朝起きたらBW2の主人公になってました(全年齢版)   作:とも667

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 一回目の侵入です。


第24話 プラズマフリゲート侵入

サレナとコウキはその後、二人一緒にセイガイハシティへ行き……サレナがヒュウに謝罪していた。

 

「ごめんなさい、ヒュウさん。酷いこと言って、悪かったと思ってるわ」

 

「いや、いいよ。別にそんなに気にしてなかったしな。でも、謝ってくれてありがとう」

 

「おーい、コウキー!! それにみんな!! プラズマ団の船、見つけたよー!!」

 

「ホントか!? どこにあった!?」

 

 ヒュウが聞くと、ユウリがすぐに答える。

 

「海辺の洞穴の奥。早く行こう、逃げられちゃう前に!!」

 

「よし、サレナさんも行きましょう!!」

 

「うん!!」

 

 四人になって、みんなで海辺の洞穴へ向かう。しかし、そこの出口に着くと……

 

「おっと!! ここから先は通せねぇなぁ!!」

 

「通すなってボスからのご命令だ!!」

 

「チッ、こんな時に……!!」

 

 そこでサレナが一歩前に出て、プラズマ団員に言う。

 

「そう上手くいくと思うなよ。ここは私に任せて早く!!」

 

「ありがとう、サレナさん!! みんな行こう!!」

 

「気をつけてな!!」

 

 コウキ達はそう言って、プラズマフリゲートの前に立つ。しかし、タラップが降りておらず……これでは入れない。

 

「さて、どうやって入ればいいのか……」

 

「いっそ、私のポケモンで……」

 

「ちょっと待っとき!!」

 

 そこで聞き覚えのある声がして、タラップが厳かに降りてきた。そして、そこから人が出てくる。

 

「これで大丈夫たい!!」

 

「シズイさん、ありがとうございます!!」

 

「アンタ、プラズマ団と戦うつもりはないんじゃなかったか?」

 

 ヒュウがそう言うと、シズイは頷いて言う。

 

「おうともよ!! おいはプラズマ団に恨みはない、本当に悪いことをしてるのかも知らん。みんながあいつらは悪い、そう言ってるからって何にも考えず、プラズマ団が悪いと決めるのはおいの流儀ではない!!」

 

「……でも、助けてくれたんですね。ありがとうございます」

 

「あぁ、おまはんらが困っとった!! なら助けてやらねばならん!! それが、おいのやりたいことじゃ!!」

 

「……あんがと」

 

 ヒュウがシズイにお礼を言う。そこでシズイが言った。

 

「ええか、おはんら。信念を持てよ!! 奪われたポケモンを探すのでもいい!! イッシュを氷漬けから守るためでもいい!! 理由はなんでもいい、自分は何故そうするのか? 信念の強さがポケモンと自分に、強さをくれるたい!!」

 

「ありがとうございました!!」

 

「騒いでしまったから、何人か出てきたけどな!! それじゃ、気をつけて行けよ!!」

 

 シズイはそう言って、歩いて去っていく。そしてサレナが、洞穴の出口から出てきた。

 

「あ、サレナさん。終わったの?」

 

「えぇ。全部聞こえてたわ、シズイさんが助けてくれたのね。それじゃ、行きましょう」

 

「はい……!!」

 

 四人で見つめる、プラズマ団の本拠地。そこに侵入するため、タラップを一歩一歩上がる。

 

「お前らっ!! タラップを下ろしやがったご陽気水着の仲間だな!? 足止め用の下っ端共もすぐにやられるし……!! 行くぞ!!」

 

「ここは私達に任せて、コウキとヒュウさんは先に!!」

 

「覚悟しなさい!!」

 

 サレナとユウリがそう言って、二人が頷いた。コウキとヒュウは、そのまま先に進んでいった。内装を知っているコウキが、船の上を案内する。

 

「こっちだよ、ヒュウ兄さん!!」

 

「トレーナーのカンか!? よし、お前を信じるぜ!!」

 

「よし、ここのはずだ……!!」

 

 コウキとヒュウが入っていくと、二人の団員がそこに立っていた。

 

「なんだ、お前ら?」

 

「言っておく……俺は今から怒るぜッ!!」

 

