今日は海未ちゃんの誕生日ですね!!
他の作者様たちの小説を覗かせてもらった(目次だけですが)ところ、番外編として海未ちゃんおめでとう小説がたくさん投稿されていましたね。
さぞかしイチャイチャ小説だったのでしょう。読者様もほっこりされたと思います。
それなのにウチの変態野郎ときたら、いつも以上に平常運転です。
もし他の作者様の海未ちゃん誕生日回を読んだのであれば、こちらは閲覧注意です。ウチの零君が核爆弾を投下して、ほっこりした気持ちをすべて吹き飛ばしますよ(笑)
※活動報告に超短編小説『妄想メイド・ことり』を投稿しています。そちらも是非ご覧下さい。よろしければそちらの感想も頂けると嬉しいです!
「ない……ないないないないないないないないないないないないないないない!!」
なくした……鍵をなくした。そうはいっても家の鍵ではなく、このスケスケゴーグル改二を起動するための鍵である。先日秋葉から貰ったこのゴーグル、装着するとなんと人の服が透けて見えるスグレモノらしい。秋葉にしてはいい仕事をしたと褒めてやりたいのだが、起動には鍵を差し込まなくてはならなくて、現在絶賛その鍵を紛失中なのだ。
「登校中に確認した時は間違いなくあった。だとしたら学院内で落としてしまったのか……」
この女子だらけの学院でそのゴーグルを装着したらどうなるか。想像するだけで輸血が必要になる。しかしそう簡単に楽園には入らせてくれないようだ。俺に試練を与えようというのか……面白い。
意気込んではみたものの鍵はかなり小さくて、どこかの隙間にでも入り込んだりしていたらまず見つからないだろう。幸いまだ昼休みなのでそこら中にいる生徒に聞いて回ってもいいが、その噂を穂乃果たちの耳には入れたくない。彼女たちなら必ず一緒に探してくれるだろうが、もしその鍵が見つかった場合、鍵の使い道を聞かれるのは明白だ。
「落し物と言えば、生徒会室に届けられるよな……ダメ元で行ってみるか」
生徒会室には危険度MAXな絵里と希がいるだろうが、楽園を拝むためにはやむを得ない。大抵そのような道にはボスがいるのが定石だ。クォーターとエセ関西弁である地獄の番人を乗り越えてこそ、楽園への道が切り開かれる。
~※~
ガラガラガラ
「う~す」
「ノックぐらいしたらどうなの……?」
「流石に生徒会室やから、少しは礼儀をね?」
出やがったなクォーターとエセ関西弁。残念ながら1vs2でも俺は負ける気がしない。だって変態の神様の加護が付いているからな。まぁ目下の目的はコイツらじゃなくて鍵だ。この2人はただの通過点に過ぎない。まずは鍵の確認をしなければ。
「ところで零君は何しに来たん?」
「手伝いに来てやったんだ、ありがたく思え」
「いや、別にいいんだけど」
「はい?」
「もう仕事が終わりそうだから、私と希の2人で十分よ。気持ちは嬉しいけどね」
マズイ……俺の計画ではシレっとこのまま生徒会に潜り込んで、鍵の行方を探る予定だった。もし誰かが鍵をココへ届けてくれれば俺の懐に入るし、もう既に届けられていたとしても、俺1人になった瞬間にあの忘れ物保管ケースから取り出せばいい。ちなみにあのケース、透明ガラスではないので中を確認するコトは出来ない。つまり開けてみるまでのお楽しみってコトだな。
「じゃ、じゃあ残りの仕事は俺がやっておくから、お前らは早く教室に帰れ。うん、それがいい!!にこも寂しがっているだろ?」
「零」
「なに?」
「あなた、何か企んでる?」
「え゛っ?」
「もしかして自分では気付いていないかもしれへんけど、零君って嘘つく時、口数が妙に増えてるんやで」
冗談じゃない、そんなコトがある訳ないだろ!?ないよな?この俺に限ってそんな弱点を露呈するハズがない。思い返してみよう……うん、希が仰る通り明らかに口数が多い。『うん、それがいい!!にこも寂しがっているだろ?』の部分が完全に蛇足だ。
「素直に白状したら、私たちだけの秘密にしておいてあげる」
「私たちの秘密って、ちょっと大人な響きだよな。絵里もそういうコトに興味があるのか」
「海未や真姫を呼ぶわよ」
「まあ待て。俺は何も企んでもないし、邪な心も持っていない。変態ジョークだ大いに笑え」
危ない危ない、慌ててこのまま白状してしまったら俺がココへ来た理由を吐かされるところだった。とにかく今は生徒会に潜り込んで、早急に鍵の確保をしなければ。楽園、すなわちエデン(女子生徒の服が透けている学院)を拝むためには命を削ってでも、このミッションを達成してみせる。
「まぁ、そこまで言うんやったら任せようかな」
「の、希!?あなたどうして急に意見を曲げるのよ!?」
「よし!!決まりだな。とっとと戻ってやれよ。にこが寂しくて死にかけてる可能性があるから」
「また口数が多いわよ、零」
「い、いいから戻れ!!」
どういう風の吹き回しか分からないけど、希のお陰で一人になるコトが出来た。もう俺を止める者はいない。楽園はもう目の前だ!!とりあえず、ケースに鍵が入っているのか確認しないとな。
