超サイヤ人となった孫悟空と孫悟旦。
孫悟空は髪の毛が逆立ち、瞳が碧眼となり、金色のオーラを纏った姿へとなり。
孫悟旦はぐるぐるな渦巻き状のくせっ毛が、かくかくとした渦巻き状のくせっ毛に変化したが、それ以外は悟空と同じだった。
そんな孫親子の変化に動揺と困惑を隠せないフリーザ兄妹。
「なっ、何だアイツらの変化は……!サイヤ人は大猿にしか変わらんはず……」
「まさか……あの姿は……」
グレイシアが何かに気付いた途端に撃たれたはずのベジータが吐血しながらも笑った。
「は、はっはっは……コイツらが……貴様らが恐れていた……超サイヤ人だ……!」
二人は目を見開きながら驚いていた。
「そうだ……!あ、あの……伝説の全宇宙最強の戦士……超サイヤ人だ……ふっふっふ……皮肉だな……フリーザ!グレイシア!貴様等が最も恐れていた存在を貴様ら自身がトリガーとなり……呼び起こしたんだ……ざ、……ざまぁみやがれ!……貴様らの……負けだ……はっはははは!」
「死に損ないが……!」
「口を塞ぎなさい……下郎!」
フリーザとグレイシアがベジータを殺そうと気功波を放つが、そんな攻撃を容易く弾いてみせた孫親子。
そして、二人から放たれた気合砲がフリーザ兄妹を捉えて遠方へと吹き飛ばした。
しかも悟旦から放たれる覇気が二人の気合砲の威力を上昇させるほどだった。
そんな光景を見た悟飯とベジータは確信した。
二人は確実にフリーザ達を倒せると……
「カ……カカロット……よく聞け……お……俺や貴様の生まれた星……惑星ベジータが消えたのは……きょ……巨大隕石の衝突のせいなんかじゃ……な……なかったんだ……」
「それ以上喋るな!……死を早めるだけだ……!」
心臓を撃たれても喋ろうとするベジータを止めようとする悟空。
悟旦が以前と同様に治療をしようとしたが、ベジータの心臓が毒々しい状態となっていく。
どうやらグレイシアの超能力がフリーザにも付与されていたことで、悟旦の治療を受け付けない状態になってしまっていたのだ。
悟旦の治療系超能力は対象の回復力を高めて癒やすもの。以前、ベジータが心臓を貫かれた際は心臓や肉体の回復力を高めて再生させただけだ。
しかし、毒のような状態異常を癒やす効果はない。
即ち、ベジータの死は覆らない。
故に、悟旦は治療を行えなかった。
ベジータ自身もその事を感じ取っているためか、止めずに話し続ける。
「フリーザが攻撃しやがったんだ……お、俺達サイヤ人は……あいつの手となり足となり、命令通りに働いたってのに……お、俺達以外は全員殺された……貴様の両親も、俺の親である王も……フリーザは……力を付け始めたサイヤ人の中から超サイヤ人が生まれるのを……恐れていたからだ……た……頼む……フリーザを……フリーザ達を倒してくれ……た……のむ……超……サイヤ人の……力……で……」
ベジータがそう言い切ると力尽きて息を引き取った。
閉じられた目から生きているかのように涙がこぼれ落ちる。
そんな姿に悟空と悟旦は複雑そうに見つめていた。
「ベジータ……お前が泣くなんて……お前が俺達に頼むなんて……よっぽど悔しかったんだろうな……分かってる。サイヤ人の仲間が殺されたのが悔しいんじゃねぇんだろ?あのクズ野郎にいいようにされちまったのが悔しくて仕方がなかったんだろ?」
「アンタのことは嫌いだが、サイヤ人の誇りは持ってた。俺達にも分けて貰うぞ、ベジータさん」
悟旦が初めて憎いベジータに敬称を付けた。
そして悟旦はピッコロの怪我を治療した。
ピッコロに対してベジータのように毒されていなかった為、治療を行なう事が出来た。
治療を受けたピッコロは目を覚ますと立ち上がり、変身した悟空と悟旦を見た。