「そこをどいてもらおう。俺にはやるべきことがあるんだ!!」

 

 そう言ってコウキ達は、二人でプラズマ団に挑んでいく。結果はもちろん、圧勝だ。

 

「つ、強すぎる……仲間に知らせないと!!」

 

「まずいわ、このままだと侵入される!!」

 

「……あいつら、チョロネコ持っていなかったな!!」

 

 ヒュウが残念そうに言う。コウキはこの辺りで伝えるべきかと思って、伝えた。

 

「ヒュウ兄さん。実はチョロネコは、ゲーチスの側近が持ってるんだ」

 

「なにっ、そうなのか!?」

 

「うん。間違いない、保証するよ」

 

 コウキがそう言うと、ヒュウが拳を握りしめる。

 

「そうか……ありがとな、コウキ。それなら尚更、この先に行かないと……!!」

 

「バリアか……となると、パスワードとカードキーが必要だな。確か、あっちにあるはずだ」

 

「コ、コウキ……お前、めちゃくちゃ詳しいな? なんで、そんなに知って……」

 

 ヒュウが疑問を口にする。そこでコウキは一言言った。

 

「俺はプラズマ団のことなら、なんでも知ってるのさ。俺もアイツらが憎いからな」

 

「……あぁ、そうだな。そうだよな!! そうと決まれば、パスワードとカードキーを手分けして探すぞッ!!」

 

「こっちだよ、こっちに奴らの宿舎がある!!」

 

 コウキがそう言って走っていくと、二人も合流してくる。そして、コウキが状況を説明した。

 

「なるほど、カードキーとパスワードね。うん、わかった。手分けして探そうか」

 

「四人もいれば、すぐに見つかるはずね!!」

 

「場所を教えるから、俺が言った場所に行ってくれ!!」

 

 コウキはそう言って、建物の中に入っていく。そして入ってすぐ、みんなはコウキに言われた通りの場所に行った。

 

「……さてと。あなたはプラズマ団じゃないですよね?」

 

「な、何故それを!? いや、そうなんですけど……スパイをやってるんです」

 

「頑張ってください、応援してます。僕はカードキーを探しに行きますから」

 

 コウキはそう言って、カードキーのある場所へ向かう。そこの団員を倒して、カードキーを受け取った。

 

「さて……後はみんなを待つだけか」

 

「集めてきたぞッ!!」

 

「みんなの情報を整理しようか。三つが同じ数字、そして最後と二番目は『9』。あと、『0』がひとつ入る。その位置は最初ではない……となるとパスワードは……」

 

 コウキがそこで、答えを言う。

 

「『9909』だな。行こう!!」

 

「うん!!」

 

「流石だな、すぐに集まった!! やっぱり頼りになるヤツだぜ!!」

 

 コウキは少し照れながら、パスワードを入力した。すると、電磁バリアが全て消える。

 

「……よし!!」

 

「これでOKだね。さあ、行こう!!」

 

「あのワープゾーンの先に……」

 

 コウキが最初に足を踏み入れる。そして、他のみんなも次々に来る。そして……コウキが叫んだ。

 

「ヴィオ!! お前はここで終わりだ!!」

 

「……もう、ここまで来たか。来るとは思っていたが、思っていたよりも早いな」

 

「七賢人のヴィオか……ライモンシティで奪った、ミネズミの居場所を教えろ」

 

「ヒオウギで奪ったチョロネコの居場所もだッ!! ゲーチスの側近はどこにいる!?」

 

 ヒュウとサレナがそう言うが、ヴィオはそれを無視して言う。

 

「まぁ、そう焦るな。わざわざ来たのだ、いい物を二つ見せてやる……まずは一つ目!! 伝説のこおりポケモン、その名もキュレム!!」

 

「ヒュラララ……!!」

 

「キュレム、あんなところに閉じ込められてる……苦しそう……」

 

 ユウリがそう言って、コウキが怒りを込めた目でヴィオを見つめる。そしてヴィオが、更に続けて言った。

 

「さらに!! ここにいるのが、もう一つの伝説のポケモンだ!! アクロマさまが発見した、『テラスタルエネルギー』の化身……!!」

 

 ──ウィィィン……

 

「あれは……やっぱり、捕まえてたのか!!」

 

