朝起きたらBW2の主人公になってました(全年齢版) 作:とも667
最終決戦です。
コウキが足を踏み入れたチャンピオンロードは、テラスタルしたポケモンの巣窟だった。このまま進めば、ほぼ確実にコウキは袋叩きに遭うだろう。
「まぁ、まともに進む気なんてないんだけどな。エンブオー!! 俺を持って、壁に生えてる宝石を足場にして登ってくれ!!」
「ブォォォォッ!!」
「さて、このまま上まで行けるといいが……」
コウキはそれと同時に、思っていた。奴らが、簡単に自分を通してくれるはずがないと。
「フリージオ!! 『れいとうビーム』だ!!」
「リィジィィィッ!!」
「ゾロアーク!! 頼む、『かえんほうしゃ』だ!!」
コウキはそれが聞こえた瞬間、ゾロアークのボールを投げて命令を出した。ゾロアークが『かえんほうしゃ』で『れいとうビーム』を相殺する。
「きゅあぁぁぁーっ!!」
「むぅ……やはり仕留められんか」
「ヴィオ!! 相変わらず、倫理観がゼロだな!! 一周回って尊敬するよ!!」
コウキは皮肉を言いながら、宝石の上に降りる。そして、エンブオーと共にヴィオを睨んだ。その後ろにダークトリニティが現れる。
「……私達もいるぞ」
「それで勝ったつもりか!? シンボラー、『サイコキネシス』で動きを封じろ!!」
「ボラァァァァッ!!」
「なに……?」
コウキはシンボラーに指示を出して、後ろから迫っていたポケモン達の動きを封じた。
「同じ手は通じないってことだ!! シンボラー、アギルダーに『エアスラッシュ』!! ゾロアーク、ジュペッタに『ナイトバースト』!! エンブオー、アブソルに『インファイト』だ!!!」
「ブゥオォォォッ!!」
「ボラァァァァッ!!」
「きゅあぁぁぁっ!!」
全員がダークトリニティのポケモンに向かっていき、一瞬で倒す。最早コウキにとって、彼らは敵にならない。
「……我々では無理か」
「やはり止められぬか、流石だな」
「お前も倒してやる。さぁ、かかってきな」
コウキがそう言って、ヴィオを挑発する。しかし、ヴィオはボールを出さない。
「まぁ、そう怒るなよ。ハッキリ言って、私では貴様に勝てないだろう……その代わり、いいことを教えてやる。イッシュの本当の歴史をな」
「本当の歴史だと? なにを根拠に……」
「私が独自に考えて結論づけたものだ。間違っている可能性もあるが、私はこれだと思っている」
コウキはそれに興味が湧いた。攻撃されないように、ポケモン達に周囲を警戒してもらいながら話を聞く。
「言ってみろよ」
「よかろう。まず、ジャイアントホールが隕石の衝突でできた……というのは知っているだろう? そこに落ちた隕石が完全体のキュレム……つまり、『ゴッドストーン』だったというのが一般的な説だ。しかし、私の考えていることは違う」
「なんだと? じゃあ、落ちてきたのはなんなんだよ」
そこでヴィオは、コウキに自分の考察から来る可能性を告げる。
「ジャイアントホールに、落ちたもの。それは『テラパゴス』だったのだ。そしてリュウラセンの塔に、同時期に落ちたものこそが『キュレム』だった」
「なんだと!? テラパゴスは古代パルデアの固有種のはずだぞ!!」
「しかし、事実としてテラパゴスがいた場所は、イッシュ地方のブルーベリー学園の底……だから、私はこう考える。テラパゴスは元からパルデアにいたのではなく……ジャイアントホールに住んでいたのだ」
そう言って、ヴィオは更に続ける。
「まず、二つの隕石が地上へと落下し……その隕石から、テラパゴスと『ゴッドストーン』が現れた。テラパゴスの強い力は、人を狂わせることもあるという。それはポケモンにも影響を及ぼし……凶暴化したポケモン達は、近くの街を襲うようになった。そう、今のイッシュのようにな」
「まさか、だからカゴメタウンは……?」
「他のポケモンよりも強力な、テラパゴスの力を受けたポケモン達。それらから身を守るために、街を塀で覆ったのだ……立ち向かおうにもテラスタル現象が何なのかすら、その時の者達にはわからないからな」
さらにヴィオは続けていく。コウキはそれに、妙な納得を覚えていた。
「そして、古代の王……海底遺跡に名前の刻まれたハルモニア王は、テラパゴスのうち一匹に出会うことになった。私の調べたところによると、テラパゴスは、ペンダントに変化した事例があるらしい。それの応用で、そのテラパゴスは王の王冠となった……これが『古代の王冠』だ」
(ペンダント……新ポケモンアニメの、『リコ』のことか……!!)