「悟旦……孫……その姿は……」
「ピッコロ。ベジータを頼む。ここにいたら死体が滅茶苦茶になってしまうからな」
「悟飯。お前もデンデを連れて宇宙船で地球に帰れ。フリーザ達は俺と父さんで倒す!」
「い、嫌だ!ボクも残って闘う!」
「邪魔だから、さっさと行け!俺と父さんの理性がちょっとでも残ってるうちに、さっさと地球に帰れ!!」
弟に温厚な兄である悟旦が初めて怒鳴りつけたことで、悟飯は誰よりも驚愕と困惑している。
そんな悟飯にベジータを背負ったピッコロが肩に手を置いた。
「行くぞ、悟飯。今の俺達では邪魔になるだけだ……悟旦。孫。必ずフリーザ達を倒せ……頼んだぞ」
ピッコロの頼みに頷く孫親子。
ピッコロ達は宇宙船へと飛び立った瞬間に、フリーザ達が戻ってきた。
宇宙船へと飛び立つピッコロ達へと気功波を放とうとするが、誰よりも早く悟空はフリーザに、悟旦はグレイシア相手にし、気功波を放とうとする腕を掴んだ。
「いい加減にしろよ……このクズ野郎。罪のない者を次から次へと殺しやがって……おめぇ、クリリンまで……」
「お前らだけは生かしておけねぇ!!」
フリーザ達はなんとか手を振り払って距離を取った。
「俺は……」
「俺達は……」
「「俺達は怒ったぞ!!(フリーザ/グレイシア)──────っ!!!」」
二人は黄金のオーラを爆発させて互いの相手を殴り飛ばした。
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怒りによって覚醒した俺と父さんは強力な拳を打ち込む。
殴り飛ばされたフリーザとグレイシアに追撃をして岩山に叩き付けた。
すぐさまフリーザとグレイシアが岩山を爆破して出てきた。
「偉そうなことをいいやがって……貴様等サイヤ人は罪のない者を殺さなかったとでもいうのか?」
「最低でも、俺と父さんは罪なき人を殺してはいないし、業を犯したサイヤ人は滅びた」
「俺が滅ぼしたんだ。サイヤ人はなんとなく気に入らないんでね……」
「今度は俺達が貴様等を滅ぼす」
余裕の笑みを浮かべていながらも内心は困惑を隠せずにいるフリーザ達。
そんな二人に心から余裕の笑みを浮かべる俺達。
そんな俺達が気に入らないフリーザとグレイシアは気功波を放ってきた。
何度も……何度も……
だが、結果は無傷という非情なものだった。
「お前達はもう謝っても許さないぞ……」
「死ぬ覚悟はできたか……?」
俺と父さんは気合砲を受けて吹き飛ばされるフリーザ達だったが、アイツらが態勢を直すとすぐさま攻撃を行なうということを何度も繰り返した。
重たい一撃が着実にフリーザとグレイシアの体力と生命を削りつつある。
しかし、攻撃を受けているだけのフリーザ達ではない。態勢を直して此方に反撃を返してきた。
そこからは攻防が繰り広げられるも、フリーザ達の攻撃が一切通じないことから距離を取ったフリーザ達が気功波を放ってくる。
俺達は最小の動きで回避行動を行なう。
避けられた事に驚愕するも攻撃を繰り返すが、一切当たらなかった。
「こんな……ことが……」
「お……おのれ……あ、あたりさえすれば……」
悔しそうに呟かれる二人に俺達は嘲笑を浮かべながら告げた。
「「当ててみろよ」」
「「!!」」
「ふ……ふざけやがって……後悔しやがれ──────っ!!!」
「死になさい──────っ!!!!」
二人から放たれた気功波が俺達の顔に直撃する。
しかし、少し口の中を切ったことと、当たった部分を怪我したぐらいであった。
「星は壊せても……たった二人の人間は壊せないようだな……」
「宇宙の帝王様とその妹の力は……その程度でしかなかったわけだな……」