「パゴォォ……」

 

「その名はテラパゴス!! 別名『藍の円盤』……!! 美しいだろう? ソウリュウに撃ち込んだ宝石はテラパゴスの力と、プラズマ団の科学力で作ったものなのだ!!」

 

 キラキラと輝く、宝石のような甲羅を持った亀形のポケモン。そして、こおりポケモンのキュレム。今のプラズマ団は、二つの動力を得ていた。

 

「さて……貴様らは全員、プラズマ団にとって危険な存在。全員まとめて、ここで排除するのだ!!」

 

「そう上手くいくと思うなよ、ソウリュウで大敗したことを覚えてないのか?」

 

「無論、覚えているよ。だから、今回も助っ人を呼んでいる……来い!!」

 

 ヴィオがそう言うと、後ろからコウキの知っている人物が出てきた。そして、コウキも予測がついていた人物。

 

「やはりお前か……アポロ!!」

 

「私のこともご存知ですか。どうも、ロケット団幹部のアポロと申します。以後お見知り置きを」

 

「一人で戦わせやしない、私も……ッ!?」

 

 三人の前に、ダークトリニティの二人が立つ。そして、ヒュウにはヴィオが立ちはだかる。

 

「お前達、女は任せたぞ。私はこの子供の相手をする!!」

 

「……というわけです。助けは期待しない方が懸命ですよ」

 

「最初から頼るつもりもない。お前は俺が倒す、覚悟しろ!!」

 

 それを見て、アポロがため息を吐いて言う。

 

「はぁ……どうしてこうも、基地に乗り込んでくる子供とは生意気なのが多いのか……いいでしょう。この私、アポロが!! あなたに現実というものを教えて差し上げましょう!!」

 

「現実を知るのはお前だ。倉庫の時とジョウトの時、二度あることは三度あるんだよ!!」

 

「三度目の正直という言葉もあります!! 行きなさい、ヘルガー!!」

 

「ルゥゥガァァァ!!」

 

 アポロの初手は、ヘルガーだった。コウキは、それを見て出すポケモンを決める。

 

「頼んだぜ、マリルリ!!」

 

「マッリィィ!!」

 

「何をしてくるかは読めています!! ヘルガー、『ヘドロばくだん』!!」

 

「ヘェェェェルッ!!」

 

 マリルリ対策で入ったと思わしき、『ヘドロばくだん』。しかし、コウキもその程度は計算済みだ。

 

「マリルリ、戻れ!! 行け、ドリュウズ!!」

 

「ドリュウゥゥッ!!」

 

「バカめ、読めているんですよ!! ヘルガー!! 『かえんほうしゃ』!!」

 

 恐らくは本命の攻撃、しかしコウキはそうしてくるだろうこともわかっていた。だからこそ、ドリュウズを出したのだ。

 

「ドリュウズ、『じしん』だ!!」

 

「ドォリュウゥゥッ!!」

 

 ──ズゴゴゴゴゴォォ!!

 

「なっ!? ヘルガーのかえんほうしゃより速い!? 素早さに全振りしているのに……!!」

 

 その理由は単純明快。コウキはそこでその種を教える。

 

「ルゥガァァ……」

 

「持ち物まで調べてなかったか? ドリュウズの持ち物は『こだわりスカーフ』……ひとつの技しか使えない代わり、素早さを1.5倍にする道具だ!!」

 

「くっ、くそっ……中々やるな、三人を倒しただけある。だが……行け、ワルビアル!!」

 

 次に繰り出したのは、ワルビアルだった。はがねタイプは地面弱点なので、確かに弱点を突くことはできる。その上、特性『いかく』で攻撃力が下がってしまった。

 

「ルビィィィル!!」

 

「さぁ、どう来ますか? かかってきなさい」

 

「……ドリュウズ、戻れ!! 頼むぜ、ハハコモリ!!」

 

「ハハァリィッ!!」

 

 そこで出てきたのは、ハハコモリだった。確かにハハコモリなら、両方の技を半減にしていけるが……アポロがそこで笑う。

 

「バカめ!! 何の対策もしていないとでも!? ワルビアル、『ほのおのキバ』!!」

 

「バカはお前だ。ゾロアーク!! 『わるだくみ』だ!!」

 

「なんだと!? ここで『イリュージョン』を……!?」

 

 『ほのおのキバ』がゾロアークに突き刺さる。しかし、ゾロアークには等倍の一撃。その間に、『わるだくみ』を積む。

 

「ワルビアルに『かえんほうしゃ』だ!!」

 

「きゅあぁぁーっ!!」

 

 ──ゴァァァァァッ!!

