へ続く⇒
最近寒くなってきましたねぇ~。風邪など引かないように、体調管理はしっかりしましょう。
文章中にもありましたが、自分の中では花陽は夏のイメージがあるので、彼女と一緒いると凄く暖かそうです。逆に絵里や海未は冬のイメージが強い印象ですね。皆さんの各キャラと季節の印象はどうなのでしょう?
次回は今回の続きからとなります。ストーリーを知っている方は、あの人のトンデモない失態を垣間見る事ができる回ですね。