「世間はクリスマスですが我々にとっては世紀の大決戦!雲の間から光が射しターフとウマ娘を照らします!」
そう今日は…
「本日のメインレースGI『有馬記念』!!いよいよ出走です!!」
ノルン「うっわ人多…」
ミニー「つぶれる…」
北原「はぐれんなよー」
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竜生「おい、ベルノ」
ベルノ「」プクー
竜生「ハムスターみたいになってるが」
ベルノ「どうせ私は三流ウマ娘ですよ」
竜生「お…おぉう?何だ急に?」
ベルノ「だってオグリちゃん、私があれだけ苦労した坂の走り方、一瞬でマスターしちゃうんですもん!!」
竜生「まぁな、流石に俺もビビったがそれだけノートが分かりやすかったって事だ」
俺が教えるよりか同じウマ娘であるベルノがオグリのフォームに合わせた坂の走法を身を以て研究してくれた
竜生「それだけでも大したモンだと思うが?」
ベルノ「え…そ、そ~…ですか…?」
竜生(チョロい…)
竜生「ま、泣いても笑ってもタマモクロスとの対決はこれが最後…踏ん張れよオグリ」
それは、俺と虎生の最後でもある
タマ「えーぇ眺めや…」
虎生「…」
タマ「GI3連勝に天皇賞春秋連覇…我ながらなかなかのモンやと思うわ…ここまで来れたんも虎ちゃんのおかげや」
虎生「……」
タマ「今日勝って日本の天辺に堂々と立つ、ようやっとここまで辿り着けた」
虎生「」
タマ「ありがとうな虎ちゃん」
虎生「ああ、さぁ最後のレース勝ってこい」
「有馬記念出走の13人が本バ場に登場です!」
ディクタストライカ、スーパークリークと登場し
竜生「来るか、」
「さぁ登場しました!!名実共にナンバーワン!これがトゥインクル・シリーズ最後となる日本最強の白い稲妻!!タマモクロス!」
ワァアアアア!
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カツーン…カツーン…
タマが出ただけですごい歓声だ
オグリ「!」
ルドルフ「暫く振りだなオグリキャップ」
オグリ「ルドルフ…」
ルドルフ「…正直驚いている、確かに君には期待していたが…まさかこれ程まで早く第一線へ上り詰めるとはな」
ルドルフ「以前君を見縊った発言があった事…ここに詫びさせてほしい…すまなかった…」
オグリ「…ダービー、色々動いてくれたと聞いた」
ルドルフ「!」
オグリ「えっと…こういう時は…かたじけない」ペコ
ルドルフ「…」
私はカサマツを離れるか悩んでいた
でも、こっちで沢山のレースを走って
ここでしかできない経験ができて
何人ものライバルと出会えた
オグリ「キミのおかげだ、中央に呼んでくれてありがとうルドルフ」
ルドルフ「フッ、」スッ
オグリ「!」
ルドルフ「Take it easy !楽しんでいこうオグリキャップ!」パン
「現れました芦毛の怪物!今度こそGI初勝利なるか!?オグリキャップ!!」
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【別の場所にて】
アルダン「いよいよですね…」
チヨ「…脚が完全に治っていれば私も…」
アルダン「「あそこにいたのに」…ですか?まぁお気持ちはわかります」
ヤエノ「「過去を悔やまず未来を憂えず」…という言葉があります」
我々はまだ発展途上のウマ娘
今年より来年…来年より再来年と強くなる
ヤエノ「宣言します…私は来年この中山に立つ」
ヤエノ「その時はご一緒にいかがですか?」
アルダン「それは楽しみですね」
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「グランプリレースGI有馬記念のファンファーレが鳴り響きます!13人のウマ娘がゲートへ入ります!」
ディクタ「はっ流石はグランプリレースってか、オレ達が特別目立っちゃいるが他のメンバーももれなくバケモンだな」
ディクタ(こんな強ぇ奴等と走れるなんて
「さぁウマ娘達が続々とゲートイン!」
タマ「……「ザッ」…!…」
オグリ「……本当に…最後なんだな」
タマ「やかましいなぁ、何回言わせんねん…」
オグリ「…タマは私の目標だった、私より先にいて速くて強い…そして私と同じくらい走るのが好きで…」
タマ「何が言いたいねん…ッ!ウチに二言はない!!これで終いにする!ウチが有馬で勝って日本一を証明する!!それだけや!!」
オグリ「勝つのは私だ!!目標にするのももうやめだ!今日ここでキミを超える!!」
タマ「…それでええねん…
「タマモクロスがゲートに入ります!」
オグリ「……………スー……」ブルルン!
「オグリキャップもゲートに入りました!13人がゲートに入り態勢完了!」
「12月25日中山レース場 GI 有馬記念 」
ガシャ!
