狼姫とその友人のヒーローアカデミア(仮)   作:少年少女を見守り隊

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やっとの更新…遅くてごめんなさい

それと新キャラのオリジナルプロヒーローが二人でます


英雄への道は一日にしてならず

 

そして個性把握テストを終えた次の日から、通常授業が始まった。

そしてそんな通常授業をするのもプロヒーロー達だ。

 

「翌日からもう通常授業って早いよな…」

 

「学生だけど、その前にヒーローの卵だから…ゆっくりする暇はないんじゃないかな」

 

まだ誰も居ない教室でケンとヴェナは話し合う

 

「そう言えば、実践訓練もあるみたいだね」

 

「…実践訓練な…まさか最初からプロヒーローと戦うなんて事にならないか?」

 

「…なるかもしれないね」

 

「真正面からの戦闘じゃ役に立たないんだよなぁ…」

 

そう言ってケンは溜息を吐く

 

「でも、そこを補えるのがケンの個性だよ、大丈夫」

 

そんなケンを微笑みながらヴェナは撫でる

 

暫くすれば、生徒達が続々と入って来る

 

「あ、ロウヴェナちゃんおはよー!こっちで話そ!」

 

「う、うん…」

 

ヴェナは女子生徒に呼ばれ、女子グループの中に入って行く

ケンはやっと同性の友達が出来た事に嬉しくなり、まだ慣れてないのか雰囲気に慣れずにソワソワしているヴェナを眺める。

 

「…良いよなぁ、女の園」

 

「眼福ってやつだな…」

 

そんなケンの側に、小さい男子生徒と金髪の男子生徒が居た。

 

「…所で二人は何故ここに?」

 

「俺は女の園を見ながら妄想する為だな!」

 

小さな男子生は自慢げに答え

 

「俺は眼福を得に来たぜ!」

 

金髪の生徒はそう言って笑顔で答えた

 

「そうか…」

 

そう言ってケンは机に突っ伏しようとするが

 

「なぁなぁ!お前の個性ってなんなんだ!?」

 

金髪の生徒の質問に阻まれる。

 

「そう言えば、二人の名前は?」

 

「…?自己紹介なら昨日しただろ?オイラは峰田 実(みねた みのる)。」

 

「俺は鳴上 電気(なるかみ でんき)!改めてよろしくな!」

 

「峰田さんに鳴上さんね、よろしく」

 

そう言って背筋を正して頭を下げるケンに、二人も習って頭を下げる

 

「それで僕の個性だけど、『複製』だよ。ありとあらゆる物を複製し、今の技術力じゃ実現しない物、ゲームやアニメや映画に出た物だって複製できる。ただし強力なモノにはそれ相応のデメリットと、僕自身には記憶障害はあるけどね」

 

「それなら人の複製もできるのか!?」

 

鳴上の言葉に、ケンは即座に否定した。

 

「無理だよ、人は複製できない。物じゃないんだから」

 

「じゃあアダルティなグッズの複製を…」

 

峰田の発言に、ケンはキッパリと答えた

 

「悪いけどそういうものは自力で買ってくれ」

 

「畜生…!」

 

悔しげに床で四つん這いになる峰田を横目に、ケンは机に突っ伏した。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして通常授業が始まった

英語は試験の説明を担当したプレゼントマイクだ。

 

「じゃ、次の英文のうち間違っているのは?」

 

(普通だ)

 

(くそつまんね)

 

(関係詞の場所が違うから.....4番!)

 

(何も分からないが4番だな)

 

(ケン、絶対勘でやってる…4番が正解)

 

 

その授業は普通そのもの、幾らヒーローの卵と言えどしっかりと高校生として授業はされる。

 

そして、午前中の授業が終わり昼食の時間となった。

 

「ロウヴェナちゃーん!一緒に学食行こ!」

 

ピンク髪の生徒に呼ばれ、ヴェナは頷くも

 

「…ケン、一緒に行こ」

 

机の上でだらけているケンの側まで行き、制服の裾を摘む

 

「明らかな女子会に男子を突っ込もうとするな…」

 

「……お願い」

 

ケンは慣れていると思っていたが、まだ不安はあるらしい

 

「…仕方ないな」

 

よっこらせ、とケンは立ち上がってヴェナに着いていく

 

「…ケンも一緒だけど、いい?」

 

