朝起きたらBW2の主人公になってました(全年齢版)   作:とも667

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 そろそろ終わりが近いです。


第26話 ゲーチスの計画

アクロマは喜ぶコウキを称えながら、コウキの方へと歩いてくる。

 

「素晴らしい戦いでした、あなたは私の予想を遥かに超えたトレーナー!! そこでお尋ねします!! ポケモンとトレーナーは、分かり合うことで更なる高みを目指せると考えていますかっ!!」

 

「はい。ポケモンのことが大好きだから、僕はここまで来れたんです」

 

「なるほど……!! あなたの返事は、私にとっての理想!! 実際あなたはその信念を持って、ポケモンと向き合い!! 力を引き出している!!」

 

 アクロマはそう言って大袈裟に腕を広げ、天を仰いだ。

 

「繰り返しますが、私はポケモンを強くするなら手段はなんでもいいのです。ポケモンとの交流では届かない高みがあるなら、そこに心はなくても科学的アプローチのみで、力を発揮させてもいいのです」

 

「でも、そうではなかった。事実、あなたは僕に負けた……でしょ?」

 

「そう!! あなたは私に可能性を見せてくれた!! あなたが勝つのか、プラズマ団が勝つのか……私にとって、人とポケモンの関わりとは!! どうあるべきかを決める戦いでもあるのです。では、どこで決めるのか? あなたの言った、左側のワープゾーン……あそこに行きなさい!!」

 

 コウキはそう言われて、大きく頷く。

 

「はい、絶対に勝ってみせますよ!!」

 

「ではご武運を、ご活躍を期待しています……そういえば。わたしを捕まえなくていいのですか?」

 

「あなたのことは嫌いじゃないですし。それに、僕はゲーチスが嫌いですから」

 

「そこまでバレていますか……私も、ゲーチスがキライです!!」

 

 アクロマがそう言ったのを聞き届けて、コウキは笑って部屋から出ていく。そしてプルートは、目の前にあった台を思い切り叩いた。

 

「くそっ、くそっ!! またしても、三度までも!! あんなガキに邪魔をされるとは……!!!」

 

「さて、私も行きますか。影ながら、行く末を見守らせてもらいましょう」

 

「おい、どこへ行く!? アクロマ!! くそっ、金がかかっているっていうのに……!!」

 

 プルートがそう言っている中、コウキはみんなの元に戻っていた。

 

「コウキ!! その顔は……やったんだなッ!!」

 

「うん、勝ったよ!! みんなのおかげだ!! 奴らはどこに?」

 

「勝ったけど逃げられた。いつか絶対に倒すって言ってたけど、あの様子じゃ対策には時間がかかりそうだね」

 

 つまり、しばらくは出てこないということだ。コウキはその事実に安心する。

 

「よかった……それなら、あとはゲーチスだけか」

 

「みんな、大丈夫!?」

 

「あ、ベルさん!! チェレンさんも!!」

 

 ベルとチェレンがやって来て、みんなの様子を見て……大体のことは察したようだ。

 

「やってくれたか……本当にありがとう。これで、プラズマ団も今度こそ終わりだろう」

 

「あとは、ゲーチスだけか……」

 

「あぁ、みんなで行こう」

 

「ゲーチス……待ってろ。みんなの仇は討つ」

 

 それぞれの思いを胸に、コウキ達はゲーチスのいる部屋に向かった。しかし……

 

「いない? ここにいるはずなのに……」

 

『遅かったですね。恐らく、アクロマと遊んでいたのでしょうが……その間に私の計画は最終段階に入りました』

 

「ゲーチス!? どこから話してる!?」

 

 その声のみが、部屋中に響いている。コウキがそう言っても、帰ってくるのは嘲笑のみ。

 

『哀れな子供達よ、よく頑張りましたが……子供にできるのはここまでです。私はイッシュの支配者となる……!! テラパゴスとキュレムの力によってな!!』

 

「おいッ!! ダークトリニティはどこだッ!?」

 

「私達なら、ここだ」

 

 そう言って、ダークトリニティが現れた。コウキ達は包囲されて、動けない。

 

『できる限り、時間を稼ぎなさい。私はその間に計画を実行します』

 

「はっ!!」

 

『それでは、さようなら。次会うときは王の玉座です、ハッハッハッハ!!!』

 

 そして、ダークトリニティが無言でボールを構えた。そこでサレナとヒュウが、彼らに言う。

 

