今回は季節外れの夏祭り編。1人ずつピックアップして2人きりの夏祭りを展開します。
元ネタはスクフェスのサイドストーリー。全体的に甘々展開です。こういう関係もいいよね!
~穂乃果編~
「あっ!花火が始まったよ!」
もうそんな時間だったのか。
俺と穂乃果は夏祭りに来ていた。本来、人が集まるこのような場所には来たくなかったのだが、穂乃果が駄々をこねるので仕方なくだ。でも、その後2人きりだと聞いて驚いた。あの穂乃果と2人で出かけられるなら夏祭りも悪くない。
「たーまやーーーーっ!」
「元気だなお前、俺はもうクタクタだ……」
さっきからずっと穂乃果に引っ掻き回されていたせいで、今日はもう疲れた。今は夏休み、久しぶりに人混みの中を歩いただけでこうなるのか……
「ほら、零君も一緒に!かーぎやーーーーっ!」
「かーぎやーー……」
「花火の綺麗な光もそうだけど、花火の音聞くと、くぅ~~~~っ!夏最高っ!!ってなるよね!」
「そうだな」
「零君!さっきからムードもへったくれもないよ!!」
「そうか?」
「そうだよ!!」
ぐぅ~
ん?何だこの腹の虫は?
「花火見てたら、なんだかお腹空いっちゃったかも!」
「お前の腹かよ!!人のコト全然言えねぇじゃん!!」
「私、フランクフルトと焼きそばと綿菓子買ってくるね!お好み焼きとかき氷とあんず飴はお願いね!!」
「食い過ぎだ!!さっきも散々食ってただろ!!」
また海未の世話になりたいのか、コイツは。良くも悪くも、後先考えずに行動する奴だ。
「夏祭りで美味しいものを食べてると、くぅ~~~~っ!夏最高っ!!ってなるよね!」
「お前……」
「あ、あれ?とにかく、夏って最高ってコトだよ~!」
穂乃果が夏好きだってコトはよ~く分かったよ
「おい、あまりはしゃぐな、浴衣が崩れてるぞ。ちょっと動くなよ、直してやるから」
「あ、ありがと……」
常に見てないと危なっかしいな。海未の苦労がまた1つ分かったような気がする。いつものカリスマ性はどこにいったのやら……それは俺もか……
「綺麗な浴衣着てるんだから汚すなよ。お前まで汚く見られたらどうすんだ」
「ねぇ零君、この浴衣、似合ってる?」
「似合ってるよ。とても綺麗だ」
「ありがと!!ねぇ、また穂乃果と一緒に夏祭りに来てくれる?」
「もちろん、喜んで」
たまにはこうして穂乃果と2人でゆっくり過ごすのも悪くない。次はどこへ行こうかな?
~※~
~絵里編~
「浴衣の私も素敵でしょ?」
「自画自賛すか、絵里さん……でもまぁ、似合ってるよ」
絵里の見た目は海外美人って感じなのに、意外と浴衣や日舞などの和服も着こなしている。これもモデル顔負けの美貌のおかげだろう。
「色白だから似合うってよく言われるの♪」
「次のPVは、みんなで浴衣を着ればいいんじゃないか?」
「零が一番得をしそうね」
「ほっとけ!」
確かにみんな浴衣が似合うと思う。それを間近で見られる俺が一番役得なのかもしれない。
「お祭りって、友達と一緒に来たら楽しいものね」
「来たコトないのか?」
「あまりね。あ……周りを見るとカップルで来てる人が多いのかしら?」
祭りとか、カップルの聖地だからな。新たな恋に発展する場でもあるし。
「好きな人と寄り添って、一緒に花火を見られたら素敵よね。誰かが私の身体を強く引き寄せてくれたらいいのに」
今日の絵里はかなり積極的だ。平常心を保っているように見えるが、絵里に俺の心がズバズバ打ち抜かれて取り乱さないようにするの、大変なんだぞ。
「零を誘ったつもり、なんだけど?」
「じゃあご注文通りに」
グイッ
「きゃっ!!」
俺は絵里の腰に手を回し、自分の身体に密着させる。やっぱりいつもと違って、マジメな場所でこんなコトをやるのはめちゃくちゃ恥ずかしいな……
「もっと、もっとくっついていい?」
「…………いいよ」
「ありがと、一緒に花火……見よ?」
絵里と本当のカップルか……いつかそんな仲になれる日が来るといいな。
~※~
~ことり編~
「お祭りって、もりだくさんでいっつも迷っちゃう。花火と~、かき氷と~、盆踊りと~、金魚すくいと~……あ!ふわふわのわたあめも食べたくなっちゃ~う!」
「食べ過ぎ注意な。ことりって、油断すると甘いモノをバクバク食べちまうからな」
「もう~!ことりはそんな大食いじゃないよ!」
食べるコトが好きな穂乃果や花陽に隠れているが、ことりもスイーツなんかはよく食べる。それでもなお、このスタイルを維持できているのがスゴイ。穂乃果や花陽が知れば羨ましがるな、絶対。