「テラパゴスの力を味方につけた王国は、栄華を極めた。だがそんな時、キュレムが後のセッカシティにて目覚めた。キュレムは本能のままに暴れ回り、辺り一帯を氷の大地に変えた。だからあの場所は豪雪地帯なのだ」
そこで、コウキは思い出す。海底遺跡に書いてあった内容のことを。
「海底遺跡に書いてあった王の倒したポケモンは『四文字』だった……まさか!?」
「そう、それこそがキュレムだ。テラパゴスの力を使い、王は単身キュレムに戦いを挑み……勝利を収めた。強き王に対し、キュレムは跪いて忠誠を誓った……王国は長く続いたが、それにも終わりが来た。テラパゴスの力を狙った者達が、攻めてくるようになったのだ。そして、子供達すら野心を持って、それを狙っていることを知った王は……」
そこでコウキは、次に何が起きたのかを察する。
「テラパゴスを逃がしたのか……」
「そうだ。そして、テラパゴスの加護を失った王国は滅亡の道を辿った。キュレムも付き従う者を失い、どこかに消えた。そして作られたのが、『リュウラセンの塔』だ。いつか王の僕が戻ってきてくれる、そう信じて……」
「つまりあれは、いなくなったキュレムが戻ってくるための目印ってわけか……」
ヴィオはコウキの言葉に頷いて、更に続ける。
「そうだ。そして、キュレムは戻ってきた……王の遠い末裔の双子を王と認めてな。そして、そこからが『建国神話』だ」
「……待て。テラパゴス達はどこに行った? 話に登場していないようだが」
「言っただろう、『テラパゴスの力を狙っている者達がいた』と。テラパゴス達は住処を追われ、海を越えて別の地方へ逃げた……お前の言う『古代パルデア』にな……」
「そこで『スカーレットブック』『バイオレットブック』が書かれたってわけか……」
ヴィオがそれに付け加えて、更に言う。
「しかし、テラパゴスの力は強力だった。本体がいなくなって、宝石が砕けても……その力は微弱だが残っていた。だから、体が不安定なキュレムはあそこを住処に選んだのだろう」
「テラパゴスの力も利用して、体を繋ぎ止めてたわけか……」
「あの場所が禁忌とされていたのは、ポケモンを凶暴化させる、テラスタルエネルギーを放っていたことや、キュレムが住みついたのもあるが……王がそこに行って、帰ってこなかった。それが禁忌となった、一番の理由だろう。当然だ、キュレムに勝利した王がそこで死んだのだからな」
そしてヴィオは、話を戻して言った。
「話を戻そう。テラパゴスの中でも、逃げ切れたのはごく少数で、殆どのテラパゴス達は研究材料や、資源として使われて死んだらしい。まったく人間とは愚かだな。お前もそうは思わないかね?」
「愚かな人間の代表に言われても、説得力ねぇな……お前らのボスは、それを他のポケモン達にもやってるんだ。キュレムにもな」
「だからこそ、ゲーチス様のような統治者が必要なのだ。そのためならば、ポケモンも人も少しの犠牲は仕方がないだろう」
その『少しの犠牲』がイッシュ全土の大量虐殺だというのか。コウキはそう思って、更に怒りを強めた。
「やっぱりお前とは、話が通じねぇな」
「やはり子供には理解できんか。まぁいい、これから嫌でも理解することになる……ゲーチス様こそ王に相応しいことをな」
