評価や感想ありがとうございます。今回はそこまで長くないですはい
殺った。完全に不意を突いた。
が銃身を逸らされ避けられる。
すぐさま脇腹に蹴りを繰り出すが、長刀で止められ腹に鋭い蹴りが打ち込まれてしまう。
なんとか後ろに飛び威力を殺すが、それでも腹に鈍い痛みが走る。
空中で体勢を直しすぐさま3回発砲する。
だが全て軽い身のこなしで避けられてしまった。
「クソッ......!」
強い。ヘイローも無い大人だからと油断した。
改めて相手の姿を確認する。
高身長で紫色の長髪。隙の無い立ち姿でこちらを見つめていたが、驚いたように目を見開くとボソッと呟いた。
「小鳥遊ホシノ...?」
どうやら私のことも把握済みらしい。
戦闘データまで知られていると思った方が良さそうだ。今までのスタイルでは対応されてしまうだろう。何か不意をつかないと...。
ショットガンをリロードしながら頭の中で攻め方を組み立てていると、向こうが困惑したように私に声をかける。
「待て...。何か勘違いをしていないか?」
「少なくとも私には貴方と戦う理由が
「うるさい!!!!!!!!」...」
大人の言葉に耳は貸さない。言葉巧みにこちらを騙そうとしてくるのが大人だ。私は....
「私は、お前を殺す。ただそれだけだ。」
それ以外何も必要ない。銃を構え、殺意をぶつける。
向こうは1つため息をついたあと、
「どうやら......少し、頭を冷やしてもらうしか無いようだ。」
そう呟き、長刀を構えた。
ショットガンを構える小鳥遊ホシノに長刀を構える。
恐らく致命的な勘違いが起きている。だが小鳥遊ホシノはこちらの言葉を一切聞かないつもりだ。
梔子ユメには申し訳ないが、少し冷静になってもらうしかないようだ。
小鳥遊ホシノが姿勢を低くし発砲しながらこちらへと突っ込んできた。
(速い...。先程の蹴りも中々に鋭いものだった。油断しているとこちらが狩られるな...。)
そう思いながら弾を回避し、彼女を迎え撃とうとする。
長刀の範囲に入るか否かの辺りで彼女は懐から何かを放り投げた。
それがスタングレネードと認識すると同時に激しい光と音が炸裂する。
「ッ...!」
銃弾はフェイクで、このスタングレネードが本命なのだろう。
視界がやられ、音も聞こえない。が
「そこだ。」
気配を感じ、長刀を振り上げる。
ショットガンに当たり、彼女の体勢が崩れる。
すかさず胴体に長刀を振るう。
まともに入った。彼女の身体が吹き飛ぶ。がまだ足りない。
並の相手の場合、今ので決着がついていたが...小鳥遊ホシノはやはり相当な実力者のようだ。
少しずつ回復してきている視力と聴力。だが油断しないよう、吹き飛んだ彼女の方へと走った。
吹っ飛ばされた私は息を整えるため空き家の中で壁を背に座り込んでいた。
あまりの理不尽に悪態が出る。
「化け物めッ!!」
スタングレネードをまともに喰らったのに気配だけで私を察知し、反撃された。
弄ばれている。鞘から抜かれていない長刀がその証拠だ。
とても悔しい....が、チャンスだ。まだ相手は自分のことを圧倒的に格下だと油断している。
その油断が命取りになることを教えてやる。
ユメ先輩を殺したことを...あの世で後悔しろ。
ある程度落ち着いた頃、私が居る空き家に誰かが侵入してきた。恐らくあの大人だろう。
足音を立てず壁伝いに移動し扉の横でショットガンを構え、手榴弾を握る。そんな私とは正反対に空き家に響く足音はゆっくりと扉に向かってきた。
(さぁ...いつでも来い!)
次の瞬間、私が寄りかかっていた壁に一筋線が走る。壁が崩れ、あの女が姿を現す。
(鞘に収めたまま壁を斬った!?)
驚きを隠せないまま、だが冷静に手榴弾のピンを引き抜き、相手に抱きつこうとする。
私たちキヴォトス人は手榴弾は確かに痛いがそこまでダメージはなく、逆に向こうは手榴弾1つでその身体を爆発四散できる。
抱きつく前に、長刀を目にも止まらぬ速さで手榴弾を持つ腕に一閃される。
血が吹き出し、手榴弾ごとホシノの腕が床に落ちていく。
(斬られたッ!!!!)
