ラブライブ!~μ'sとの日常~【完結】   作:薮椿

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UAが100000突破しました。ありがとうございます!

リクエストお応え回。
今回はタイトル通り、全編雪穂視点です。

※出来れば後書きの最後まで閲覧してもらえると幸いです。


雪穂の神崎零観察日記

「あ~~もう待ちきれないよ!!ねっ!!雪穂!!」

 

「分かったから静かに。人もたくさんいるし」

 

 

 私、高坂雪穂はお姉ちゃんと一緒に映画館に来ています。普段はあまり映画を見ない姉妹なのですが、今回はお姉ちゃんと私の両方が見ているアニメの映画というコトで、珍しく映画館に足を運んだのです。それにしてもお姉ちゃんはしゃぎ過ぎ……子供じゃないんだから。いつも姉には苦労させられています。

 

 

「それにしてもお姉ちゃん、映画を見るだけなのにやけに張り切ってるよね?いつも着ていく服なんて適当なのに、今日は時間ギリギリまで悩んでたしさ」

 

「そ、それは……久しぶりの映画だからだよ!」

 

「…………神崎さんでしょ?」

 

「ふぇっ!?そ、そそそそんな訳ないじゃん!!」

 

 

 うわぁ~……顔真っ赤。実は今日のお出かけは私たちだけではなく、神崎さんも来る予定です。これも俗に言うデートってやつなのかな?でも男女2人きりじゃないし……しょうがないから適当なところで帰ってやるか。

 

 

 

 

「お~い!!」

 

 

 

「あっ!!零君だ。お~い!!こっちだよ~~!!」

 

 

 お姉ちゃん、テンションが上がっているのが丸分かり。いつも学校で会ってるハズなのに、よほど神崎さんに会えるのが嬉しいみたい。いつも休日はゴロゴロしてるか店の手伝いをしてるかのどっちかだから、休日に会えるのが嬉しいのかもしれない。

 

 

「お前ら早いな。まだ集合時間の15分前だぞ」

 

「楽しみ過ぎて早く来ちゃったんだ!!それより零君!!早く行こうよ!!」

 

「分かったから引っ張んな。ほら、雪穂も行こうぜ」

 

「はい……」

 

 

 お姉ちゃん、もう神崎さんにベッタリだよ。さっきまで恥ずかしがってたくせに……考えがよく分からないや。あっ、神崎さんの腕に巻き付いた。もう本当のデートじゃん、私いらなくない?

 

 

「えへへ」

 

「嬉しそうだな、穂乃果」

 

「だって休日に零君と出かけるなんて滅多にないんだもん。店番しろってお母さんがうるさいから」

 

「別に空いてる日だったら、連絡くれればいつでも行くぞ。基本的に暇だし」

 

「ホント!?じゃあ来週の日曜日空いてるから、一緒にお出かけしよっ!!」

 

「いいけど……くっつき過ぎじゃね?」

 

「いいの~~」

 

 

 お姉ちゃん本当に楽しそう。そして私の空気具合。私、イマイチ神崎さんのどこがいいのかが分からないんだよね。確かに外見はまぁまぁカッコいいとは思うけど、変態だしお調子者だし自信家だしねぇ。でも亜里沙は神崎さんに対して好意を持っているみたいだし、お姉ちゃんやμ'sの皆さんもこの人を受け入れている。なぜだろう?

 

 

「穂乃果はポップコーンとポテトとコーラ!!」

 

「……太るぞ」

 

「うっ!!でも今日だけ、今だけだから!!海未ちゃんにはナイショでお願いします!!」

 

「はいはい……」

 

 

 そう言えばお姉ちゃん、前にダイエットしてたような……その割に昨日貰ったケーキバクバク食べてたけどね。それにしても神崎さん、親しい仲だけど女性に『太る』発言は私にとっては頂けない。女性の弱みを握るのが得意そうだし、やっぱり私はこの人のコト苦手かな。

 

 

「雪穂はどれにする?今日は奢るぞ」

 

「えっ?じ、じゃあポップコーンとオレンジジュースで」

 

「オーケー。気兼ねせずに、食べたいモノがあるなら言えよ」

 

「あ、ありがとうございます」

 

「じゃあ穂乃果は……」

 

「お前!?まだ食うのかよ!?」

 

 