「だったら、その王座ごとぶち壊してやるまでだ。エンブオー、また頼む」
コウキはそう言って、チャンピオンロードをエンブオーに乗って駆け登っていく。そして、ポケモンリーグの前に辿り着いた。そこでコウキは、衝撃的な光景を目にする。
「……あれは、チャンピオンに四天王の皆さん!? みんな氷漬けにされてる……!!」
「ここまで来ましたか、忌々しい子供よ。それは褒めてあげましょう」
「ゲーチス……その体は!?」
コウキが驚くのも無理はない。ゲーチスの体の右半分が、テラスタルエネルギーによって宝石になっていたのだから。ゲーチスはコウキの様子を見て、笑って言った。
「テラパゴスの力は、本当に素晴らしい。上手く動かせなかった体が自在に動く……王国の繁栄も、これなら納得ですね」
「やめろって言ったって、聞く気はないだろ? かかってこい、俺がお前を倒す」
「倒すですって? 誰を? この私を!? ハッハッハッハ、無謀もここまでくれぱ笑えますね!!!」
コウキは自分のポケモンを、一人残らずボールから出す。全員が怒りに震えながら、ゲーチスを睨みつける。
「おや? あなたのポケモン達、震えていますね? もしかして、あなたと一緒に怒りに震えているとか? いいでしょう!! その怒りに免じて、相手をして差し上げます!! キュレムッ!!!」
「ンバーニンバリッシュ!!!」
──ズドォォォォン!!!
「出やがったな……決着をつけてやる!!!」
堂々と表示された、『レベル100』の文字にも怯まず、コウキはポケモン達と一緒に闘志を燃やす。
「ちょうど退屈していたのです。少し遊んでやりなさい」
「グォォォォォーッ!!!」
──パキパキパキパキ……
「ッ、温度がどんどん下がってる……氷の力も据え置きか!!」
完全体キュレムの特性、『いてつくせかい』。その効果は、敵ポケモンの素早さを0.75倍する。つまり、四災ポケモンの特性の素早さ版だ。
「どうしました? もう降参ですか?」
「そんなわけねぇだろッ!! エンブオー、『インファイト』!!!」
「エェンブゥゥゥッ!!!」
──ズガガガガァァッ!!!
凄まじい威力を誇る、エンブオーのインファイト。それをキュレムは防ごうとすらせず、棒立ちのまま受けた。しかし……
「効かないだと!?」
「忘れたのですか? 今のキュレムはテラパゴスの力を得ているのですよ」
「……!! 特性『ステラシェル』か!!」
HPが満タンの時、相手から受ける技が全て効果今ひとつになるテラパゴスの特性。今のキュレムは、それを持っている状態だ。
「そして完全体になったキュレムのエネルギーは無尽蔵……多少減らした程度なら、すぐに回復します。その意味がわかりますか?」
「……攻撃が効かないってのか!?」
「その通り!! 完全体のキュレムは無敵なのですよ!!! さぁ、キュレム!! 挨拶してあげなさい!! 『クロスフレイム』!!!」
「グギャオォォォォォッ!!!」
──ギュイィィィィ……!!!
──ボゴァァァァァン!!!
「ハァリィッ……!!」
「ハハコモリ!? や、やられた……!!」
「こんなものでは終わりませんよ!! キュレム、『クロスサンダー』です!!!」
──ギュオォォォン!!!
──ヂュババババァァッ!!!