 

「ルゥ、ビィィル……!!」

 

 『かえんほうしゃ』を受けて、ワルビアルのHPが一気に減る。しかし、倒しきれてはいない。アポロがそこで、反撃の命令をした。

 

「ワルビアル、『じしん』!!」

 

「ゾロアーク、『かえんほうしゃ』だ!!」

 

「きゅあぁぁーっ!!」

 

「ワァルビィィィッ!!」

 

 ──ズゴゴゴォォォッ!!

 

 ──ゴォアァァァァァ!!

 

 ワルビアルとゾロアークの攻撃が、同時に命中する。普通ならこれで、お互いに倒れるところだが……ゾロアークは、ギリギリで耐えていた。

 

「きゅあっ!!」

 

「なにっ!? 立っている……!? 何故だ!?」

 

「簡単だよ、ワルビアルは『かえんほうしゃ』で『やけど』の状態異常になってたのさ」

 

 『やけど』の状態異常を受けて、攻撃力が半分になってしまっていたワルビアル。ゾロアークを仕留めることができずに、倒れてしまった。

 

「くっ……くそっ、まだまだ!! 行きなさい、ツンベアー!!」

 

「グォアァァァッ!!」

 

「よし!! ゾロアーク、戻れ!!」

 

 コウキはゾロアークを戻す。そして、アポロは何が出てくるか予想がついていた。

 

(奴なら、確実にエンブオーで倒しに来るだろう。そこを狙って、覚えさせておいた水技で倒してやる!!)

 

「行け、ドリュウズ!!」

 

「なんだと!?」

 

「ドリュウゥゥッ!!」

 

 そう。なにもこおりタイプに効果抜群なのは、炎タイプや格闘タイプだけではない。鋼タイプも弱点なのだ。

 

「その様子じゃ、対策済みだったようだが……残念ながら、エンブオーじゃなかったな」

 

「エンブオーでなくとも……!! これは効くはずだ!! ツンベアー、『アクアブレイク』です!!」

 

「ドリュウズ、『アイアンヘッド』だ!!」

 

 二匹のポケモンが、相手目掛けて走っていく。片方は水を纏い、片方は体を鋼にしている。

 

「ベアァァァァッ!!」

 

「リュウズゥゥゥッ!!」

 

 ──ドガァァァァン!!

 

 ──ドパパパァァン!!

 

「ズゥッ……!!」

 

「グォッ……!!」

 

 そこで先に動き出したのは……ドリュウズの方だ。コウキはそれを見逃さない。

 

「ドリュウズ、今だ!! 『アイアンヘッド』!!」

 

「し、しまった……!!」

 

「ドリュウゥゥゥッ!!」

 

 ──ズガァァァァッ!!

 

 『アイアンヘッド』がツンベアーに命中して、ツンベアーが倒れ込む。

 

「グォォ、オ……」

 

「馬鹿な……!? この私が、何もできずにやられているのか!? くっ、こんなはずでは……」

 

「俺をただの子供だと思ったのが間違いだったな、アポロ」

 

 コウキがそう言うと、悔しそうにアポロは次のボールを取り出した。

 

「舐めるなよ、子供が!! 行け、ダストダス!!」

 

「ダッスゥゥゥゥ!!」

 

「ドリュウズ、戻れ!! 頼んだぜ、マリルリ!!」

 

「なに……!?」

 

 コウキはここでマリルリを繰り出した。それを見て、アポロは考える。

 

(ダストダスがどくタイプであることは知っているはずだ。なのに、どうして……そうか、さてはまた『イリュージョン』だな……!?)

 

「その手には乗りませんよ!! ダストダス、『きあいだま』です!!」

 

「ダァァスゥゥゥゥ!!」

 

 ──ギュオォォォォッ!!