「スタートしました!おっとディクタストライカ出遅れた!」
ディクタ「チッ…!」
小内「!」
先頭はロードロイヤルか…オグリは…
竜生「いつもより前の方だな」
ベルノ「そうですね今は…6番手です!」
オグリ「………」
竜生(走りたいと思った位置にいけ、「自分らしく」な)
オグリ(自分らしく…)
ベルノ「周りと距離を保ちつつ風避けにもなる…良い位置ですね!」
竜生「ああ、オグリはゴチャゴチャ考えず今は持ち前の勘の良さと本能に任せた方が良いんだ」
さぁ、1周目の中山の急坂だ…
オグリ(ベルノに教えてもらった中山の坂の登り方…短い歩幅で低い位置で腕のリズムをとる)
ドドドドド
オグリ(…うん走り易い、ベルノはすごいな)
ベルノ「実践してくれてる…!」
竜生「良かったな」
ベルノ「はい!」
第1コーナーを曲がって後ろから2番手にディクタストライカ
最後方にタマモクロス
どう出てくる気だ
ディクタ「…クソ…ッ」(スタートの時勢い余ってゲートにぶつかっちまった…ッまだ少し痛ぇが…まぁいい)
ディクタ(中山はカーブのおかげで息を入れやすいつまりオレでも充分勝負はできる!だからあの程度の出遅れは大した…?なんだ?…血…!?)
ガタッ!
竜生「ベルノすまん!」
ベルノ「え?」
竜生「小内のところに行ってくる!」
ベルノ「わかりました!」
ディクタ「チッ…」(思ったより強くぶつけてたか…けど今のところレースに影響は無ぇ!このまま行く…ッ!)
竜生「小内!」
小内「竜生さん、」
竜生「小内、ディクタをあのまま走らせるのか」
小内「ええ、」
竜生「危険だ!今すぐ…」
小内「」
竜生「わかったよ、お前がやるってのならそれでいい」
集団は向こう正面を走っていた
ディクタ(落ち着け…まずは情報整理だ…)
先頭はロードロイヤル
7番手のオグリは…外へ出たか
クリークはその後ろ
タマモクロスはオレのすぐ前…
ディクタ(行くか…今ここで…!いや焦るな!これは2500m!タイミングをミスったら…)
タマ「ヌルいなぁ」
ズン!
ゆっくり走って体力温存?勝負所は最終コーナー?
ヌル過ぎる!
タマ「分かっとんのか?アンタらが闘うてんのは」
タマ「
「な…なんと!!タマモクロス最終コーナーを待たず向こう正面から一気にスパート!!」
ディクタ「な…ッ!!」
クリーク「…!!」
ガバッ
ルドルフ「これは…!!」
タマ「オグリンええ所おるやん、待っときや1ハロン…いや」
タマ「10秒で充分や…10…9…」
「大外からタマモクロスの凄い脚!!1人…また1人と交わしていきます!!」
ルディ「ハァー!!?」
ノルン「なにあの速さ!?」
ルドルフ「研ぎ澄まされている…!意識的に制御しているのか…!?」
タマ「8…」
竜生「今年最強のウマ娘達が怯えている…」
小内「それ程までに「違う」のですよタマモクロスは…」
タマ「7…6…」(止まっとるように視える…)
"領域"とはよぉ云うたモンやな
今ここはウチだけが動いとる
ウチだけの"
クリーク「…ッ!」ゾワッ!
全身の血の気が失せていく…!
ピッタリと背後に張り付かれているような強烈な気配!
これが…『白い稲妻』…!!
文乃「…」グッ
タマ「…5…」
「第3コーナーから第4コーナーへ!タマモクロスの勢いは止まらない!」
オグリ「…ッ!」
オグリ(今までのレースはタマを後ろから視てきたが初めて体感する背後からの…圧!!タマモクロスに追われるというプレッシャー)
気配が強くなってきた、どこから来る…?内か?外か?
虎生「行け!タマぁあー!!」
オグリ「」ゾクッ!
タマ「0」
タマ「さぁ!!ウチとやろーや!!オグリキャップ!!」
「第4コーナーを回った!最後の直線!オグリキャップとタマモクロスが競り合う!!その後ろにスーパークリークも来ている!!」
クリーク(トレーナーさん…私…勝ちたいです…勝ちたいんです!)
文乃(必ず隙ができる、その隙を突くことができればこのレースは君のモノだ)
クリーク「見つけた…ここです!」ザッ!