俺達が死んでいない事に愕然とするフリーザとグレイシア。
「な……なにものだ……」
「貴方達は……いったい……」
愕然とする二人に俺達は告げた。
「とっくにご存じなんだろ?俺達は地球から貴様等を倒す為にやってきたサイヤ人」
「穏やかな心をもちながら、激しい怒りによって目覚めた伝説の戦士……」
「「超サイヤ人、(孫悟空/孫悟旦)だ!!!!」」
黄金のオーラを放出しながら、俺達は宣言した。
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フリーザとグレイシアは自らの手で伝説とされた空想の存在だと思いながらも、自分達を脅かす万が一の可能性を消し去るために、フリーザはサイヤ人の星を破壊したのだ。
しかし、その伝説の存在が目の前に現れてしまった。
しかもその存在は、惑星ベジータを破壊する際に最後まで抵抗していたサイヤ人が、地球へと逃がした息子の一人とその子供が至るとは……因果は巡るとは正しくこのことだった。
その後、フリーザとグレイシアが宇宙空間を生きていける事からナメック星を壊すことを選び、星を破壊出来るほどのエネルギーを星の中心核へと打ち込むが、爆破のダメージを恐れて力を弱めてしまったからだ。
しかし、あと5分もすればナメック星は爆発し、宇宙の塵となる。
そしてグレイシアは爆発までに倒せない可能性を考えて、
この際、孫親子とフリーザ兄妹の戦闘力の差を表しておこう。
約50%程の力をだしていたフリーザ兄妹を約300~400万の戦闘力を持つ悟空と悟旦だったが、デンデによって回復されたが、瀕死に追い込まれたわけではない。
ただ回復しただけで強化はされていないのだ。
そんな中、デンデ達が殺害されたことで二人は超サイヤ人へと覚醒した。
サイヤ人の大猿化は通常の10倍の強化と巨大化になるが、超サイヤ人の強化は50倍。
30倍の“界王拳„や
つまり、通常300~400万の戦闘力である悟空と悟旦が超サイヤ人になったことで戦闘力が1億5000万~2億ほど。
そして100%の力を出した場合のフリーザとグレイシアの戦闘力は約1億~1億2000万ほど。
四人の戦闘力差は約3000万~8000万ほどだ。
限りなく約1億ほどの戦闘力差がある四人の死闘が今、繰り広げられる。
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100%の実力を発揮したフリーザとグレイシア相手に俺と父さんは戦っていた。
今まで受けて来た重みと痛みを越えた一撃が、俺達の身体に打ち込まれるも逆に打ち返した。
強力な拳がお互いの身体を壊す。
しかし、それ以上の耐久力で攻防を繰り広げる。
“日拳„を彼女の頬に鳩尾に打ち込んだ。
彼女が腹部を押さえながら距離を取る。息を乱しながらも笑みを浮かべていた。
「ふふふ……」
「なにがおかしい?」
「素晴らしいですわ。戦闘力は確実に私やお兄様の負けですわね。ですが、勝負は違いますわよ」
そう言って強力な覇気を身体中に巡らせていく。
そして覇王手
“覇王手„
背中に蝙蝠を思わせる模様を有した二つの三日月から溢れる膨大な気と覇気が、彼女の全身を蝙蝠の毛皮の様に覆い尽くし、背中から蝙蝠の羽を思わせる気と覇気が出来ていた。
「やはり至っていたか……」
グレイシアが使ったのは俺と同じ
そして強化も20~30倍に上がっているはずだ。
そう思いこちらも“覇王拳„
互いに最大30倍の強化を施しながら攻防を再開した。
俺の
俺の攻撃に瞬時に移動を行ない、俺に攻撃を行なってくる。しかし、俺の攻防力の高さから彼女の拳は衝突と同時に怪我を負うことが殆どだった。