 

 それを見てコウキが、ニヤリと笑う。そして、マリルリに指示を出した。

 

「マリルリ、『はらだいこ』だ!!」

 

「なんだって!?」

 

 ──ドゴォォォン!!

 

「マリッ……リィィィッ!!」

 

 マリルリが本物であることに気がついて、アポロが焦る。『きあいだま』を撃ってしまったことで、『はらだいこ』を積まれてしまった。このままでは、全抜きされかねない。

 

「やらせるな!! ダストダス、『ヘドロばくだん』です!!」

 

「ダッスゥゥゥゥ!!」

 

「構うな、『アクアブレイク』をぶち込め!!」

 

「マッリィィィィ!!」

 

 ──ドパパパァァァン!!

 

 ──ボゴォォォォン!!

 

 お互いの攻撃が相手に炸裂する。耐久型のダストダスと言えど、これには耐えられない。マリルリも倒れてしまったが……しかし、まだ五匹残っている。

 

「ありがとう、マリルリ。さて……これで最後だな、アポロ」

 

「クッ、ククク……まさかここまで、追い詰められるとは……いいでしょう。私を本気にさせたこと、後悔させてさしあげましょう!! 行け、シャンデラ!!」

 

「シャアァァァン!!」

 

 そこで出てきたのは、シャンデラだった。そしてアポロが、懐からあるものを取り出す。

 

「それは……テラスタルオーブ!?」

 

「まだ試作品ですが……試験運用には丁度いい!! テラスタルしなさい、シャンデラ!!」

 

 ──ギュオォォォ……!!

 

「テラパゴスがいるから可能ってわけか……チッ、これがプラズマ団の手に渡るとはな!!」

 

 ──パキパキパキッ!!

 

 ──バリィィィィン!!!

 

 そして、シャンデラの体が赤い宝石に変わる。その上部には、蝋燭の装飾があしらわれている。シャンデラが吠えると、キラキラと宝石が辺りに散った。

 

「シャアァァァァン!!」

 

「それなら……頼むぜ、エンブオー!!」

 

「ブォォォォォッ!!」

 

 そこで出てきたポケモンは、コウキの相棒のエンブオーだった。だが、アポロがそれを見て笑いを浮かべる。

 

「対策済みなんですよ!! 喰らえ、『サイコキネシス』!!」

 

「『ふいうち』だ、エンブオー!!」

 

「エェンブゥゥッ!!」

 

 ──ズガァァァァッ!!

 

 エンブオーの『ふいうち』が命中する。しかし炎単タイプになっているシャンデラを削り切るには、それでは不足だった。

 

「喰らえぇぇぇぇ!!!」

 

「デラァァァァッ!!!」

 

「……ん? 何故だ? 効かない!?」

 

 コウキはその様子を見て、笑みを浮かべ……それから、叫んだ。

 

「ゾロアーク、トドメだ!! 『ナイトバースト』!!!」

 

「なんだと!? しまっ……!!」

 

「きゅあぁぁぁーっ!!!」

 

 もう対応するには、全てが遅すぎた。避けようにもゼロ距離まで近づかれているし、サイコキネシスの直後で次の技は撃てない。交換しようにも、ポケモンは残っていない。

 

 ──ギュアァァァァッ!!!

 

「シャア、ア……!!」

 

 ──ドゴォォォォン!!!

 

 ──パキィィン!!!

 

「ぐぅ……サカキ様、申し訳ありません……」

 

「ただの子供だと侮ってかかった、それがお前の三度目の敗因だ。よく覚えておくんだな、今度こそ」

 

 コウキの戦いが終わると、他の戦いも終わったようだ。プラズマ団の全員が一歩後ろに下がる。

 

「……中々やるな、流石は危険因子達だ。アポロですら相手にならんとは、やはりお前は危険だな」

 

「答えろ、俺の妹のチョロネコはどこだッ!?」

 

「私のミネズミは……ミイちゃんはどこ!?」

 

 二人が尋ねると、ヴィオは心底意味がわからなそうに言う。

 

「チョロネコやミネズミなど、誰かが奪い使っている。だが、解せぬ……チョロネコやミネズミは、他にたくさんいるのに……何故そこまで拘るのだ?」

 

「死んだ爺ちゃんが、妹のために捕まえてくれたチョロネコは……世界でそいつだけだからだよ!!!」

 

