「外から一気にオグリキャップ!オグリキャップだぁあー!!」
最後の直線…ここまで我慢してきた分、脚には充分な"溜め"がある
まるでここがスタートだと思えるほどに!
「オグリキャップもの凄い勢い!!先頭からは4バ身!ここから差しきれるかぁ!?」
マルゼン「これは…本当にあるかもしれないわね…」
ルドルフ「あぁ…どちらか…或いは…」
タマ(来おったな…ラスト400mに聳える高低差2mの坂!…まぁウチには関係あらへんけどな!!ウチの脚は止まらへん…!止まれへんのや!!)
「ここで遂にタマモクロスが先頭へ立ったぁああー!!」
タマ(ウチと怪物の末脚はおそらく互角!この位置なら奴のスパートにも反応できる…おかげさんて2番手からでも十分…いや十二分に溜めを以て直線に臨めとる!!)
…ここでかけるしかない…!
タマ(ならあとやる事は一つや…!残ったモン全部ブチ込んで更に追い込む!!)
…追いついた…
タマ「!」ゾクッ!
「オ…オグリキャップ!!?残り200m!オグリキャップ猛烈な追い上げ!やはり最後は芦毛対決だ!!」
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竜生(この兄弟喧嘩にケリつけてやる!)
「3バ身…いや2バ身!タマモクロスに並ぶか!?」
永輝「まだ逃げるか…」
葵「徹底的にキープされてる」
ベルノ「でも、今は1バ身位に」
いや、
竜生「何か来る」
こういう時の俺の勘は嫌な程にあたる
タマ(ゴールまでが…遠い…!これが「限界」なんか…?いや…まだや…誰にも負けないくらい強くなって…日本一のウマ娘になるんだ!)
竜生「俺はそれを見た事がある…」
永輝「それって」
葵「でもあれって」
タマ「約束したやんな…強くなるって…家族に…かっこいいとこ見せたるって…」
タマ「日本一になるって!!!」
ルドルフ「ようこそタマモクロス"
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「タマモクロスここに来て加速!!残り100m!オグリキャップを突き放す!!」
何だ…?あれは…?
タマ(風の音も脚音も歓声も何も聴こえへん…まるで世界がうち1人になったような…)
ベルノ「オグリちゃん!」
私は…まだ…
竜生「クソッ…今回は虎生の勝ちだ」
ベルノ「そんなのまだ…」
竜生「もうオグリは限界を超えているんだよ…その証拠に」
まだ…まだ…!!
あれ…視界が…
竜生「まっすぐに走れていない。これが最強…白い稲妻タマモクロス」
私は、こっちに来て初めて負けを知った
何が足りなかった?脚力?持久力?先手必勝の戦略か?
それとも…
タマ「おつかれさん…おっ!?」
勝利への渇望か…
タマ「…しかしまたやな…いつもアンタが切っ掛けでウチは強くなる…」
オグリ「?」
タマ「こっちの話や…まぁウチにとってアンタは"
ライバルか…
タマ「さーて…ほな行こか!ウイニングライブもあることやし」
オグリ「タマ」
タマ「タマて…ウチは猫とちゃうぞ」
オグリ「一つ…頼みがある」
タマ「頼みぃ?…!奇遇やなうちもあんねん」
オグリ タマ「また走ろう!」
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虎生「どんな気分だ?竜生?」
竜生「面見せんな…」
俺は経験してるとはいえ敗北ばかりは慣れなかった
虎生「それだから、ウマ娘の一人も守れないんだよ」
俺にとってのトラウマ…
竜生「今…なんて言った…」
虎生「ウマ娘の一人も守れない」
竜生「っ!お前に何が分かる!見てもない癖に!あいつのことも分からないくせに!」
俺は、悔しさや怒りが全て出てしまった
オグリ「騙馬…」
竜生「オグリ…後で話したいことがある…」
俺は、オグリの頭に手を置いてからレース場を後にした
オグリはよくやったという意味を込めて
そして心には…
次回
オグリ「そんな…」
竜生「これが俺の過去についてだ」
第12話 分けて背負いたいもの
オグリ「私も…前に進む」