「ヒオウギで奪ったチョロネコはどこだ!?」

 

「ライモンシティで奪った、ミネズミの居場所を教えなさい!!」

 

「あぁ、そいつらなら……こいつらのことかもな」

 

 そう言って、彼らのうち二人がボールを投げた。そこから出てきたポケモンは……レパルダスとミルホッグだった。二匹とも、プラズマ団のせいで凶暴になっている。

 

「グルルルーッ!!」

 

「ミッルゥゥー!!」

 

「五年前、ヒオウギで奪ったポケモンと……そいつは下っ端が奪ってきたんだが、下っ端がヘマをして捕まったんでな。ポケモンは貴重な資源だから、回収してきたんだ」

 

 ポケモンを生き物とも思わない、惨たらしい仕打ち。それを聞いて、その場にいる全員が怒る。

 

「そんな……そんなのってないよ!!」

 

「貴様らには、人の心がないらしいな……!!」

 

「そのような物、ゲーチス様に比べれば惜しくはない。我々はゲーチス様のために戦うのみ」

 

 彼らは、チェレンとベルの糾弾をものともしない。そこで一人が何かを思いついたように、懐からスイッチを取り出した。

 

「そうだ。お前達にもいい物を見せてやろう」

 

 ──ウィィィン……

 

「何の音だ!?」

 

「モニターの前をよく見ておけ」

 

 そこに出てきたのは、凍り漬けにされた二人の人間だった。そして、コウキとチェレンとベルはそれに反応する。

 

「なっ……N!? それに、そっちにいるのは……」

 

「そんな……嘘、こんなのって……」

 

「……トウコ? トウコなのか!?」

 

 そこにいたのは間違いなく、トウコであった。トウコはプラズマ団によって氷漬けにされ、今の今まで動けなかったのだ。

 

「もう用済みだ、こいつは返してやる」

 

「氷が溶けた……キュレムが船からいなくなったからか?」

 

「トウコ!! トウコッ!!」

 

「う……うぅん……」

 

 二人とも息はしている、どうやら冷凍保存状態だったらしい。ゲーチスを追おうとしたコウキの道を、ダークトリニティが塞ぐ。

 

「おっと、ここを通すわけにはいかないな」

 

「……お前達だけは、絶対に許さない。絶対にだ」

 

「よくもミイちゃんを……!! ダークトリニティ、お前達だけは許さない!!」

 

「コウキ、ここは私達に任せて!! 早く!!」

 

 そう言われて、頷く。コウキはそう言われて、走っていった。

 

「うん、みんな!! 気をつけてな!!」

 

「トリプルバトルか。いいだろう、まとめて相手してやる」

 

「言っておく……俺は、いや!! 俺達は今から怒るぜッ!!!」

 

 そう言って、ヒュウは自分のボールを取り出す。それに合わせて、みんなも自分のボールを懐から取り出した。

 

「ダイケンキ、頼むぜッ!!」

 

「行けっ、エースバーン!!」

 

「お願い、ローブシン!!」

 

 三人とも自分のポケモンを繰り出すと、ダークトリニティは無言でキリキザンを三体繰り出す。

 

「ブッシィィィン!!」

 

「バァァァーンッ!!」

 

「ズォォォォーッ!!」

 

 ポケモン達もトレーナーに応えて、怒りの雄叫びを上げたが……キリキザンは一言も発さず、強い殺意のみを向けてきている。

 

「ローブシン、『ドレインパンチ』!!」

 

「エースバーン、『フレアドライブ』!!」

 

「ダイケンキ、『ハイドロポンプ』!!」

 

 それぞれが敵に技を放つ。しかし、ダークトリニティもただでやられてはくれない。

 

「キリキザン、かわせ」

 

「させるかッ!! 当てろ、ダイケンキ!!」

 

「ダァァァァイッ!!」

 

 ──ドボアァァァァッ!!

 

 凄まじい水の奔流が、キリキザンを飲み込む。確かに躱したのにも関わらず、命中させたことにダークは困惑を隠せない。

 

「これは……どうなっている?」

 

「俺だけにしかできないこと、それはポケモンのことを想うことだッ!! ポケモンを信じる気持ちなら、俺は誰にも負けないッ!!」

 

「心の力か……私もそういうことがあった。褒めて欲しくて、ポケモンが技を急所に当てたり、状態異常を治したり……ヒュウくんは誰よりもそれが強いから、それが普通の人より起こりやすいんだね」

 

 それを聞いて、ダークは次のボールを取り出した。他のキリキザン達も、攻撃を受けて倒れていく。

 

「バァニィィィッ!!」

 

 ──ドバオォォォォン!!