ヴェナが八百万さんと芦戸さん(ヴェナに小声で伝えられた)にそう問えば

 

「勿論ですわ!」

 

「全然良いよー!」

 

二人は笑顔で了承した。

 

そのまま学食へ向かう道中、自然と八百万さんが話し出す

 

「それにしても、まさかパーティでお会いしたロウヴェナさんがヒーローを目指しているとは思いませんでしたわ」

 

「…八百万さんもね」

 

「パーティ!いいなー、私もいつか出てみたい!」

 

「まぁヒーローになれば出る必要はあると思うぞ、パーティ…堅苦しいのは嫌いだけど」

 

そう言ってケンは溜息を吐く

 

「…私も、ドレスはちょっと合わない」

 

「パーティの時のドレスはとても似合ってましたわ!」

 

「うん…ありがとう」

 

若干恥ずかしげに頬を染めるヴェナに、芦戸は質問した

 

「そう言えば、ロウヴェナちゃんとケンくんって知り合いなの?」

 

「いや小学校からの幼馴染、家も隣同士だしな。うちはパン屋だが」

 

「ケンの両親の作るパンは美味しい…今日の帰り道にも寄る」

 

そう言って微笑むヴェナに八百万と芦戸はパンの味が気になった

 

「私も気になりますわ、ご一緒しても?」

 

「私もー!」

 

「いいよ、今日一緒に帰ろ」

 

「…まずパン残ってるかだけどな…まぁないなら自分で作るけど」

 

パン屋の手伝いをしているケンは、毎日の売れ行きを知っているので不安げに答えた

 

「パンを作れますの!?」

 

「すごいなぁ」

 

「いや作るっても父さんの許可が必要になるけど」

 

手伝う時以外で電気釜を触らせてくれないしな、とケンは呟く

 

そんな話をしていれば、学食の場所へと辿り着いた。

 

「じゃ、席は取っとくよ」

 

そう言ってケンは椅子に座って、弁当を置く

 

「ありがとうございます、行って来ますわ」

 

「行ってくるね」

 

「すぐに戻るからー!」

 

3人は学食を選びに行った。

暫くして3人が料理を持って戻って来る

 

そのまま席に座り、各々が食べている

 

「…美味しい」

 

「おいしっ!」

 

「増田さんのお弁当はご自分で?」

 

そう八百万が質問した

 

「ああ、冷蔵庫の物は好きに使っていいって言われてるから、自己流だけど」

 

そう言うケンの弁当箱の中身は

白米の真ん中に梅干しが鎮座し、厚焼き卵が三つ並び、唐揚げが四つとポテトサラダ

ザ・お弁当というラインナップだ。

 

「それだけで足りますの?」

 

「意外と足りてるよ、そもそも足りない時は個性で複製して食べてるし」

 

「…それ、お腹に入ってる?」

 

ジト…と目線を送るヴェナにケンは答える

 

「口に入って咀嚼した瞬間から消えてるけど?」

 

そう答えたケンの口に、ヴェナが自分のおかずを摘んで突っ込んだ。

 

 

 

 

 

 

学食を食べて、午後の授業が始まった

午後の授業はヒーロー基礎学、担当は

 

「わ〜た〜し〜が〜…」

 

「普通にドアから来た!」

 

オールマイトだ。

 

「画風が違いすぎて鳥肌が…」

 

液晶越しに見ていたみんなの憧れの人。

その本人が自分たちに教える立場として目の前にいる。

非現実のような現実、ヒーローとしての頂点が今目の前にいる。

それに興奮しない生徒はここには居なかった。

 

「早速だが今日はコレ!!戦闘訓練だ!!」

 

今回の戦闘訓練に伴い、入学前に希望を出したコスチューム届を元にコスが作られている。

 

ヴェナは両親がプロヒーローな為に、両親が贔屓にしているサポート会社から作られたものが送られている。

ケンは幼馴染として仲良くしているのもあってか、ヴェナの両親がわざわざケンの分もヴェナと同じサポート会社が作ってくれた様だ。

 

「…うん、要望通り」

 

ヴェナの服装は動き易さを重視した狩人の様な服装だ。

頭部を覆う頭巾に、口元を覆えるスカーフ

衣服は動き易さを重視しつつも余裕を持たせており、防刃や耐火性、外部からの衝撃を吸収して最小限に抑えられるらしく、更に迷彩機能がある様だ。

手足を守るブーツとグローブも特別性で、衣服と同じ耐性や迷彩機能は当然の様にあり、外部から衝撃を受けた時に硬化する為、蹴りや殴りを入れると普通に蹴るよりも大きなダメージを与えられ、硬化するのを逆手に取って相手の攻撃をガードするなんて事もできる。