「決まってる!! 私の家族のミイちゃんはあの子だけなの!! 他のポケモンが代わりになれるはずない!!!」

 

 二人がそう言うと、ヴィオはため息を吐いてから言った。

 

「故人の想いと家族愛か……それはお前達にとっては大事なものだろうが、他人から見ればどうにも小さなことだぞ。それに比べて、この大きな船を見たか? この船そのものが、伝説のポケモンであるキュレムと、テラパゴスの力を利用するための装置!!」

 

「見た目のデカさに踊らされて、人の心もわからなくなりやがったか。一番冷たいのはお前の心だな、この寒がりドMのクソ野郎が」

 

「子供にはやはりわからぬか。我々とこの船の素晴らしさは……まぁいい。今度こそ、二つの力で我々はイッシュ地方を制圧するのだ!! ……さて、キュレムもすっかり回復したようだ。『いでんしのくさび』は大切に使わせてもらうぞ。では後は任せた、ダークトリニティ!!」

 

 コウキ達はダークトリニティに取り囲まれた。それをヒュウと一緒に、みんなで糾弾する。

 

「ふざけるなッ!! 負けたくせに!!!」

 

「自分の負けすら認められないの!? アンタ達の方が、よっぽどガキじゃない!!!」

 

「あいつらは所詮三人だ、一人でも残れば……」

 

「それはどうですかね!?」

 

 コウキはダークトリニティに目を向けて、後ろまで注意が向いていなかった。そこにいたのは、ロケット団のランス。羽交い締めにされて、動けなくなる。コウキはポケモンは強くても、体は子供になっている。力では、大人に敵わない。

 

「ランス、貴様ッ……!!」

 

「この場で殺してもいいですが、死体の後始末が面倒です。さっさと連れて行ってしまいなさい」

 

「よくやりました、ランス。それでは、さようなら」

 

「くっそぉぉぉッ!!!」

 

 コウキもダークトリニティに連れられて、外に出される。そして……轟音と共にプラズマフリゲートが浮き上がり、どこかに飛んでいってしまう。

 

 ──ギュオォォォォ……!!

 

 ──ボグオォォォォォォ!!!

 

「プラズマ団、どこへ飛んでも逃がさないッ……!! コウキ、大丈夫か!?」

 

「俺は平気だよ。でも、後ろにランスがいるのは気づかなかったな」

 

「ごめん、また守れなかった……」

 

「気にするな、ユウリは悪くないよ」

 

 コウキがそう言っていると、チェレンが洞穴から出てきた。

 

「ごめん、遅くなって。飛んだ先は恐らくだけど、ジャイアントホールだね」

 

「ジャイアントホールか!! 22番道路の奥だな!! じゃあ俺は行く!! コウキ、お前も来てくれッ!!

だって、あのポケモン達……キュレムと、テラパゴスだっけ。あいつらの鳴き声、なんだか悲しそうだった……!!」

 

「あ、行っちゃった……俺達も早く追いかけないとな」

 

「うん。放っておいたら、絶対に奴らは大変なことをしでかす……ミイちゃん、待っててね!!」

 

 サレナもそう言って、走っていく。チェレンはそれを聞いて、プラズマ団の秘密を知った。

 

「キュレムにテラパゴス……どちらも伝説のポケモンだ、プラズマ団はそれらの力を悪用しているのか!!」

 

「えぇ、間違いありません」

 

「どうやってプラズマ団を止める……? キュレムがシャガさんの言う通り、伝説のドラゴンポケモンならば……対抗できるのはレシラムか、もしくはゼクロム!! だけど、二匹とも今はいない……伝説のポケモンに認められたあいつはどこだ? 僕が探し出すしかないか!!」

 

 チェレンはこれからのことを呟きながら、どこかに歩いていった。

 

「覚悟しろよ、プラズマ団……ここで最終決着だ!!」

 

「うん。ここでケリをつけよう……もし敵がドラゴンポケモンを使うなら、私もムゲンダイナを使うよ。あの子なら対抗できるはず」

 

「あぁ、任せるよ。頼りにしてる」

 

 コウキとユウリはそう言いつつ、ジャイアントホールに向かっていった。プラズマ団と決着をつけるために。




次回、決戦です。
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