 

「ブッシィィィン!!」

 

 ──ズガァァァァッ!!

 

「倒れたなら、次のポケモンを使うだけだ。我々に痛みはない」

 

 そう言って彼らは、次のポケモンを繰り出す。アギルダー、ジュペッタ、アブソルの三匹だ。

 

「全員まとめてぶっ潰す!! ダイケンキ、アブソルに『メガホーン』だ!!」

 

「アギルダー、『ギガドレイン』」

 

「ジュペッタ、『おにび』」

 

「アブソル、『ふいうち』」

 

 三人は冷徹にそう言って、一斉に攻撃がダイケンキに襲いかかる。しかしダイケンキは、それをものともしない。

 

「火傷が治った……どうなっている?」

 

「何故倒れない、急所に当たったはず……」

 

「俺達の気持ちを舐めるなッ!!!」

 

「ズオォォォォッ!!!」

 

 ──ズドォォォォン!!!

 

 『メガホーン』が命中して、アブソルが一撃で戦闘不能にされる。そして、すぐにヒュウが次の命令を出す。

 

「ジュペッタに『ハイドロポンプ』だッ!!!」

 

「ズゥオォォォッ!!!」

 

 ──ドボアァァァァッ!!!

 

「す、すごい……いや、感心してる場合じゃない!! とどめよ、ローブシン!! 『からげんき』!!」

 

 そこでサレナが、ローブシンに命令を出す。アギルダーはそれをかわそうとしたが……後ろから、エースバーンが迫ってくる。

 

「エースバーン、『フレアドライブ』!!」

 

「ブッシィィィン!!!」

 

「バァァァーンッ!!!」

 

 ──ドゴアァァァァッ!!!

 

 二つの攻撃がぶつかって、全てのポケモンが戦闘不能になる。しかし、ダークトリニティは無表情のままだ。

 

「十分に時間は稼いだ。それでは、さらばだ」

 

「待て!! ……畜生ッ!! 逃げられたか」

 

「今、奴らを追っても仕方ないよ。さぁ、コウキを追いかけよう!!」

 

 そして、みんなもコウキを追いかけ始めた。時間は少し遡り、視点はコウキに戻る。ジャイアントホールの最奥部、ストーリー通りならゲーチスとの決戦の場所。

 

「……やっと来ましたか。忌々しい子供め、しかし一足遅かったですね」

 

「ゲーチスッ!!」

 

「今日をもって、イッシュの王は私となる……二年前のようにはいかない。人の心を持たぬ化け物も必要ない!! ハルモニアの姓を持つこの私こそが!! 王位の正当なる継承者だ!!!」

 

 そう叫んで、目の前にいるキュレムに灰色の玉……『いでんしのくさび』を差し出すゲーチス。それがエネルギーを吸って、変形し……キュレムの体に打ち込まれた。すると、キュレムの羽の氷が砕ける。

 

 ──バリィィィィン!!!

 

「さぁ、キュレム!! 伝説のドラゴンポケモンを取り込み……今こそ、真の力を取り戻せッ!!! 吸収合体です!!!」

 

「ヒュラララ……!!」

 

 ──ギュオォォォォ……!!

 

「ライトストーンとダークストーンが……合体しただと!?」

 

 その二つが合体して、大きな陰陽玉がその場に浮き上がる。そして、キュレムはそれに紫色の光線を放ち……取り込んでいく。そして、尻尾に雷と炎の力が、陰陽マークのように渦巻き……キュレムの体を包んだ。

 

 ──バヂュヂヂゴアァァァァッ!!!

 

「ぐぅっ……なんてパワーだ!!」

 

「さぁ、これで仕上げですよ!! テラパゴスッ!!!」

 

「パゴォォ……」

 

 テラパゴスが姿を変えていき……王冠の姿に変化する。そして、それがキュレムの頭の上に乗る。次の瞬間……キュレムの体が、とてつもなく大きな宝石に変わった。

 

 ──パキュパキキィィッ!!!

 

「これは……テラスタル!? なんて大きさだ……!!」

 

「さぁ、姿を見せなさい!! 双子の王の、最強の僕よ!!!」

 

 ──バリィィィィィン!!!