武器も携帯してあり、腰には咄嗟の時に引き抜けるように鍔のない短刀が左右に一つづつある。

正しくモリモリな性能のコスチュームだ

当然ながら尻尾を出す為の部分もある。普段から開いている訳ではないが

 

「…ゲームから出て来た様な狩人の服だな」

 

「…貸してくれたゲーム、楽しかったから」

 

珍しくヴェナは興奮している。その証拠に頬はほんのり赤い

 

「そう言うケンも、似たような感じ」

 

「…まぁ実用性考えたらな?」

 

そう言うケンのコスチュームは、まるで暗殺者の様な服装だ

 

全身を覆い隠す程のフード付きの外套と、左右の裏地に縫い付けられた短刀を始めとした投擲する為であろう武器達

外套の裾は鋼鉄製で、動いて床に擦れる度にザリザリと音が鳴る。

そんな外套とは裏腹に着ている衣服は以外とシンプルだ

シンプルな白地のシャツの上から黒色の防刃ベスト

ズボンはシンプルな茶色のズボンだ。

ベルトは黒色だが左側に樹脂製ホルスターが二つ付いており

銃が一つ、その前にタガーをぶら下げ、右側には杖のホルダーが付いている。

そして手足を守るのはヴェナとお揃いのブーツとグローブ

そして右手には、T字の杖を持っていた。

 

「…そもそもどうして杖を?」

 

明らかに戦闘するにしても救助するにしても邪魔な存在になる杖に、ヴェナはケンに問いかける

 

「この杖はただの杖じゃなくてな」

 

杖の先を地面に当てれば、持ち手以外の部分が即座にムチに変化する

 

「敵の拘束から、高所への移動に…色々と使えると良いんだが」

 

持ち手を握りしめ、軽く杖を振るえば元の杖へと戻った

 

「…腰に付けておくにしても、邪魔にならない?」

 

ヴェナの意見に、ケンはハッと気付いて杖をホルダーに付ける

カチリとハマった杖は、ピッタリと引っ付き…同時に右足の可動域を狭めていた。

 

「…そこまで考えてなかったな」

 

「…流石に収納と動き易さ両立は無理だったみたいだね」

 

 

そんな会話をしつつグラウンドβへと向かった。

既にグラウンドには生徒達が集まっており、各々個性的なコスチュームを身に纏っていた。

 

生徒達が雑談をして暫く、オールマイトがやってきた

 

「さぁて!準備はいいか!有精卵共!!」

 

「先生!ここは入試の時の演習場でございますが、また市街地演習を行うのでありましょうか!?」

 

フルアーマーのコスを着た生徒、飯田がオールマイトに質問を投げかけた

 

「いいや、2歩先に踏み込む!これから行われるのは屋内での対人戦闘訓練だ!!

 

これから君たちはチームを組んでヒーロー側とヴィラン側に別れてもらう、それも二人一組のチームだ!これからの時代、事務所は別でも現場ではチームを組むのが当たり前になるからね!」

 

「基礎訓練も無しにですか?」

 

「その基礎を知る為の実践さ!ただし、今度はただぶっ壊せばOKのロボ相手ではないというのがミソさ」

 

カエルの様な顔をした生徒…梅雨の質問に答えるオールマイト

 

「勝敗のシステムはどうなります?」

 

「ブっ飛ばしてといいんスか?」

 

「また相澤先生みたいな除籍とかあるんですか?」

 

「分かれるとはどのような分かれ方をすればよろしいですか!?」

 

「このマントやばくない☆」

 

「んんん〜〜〜聖徳太子ィィィ!」

 

生徒達からの質問や全く関係ない自画自賛の声…それらを真正面から受け止め様としつつも捌けないオールマイトは…冷静にカンペを取り出して説明を開始した。

 

オールマイトの説明によると、設定は核を持ったヴィランが立て篭もっていおり、その核を回収、もしくはヴィランを捉えるためにヒーローが動く…というシナリオだ。

 

ヴィラン、ヒーロー共に先ほど言っていた通り、二人一組で訓練を行う

 