 急に話しかけられて驚いっちゃったけど、まぁ少しは気遣えるところもあるのかな?お姉ちゃんの話を聞く限りでは、"一応"優しいらしいし。

 

 

 

 

 

「ほら、買ってきたぞ。気を付けて持てよ」

 

「平気平気!!穂乃果を誰だと思ってるの?」

 

「穂乃果だろ」

 

「うわぁ~つまんない返し」

 

「じゃあどうすりゃいいんだよ」

 

「そこはいつものツッコミスキルを活かして……ね!」

 

「『ね!』じゃねぇよ!!むちゃぶりも甚だしいわ!!」

 

 

 本当に仲がいいんだなぁ~お姉ちゃんと神崎さん。これで2人きりだったら絶対に恋人同士に見えるよ。ますます私がいらなくなってきてる。

 

 

「気を付けて持てよ、雪穂。ジュースが服に溢れたら大変だ」

 

「別にいいですよ。この服安物ですし」

 

「いや値段の問題じゃないくて、お前が着てる服だからだよ。折角の可愛い服なのに台無しになっちまう」

 

「か、かわっ!!」

 

「あぶねっ!!ジュース落としそうだったぞ!!やっぱり俺が持とうか?」

 

「い、いいです……」

 

 

 あぁ~……ビックリした。急にあんなコト言い出すんだもん、危うくジュースもポップコーンも床にぶちまけちゃうところだったよ。女性を見る目はあると思っていたけど、さりげなすぎて少しだけ、すこぉ~~~しだけどドキッとしちゃった。

 

 

「お前の分は俺が持つから」

 

「えぇ~!!どうして!?」

 

「もう見た目が危なっかしいから」

 

「穂乃果、そんなにバカっぽいかな?」

 

「うん」

 

「ヒドイ!!」

 

「危なかっしいのは本当だ。でもこれから色々回るのに、服が汚れてちゃイヤだろ?」

 

「それは……イヤかな?」

 

「オレンジ色の服か……いつも明るいお前にピッタリだな。写真撮りたくなってきた」

 

「あ、ありがと……じゃあ今度カメラ持ってくるから一緒に写真撮ろ?」

 

「よし!!じゃあ部屋をお前の写真で埋め尽くすぐらい撮るぞ!!」

 

「穂乃果も気合入ってきたぁああ!!!」

 

 

 なんとなくお姉ちゃんと神崎さんが仲のいい理由が分かった気がする。この2人、どこかテンションが似ている。盛り上がっているって言えばいいのかな?どちらも集団の中での盛り上げ役だからウマが合うのかもしれない。性格に難はあるけど、リーダーとしての素質はあるみたいだし。

 

 

「雪穂も一緒に撮ろうぜ」

 

「私もですか!?」

 

「お前ならいい被写体になると思うんだけどなぁ」

 

「いいですよ私は……」

 

「そんなコトない!!お前の魅力は俺が保証するよ。この俺が言うんだから間違いない!!」

 

「はぁ……分かりました」

 

「よし!!」

 

 

 神崎さん、すごく嬉しそう。まるで神崎さんが来た時のお姉ちゃんみたい。それに『この俺が言うんだから』って、相変わらず自信満々みたい。どれだけ自分のコトを高く評価しているんだか。でも……そう言われて悪い気はしないというか、どこか安心出来る。神崎さんだから?

 

 

「早く行こっ!!零君!!雪穂!!」

 

「そんな急がなくても、まだ上映まで時間はたっぷりあるぞ」

 

「いいの!!」

 

「……いつも大変だな、雪穂」

 

「生まれた時から一緒なので、もう慣れてます」

 

「ハハハ……お疲れ」

 

 

 初めて神崎さんと同じ共感を得た。お姉ちゃんで苦労しているのは私や神崎さんだけではなく、お母さんにお父さん、ことりさんや海未さんにμ'sの皆さん……挙げていけばキリがない。妹として、深くお詫び申し上げます……

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 映画を見終わった私たちは、人気と言われているクレープ屋の行列に並びました。クレープを買うだけなのに30分。本当なら並んで待つのは避けるタイプなのですが、そこは盛り上げ役のお姉ちゃんと神崎さん、30分もあっという間でした。ん?いつの間にか神崎さんに順応している気がする。

 

 

「並ぶのは嫌いだけど、これだけ旨いクレープを食えるなら待った甲斐があるってもんだ」

 

「この店を教えてくれた凛ちゃんたちに感謝だね」

 

 

 神崎さんの言う通り、並ぶのは面倒だったけどこの美味しさなら満足かな。やっぱり家が和菓子店だと、こういった洋菓子がとても美味しい。お姉ちゃんが昼食にパンを食べたくなる気持ちは、私が一番よく分かる。今度亜里沙と一緒に来てみようかな?