「……ん?あれぇ~鍵がねぇ!!もしかして希の奴、忘れ物保管ケースの鍵持って行きやがったな!!」
アイツ、それを見越して俺に仕事を押し付けたのか。鍵を手に入れられなければ無駄に生徒会仕事を片付けるだけで終わってしまう。くそぉ~……完全にはめられた。
「次会った時はワシワシMAXで昇天させてやる……」
ついこの前会得した技で、女の子を昇天させて我が物にするのなんて容易いコトよ!!しかも希は抱き心地までMAXだしな。技のいい実験台になる。
「このまま帰るのも癪だから、少々荒っぽいけどケースを壊すか」
楽園を目の前にして帰るのも勿体無い。しかも希の意図したように進んでいるのが何よりも腹立たしい。だったらもうケースの鍵を壊してでも中身を見る。流石にアイツも俺がケースをぶっ壊すなんて想定してないだろう。さながらRPGで製作者が意図しないプレイをして、バグを引き起こすようなものだ。それでどんな事態になろうが俺には関係ない。楽園に辿り着けるのならば。
「昼休みが終わらない間にやってしまうか……」
ガラガラガラ
「あっ!零君、本当に一人で仕事してるんだね!!」
「あの零が、意外です……」
「私たちもお手伝いしにきたよ♪」
「穂乃果、海未、ことり……お前らどうして!?」
突如生徒会室に入ってきたのは、例え北極と南極ぐらい離れていても、互いに引きつけ合いくっつく磁石のような幼馴染トリオだ。そこまでコイツらはいつも一緒にいる。最近俺もその磁石の仲間入りを果たしているらしいが。
「希ちゃんが、零君が一人で頑張ってるから手伝ってあげてって」
「次の生徒会役員は私たちですから、どのような仕事かを経験しておくのも悪くはないと思いまして」
「生徒会仕事って大変そうだからね」
「そ、そうか……」
いつもはベタベタと一緒にいる俺たち4人だが、今はとても邪魔だ。ボスを倒したと思ったら、また次のボスが出てきてまさかの2連戦!!初見殺しにも程がある!!冗談はさておき、コイツらを追っ払う方法を考えなければ……
「もう仕事も終わりそうだから大丈夫だ、お前らは昼休みという至福の時間を堪能してこいよ。午前中は体育もあって疲れてるだろ、な?」
「希の言うとおり中々に強情ですね」
「じゃあ最終兵器を使うしかないよ!!ことりちゃん、お願い!!」
「うん!!」
ことりが俺の近く、というかほぼ密着するような位置まで身体を寄せてくる。そして顔を上げ、俺の両手を握り締め、かつ上目遣いという多重コンボで俺を見る。これは……今から核兵器が投下されようとしている……
「零くぅ~ん♪おねがぁ~い♪ことりたちにも手伝わせて?」
「ぐわぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
「やった!!零君撃沈!!さすがことりちゃん、『おねがぁ~い♪』の威力は世界一!!」
「それにしても効き過ぎでは……?」
『おねがぁ~い♪』を聞いた者に生きて帰ってきた人はいないと、秋葉原のメイド喫茶ではもっぱらの噂だ。これを聞くと、そのメイド喫茶で値段が高いメニューを上から3品操られるように注文してしまうとも言われている。心だけじゃなくて、金まで搾取するその威力、恐ろしい…………だが、俺言ったよな。変態の神様の加護が付いてるって……
「あまいなことり……お前も落ちたものだ」
「う、嘘!?生きてる!?今までみんな生きる屍になってたのに!?」
「いつもの俺だと思うなよ、今日は加護によって守られているんだ。いつまでもあまあまボイスにやられる俺じゃねぇ!!」
「そ、そんな……」
悪いなことり、お前に罪はない。だけど楽園への道を阻害するというのならば、例えことりであっても乗り越える。穂乃果と海未?あぁ、いたなそう言えば。
「帰ろ、穂乃果ちゃん、海未ちゃん……」
「えぇ!?諦めちゃうの?」
「ことりたちは負けたんだよ……完敗だよ……」
「珍しくことりが意気消沈してますね。仕方ありません、引き上げましょう」
よし!!これでボス2連戦は突破した!!それにしてもことりには悪いコトをしたな。あとで抱きしめてあげよう。
~※~
「さてと、もう昼休みも終わりだし、さっさとケース破壊するか」
ガラガラガラ
「お邪魔しま~す!!落し物見つけたにゃ~!!」
「もう、生徒会室なんだから静かにしなさい」
「ゴメンね、絵里ちゃん、希ちゃん……ってあれ?零君!?」
「な、なんだよなんだよなんですか!?お前らはアレか!?出たがりばっかなのか!?そこまで出番が欲しいのかぁああああああ!!」
今度現れたのは"俺の"可愛い後輩1年生組。ボス3連戦とか聞いてないんだけど、どうしたらいい?時間もないのでコイツらの用事だけパパッと終わらせて追い返そう。この3人にまで俺の計画を悟られるのだけはマズイ。早急にコイツらを……ん?凛が手に持っているのって……鍵?それにあの鍵は!?!?
