『日常』では雪穂と亜里沙が本格的に登場です。この2人との絡みが見たいとリクエストを頂いたので答えてみました。
「まさか……デートの約束がすべて重なるなんて……」
可愛い女の子とデート、それは男の夢である。だが今の俺にとって今度のデートは恐怖でしかない。なぜかといえば……
「μ'sのみんな1人1人、同じ日にデートの約束をしてしまった……もしかして、これって9股?」
「えぇ~と……大丈夫ですか?」
「最低ですね」
「ぐっ……」
俺の部屋には高坂雪穂と絢瀬亜里沙がいる。共にあの高坂穂乃果と絢瀬絵里の妹だ。さすがに9股をしているコトをμ'sのみんなに知られる訳にはいかないので、2人に応援を頼んだのである。
「何で私たち巻き込まれてるんだろう……」
「そう言うな雪穂。この事態を上手く乗り切りたいんだ、一緒にプランを練ってくれよ。なっ!頼む!」
「どうする亜里沙?」
「零さん困ってるみたいだし、手伝ってあげようよ」
「はぁ~仕方ない……」
「ありがとな雪穂、亜里沙。今度一緒にデートしてやるよ!」
「それはいいです」
相変わらずドライだな雪穂は。まあ、その堅物をデレさせるのがいいんだけど。
「みんなと一緒にお出かけするのはダメなんですか?」
「亜里沙……お前、俺がこの前一度殺されたコトを知らないな?あんなコトがあったのに9股なんてバレてみろ、今度はどんな目に遭うか……」
花陽とのダイエット(厳密には俺の不埒な行為)がバレた時、俺は一度この世からいなくなった。怖さで言えば、"ヤンデレなアイツら"といい勝負をしてたな。
「そこでだ!!殺されない、死なないためのタイムテーブルを考えるしかない!!」
「おぉ~!」
「そのホワイトボード、どこから出て来たの……?」
~※~
「出来たぞ!」
「すごいです!こんなにも早く計画を立てられるなんて!」
「亜里沙、あまり神崎さんを褒めないで。すぐ調子に乗るから……」
失礼な奴だ。俺は褒めて伸びるタイプだから、どんどん褒めてくれ。だったら崇めてもらっても構わないぞ。
「まず朝6時!いや5時起床!」
「えぇ!?」
「早すぎませんか!?」
「希との約束は早朝から始める。その日は神社で行事があるみたいだから、早めの方がいいだろう。それと同時に海未と弓道の朝練も早朝から開始する」
~タイムテーブル~
6:00~ 神社で希のお手伝い
6:05~ 海未の朝練に付き合う
「そんなコトが可能なんですか!?」
「可能にするんだよ。じゃなきゃ殺される」
幸いにも神社と海未の家は近い。命を削りながら走れば間に合うだろう。
「次に家にある弓道用具を取ってくると言って海未から雲隠れ。希からはあらかじめ神社に箱を置いておき、不審物と偽って警察に届けるフリをして脱出だ!」
~タイムテーブル2~
6:15~ 海未から離脱
6:30~ 希から離脱
「その後、海未さんと希さんとはどうするんですか?」
「心苦しいが、しばらくは何も知らない海未には自主練、希には1人で神社の手伝いをしてもらおう」
「もうその時点で無理な気が……」
「なんて計画……さすが零さん!天才です!」
「ここからが本番だ。絵里を映画館に突っ込んで、トイレに立つフリをしてことりとのショッピングに合流。ことりが試着室やトイレに行っている隙を狙って、穂むらで穂乃果を手伝う」
~タイムテーブル3~
10:00~ 絵里と映画
10:05~ ことりとショッピング
10:10~ 穂乃果と店番
※合間を縫って抜け出してきているため、他のメンバーの元へも定期的に戻らなければならない。
「すごい……かつてこんなに綿密な計画があったでしょうか、いやないです!」
「亜里沙……それで?お昼はどうするんですか?」
「次もトイレに立つフリをしてその間に花陽とご飯バイキングで合流する。そのバイキングの間も、合間を縫って凛とのラーメンバイキングに合流するんだ」
~タイムテーブル4~
12:00~ 花陽とご飯バイキング
12:05~ 凛とラーメンバイキング
※合間を縫って抜け出してきているため、他のメンバーの元へも定期的に戻らなければならない。
「ここに西木野さんと遊園地って書いてありますけど?」