 

 

「零君のクレープ、ちょっとだけちょーだい?」

 

「イヤだよ!!お前の『ちょっとだけ』は絶対にちょっとじゃないだろ!!」

 

「零君のケチンボ~~」

 

「俺は海未や真姫と違って煽り耐性あるから、どんだけ言っても無駄だからな」

 

「ぶ~ぶ~!!」

 

「…………分かったよ、本当に少しだけだからな?一口サイズぐらい」

 

「いいの!!?じゃあいただきま~~す!!」

 

 

バクッ!

 

 

 あっ……お姉ちゃんが大きな口を開けて、神崎さんのクレープを一気に4分の1ぐらい食べた……

 

 

「おまえぇええええ!!さっきの話聞いてた!?ちゃんと耳付いてんのか!?明らかに一口サイズじゃねぇだろ!!」

 

「もがぁもがぁ♪」(訳:失敗失敗♪)

 

「食べながら喋るのやめなよ、お姉ちゃん」

 

 

ゴクン

 

 

「あ~、美味しかった♪」

 

「食いもんの恨みは恐ろしいぞ。一生かけて呪ってやる」

 

「ちょっとトイレ行ってくるから待っててね」

 

「聞けよ!!」

 

 

 都合の悪いコトは流そうとするからなぁ、お姉ちゃんは。さっきは何て言ってたんだろう。明らかに謝ってはいないと思うけど。

 

 

「雪穂」

 

「は、はい」

 

 

 ずっと思っていたけど、神崎さんが頻繁に話しかけてくる。別に悪くないんだけど、あんなにグイグイ来る女の子(お姉ちゃんだけど)がいるのにも関わらず私に話しかけるって……私自身を卑下するつもりはないけど、お姉ちゃんの相手をしていた方がよっぽど楽しいと思う。なんだか調子狂うなぁ。

 

 

「このクレープ食べるか?そっちのと味違うし」

 

「さっきお姉ちゃんに食べられてかなり減ってますけど……いいんですか?」

 

「いいよ。ただしギブアンドテイク、お前のも少しくれよ」

 

「じゃあ頂きます」

 

「よし!!じゃあ、ほれ」

 

「へ?」

 

 

 突然の神崎さんの行動に私は驚きました。神崎さんは私の口元にクレープを突き出したのです。てっきり私は手渡ししてくれるとばかり思っていたので戸惑いました。これは世間一般で言う、『あ~ん』というのでは?絶対にそうだ。

 

 

「どうした?食わないのか?」

 

「い、頂きます」

 

 

パクッ

 

 

 一口だけパクッと食べる。あれ?どうして私自分で食べますって言わなかったんだろう?あっ、心臓がバクバクしてる。もしかして緊張してる?まさか……

 

 

「それじゃあ俺は雪穂のクレープを」

 

 

 私は神崎さんにクレープを差し出しました。もちろん受け取ってもらって、自分で食べてもらうためです。

 

 

「隙アリ!!」

 

 

バクッ!

 

 

「えぇ!?」

 

 

 神崎さんが大きな口を開けて、私のクレープを一気に4分の1ぐらい食べた……

 

 

「い、一体何するんですか!?一口だけという約束では!?」

 

「もがぁもがぁ♪」(訳:失敗失敗♪)

 

「うぅ~~……じゃあもっと神崎さんのクレープを頂きます」

 

 

ゴクン

 

 

「残念でした!!俺のクレープのほとんどは穂乃果の胃の中でしたぁ!!」

 

「自慢になってませんよ……」

 

「アハハハハ!!」

 

「急にどうしたんです!?」

 

「いや~、やっとお前がマトモに話してくれて、嬉しくなっただけだ」

 

「……あっ」

 

 

 そう言えば、たくさん話しかけられはしたけども、私は結構素っ気ない態度を取っていたような気がする。もしかしたらそのせいで神崎さんは私に話しかけてくれたのかな?だったら、とても悪いコトをしちゃった……