 

「ぐぅっ、うぅぅ……!!」

 

 凄まじい衝撃波に、今にも吹っ飛ばされそうなのを、コウキは何とか耐える。それが晴れた時、そこにいたのは……ブラックキュレムでも、ホワイトキュレムでもない。全く別のポケモンだった。尻尾に線が繋がれて、凄まじいオーラと冷気を体から放っている。

 

「……これが、キュレムの本当の姿なのか……?」

 

「美しいでしょう? 古代王が被っていた王冠の正体は、ポケモンだったのです。それが、王国の繁栄の理由……それを今、双子の王の僕が手に入れた!!」

 

「ンバーニンバリッシュ!!!」

 

 ──バヂュヂヂゴァァァァッ!!!

 

 体の凍っていた部分は全て溶けて、右腕は黒く太いゼクロムの腕に。左腕は、白くて大きな腕翼……レシラムの腕に。頭の角も左はゼクロムに、右はレシラムに。顔も左半分と右半分がそれぞれ白黒に。

 

 胸には白い体毛の下に黒い体が見えている。そして尻尾は更に太くなり、二匹の尻尾の色が均等に配置されている。キュレムの面影は、目の部分と頭の黄色の装飾くらいのものだ。

 

 更に『古代の王冠』の影響で体が宝石のように煌めき、背中には黒い羽根と共にまるで神の光輪のように、ステラタイプの宝石が浮いている。その姿は、本物の神のようだ。

 

「キュレムとテラパゴスを、どうするつもりだ!?」

 

「決まっている。これでイッシュを……いや、世界を支配するのです!! 従わない者は王の名の元に皆殺しだ!!! さぁ行け、キュレム!!!」

 

「うわぁぁぁっ!!」

 

 ──ビュオォォォォッ!!!

 

 キュレムが少し羽ばたいただけで、凄まじい旋風が吹き荒れる。コウキは耐えきれず、少し飛ばされてしまった。

 

「ハッハッハッハ、ハーッハッハッハ……!!!」

 

「……畜生、止められなかった!!」

 

「コウキ!! 大丈夫!? すごい音がしたけど……」

 

 そこに来たみんなに、起こったことを説明する。

 

「キュレムが完全体に……? これはまずいことになったな……」

 

「ごめん、みんな……私がもっと、強ければ……」

 

「トウコ!! 喋っちゃダメ!!」

 

 どうやらトウコは、ずっと一人で戦っていたらしい。コウキはそんなトウコに言った。

 

「大丈夫です。僕が奴を止めます、安心してください」

 

「……ありがとう」

 

「聞こえる……イッシュ中のポケモン達の、怯える声が……頼む、ゲーチスを……父さんを止めてくれ」

 

 Nがそう言って、コウキは強く頷く。コウキはゲーチスの行き先にも、心当たりがあった。

 

「あいつは、『自分が王になる』って言ってた。だから……二年前と同じように、ポケモンリーグで事を起こすはずだ」

 

「なるほど。それじゃ、今すぐに全員で……」

 

「……ん、ライブキャスターが……もしもし?」

 

 チェレンがライブキャスターで通信する。コウキも話の中に入った。

 

『コウキ、チェレン!! 大変よ、イッシュ全土がとんでもないことに……!!』

 

「何かあったんですか!?」

 

『テラスタルして、凶暴化したポケモン達が街にまで入ってきてる!! このままじゃ、死人が出るわ……!!』

 

 コウキはそこで確信する。これがゲーチスの、本当の計画だと。

 

「イッシュ凍結って言っておいて、本当の狙いはこれだったわけか……クソッ!! みんな、街を助けに行ってくれ!! 俺はあいつを……ゲーチスの野郎を止めに行く!!!」

 

「わかった、負けんなよ!!」

 

「……ちょっと待っててね、私はやることがあるから」

 

 そう言って、全員が行くべき場所に走っていく。コウキは一人、逃げ惑う人々を掻き分けて……チャンピオンロードへ走る。

 

「間に合え……!!」

 

 

 

 その頃、他のみんなもテラスタルポケモン達に悩まされていた。

 

「ジバコイル!! 『10まんボルト』!!」

 

「ジババァァァァ!!!」

 

「グォォォォ……」

 

 近くにいたポケモンのフシデが、強いテラスタルエネルギーとキュレムの力で凶暴化して、ペンドラーに進化させられている。その他にも凶暴化したポケモン達が、タチワキに迫っていた。ホミカは必死に、それと戦っている。