しかし人数は22名、どうしても2名あぶれてしまう。

 

そこで

 

「…んで、呼ばれたのは俺らと」

 

「良いですけどね、今日は非番ですし」

 

二人のプロヒーローだ。

 

「はい皆さんどーも、布屋とヒーローの二足の草鞋なヒーロー『ドロール』だ」

 

「私は同じくヒーローの『イノセント』です。よろしくお願いしますね」

 

ドロールの見た目は顔を布で覆い隠し、白いケープとコートを羽織ったジャージ姿の男

イノセントの見た目は動き易いライダースーツを着た銀髪のポニーテールが特徴な女性だ。

 

「この二人と戦うのは、最後まで残ったチームで行う!」

 

そうして、チーム分けとなったが

 

「…一緒だね」

 

「偶然にしては出来過ぎてないか?」

 

ケンとヴェナが同じチームになった。

 

戦闘訓練をする者以外は、モニター室で戦闘を観戦しながら待機する事になっている。

 

戦う生徒の戦法を学ぶと同時に何処が悪かったか、同じ状況に自分が置かれた時にどうすればよかったかを学ぶ為でもある。

 

途中、爆豪&飯田チームと緑谷&麗日チームとの戦闘で一悶着あれどそれ以外は上手く行った。

 

そして、ヴェナとケンは最後まで残ってしまった。

 

「ほー、君らが相手か…加減はするが、骨折程度は覚悟しとけよ」

 

そう言うドロールの頭をイノセントが叩く

 

「そもそも怪我をさせたらダメでしょう!今回は非殺傷、手を抜くのは程々にしますからね」

 

「いってぇ…最初に言っておくが、自分の個性は『布』、イノセントの個性は『糸』だ。今回はヴィラン側としてやらせてもらうが、ヒントを出しておくぞ、目に見えるものだけを信じるな…覚えておけ」

 

「ええ、今回は仕掛けとしてトラップを仕掛けておきますからね、戦闘中も気をつける様に」

 

そう言ってドロールとイノセントはヴィラン側として先にビルへと向かった。

 

「…という訳だが、どうするか」

 

「トラップを仕掛けるとも言ってたから、索敵しつつトラップ解除、かな」

 

ヴェナとケンはビルの前で作戦を話し合う

 

「まぁ、びっくり要素やトラップなんて、大体仕掛ける所は決まってるよな」

 

そう言ってケンが足を踏み入れると

 

入り口の足元に張られていた糸が切れ、天井から布が覆い被さる

 

「のわーっ!?」

 

「言ったそばからかかってるし……っ!」

 

布を剥がそうともがくケンを呆れてみていたヴェナは、迫る気配を察知する

 

「くっ!」

 

「おや、気配は消していたはずですが…臭いか足音でしょうか?」

 

脳天に蹴りを叩き込まんと振り上げられた足を、ヴェナはギリギリで腕を盾にガードする。

 

イノセンテは即座に飛び上がって距離を取った

 

「身体能力も高いですが、それでは力任せに振り回しているのと変わりませんよ」

 

「うる…さい…!」

 

ヴェナは狼の耳と尻尾を生やして、両手に短刀を持ち、イノセンテへと肉薄した。

 

「ふっ…!」

 

そのまま腕を狙って短刀を振り抜くも

 

「…っ!?糸…!」

 

腕の前に伸びる糸の束が、その一撃を防ぐ

 

「始めに伝えていますが、私の個性は『糸』…戦闘能力としては高い部類ではありませんが、工夫次第では…」

 

そう言ってイノセントは左手の指をクイと軽く動かす

それだけで床や壁の一部が剥がれ、投擲物となってヴェナに飛来する

 

「くっ…!」

 

飛んでくる瓦礫を、ヴェナは拳と足で蹴り砕く

 

「…っ…!?身体が動かない…!」

 

ギチリ…とヴェナの体をいつの間にか糸が覆い尽くしていた。

 

「ええ、瓦礫を砕くのは想定内でしたので、そのまま糸で拘束させて貰いました…当然ですが、動けば締まりますので…」

 

イノセントがそう言う様に、少しでも身体を動かせば糸によって身体がキツく締め上げられる。

 

「くっ…!」

 

「チェックメイトで……おやおや」

 

ブチブチ…と糸が強引に引きちぎられる。

 

『グルル…!』

 