 

 

「これは正直に答えて欲しいんだけど」

 

「はい?」

 

「俺、もしかして迷惑?」

 

「へ?」

 

「俺が話し掛けても素っ気ない態度ばかり取られるからさ、もしかしたら嫌われているのかと思って」

 

「そんなコトないですよ!!むしろ謝るのはこっちです!!あまり慣れていないというか……うぅ~~なんて言えばいいんだろう?」

 

「そうか、嫌われてないんだったらそれでいいや!!」

 

「いいんですか?」

 

「いいよ。でも俺はもっとお前のコトが知りたい。もっと一緒にたくさん喋って、お前の好きなコトとかそれ以外にも色々な」

 

「神崎さん……」

 

 

 もっと……か。私も、私ももっと神崎さんと喋ってみたい。今日神崎さんと一緒にいて分かったコトがたくさんある。だからこそもっと神崎さんのコトを知りたい!!

 

 お姉ちゃんたちがどうして神崎さんが好きなのか、分かったような気がする。何気ない優しさや気遣い、ただの変態野郎だと思っていたけどそれを許してしまうほどに。それになにより、一緒にいてとても楽しい。神崎さんの笑顔に釣られてこっちも笑顔になってしまう。もっと一緒にいたいと思ってしまう。

 

 

「おっ!いい笑顔じゃん」

 

「えっ!私、今笑ってました!?」

 

「ああ、もっと見たいから見せてくれない?」

 

「お断りします。女の笑顔は安くないです」

 

「じゃあ、お前の笑顔を見るために今日のデート、頑張ってみようかな」

 

「で、デート……」

 

「照れてる顔も可愛いぞ☆」

 

「か、からかわないでください!!」

 

 

 いやぁあああああああああ!!絶対に顔真っ赤だよ!!もう誰にも見られたくない!!

 

 

「およ?2人共、仲良くなってる?」

 

「穂乃果……」

「お姉ちゃん……」

 

 

 なるほど、お姉ちゃんは神崎さん、いや零さんのこういうところが好きになったのか。これでお姉ちゃんを手玉に取れるぞ!!…………私もお姉ちゃんと同じか……

 

 

「食べた食べた!!よ~~し次行くよ2人共!!」

 

「サラっと流そうとしてんじゃねぇよ!!クレープ返せコラ!!」

 

「なんのコト?穂乃果、物覚え悪いから分かんないよ~?」

 

「お前……自虐ネタもほどほどにしとけよ」

 

「零さんも同罪ですけどね」

 

「うっ…………ん?名前?……まぁいっか」

 

 

 自分の気持ちに素直になってみたら、身も心も軽くなった。お姉ちゃんじゃないけど、私もこのデート楽しみになってきた!零さんと一緒なら、いい思い出になるよね♪

 

 

「ほら行きますよ零さん!!お姉ちゃんも!!」

 

「雪穂、なんだか元気になったね。もしかして、零君何かした?」

 

「ん?さぁな~」

 

「ありがとね。今日の雪穂、元気なかったみたいだから」

 

「俺、物覚え悪いから分かんないよ~」

 

「物覚え関係ないでしょ……」

 

 

 零さんとお姉ちゃん何話してるんだろ?とにかく、早くしないと3人で遊ぶ時間が時間なくなっちゃう!

 

 

「なにしてるんですかぁ~~!!」

 

 

 

「先行ってるぞ!!」

 

「えっ!?待ってよーー!!」

 

 

 

 




ギャグ回を書くのは慣れたのですが、恋愛方面を書くのは今でもすごく苦手です。上手く描写出来ていればいいのですが……

今回出てきたクレープ屋は、もう1つの小説『非日常』の第四章「ep.1 ‐途切れる光‐」で凛たち1年生組が行ったところと同様の店です。



これは完全に自分の私欲なのですが、これまで約50話の中で読者様から見て好きな話、または面白かった話を選んで適当に書き込んでくださると嬉しいです。

個人的に好きでオススメな話
第10話「誰の忘れ物?」
第20話「こたつむり」
第36話「酔いどれパニック~脱ぎ女たちの宴~」
第47話「ドキドキデート大作戦(決行編)」
第51話「妹様襲来!!」





今回は読者様のクレバスさんよりリクエストを頂きました。ありがとうございました!
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