そんな俺達の戦いの最中、フリーザがどこかへと向かって行き、父さんがその後を追っていく姿が見えた。
グレイシアの手刀の突きを紙一重で回避しては上空へと蹴り上げた。
体勢を整える際に、フリーザと父さんが向かって行く場所に光り輝く柱が見えた。
そこには一体の緑色の巨大龍が見えた。
「あれは……まさか、父さん達が言っていた
「どこを見てますの?」
いつの間にか背後へと移動していたグレイシアが手刀で貫こうとしてきた。
“
貫こうとしてきた手刀を弾こうと背を伸ばすがかすれる程度しか当たらなかった。
しかし、体ごと回避行動を行なっていたお陰で肩を掠める程度の傷で終わるかと思ったが、手刀の周りに三日月型をした紫色の斬撃が発生しており、俺の肩に無数の掠り傷を残した。
そんな斬撃を残すグレイシアの手を覇気を纏わせた手で掴むと同時に、指には更に覇気を強めて覇気と気で出来た羽を掴んだ。
“
羽を壊すようにグシャリと握り潰しては引き千切った。
「ギャアァァアアッ!!!」
グレイシアから悲鳴が鳴り響くが、覇気と気で出来た羽に神経があるわけではない。
意志の力である覇気と気によって出来ているということは、意志を引き千切るという精神的ダメージを与えたような状態がグレイシアを襲ったのだ。
精神的にダメージを受けたグレイシアの顔面に“日拳„を放ち、父さん達が向かっている場所へと殴り飛ばした。
殴り飛ばした場所へと向かうとそこにいた
『いいだろう。了解した。ではここにいる四人を残して、全員を地球に移動させる』
「な……!?」
皆を地球に?どういうことだ……
そう思っていると近くにいた死んだ筈のデンデが突如として消えた。
それだけじゃない。いつの間にか増えているナメック星人の気や死んだ筈のベジータの気までもが突如として消えた。
そして、願いを叶えたドラゴンボールまでもが龍の姿を消して七つの玉となって何処かへと飛んでいった。
「父さん。一体何が……」
「悟旦。界王様が地球のドラゴンボールでナメック星で死んだナメック星人を生き返らせた。そしてナメック星のドラゴンボールで俺達以外を地球に逃がしたんだ」
「成る程な。しかも、デンデがいたということはナメック星の言葉でしか叶えられなかったわけか。界王様も気が利く事をしてくれた」
俺達親子の話が聞えていたらしいフリーザはこちらに視線を向けてくる。
「この時を待っていた……」
「これで、何の心配もせずにテメェらを殺せる!」
「星が縮み始めた……恐らく爆発まであと2分となかろう。俺達に殺されるのが先か、星の爆発が先か……どちらにしても宇宙空間で生存できない貴様等には死しかない……」
勝ち誇った様な笑みを浮かべて告げるフリーザに続いてグレイシアがとんでもない発言をした。
「それに……地球に逃がしたからといって追えないと思っているのかしら?」
「なに……っ!?」
グレイシアの不敵な笑みと共に告げられた発言に困惑する。
そんな俺に満足したのか、彼女は覇気を膨大に手に集めていく。
そして手で五芒星を描いた。
「たしか地球は……北銀河のはずれにある銀河星雲の太陽系第3惑星だったわね」
描いた五芒星に覇気と気が充塡していき、巨大な五芒星型の魔法陣としてグレイシアの前に現れた。
“五廊星„
「それじゃあねぇ。孫悟旦くん」
手を振りながら笑顔でこちらを見ている彼女の告げた次の言葉に焦った。
「
ニッコリと下卑た笑みを浮かべながら五芒星の中へと入っていく。
「待てぇえ!!!!」
一瞬で移動して殴りつけようとしたが、彼女が五芒星の中へと入るほうが早くて空振りをした。つまり、グレイシアは地球に移動した可能性がある。
地球に避難した悟飯達が危ない!!