「零くんはどれが好き?教えて教えてっ!」
「俺か~、俺は熱々のたこ焼きかな?屋台で食べるたこ焼きって、店で買うのとはまた別の感じがするんだよ」
「ふむふむ……じゃあ、ことりもそれにしようかな~☆」
「かき氷とわたあめはいいのか?」
「うん!折角だから、零くんと同じモノを食べようと思って」
ことりの一言って、何気なくてもドキっとするんだよな。これもメイド喫茶でアルバイトしているが故なのか、それともその魅力があるからこそスカウトされたのか。
「その代わり、ことりが知っていることをたくさん教えるね!」
「頼むよ。あまりこういうところには来ないからさ」
「美味しいスイーツのお店とか、かわいいメイドさんがいるお店とか、お洋服がかわいいお店とか~」
お祭り関係ねぇえええええええええええええええ!!
たまにだけど、ことりも穂乃果や凛みたいにブッ飛ぶコトがある。全然話の流れに関係ねぇし……それも含めてことりの魅力と言えば、そうなのかもしれないな。
「だから、今度一緒にお買い物に行きましょうっ!」
「もう次のデートの約束か」
「うん!ことり、もっともぉーと零くんと一緒にお出かけしたいな♪」
「俺もだ。もっとことりのコト、たくさん俺に教えてくれ」
「うん!よろしくお願いします!」
ことりの笑顔を見れるなら、どこへでも付き合うよ。
~※~
~海未編~
「浴衣は見た目も涼しげで機能的です。ふふ、日本の夏はやっぱり浴衣ですね」
「正直言って意外だったけどな。俺の前で浴衣は着ないと思ってたから」
「いつものあなたならそうかもしれませんが、今日は違います。2人きりの夏祭りなんですから」
「そうか、ありがとな」
「お礼を言うのはこちらです。今日は夏祭りに誘ってくださって、ありがとうございます。とても楽しい思い出になりそうです」
あの海未と2人で夏祭りに来れるとは思ってもみなかった。2人きりって時点で断られると思ってたし……
「あの……どうして私を誘ってくださったんですか?」
「夏祭りのチラシを見た時に、お前が頭に思い浮かんだんだよ。綺麗な浴衣を纏っているお前の姿がな。もしかしたら心のどこかで、初めから海未と祭りに行きたいと思っていたのかもしれない……って悪い、自分の感情ばかりで全然理由になってないよな」
「いえ、私も零と夏祭りに行ってみたいなって、ずっと思っていたんです。もしかして私を……大切に思ってくれていた、とか……?」
普段恋愛モノには非常に弱い海未がここまで踏み込んでくるとは……それにしても海未、その質問は愚問すぎる。
「大切に決まってるだろ。でなきゃ、お前だけを誘って祭りなんかに来ないって」
「嬉しいです……あっ、花火がもうすぐ始まるみたいです。隣に座ってもいいですか?」
「どうぞ」
「そうですか、よかった。あの、もう1つお願いがあるのですが」
「なんだ?」
「手を、つないでもらえませんか?」
「そんなコトか、ハイ!」
俺は左手を海未に向かって差し出した。海未は右手で俺が差し出した手をギュッと握る。これは、俗に言う"恋人つなぎ"ってやつか……
「ふふ……ありがとうございます。零とこうしてつながっていると思うと……嬉しいです」
「俺もだよ、海未」
この手は絶対に離さない。この先、どんなコトがあってもお前を守ってやるからな。
~※~
~凛編~
「うーん、うーん……」
「どうした凛?」
「あのね、凛ね、今日は浴衣じゃなくて、ホントは洋服がよかったにゃ」
「どうして?浴衣嫌いなのか?」
「こんな綺麗な浴衣……凛には似合わないもん。だから~、今日は凛の方を見ないで欲しいにゃっ」
たまにあるんだよな、服に関して思いっきり恥ずかしがるコトが。過去にコンプレックスを抱えているのは分かるけど、俺は……
「無茶言うな。それに、今日の凛は綺麗で可愛いぞ」
「う、嘘だよ!似合ってないもん!」
「似合ってる似合ってる!その浴衣はお前にしか着こなせないってほどにな」
「や、やだやだ!似合ってるなんて、そんなのいやだよ……嘘だもん……恥ずかしいもん」
顔を真っ赤にして俯いてしまった。普段の活発で元気な凛とは大違いだが、今日は今まで以上に"女の子"だ。やっぱり可愛いじゃん。
「で、でも……ありがと……」
「おう!」
「う、うにゃ~……っ!!」
「ど、どうしたいきなり!?」
「どうしよう……胸がドキドキする。止まらないよぉ……」
「凛……」
「よく分からないけどドキドキして、零くんの顔が見られないの……」
ギュ!