ゼクロムやレシラムとは比べ物にならない程のスピードと、凄まじい雷と爆炎。それをまるで、通常攻撃かのように放つキュレム。今度は『クロスサンダー』で、マリルリがやられてしまった。
「マッ、リィィ……」
「マ、マリルリッ!!」
「他愛もない奴らめ……キュレム、他の奴らも倒してしまいなさい!!」
ゲーチスがそう吐き捨てて、指示を出す。それに合わせて、またキュレムが雄叫びを上げた。
「ンバーニンバリッシュッ!!!」
「ッ……シンボラー、『ひかりのかべ』!!」
「シィィィィッ!!!」
──ドギュオォォォォン!!!
あちこちにキュレムの放った攻撃が炸裂し、命中した部分が粉々になっていく。それを見てコウキは、確信した。
「どんどん力が増している……まさか、まだ本調子じゃないってのか!?」
「気づきましたか。その通り、キュレムは完全体に戻りたてで、まだ本調子ではありません。準備運動にはちょうどいい戦いです!!!」
「くっ……ドリュウズ、『つのドリル』!!!」
「ドォリュウゥゥゥッ!!!」
──ズギャギャギャギャ!!!
ドリュウズがキュレムの巨体に、体を回転させながら突っ込む。それは命中し、そのまま体を貫く……はずだ。
「よし、当たった!!! これなら……」
「キュレム、『ふぶき』です!!!」
「ヒュララァァァッ!!!」
──バキバキバキバキッ!!!
キュレムが吼えると、凄まじい猛吹雪が辺りを覆い尽くす。コウキとポケモン達をエンブオーが庇って、『ふぶき』を受けた。
「ブゥッ、オォォッ……!!」
「ッ、ありがとうエンブオー……ドリュウズは!?」
「残念でしたね。無駄だったようですよ」
ドリュウズは、回転していた体勢のまま氷像にされてしまっていた。それを見て、コウキ達が怒りを燃やす。
「貴様ァァァァァ!!!」
「いくら怒ろうとも無駄ですよ。さて、そろそろ準備運動は終わりです。貴様らも全員、このポケモンと同じ目に遭わせて差し上げます……キュレム!! あれの準備をしなさい!!!」
「バァーニバキュロムッ!!!」
キュレムが自分の体の前で、腕を曲げて平行に構える。キュレムの掌と掌の間に、氷と炎と雷が収束して、凄まじい力を放つ。
──ギュオォォォアァァァァッ!!!
「『フリーズボルト』でも、『フリーズフレア』でもない……あれは、一体……!?」
「これがキュレムの本来の力だッ!! キュレム、『トライブリザード』です!!!」
「グゥオォォォォォ!!!」
──バギュオォォォォン!!!
凄まじい力が、鼓膜を劈く轟音と共に放たれた。当たればきっと、ひとたまりもないだろう。だが、ここから避ける手段はない。
「せめて、みんなだけでも……えっ!?」
「ブォォッ!!」
「きゅあぁっ!!」
「シィィィッ!!」
全員がコウキの前に立ちはだかって、コウキを庇う。振り向いた顔は、まるで『水臭いぞ』とでも言いたげな顔。コウキはそれに、涙が出てきた。しかし、泣いている場合ではない。すぐに、みんなに指示を出す。
「シンボラー!! 『サイコキネシス』で、できる限り光線を逸らせ!!! ゾロアーク、『ナイトバースト』でエンブオーの援護!!! エンブオーは……『フレアドライブ』で突っ込め!!!」
「ボォラァァァァッ!!!」
「きゅあぁぁぁーっ!!!」
「ブゥアァァァァッ!!!」
──ズギャオォォォォン!!!