文乃「!」
ロードロイヤルが失速してきている
オグリが先頭に立つこともできる
だが、タマモクロスが追い込んできている
ノルン ルディ「オグリィイイイイ!!!」
この状態のタマモクロスに唯一抗えたのはオベイユアマスターだけだ
竜生「マズイぞオグリ…」
「内オグリキャップ 外タマモクロスの一騎打ち!!タマモクロスがやや脚勢有利か…」
ザワッ
竜生「なんだ…!」
ディクタ「白い稲妻がまさかこれ程たぁな、ちょーっと面喰らっちまったけどおかげで息は入った、お前が作ったルート使わせてもらうぜ」
竜生「ここできたか、でもあのままだと」
小内「」
ディクタ「お前の言う通りだよタマモクロス!悪いな!確かにヌル過ぎた!!こっからは最大火力だ、本物の最強決めようぜ!」
オグリ「!」ピシッ
――――――――――――――――――――――――――――――――
オグリ母「これでよし!…!」
「さぁ先頭集団第4コーナーを回って最終直線!残り200m!」
オグリ「」
オグリ母「……」
オグリ「おかあさん、わたしもあんなふうに…はしれるようになるかな…?」
オグリ母「大丈夫、今は少し準備しているだけ、すぐに走れるようになるよ、あなたは私の子だもの、だから大丈夫、絶対走れるようになるよ」
―――――――――――――――――――――――――――――
竜生「タマモクロスにディクタ、内からクリークか、」
それにオグリは限界に近いはず
「並んだ!!ついにタマモクロスがオグリキャップを捕えた!!」
タマ(まったく…大したモンや第4コーナーからずっと追い抜くつもりで仕掛けてんのにまだ粘りよる、地方で見た時からコイツとはいつか闘うことになるって、いつかきっと…ウチの
タマ「けどそれもこれで終いや!!オグリキャップ!!!」
オグリ「ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…」ドクン
オグリ(生まれた時から脚が悪かった…立って歩く…それだけでも奇跡だった…そんな私が…今…)
オグリ「もっと…」
ピキッ
タマ「!」
オグリ(お母さんのおかげで走れるようになった)
オグリ(カサマツのみんなのおがげで走る楽しさを知った)
オグリ(中央のみんな…そしてタマのおかげでここまで来れた)
ビキッ!
オグリ("答え"を見つけられた)
ベルノ(なんでそんなに走るの?)
マーチ(貴様は何の為に走っている?)
ディクタ(お前が戦うべき相手は誰だ!?)
オグリ(そうだ…私が戦うべきなのは誰でもない私自身だ!だって私は…)
パリィン!
オグリ(走る為に生まれてきたのだから!)
ズン!…ゴッ!
「!!?」
ディクタ「ハハッあれがアイツの本当の姿か…!やっぱお前最高だよ…いいぜやっとお前と戦える!!!」
ガクン
ディクタ「…は?ウソだろ…?おい…動け…動けよ…オレの脚…!!フザけんな…こんなことってあるかよ…ッ!チクショウ…」
小内「よくやりました…」
クリーク「ハァ…ハァ…」(どうしてまだ脚は使えているのに…全力を出しているのに…なのにどうして…あの2人に…届く気が…)
文乃「………すまないクリーク」
「残り100m!先頭はオグリキャップだ!タマモクロスを寄せ付けない!火を噴くような
―――――――――――――――――――――――――――
ザクッザクッ
タマ(幼年期)「いやだぁああああ、ここに住みたいぃぃー!…!」
タマ母「あっちょっと…!」
オグリ「?」
タマ(幼年期)「なぁウチと走ろう」
タマ「なぁオグリ、おもろいなぁ…真剣勝負っちゅうんは」
オグリ「…ああ」
タマ「本音言うとなオグリンとやったらいつまでだって走ってたいんや…けどそれは叶わん…ごめんな」
オグリ「わかった」
タマ「くぅう~名残惜しいなぁ!もうゴールかいな!」
オグリ「タマは本当に走るのが好きなんだな」
タマ「はっそらお互い様やろ」
オグリ「…さて」
タマ「…ほな」
オグリ タマ「行こうか」
竜生「!まったく…有馬記念でアイツ等いい笑顔で走ってやがる」
「ゴォオール!オグリキャップやりました!遂に最強を退け有馬で初のGIタイトルを掴みました!」
オグリ「タマ…」
タマ「…おうオグリ、おめでとさん…そうかウチ敗けたんか…」
オグリ「レース前…目標にするのはやめたと言った…けど」
オグリ「撤回するやはりキミは強い…私にとってタマモクロスはこれからもずっと目標であり宿敵だ」
タマ「はっ、こっちのセリフやアホ」
そして私達は抱き合った…お互い涙を見せないように…
――――――――――――――――――――――――――――
【ウイニングライブ中】
竜生「…なんだよ虎生…」
虎生「おめでとう…完敗だ…」
竜生「散々負かしてよく言う」
虎生「タマが凄かっただけだ…」
虎生…
虎生「同じ舞台で弟と戦えた、それだけでも俺にとっては誇りだ」
竜生「俺も…"兄貴"と戦えて…誇りだよ…」
俺は、顔を見せないようにして言葉を紡いだ
オグリ「私は、私一人ではここまで来れなかった。私を支えてくれた仲間達、私と競ってくれた
オグリ「そして、皆が背を押してくれたからここまで来れた。走る理由を見つけられた。私を応援してくれた全ての人達のおかげだ」
オグリ「ありがとう」
次回
竜生 永輝「メリークリスマス!」
葵「いいからエビ焼け!エビ焼け!」
第19話 トレーナーだけのクリスマス