「へ?」
俺は凛をそっと抱き寄せた。
「だったら落ち着くまでしばらくこうするか。抱きついてりゃ顔、見えないだろ」
「うん……ありがと」
凛は俺の胸に顔を埋め、静かに抱きつき返した。凛、お前が世界一可愛いよ。
~※~
~真姫編~
「暑いのにわざわざ出かけるなんて、物好きなんだから」
「真姫と一緒に花火が見たかったからな」
「もう……よくそんな恥ずかしいコトが言えるわね」
「大切な人と花火を見たいって思うのは当たり前だろ?」
「っ!零は本当にズルいんだから……」
「アハハハハ!顔、トマトみたいになってるぞ!」
「なっ!み、見ないで!!」
やっぱり真姫と一緒にいると楽しい。いつもは憎まれ口を叩き合う仲だけど、2人きりだとここまで正直に話せるものなのか。
「その浴衣、赤と黒を基調にしているのか……お前らしいな」
「浴衣なんて着るのいつぶりかしら?もう長い間着てなかったわ」
「じゃあ今日は俺のために着て来てくれたのか、ありがとな」
「べ、別に……うぅん、どういたしまして」
また『別に』とか言って否定しようとしたな。でも素直なお礼に切り替えたあたり、真姫も俺と同じ心境なんだと思う。
「あ……花火」
「もう始まったか」
「……キレイ」
「そうだな。お前と一緒に見ているからかな」
ツッコミが来るかなっと思ったけど来なかった。ふと真姫を見ると、何やら決意を固めた表情をしていた。
「もし花火の音が打ち消してくれるなら……私の気持ちを口に出せるかも」
「真姫?」
「な~んてね。ほら、また花火が上がってく」
ヒュー
花火の上がる音がする。その音に合わせて真姫が口を開いた。
「……私、あなたのコトが―――」
ドンッ!!
結局真姫が何と言ったのかは分からなかった。次は俺から……
~※~
~希編~
「夏祭りはいいよね。夏のパワーと、ご先祖様のパワーをたーっぷりもらえる感じ☆」
「ご先祖様のパワーって何だよ?死者のパワー集めて儀式でも行うのか?」
「もう~零君分かってないな~。こういうのは雰囲気が大切なんよ」
「そんなもんかねぇ~」
「そんなもんや」
あまり占いとかオカルト話は信じないんだけど、希を見てると信じざるを得ない時が何回かあったんだよな。何者だよ……
「しかも!零君も一緒に来てくれてるし、パワーが集まりすぎてミラクルが起きちゃうかも!」
「ミラクルって大げさな。それより、屋台どこへ行く?」
「射的とか、いきなり盆踊りとか?」
「はやっ!」
「ウチ、盆踊り好きなん……きゃっ!」
「おっと!」
希は人の波に流されてよろけてしまった。なんとか間一髪で受け止めるコトができたが。
「ごめんな、人が多くて……」
「仕方ないさ。それより大丈夫か?痛いところとかないか?」
「大丈夫や!……あっ!えっと……近い、ね?」
「あ、あぁ……」
近いというより、俺が希を抱きかかえているため完全に密着していた。そう言えば、こんなに近くで希の顔を見たのは初めてな気がする。……綺麗だな。
「もうちょっとこうしててもいいかな?よろけたおかげで、ウチ……すごく幸せなコトになってるみたい」
「そうだな。俺も希の温もりを感じられて嬉しいよ。今までこんな機会なかったもんな」
「は、恥ずかしい……けど、ウチも零君とこうしていられるのはとっても嬉しいよ」
「お前が言った通りになったな」
「そうやね、めっちゃおいしいミラクルやん♪」
希と一緒なら、もっと大きなミラクルを起こせるかもしれないな。
~※~
~花陽編~
「夏祭りと言えば、何だか分かりますか?」
「大体分かるが一応聞いてやろう」
「夏祭りの醍醐味、それは屋台です!!見てください!あそこのたい焼き、小さいけど皮がパリッとしていてすごく美味しいんです!」
そう言って花陽はたい焼きの屋台へ行ってしまった。食べ物の執着ならμ's随一だな。
「う~ん、おいしい!次は焼きとうもろこしにしましょう♪」
「今まさにたい焼き食べ終わったばかりだぞ!?」
さらに花陽はスタスタととうもろこしの屋台へ行ってしまう。花陽のキャラも、アイドルやご飯を語る時みたいに変貌している。いつも一緒に夏祭りに来ていた凛はどんな気持ちだったんだろうか?
