悟飯と一緒にピッコロさんに鍛えられてから一年が過ぎた頃。突如として昼間なのに夜になった。
「ひ……昼間なのに……!」
「急に暗くなるなんて……」
「(いよいよ孫悟空がよみがえるか……ということはサイヤ人は思ったより早く来る……!?)」
夜のように暗くなっていた空が急に明るくなった頃だった。
突如として強い気を感じ取った。
「「「!!」」」
「と……とうとうきやがったか……!!」
「ものすごい気だね……」
そう話していると、強い気を感じた場所から強烈な光が起きて、突風が生じた。
「なっなんだっ!?やっやつら、なにをやりやがった!!!!」
「光が出てる場所の小さな気が大量に消えたっ!!たぶん降り立った場所を破壊したんだ!!!」
サイヤ人は命をなんだと思ってるんだ!!
そう思っていると、二つのサイヤ人の気が俺達の方へと向かってくる。
「来る……!!奴らはここにくるつもりだ」
「「はい!」」
「恐れることはない……俺達は一年前とは比べもんにならんほど強くなった……特に悟旦。お前は戦士としては天才だ。この俺すらも超えている冷静にやれば勝てる筈だ」
「「は……はい!」」
ラディッツ以来の強力な敵の出現と初戦であることから緊張している俺達にそう言ってくれるピッコロさん。
修行期間で悟飯とも思っていたけど、やっぱり父さんが倒した後のピッコロさんは昔のピッコロさんと違って優しい。
そう思っていると、二つの強力な気とはちがって、別の気が三方向からやってきているのを感じ取った。
一つはどこかで出会ったような気がする……どこで出会ったんだ?
そう思っているとその出会ったと思う人物が俺達の元に降り立った。
この人って確か……
「やあ!ひさしぶりだな、ピッコロ……」
「なんだ、きさまか……ふっふっふ……ここにいったいなんの用だ?邪魔者にでもなりにきたのか!?」
「そういうなよ……これでも少しは腕を上げたんだからさあ」
「そのようだな……他にもここに来ようとしている馬鹿がいるようだが……?」
「ああ。きっとみんなくる。俺が一番此処の近くにいたんだ」
そう話しているピッコロさんと坊主頭の人。
「思い出した!亀仙人さまのところにいた人……」
悟飯がやってきた人を思い出してそう言った。
そうだ!あの時武天老師様と一緒にいた父さんと同じ道着を着ている人だ。
「ああ!クリリンだ。お前達ずいぶん逞しくなったな!悟空のガキの頃みたいだぜ!」
「おしゃべりはそこまでた。きたぞ!!」
ピッコロさんがそう言って上空を見ていた。そこには二人のラディッツに似た服装をした存在がいた。
一人は黒髪の小柄な男。もう一人は坊主頭にヒゲ面の男だった。
小柄の男は坊主頭より強いな。
坊主頭の方はなんとか成りそうな気がする。
その二人が俺達の前に降り立った。
「なるほど。お待ちかねだったようだな……」
「そういうことだ……念の為に聴くが貴様等……ここに一体何しに来やがった……!」
「その声……そうか。ラディッツを倒したのはきさまだな?」
黒髪の男がピッコロさんの声を聴いてそう告げた。妙な事を言うものだから話しを聴くと、どうやら二人が左目と耳に付けているメカを通してピッコロさんの声を聴いていたようだ。
「あいつ。ナメック星人だぜ……」
「そのようだな。ラディッツがやられてもそれほど不思議じゃなかったわけか……」
「…………ナメック星人……?」
「……ピッコロ。お……おまえも宇宙人だったのか……!?ど……どおりで……」
「そ、そうなの?ピッコロさん」
どうやらピッコロさんも宇宙人だったようだ。
ピッコロさん自身は宇宙人であることヲ知らなかったようだが……
「わかったぞ!!ナメック星人は並外れた戦闘力のほかにもふしぎな能力を持っているらしい……!魔法使いの様なことができるヤツもいると聴いた事がある……ドラゴンボールとかいうやつを作ったのは貴様だろ……!!」
「へっ……ありがとうよ。お陰で俺様の祖先のことがなんとなくわかってきたぜ……だが、残念だったな……ドラゴンボールを作ったのは、この俺様じゃない。俺は戦いの方が専門なんでな!!」
そう言ってピッコロさんが構えた事で、俺も構えた。
「ドラゴンボールのことなど教えるもんかって感じだな……いいだろう。力ずくでも言わせてやる……」
「やれるもんならやってみろ。そこのハゲなら俺でも勝てるぞ」
偉そうにほざく黒髪のサイヤ人に俺はそう言った。
その言葉にしゃくに障ったのか、坊主頭のサイヤ人が額に青筋を立てていた。
「なんだと……たかが2050程度の戦闘力で俺達にはむかうつもりか……!?」
「油断するなナッパ。スカウターなど意味は成さん」
「なに?」
「コイツらは戦いに応じて戦闘力を変化させるんだ。こんな数字はもう当てにはならん」
あの黒髪のサイヤ人に関しては頭もいいみたいだな。
「そういやそうだったぜ……弱虫ラディッツの馬鹿はスカウターの数字に油断してやられやがったようなもんだったからな」
「そうだ。ちょっとコイツらのおてなみを拝見させもらうか。きっとドラゴンボールのことも喋る気になるだろうぜ……おいナッパ。栽培マンが後7粒ほどあっただろ。だしてやれ」
「へっへっへ……お遊びが好きだな、ベジータも……」
そう笑いながらナッパと呼ばれたサイヤ人がポケットからビンを取りだした。
そこから7粒の種を取り出しては土に埋めては水やりした。
すると、ボコボコと埋められた箇所から何かが出てきた。その存在は黄緑色の植物みたいな化物が現れた。
「ひえ~~~!き……気味の悪い奴らだな……!」
「標的は4人だ。痛めつけてやれ、栽培マン」
そんな事をナッパが言っていると、俺達の後方から三人見覚えのない人達が集まった。
一人は右胸に切り傷を持ち、額に第三の眼を持つ坊主頭の男の人と、中華風の帽子を被ったクリリンさんと似通った背丈で赤いまん丸の頬をした少年と、クリリンさんと同じ道着を着ていて、左頬に二つの切り傷を持つロングヘアーの男性がやってきた。
「よう!おそくなったな」
「天津飯!!