二人の全力の攻撃が、それぞれぶつかり合う。優勢なのは、やはりキュレムだ。当然だ、元の力が違いすぎるのだから。
「無謀なことを!! 力の差を教えてやりなさい、キュレム!!!」
「バァーニバキュロムッ!!!」
「力の差があるからなんだ……!! 俺は、俺達は!!! 最後の時まで、絶対に諦めないッ!!!」
「ブゥオォォォォッ!!!」
全員の力が、より一層増す。ほんの少しずつ、エンブオー達が押し返していく。
「なっ……どうなっている!? 計算が狂っているぞ!? 奴らのどこにそんな力が……!!!」
「お前には一生、わからねぇ力だろうよ!!!」
「ブゥアァァァァッ!!!」
「ボラァァァァァッ!!!」
「きゅあぁぁぁーっ!!!」
──ドバオォォォォォン!!!
キュレムの『トライブリザード』が逸れて、天高くに飛んでいく。そして、ゾロアークの『ナイトバースト』とエンブオーの『フレアドライブ』が、キュレムに命中した。流石のキュレムも、これにはダメージを受けたようだ。
「ヒュラ、ラ……!!」
「なんだと!? どういうことだ、どうやって装甲を突破したんだ!?」
「『つのドリル』のキズだけは癒えるのに、時間がかかってたらしいな……舐めプせず、避けるように言っとけばよかったのによ……!!!」
これはゲーチスが、コウキ達を舐めていた故のダメージ。つまり、身から出た錆に他ならない。それを聞いて、ゲーチスはギリギリと歯軋りをしている。
「図に乗るなよォ!! ただのまぐれ程度で、子供如きが!! キュレム、もう一度『トライブリザード』だ!! 今度は手加減なしだ、全力で消し飛ばせ!!!」
「ンバーニンバリッシュッ!!!」
──ギュオォォォォ……!!!
「……来いよ。相手になってやるッ!!!」
「エェンブゥッ!!!」
もう、全員がボロボロだ。さっきのように貫くことはできない。そんなことはコウキもポケモン達も理解している。でも、それでも……コウキは自分の思い出に懸けて、諦めるわけにはいかない。
「最後に勝つのは俺達だ……!! そうだろ!?」
「ブゥゥッ!!」
「きゅうっ!!」
「ボラァッ!!」
そして、キュレムの手の中にさっきよりも大きなエネルギーが集まる。そして、ゲーチスが憤怒と憎悪を込めて叫んだ。
「死ね!!! くだらぬトレーナーがぁぁぁぁぁ!!!」
「ザシアン!! 『きょじゅうざん』!!!」
「ザマゼンタ!! 『きょじゅうだん』!!!」
──ジャシュシュシュッ!!!
──ドッゴォォォォォン!!!
「ヒュラァァ……!!」
「な、なんだ!? 今度は何が起きた!?」
「ユウリ……? それに、そっちにいるのは……」
「初めましてだな!! 俺の名前はホップ、ユウリの親友だ!!」
キュレムの前に立ちはだかった、二人の勇者。『トライブリザード』が中断させられて、ゲーチスは信じられないという顔をしている。
「馬鹿な、キュレムの体をいとも容易く……!?」
「ごめんね、遅くなっちゃって。実は……みんなを呼びに行ってたんだ」
「みんな? みんなって……もしかして!?」
一方、その頃。チェレンがいたホドモエには、彼が助けに来ていた。
「ドリュウズ、『じしん』!!」
「セキタンザン、『タールショット』!!」
「やるな、アンタ。気に入ったぜ、名前は?」
「僕の名前はマクワ。以後お見知りおきを」
他の街でも、ユウリが呼んだジムリーダー達が代わりに戦っている。ライモンシティには、彼女が。
「オーロンゲ、『ソウルクラッシュ』!!」
「強いわね、あなたも。名前を聞いてもいいかしら?」
「あたしはマリィ!! ユウリに呼ばれたけん来た!! 大船に乗ったつもりでおりな!!」
そして他の街にも、ガラルのジムリーダー達がいて、戦っている。ヒウンシティにはヤローが。