 

「ホミカ、大丈夫か!?」

 

「あたしは大丈夫だって!! 親父は早くみんなをシェルターに!!」

 

「わかった……こんな時、コウキさんがいればな」

 

 そう呟いた船長の声を、ホミカは聞き逃さない。そこでホミカは、船長を一喝した。

 

「あたしが頼りにならないっての!? あたしも、ジムリーダーなんだ!! 野生のポケモンなんかに負けるわけないじゃん!! 行くよ、爆裂ッ!!!」

 

「「ギャオォォォォォ!!!」」

 

(コウキ。アンタもどこかで戦ってるんだよね? あたしも頑張るよ……だから、アンタも諦めるな!! 諦めたら、ぶっ飛ばすから!!)

 

 ホミカはそう思いながら、ポケモンとの戦いを続けた。そして、ビレッジブリッジにて。テラスタルポケモンをよく知るアオイ達は、それの強さと危険さを理解していた。

 

「これ、ヤバくない……? エリアゼロの底みたいになってんじゃん……」

 

「きっとプラズマ団だ……!! なんとかしないと、イッシュ地方が大変なことになる!!」

 

「よし、俺達も手伝おう!! ……それで、何すればいいんだ?」

 

「とりあえず、この先には通さない!! それが最優先だね!!」

 

 そう言って、四人がボールを構えた。そして、他の街でも……

 

「あれは……ホウエンチャンピオンの!?」

 

「ここから先は、通さないよ!! メガシンカだ、バシャーモ!!!」

 

「バシャアァァーッ!!!」

 

 ホドモエシティには、チェレンが。

 

「ホドモエをお前らには渡せねぇな。出ていってもらおうか」

 

「助太刀に来ました、ヤーコンさん!!」

 

「チェレンか……足を引っ張るなよ」

 

 ライモンシティにはサレナが。

 

「ここから先は通さないわ、スターの名にかけて!!」

 

「私も戦うわ、カミツレさん!! 後ろは任せて!!」

 

「あら、素敵なレディね。飛び入り参加は歓迎よ」

 

 フキヨセシティにはリツコが。

 

「あの人も戦っているようね……そうね、みんな。彼が戦う運命にあるなら、私も同じ運命にある」

 

「飛行場はやらせませんっ!!」

 

「私達の運命に、あなた達は必要ない。消えなさい」

 

 ヒオウギシティにはヒュウが。

 

「お兄ちゃん、来てくれたんだ!!」

 

「あぁ、チョロネコも連れて帰ってきたぜッ!! あとは俺に……いや、俺達に任せろッ!!」

 

「ズオォォォォォッ!!!」

 

 そして、カノコタウンには……彼女とベルが。

 

「トウコ!? ゆ、夢じゃないわよね!?」

 

「心配かけてごめんね、お母さん。私が守るから安心して。行くよ、エンブオー」

 

「ブォォォォォッ!!!」

 

「落ち着いて避難してください、大丈夫ですよ!!」

 

 他の街でも、ジムリーダーや戦える者達が奮起している。誰一人諦めてはいないのだ。シズイ、シャガ、アーティ、そしてメイも。

 

「海が荒れとるのぅ……まぁ、こんな時もあるたい。さて、じゃあいっちょやろうか!!」

 

「ソウリュウは私が守る。ここから先は通さんぞ!!」

 

「宝石になったポケモン達は綺麗だけど……今は、絵を描くよりもジムリーダーらしく、街を守らないとね。行くよ、みんな!!」

 

「よし……!! みんな、行こう!! みんなを助けるためにも!!」

 

 そして、いなくなっていた三闘士も戦いに赴く。この時のために、力を蓄えていたのだ。

 

「こふゅおぉぉーっ!!!」

 

「ききゅあぁぁーっ!!!」

 

「ぐるるおぉぉーっ!!!」

 

 そして……コウキがチャンピオンロードに着いた頃。ゲーチスがキュレムと共に、天空を飛んで……ポケモンリーグに降り立った。そして……

 

 ──パキュキキキィィッ!!!

 

 ──ゴゴゴゴゴゴゴ!!!

 

「Nの城をテラパゴスの力で再浮上させたか……!! 上等だ、お前の城も野望もぶち壊してやる!!」

 

 コウキはそう啖呵を切って、宝石だらけになったチャンピオンロードに、足を踏み入れた。




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