しかし、彼女が一瞬で移動する為に使った五芒星はまだある。これを利用するしかない。
奴は覇気と気を使って空間転移をしたように、俺も空間転移をするしかない。
「行かせませんよぉおおっ!!!」
フリーザが俺へと近づいてくるが、父さんがフリーザと俺の間に入って攻防を始めた。
俺はその五芒星に膨大な気と覇気を注いだ。
かなりの覇気と気を消費してしまうが、それでもいい。
アイツを野放しにはできない。絶対に逃がさねぇ……!!!!
グレイシアが告げた言葉に更なる怒りを燃やして覇気と気を解放していくと五芒星が反応して太陽を思わせるシンボルが現れて、中央の円が地球までの回廊になった。
これならグレイシアの後を追える。
「父さんっ!」
「行け、悟旦っ!!」
「あぁ。父さん……地球で待ってる」
「おう!」
怒りで残忍性が上がっている俺と父さんだが、親子の絆を失ったわけでも忘れたわけでもない。
俺がグレイシアを追うということは、この星に父さんとフリーザしか残らない。帰還するには宇宙船が必要だけど、グレイシアの乗ってきた宇宙船が動くかどうかわからない。
それでも、父さんの帰還を信じて告げた。
そして、父さんも俺の気持ちを感じて返事を返してくれた。
父さんの返事を聴いた俺は回廊へと入っていった。
──────────────────────────────ー
時が少し戻り、ナメック星のドラゴンボールによって、最後の願い「孫悟空と孫悟旦とフリーザ兄妹を除くナメック星にいる命を全て地球へと転送する」が叶えられ、悟飯達は地球のとある平野へと転送された。
フリーザ達によって寿命が削られたナメック星のドラゴンボールの創造主である最長老も同じだった。
最長老から事の顛末を訊かされた。
自分達がいるのは地球であり、ナメック星はフリーザによって爆発する寸前の状態におり、その星には孫親子とフリーザ兄妹が決着を付ける為に死闘を続けているということだった。
「皆が蘇り、この地球に避難して来れたのは……そういう経緯じゃ……」
「し……しかし、最長老様。ツーノ長老の村の者達が見当たりませんが……」
デンデが住んでいた村の長老の疑問にベジータが答えた。
「それはたぶん。俺が全滅させた村の奴らだろうぜ。願いはフリーザ達に殺された者達を生き返らせろ……だったんだろ?俺はフリーザ達じゃない……しくじったな」
嫌味たらしく告げるベジータ。
そんなベジータに怒りと憎しみを向けるナメック星人達だったが、突如としてブルマ以外の誰もが膨大な邪悪な気を感じ取った。
『っ……!!?』
「バカな……この気は……っ!?」
ベジータは勿論のこと。ピッコロや悟飯やデンデまでもが身に覚えがあった。
視線を向けるとそこには禍々しい五芒星の回廊が出来ていた。
そして、その五芒星からとある女性が現れた。
その女性は、ベジータ達が感じ取った通りの人物だった。
ナメック星にいる筈のグレイシアだった。
「「「グレイシア……っ!!!???」」」
すぐさま戦闘の構えを取るベジータ達。
無駄な抵抗を行なうベジータ達に対して嘲笑うような表情を浮かべるグレイシアは、右手の人差し指に膨大なエネルギーを溜め込んだ稲妻を纏う黒い球体を作りだした。
そのエネルギー体を叩き付けようとするが、その前に彼女の隣に太陽を思わせるシンボルをした回廊が現れた。
その中心から悟旦が現れ、彼女の右手と頭を掴んだ。
「逃がさねぇぞ。グレイシアっ!!」
そう言って地面へと叩き付けた。
凄まじい粉塵が吹き荒れる。そこには右手に集まっていたエネルギーが途切れて無理矢理頭を叩き付けられたグレイシア。