「香ばしい匂いと濃厚な味です!……ハッ!あそこのたこ焼きは中がとろっとしていてオススメですよ」
「お、おい!」
俺たちはどんどん屋台を回っていく。もしかしたら、この夏祭りの屋台すべて制覇してしまうかもしれない。
「うふふ……たこも大きくて美味しい!次はかき氷を食べましょう!早く早く!」
「分かったから!引っ張るな!」
グイグイと俺の服を掴み、次、また次と屋台を制覇していく。
「……なんだろう?今日はどの屋台もいつもより美味しいような気が」
「俺もだよ。もしかしたら、花陽と2人きりだからかな」
「はい!私もです。零君と一緒にいると、どんなモノもいつもより美味しく感じるのかも。い、言っちゃた……!」
「じゃあこれからずっと一緒にいれば、ずっと美味しいモノばかり食べられるんじゃないか」
「零君とずっと一緒に……私、すっごく幸せ者みたいです☆」
それは俺のセリフだよ。でもいつか本当の幸せを届けてやるからな。
~※~
~にこ編~
「浴衣って、いいわよね」
「どこが?」
「袖を通すだけで、別の人になったみたいって感じるの」
「別の人か……想像したコトもなかったなぁ」
「気持ちがシャンとして、背筋が伸びて……大人の階段のぼってるみたいな気持ちっていうのかな?」
確かに今日のにこはいつもと違って"女の子"というより"女性"という言い方が合っている。それに伴うのか、"可愛い"というより"綺麗"という印象だ。
「ね。にこの浴衣姿……似合ってる?」
にこは白を基調とした浴衣を着ている。綺麗な黒髪と対称的で、にこの白い肌とはマッチしている。
「似合ってるよ。その浴衣自体が、にこのために作られたみたいだ。お前の魅力がすごく際立ってる」
「ふふっ、ありがと!……背伸びしてバカみたいなんて、言わないでね」
「言うもんか。俺、にこの常に上を目指すその性格、大好きだぜ」
下を見ないにこの性格は、μ'sのみんなの励みになったコトもあった。その性格でもなきゃ、1人きりで部活を続けてなかっただろうしな。
「にこ、零にふさわしい女の子になりたいって思ってるの。零にとって、大切な人になりたいんだ」
「俺もだ。にこに認めてもらえるような、一緒にいて誇れるような人でありたい」
ずっと側にいたい。その気持ちは俺もにこも変わらない。
「ねえ、この後一緒に屋台を回らない?」
「もちろん、喜んで!」
「今日は……ずーっと離さないんだから!」
俺とにこは手をつなぎながら歩き始めた。
そうまだ始まったばかり。これから一緒に、たくさん思い出作ろうな。
もはや恋人レベル……零君が羨ましいったらありゃしない。
話的にもいい機会なので少しここで構想を
この小説にも一応最終回はあるのですが、基本である"ギャグ"で終わらせるか、零とμ'sメンバーの"恋愛"に決着を付けて終わらせるかで迷っています。"恋愛"主軸にするのならば多少長編(計10話ぐらい)になる覚悟で執筆します。"ギャグ"だから読んで下さっている方も多いと思うので、まだ検討中です。