ヴェナは3段階目の狼人間になり、その剛毛と膨れ上がる肉体で無理やり拘束を解いた。

 

「……貴女のような子が、ヴィランにならなくてよかったですよ」

 

『私の親はプロヒーロー…ヴィランなんかにはならない…!』

 

そう言って、ヴェナはイノセントを引き裂かんとその腕を振るった。

 

 

 

 

 

「出れねぇぇぇ!!!」

 

「初めに言ったろうが、個性は布だって…今回はただの丈夫な布だ。複製で脱出してみろ」

 

布に包まれてもがくケンに、ドロールは距離を取りつつ座って見ていた。

 

「やってやる…!」

 

ケンは裏地にあるタガーを複製し、布を引き裂いて脱出する

 

「よし…!」

 

「が、遅い」

 

しかし、目の前に居たドロールに蹴り飛ばされる

 

「どうした、ヴィランは一々お前を待ってはくれないぞ。次々と動け、Harry!Harry!」

 

「んのやろ…!」

 

ケンは複製したタガーを始めとした投擲武器を投げつけるものの

 

「甘い、甘過ぎる。お前の複製はただ物を複製するだけの個性か?違うだろう?」

 

ドロールのコートが触腕の様に伸び、複製した武器を叩き落とす。

叩き落とされた武器は、そのまま溶けるように崩れ去る

 

「戦いの中で進化しろ。個性はただ使うだけが個性じゃない」

 

「それならコイツでっ!」

 

ケンはそう言って剣と盾を装備した全身鎧を複製し

 

「突撃しろ!」

 

その合図で全身鎧は盾を構えながら突撃する

 

「ほう…?そうだ!そのまま続けろ!」

 

しかしその全身鎧もドロールの拳一発で破壊される。

 

「それはブラフ…取った!!」

 

崩壊する鎧で視界を狭めたケンは杖をドロールに向けて振り抜いた。

 

「甘いんだよ」

 

しかし、その杖はドロールの腕から伸びた一枚の布に絡め取られる

 

「承知の上だ!」

 

しかし、杖は即座にムチへと変化し、そのまましなるようにドロールの頬を打ち抜いた。

 

「…ちっ、そこそこはやる様だが…」

 

ボロ…と打たれた頬の布が剥がれるも

 

「…空洞…!?本人じゃない!?」

 

「そう言うこった…チェックメイトだ!」

 

そう言うとドロールの身体が膨れるように膨張し、周りへ布を飛び散らせる

 

「くっ…!」

 

顔を守ろうと腕を盾にしたケンは、ベタリと張り付いた布によって腕が動かせなくなる。

 

「…っ、動かね…!?」

 

そして、周りに飛び散った布が蠢くと、這い出る様に複数のドロールが現れる

 

「どうだ、ただの布に圧倒される気分は?」

 

廊下の奥からやってきたドロールと、周りに居る偽物のドロール達。

 

「…最悪ですよ…!」

 

ギチギチと締め上げてくる布を、気合いで引き裂いて

ケンは再び複製を開始した。

 

 

そして、そんな戦いを見ている生徒達とオールマイトは

 

「すげぇ…プロヒーローに喰らい付いてる」

 

「ドロールもイノセントも手加減はしてくれているが…」

 

オールマイトが見つめるモニターには

 

『…っ…動けない…!?』

 

「ええ、始めたてとしてはよくやりました…私を相手にここまで建物を破壊する被害を出した方は少ないですからね…しかし、戦闘時の動きが真っ直ぐ過ぎますね。折角可変の効く個性なのですから、一部をより変化させる等をして、もう少し絡め手を交えても良いでしょう」

 

「…今後の課題にします」

 

糸によって四肢を拘束され、無力化されるヴェナと

 

「テメェの個性は強力だ、扱いによっちゃ世界を破滅にだって導ける…でもな…」

 

布によって縛り上げられ、天井に吊るされるケンに、ドロールは額を押さえて溜息を吐く

 

「ただただ物量で押すだけならガキでも出来るんだよ。鎧を動かして突撃させるのには少しは驚いたが…それだけだ。

 

テメェの強みをもっと理解しろ、ただ物を複製して消費するだけがお前の個性じゃねぇ」

 

「…うっす」

 

「…彼らにも、良い経験になった様だな」

 

オールマイトのその一言は、モニター室によく響いた。

 

勝敗は、当然の様にプロヒーローの二人が勝った。

 

 

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