「凛、今すぐそれを寄越せ」
「え?寄越せ?」
「い、いや違う。落し物なら生徒会代理の俺が厳重に保管しておこう。誰の目にも触れないようにな」
「誰の目にも触れなかったらダメな気が……」
「花陽、余計なツッコミは禁止だ。ここは神聖な生徒会室なんだ、無駄口は叩かないように」
「……」
いやぁーーー!!真姫がめっちゃ睨んでらっしゃる!!もしかして俺の方が余計なコト言っちゃった?あのツリ目から繰り出される俺を突き刺すような眼差し……ひるんじゃダメだ。あとで真姫には俺を目線で串刺しにした分だけゴーグルで覗いてやる。
「まぁいいや、はい落し物」
「え、あぁサンキュ」
意外にも凛はあっさりと鍵を渡してくれた。コイツが鈍感で本当に助かった。そして見つけてくれたコトにも感謝だな。お礼として凛をゴーグルで覗く回数を増やしてあげよう。
「早く音楽室にいくにゃ!!」
「そうだね、時間もないし」
「何しに行くんだ?」
「真姫ちゃんのピアノ演奏を聞きに行くんだにゃ」
「へぇ~」
「興味なさそうね。別に零に聞いてもらおうなんて思ってないけど」
なるほど、だから鍵をとっとと渡したかった訳ね。でも興味ないのは本当だ、申し訳ない真姫。俺は今から楽園へ向かうんだ。お前の歌声は楽園から帰還後にたっぷりねっとり聞いてやる。
「また俺にも聞かせてくれよ」
「か、勝手にすれば!!」
~※~
遂に鍵が手に入った。俺はポケットからスケスケゴーグル改二を取り出し机の上に置く。さぁ、皆さんお待ちかねタイムだ。慌てるな、このゴーグルから見える景色は俺が責任を持って実況してやる。また妄想が膨らむな。いや、俺が見るのは妄想なんかじゃない!!現実だ!!
「鍵を入れる場所は……ここか。さぁ、いざゆかん!!パラダイスへ!!」
「アンタまた変なコトやってんのね」
「え゛!?に、にこ……」
いつの間にか、俺の隣ににこが現れた。一体どうやって……あっ、生徒会室の扉開いてるじゃねぇか!?アイツら閉めていかなかったな!?どうりで廊下から生徒の声が聞こえると思ったんだよ。どうする……?もうゴーグルは起動している。もう生徒会室の扉みたいに開き直って、にこを実験体第一号にしてやろう。
「なにそのゴーグル、にこにも見せて」
「ちょっ、お前待て!!そのゴーグルは!!」
「ん?レンズに文字が出てきたわよ」
「なに!?」
ゴーグルは機動はしているものの、レンズに写っているのは周りの景色ではなくて文字が羅列していた。流れてくる文章を俺とにこは目で追いながら口ずさむ。
『残念でしたぁ~~~☆そんな上手い話があると思ったぁ~~~☆楽園?エデン?パラダイス?脳内お花畑も大概にね♪秋葉より』
え?なに、これ……俺の目の前にあった楽園への道が音を立てて崩れ去っていく。こんなのって、こんなのってないよ……俺の今までの苦労は一体……
馬鹿だった……秋葉の発明品がマトモな訳がない。アイツ、俺の変態心に付け込みやがって……もう疲れて怒る気にもなれない。
「あぁ~……にこ、帰るわね」
「ちょっと待て!!お前が帰ったら、俺は誰とこの悲しみを共有すればいいんだよ!!待ってくれよにこっちぃ~」
「その名前で呼ぶな!!今のアンタと一緒にいても、絶対ロクなコトにはならないから帰る!!」
「オイ!!待ってくれ頼むお願いしますにこちゃん!!にこさま!!ってこれだけ媚びてるのに帰るなよ!!おーーーーーい、コラ矢澤ぁあああああああああああああああああ!!」
ゴメンね海未ちゃん、君の誕生日なのに……
ということで如何だったでしょうか?この小説のタイトルは『μ'sとの"日常"』なので、誕生日などの記念日は完全無視です(笑)
いつも通りで読者様も安心出来るでしょう?
今回は読者様のアルクシェイドさんよりリクエストを頂きました。ありがとうございました!あまりオマージュ出来てない気もしますが……
※活動報告に超短編小説『妄想メイド・ことり』を投稿しています。そちらも是非ご覧下さい。よろしければそちらの感想も頂けると嬉しいです!
※投稿ペースの変更として、『日常』『非日常』交互に投稿していたのですが、以後はランダム投稿になります。主に『非日常』に比重を置くのでご了承ください。