「呼ばれたからには、頑張らんとな!! みんなのためにもねばり腰じゃ!!」
「いいフォルムだね、ヤローさん!! 後でスケッチさせてもらってもいいかい?」
「ん? あぁ、構わんよ!!」
セイガイハシティにはルリナが。
「ルリナさんやっけか? おはん強いなぁ!!」
「そっちこそ。ここはいい街ね、これが終わったらゆっくり観光させてもらうわ」
「ええのう、その時はおいが案内したるわ!!」
ソウリュウシティにはキバナが。
「アンタの噂は聞いてるぜ、シャガさん。今度、挑戦させてもらってもいいかい?」
「もちろんだ、だが今は……目の前のこやつらを倒さねばな!!」
「違いない!! さっさと片付けさせてもらうッ!!」
ヒオウギシティにはヒュウの代わりに、ビートが。
「はぁ……ポプラさんったら僕が行くって言ってるのに、自分が行くって言って聞かないし……誤魔化すのも一苦労でしたよ、やれやれ……体がもうボロボロなんだから、そろそろ隠居して欲しいんですがね」
「あなたもお兄ちゃんの友達?」
「その友達の友達の、そのまた友達……といったところです。まぁ、そんなことはいいとして……まずはこのポケモン達に、ピンクをプレゼントしてあげましょうか!!」
タチワキシティにはホミカの代わりに、カブが。
「ポプラさんの分も、私が戦わせてもらおう!! 行くぞ、マルヤクデ!!」
「ありがとうございます、カブさん!! これが終わったら、ポケウッドで映画でもどうです?」
「いいね!! 私は、感動できる映画が好きだな!!」
フキヨセシティにはリツコの代わりに、サイトウが。
「行きますよ、カイリキー!!」
「ひこうタイプの攻撃にもビクともしないなんて……よく鍛えてますね!!」
「あなたもどうですか? 絶対に強くなれますよ!!」
そして、カノコタウンには……二人の代わりに、彼が来ていた。
「リザードン、行くぞ!! みんなを守るんだ!!」
「あれは……ガラル元チャンピオンのダンデさんか!?」
「今はバトルタワーのオーナーだぜ!! レッツ、マスタータイム!!!」
みんな、ユウリの声掛けで来てくれた。コウキを助けるため、イッシュを守るために。そして、コウキの元にみんなが駆けつける。
「コウキ、よく持ち堪えたな!! ここからは俺達も戦うぜッ!!」
「ヒュウ兄さん、他のみんなも……!!」
「あたしもいるよ、コウキ!! 久しぶり!!」
そこにいたのは、愛しい恋人のホミカだった。コウキはそれを見て、とても嬉しくなる。
「ホミカも来てくれたんだ、ありがとう……!!」
「ある程度片付いたら、ソッコーここに向かおうと思ってたんだよ!!」
「ぐっ、ぐぐぅっ……!! 貴様らぁぁ、図に乗るなよ!!! 有利なのは私なんだ、キュレムもテラパゴスもまだ倒れていないッ!!!」
そこに次々とやってくる、コウキの仲間達。
「ゲーチス……今度こそ、アンタの野望を終わらせる!!」
「みんなの仇は打たせてもらう。アンタはここで終わりだ!!」
「トモダチの声が聞こえる……まだ分離できると、そう言っている。僕のトモダチを助けてあげてくれ、コウキ!!」
「コウキくんのポケモン、酷い怪我……治してあげるね!!」
トウコとN、サレナにベルも来た。それからリツコが歩いてきて、言った。
「見える……あなたが負ける未来が。私達の運命の邪魔は、何人たりともすることはできない」
「言っておく……俺達は、今から怒るぜッ!!!」
「相手が悪かったな、ゲーチス。今更後悔しても遅いぞ!!!」
「黙れ黙れ黙れ!! 今度こそ!!! 誰が何をしようと!!! 私を止めることはできないッ!!! キュレム!!! そいつらを全員、殺してしまえぇぇぇぇ!!!」
その場にいる全員が、自分の手持ちポケモンを出す。真の最終決戦の幕開けだ。
次回、最終回。