「2時間おきに姿を現しては、その都度迷子になる」
~タイムテーブル5~
12:30~ 真姫と遊園地
13:00~ 迷子
14:30~ 真姫と遊園地
15:00~ 迷子
※合間を縫って抜け出してきているため、他のメンバーの元へも定期的に戻らなければならない。
「おお!一部の隙もないロジックです!!」
「だろ?遊園地で迷子になるなんて……常識だ!」
「あぁ……頭痛くなってきた」
俺を褒め称えまくる亜里沙に、呆れ顔の雪穂。まだ俺の計画の素晴らしさが雪穂には分かっていないようだな。
「最後ににことスーパーのタイムセールに付き合えば終了だ!」
~タイムテーブル6~
15:30~ にこと買い物
※合間を縫って抜け出してきているため、他のメンバーの元へ定期的に戻らなければならない。
「よし!綺麗にタイムテーブルをまとめるか!」
~タイムテーブル完成版~
5:00~ 起床
6:00~ 神社で希のお手伝い
6:05~ 海未の朝練に付き合う
6:15~ 海未から離脱
6:30~ 希から離脱
10:00~ 絵里と映画
10:05~ ことりとショッピング
10:10~ 穂乃果と店番
12:00~ 花陽とご飯バイキング
12:05~ 凛とラーメンバイキング
12:30~ 真姫と遊園地
13:00~ 迷子(この間に他のみんなの元へ戻る)
14:30~ 真姫と遊園地
15:00~ 迷子(この間に他のみんなの元へ戻る)
15:30~ にこと買い物
※合間を縫って抜け出してきているため、他のみんなの元へ定期的に戻らなければならない。
「…………………………なあ、これってやっぱり……無理じゃね?」
「…………ですね」
「私は初めからそう言いましたけど」
もうダメだぁああああああああああああああああああああ!!!
「どうやっても上手くいく気がしない……」
「零さん!!」
「亜里沙……?」
「零さんはそんなコトで諦める人だったんですか?お姉ちゃんから聞きました。零さんはどんな状況でも諦めず、必ずやり通す人だって。私が憧れた零さんはこんな腑抜けだったんですか!?」
そうだ……俺は忘れていた。諦めずに突っ走るのが俺だってコトを。μ'sのみんなもそれで導いてきたんじゃないか!ここで諦めたら試合終了だよな。それに……出来るかどうかなんて、やってみなければ分からない!!
「ありがとう亜里沙。俺、目が覚めたよ」
「それでこそ私の大好きな零さんです!!」
「いやいや……いい話にしようとしてるけど、全然いい話じゃないからね」
(亜里沙の『大好き』って……まさかねぇ。それにしても、お姉ちゃんたちは何でこんな人を好きになったんだろう?お調子者だし、計画立てるの下手だし、変態だし。お姉ちゃんからは『零君がすごい』って話題を聞くけど、今の神崎さんを見てると私には何がいいのかさっぱり分かんないや)
「……おい雪穂!」
「な、何ですか!?」
「ぼぉ~として、どうした?」
「いや、少し考え事をしてて。それより何か?」
「今日は付き合ってくれてありがとな。この後、アイスでもジュースでも適当に何か奢るよ」
「は、はい……ありがとうございます」
「亜里沙は何がいい?」
「おでん缶っていうのを飲んでみたいです!」
「……さすがにこの辺にはないと思うぞ」
(まあ、少しは優しいところもあるみたい。亜里沙も少なからず神崎さんに好意を持ってるみたいだし。私は……ないない、神崎さんに思うコトなんてないよ)
「大丈夫かな?この予定で」
「ファイトです!零さん!」
「そうだな、いっちょ頑張ってみるか!」
最低なコトをしているって分かっているんだ、分かっているけど命には変えられない。やってやる……やってやるぞぉおおおおおお!!
雪穂と亜里沙の登場回でしたが、後に付け焼刃のように雪穂の気持ちが語られただけであまり彼女たちメインに触れられなかったですね。この2人との絡みの話はまた執筆したいと思っています。
リクエスト、まだまだ募集してますよ。まだまだというよりいつでも歓迎です。
デート当日の話はまた期間を開けて執筆しますので、次回はどの話になるのかは未定となります。