そんな彼女を今だに叩き付けた状態で見下ろす悟旦。
「悟旦っ!?」
「お兄ちゃん!!」
ピッコロと悟飯はグレイシアと同様に突然と現れた悟旦に驚愕する。
「あれが悟旦君!?どうしたのあのワイルドは髪色……!?」
ブルマは金髪に碧眼の姿となった悟旦に驚愕し、困惑していた。
「フフフ……!随分と早いのですね」
グレイシアが興奮冷めない表情を浮かべながらも獰猛な瞳が悟旦をジッと見抜いていた。
「テメェは俺が倒す!」
二人から放たれた覇王色の覇気がこの場を覆った。
──────────────────────────────ー
俺達の覇王色の覇気がこの場に衝突し続ける。弾ける様に叩き付けられたグレイシアが押しのけて上空へと飛翔していく。
そんなグレイシアを追って一瞬で移動して、互いに獣染みた動きと身体能力をもって戦闘を繰り返した。
俺の攻撃に次々に身体を壊されていくグレイシアは一瞬の隙を付けられて、右腕を掴まれた。
重力操作を行ない、右腕以外に百倍以上の重力を掛けた上で振り回した。
グレイシアの身体は、何十倍にも何百倍にも上乗せされた重力化に置かれている。重力化にない右腕で何度も何度も振り回され続けたことで、彼女の右腕は限界を超えていき、ミシミシッと筋肉に嫌な音が悲鳴となってグレイシアの身体が壊されていく。
激痛を感じながら、グレイシアは唯々振り回されることしか出来ずにいた。
そんなグレイシアの右腕を“日撃五指„で握り潰し、引き千切ったと同時に、彼女の顔に“覇砕空„を叩き込んだ。
“日撃五指„でグシャリと握り潰され、引き千切られた痛みも感じながら、顔に叩き込まれた空間すらも砕く覇気の拳が彼女の顔面や内部にまで強く強く震動を与えた。
「ゴハッ……ゴホッ……!」
吐血しながらも身体の中になくなった空気を取り入れようと過呼吸をしてでも取り込んでいくグレイシア。
そんなグレイシアへとゆっくりと地面に降り立つ悟旦は一切の隙もするさず、一挙手一投足を警戒していた。
「とどめだ、グレイシア。今のお前には“覇王手„すら維持できない。つまり、テメェの限界だ」
「あら……寂しいことを言いますのね。まだ……終わっては……いませんわよっ!!!」
グレイシアは大気圏内にまで上昇していった。
そして膨大な気がグレイシアから溢れていた。
膨大な気が黒雲を作りだしては、覇気を纏う巨大な炎を纏う満月状の気功弾が生み出された。
“
しかし、悟旦は既に攻撃の準備を終えていた。
“超魔閃光„
“魔閃光„の強化版たる気功波を放った。
まるで太陽の陽光を思わせるほどの大火力が天へと昇り、満月状の気功弾と衝突した。
二つの攻撃が衝突すると、覇王色の覇気が溢れ出しては地球の表面をなぞる様に赤黒い稲妻が落ちていく。
「くぅ……」
「消え失せろ……グレイシアッ!!!」
俺は更に気と覇気を増大させてグレイシアの気功弾ごとグレイシアを呑み込んだ。
“超魔閃光„に呑まれた気功弾がグレイシアに衝突したと同時に超新星のように爆発を起こした。
爆発によってグレイシアは身体の大半を吹き飛ばされていた。
「……ぅ……ぅう……こんな……」
グレイシアは薄れ征く意識をどうにかして維持しているが、残っている肉体に頭部の形をした影が映った。影に気付いたグレイシアは無理をして視線を背後へと向けると、彼女の心は絶望に染まった。
彼女の目に映るのは眩い光と万物を灰燼に帰すほどの熱量を起こし続ける恒星──────太陽だった。
「うそ……まだよ……私は……」
左手を遠退いていく地球へと伸ばすものの掴めることはなく、太陽へと近づいていく彼女の肉体が膨大な熱量を前に塵となって消えていった。