否、斬られて等無かった。
あまりにも鋭い気迫により、勝手に斬られたと錯覚してしまったのだ。
力が抜け、手から手榴弾が溢れ落ちる。
その手榴弾を女は空中で掴み取り、ホシノの後方に放り投げた。
ホシノの後ろで爆発が起き、爆風で身体が前に飛ばされる。
女は長刀でホシノの喉を突いた。
「ガハッ!!」
呼吸が出来ない。意識が朦朧とするが、腹への一撃はなんとかショットガンで防ぐ。
そのままぶっ飛ばされ、窓を割り外の塀にぶつかる。
一瞬意識が飛かけるが、すぐに持ち直し、すぐあの大人を探す。が見当たらない。
(マズイッ....!!!)
ホシノの第六感が今までにないほど警鐘を鳴らしている。
すぐさまホシノは、今あの大人が居たら1番不味い場所、自分がもたれかかっている塀の上へとノールックでショットガンを放つ。
「なっ...!」
流石に油断していたのか驚いたような声をあげる。
振り返ると無理に避けた結果、体勢を崩し外側へと落ちていくのが見えた。
(千載一遇のチャンス!ここを逃せば恐らく私に勝ち目は無い...!)
自分の状態から見てこれが最後のチャンスだろうと見ると、力を振り絞り塀へと飛び乗りショットガンを構える。
あの女は空中で立て直し着地する所だった。
その女の手は長刀へと伸びており、抜刀の構えをとっている。
時間が延びる感覚。全ての景色がスローモーションになり、意識だけがその先へと進む。
(来る!!目を離すな!瞬きも許されない!見誤ったら...死ぬ!!!!)
女が地面へと足をつけ、ホシノが引き金を引く。
その瞬間
「ホシノちゃん!!!!!!!」
もう2度と聞けないと、聞くことが叶わないと思っていた戦場に声が響き渡る。
思わず声がした方を見ると、確かに死んだはずのユメ先輩が立っていた。
「あ......うぇ.....?ユメ......先輩.....?」
女はその隙を見逃さず、鞘を抜こうとした手を離しホシノの横腹へと長刀を振り抜く。
そのまま地面に叩きつけるとホシノの上に乗り、顔を近づける。
「落ち着くんだ。小鳥遊ホシノ。」
「梔子ユメは死んでいない。」
「私も、貴方も。誰も梔子ユメを殺してなどいない。」
「...........。」
静寂がその場を包む。
私は今聞いて見た光景が信じられず、首を動かしもう1度ユメ先輩の方を見る。
心配そうに、あたふたしているユメ先輩。
幻覚じゃ.......ない.......?
女がゆっくりと私の上から降りる。
すぐさまユメ先輩が駆け寄り、私の事を抱き締めた。
「ごめんね...!ホシノちゃん....!私、心配かけちゃったよね...。」
「頼りない先輩で....ごめんなさい。」
「ユメ......先輩......。」
「わ、私、あのと、き.....ひど、いこといって」
涙で視界が歪む。謝らないといけないのに、声が上手く出ない。
「ううん、ホシノちゃんのせいじゃないよ。」
「私ね、ホシノちゃんに何も残せてなくて....それで勝手に焦っちゃったの...。ごめんね....ごめん......。」
ユメ先輩が泣きながら謝ってる。
何も残せていないなんて、そんなこと....
「そんなこと!!!言わないでください!!!」
「私はユメ先輩の明るさに救われたんです!」
「アビドス復興を絶対に諦めないその心に動かされたんです!!!」
「あなたの語る綺麗事で!!私は希望を持てたんです!!!!!」
「私は!!!!私、は....!」
恥ずかしくて.....ずっと言えなかったこと....
でももう....隠したりしない。
「ユメ先輩が....大好きです....!!」
「ユメ先輩のおっちょこちょいなところも...とっても優しいところも...全部!好きです!!」
「ごめんなさい...!私...ユメ先輩に酷い事言っちゃって.....」
「でも....生きててよかった....本当によかったぁ....」
私たちはお互いに抱きしめ合いながら泣き叫んだ。
いつの間にかあの女は居なくなっており、朝日が昇るアビドスに2人の泣き声がこだまする。
悲しみではなく、喜びの涙で溢れていた。
なんか早くかけたので...
どっかで失踪するかもしれない()