クリリンさんの知り合いみたいだな。
「7匹か。おもしろい!ちょうど栽培マンと同じ数……どうだ!!きさまら、こっちの兵と一匹ずつ順に競ってみんか!!ゲームだ!」
「くだらない!お前ら悪人のゲームに付き合う必要もないし、そんな雑魚でゲームになんてならねぇだろ」
「さっきといい、カカロットのガキが随分と偉そうだな」
「事実を言っただけだろ」
俺が偉そうに言っていることに癇にさわったのかサイヤ人二人は青筋を立てていた。
「そんなに言うなら栽培マンに勝ってから言うんだな」
そう言ってナッパが栽培マンに指示を出して俺に攻撃を仕掛けてきた。
「ご、悟旦!?」
俺が負けると思ってかクリリンさんが叫びながらも助けようとしてきたけど、ピッコロさんが止めた。
「止めろ!悟旦なら問題ない!」
「け、けどよぉ……」
そう言い争っている間に俺は栽培マンを睨み付けた。すると俺から威圧感が放たれてこの場を包んだ。ナッパやベジータの腕が少々震えた。
包まれていた威圧感が消えると、襲ってきた栽培マンが目を真っ白に剥き、意識を落として地に伏せた。
「……っ!?」
「な、何が起きたんだ……?」
「何もしてないよな?」
「あ、あぁ……」
俺の行なった事が理解出来ていないクリリンさん達は困惑しているが、ベジータと呼ばれたサイヤ人がその正体に気付いた。
「な、何をしやがったんだ……あのガキ……!?」
「ほう。威嚇だけで栽培マンを気絶させたな」
「はぁ!?そんな事があるのか、ベジータ!!あのガキは下級戦士のカカロットのガキだぞ!」
ナッパは納得出来なかったのかベジータに反論しているが、ベジータの言った通りの事をしたので、否定などできないんだが…………
「ご、悟旦……!いったいなにしたんだ?」
クリリンさんもナッパと同様に理解出来なかったみたいで訪ねてきた。
「ただ威嚇しただけですよ」
「はあぁ!?」
クリリンさんは大変驚いていた。
「嘘だろっ!?威嚇で気を失わせるなんて……」
「そんなことがありえるのか……!?」
「そんな馬鹿な……!?」
クリリンさんを初めとした天津飯さんや餃子さんにヤムチャさんも驚いた表情で俺を見てくる。
「お兄ちゃん、凄い」
「流石だな。悟旦」
しかし、俺と修行していた悟飯とピッコロさんはこの結果を把握していた。
「ふん。カカロットのガキにしてはかなり強いようだな」
「ベジータ。俺にやらせてくれ!一瞬で7人まとめてかたづけてみせるぜ」
「いや、あのガキは俺が相手をする」
さっきから色々と癇にさわる発言をしてくる俺に対して、ナッパは叩き潰したい様子だったがベジータに止められた。
ベジータだけは俺の力がナッパを超えている事に気付いてるんだ。
ナッパは俺なら倒せるが、ベジータ相手にどこまで通用するかわからねぇ。
どうするか……
そう悩んでいると、ナッパがベジータに異議を申し立てていた。
「待ってくれベジータ!俺にあのガキをやらせてくれ!!」
「口説いぞナッパ!そんなにあのガキに殺されたいのか?」
ナッパはどうしても俺を殺したいようだが、ベジータはそれを許さなかった。
「代わりに雑魚6人は好きにしろ」
「……わかったよ」
渋々だがナッパは俺以外の6人を殺す事を承諾した。
「……ピッコロさん。俺はあの黒髪野郎を相手にすることになります」
「あぁ。気をつけろよ」
「はい。悟飯……気をつけろよ」
「う、うん……」
ピッコロさんの許可を取って、俺は悟飯達から離れた。
そんな俺の動きにベジータは口元に笑みを浮かべた。
「フッ!覚悟はできたようだな……その前に……」
ベジータは俺と戦う前に気絶した栽培マンを粉微塵に殺害した。
その行動にナッパも驚いていた。
「ベジータ。なにを……」
「アイツらはガキ一人の威圧で気絶したんだ。これ以上は邪魔なだけだ」
残酷なベジータに不愉快な気分になりながらも、俺達とサイヤ人二人の戦いが始まろうとしていた。