朝起きたらBW2の主人公になってました(全年齢版) 作:とも667
ホミカちゃんの登場です。
20番道路を乗り越えて、タチワキに着いた頃のこと。コウキのライブキャスターが鳴り、コウキはそれを受けた。
「はい、もしもし」
「もしもし、ママだけど。今どこにいるの?」
「タチワキシティにいるよ」
コウキがそう言うと、お母さんがコウキにコンビナートを勧めた。
「タチワキにいるなら、コンビナートに行ってみたら? あそこの夜景、中々いいのよ!! それに、ポケモンも鍛えられるしね」
「わかった、行ってみるよ」
「うん!! あなたとポケモン、できることは別々だから、力を合わせてすごいことができるといいね!!」
そう言って、電話が切られた。コウキはそこで目の前に立っている女の子と、男の人が目に入る。
「ホミカよ、父を止めないでおくれ。私は自分の可能性を探るため、いざポケウッドへ!! ムービースターでもある船長を目指すのです!!」
「あのね、船長でしょ!? 船動かしてくれないと、困る人もいるでしょうが!!」
「愛しの娘よ、君はジムリーダーとバンドを掛け持ちしているではないですか? 私にもできるはずなのです!!」
ホミカの父は、そう言って去っていった。ホミカは父親の態度に、地団駄を踏んでいる。
「あー、もう!! バカバカバカバカー!! ダメなのは掛け持ちしてることじゃなくて、迷惑かけてることだって!! 船長のワガママで船乗れないとか許さん!!」
「あの……なにかお困りですか!?」
「うぇぇっ!?」
ホミカはびっくりして、コウキの方に振り向いた。コウキは、彼女がどうして困っているのかを全て知っているが、それを言っても怪しまれるだけだ。
「僕はコウキ、ポケモントレーナーです。あなたは?」
「あたしはホミカ、この街のジムリーダーだよ。さっきのは、バカな親父……突然『スターになりたい』とか言い出して、船をほっぽりだして……みんな困ってるんだよ」
「大変ですね……僕も、ヒウンシティに行きたいんですが」
コウキがそう言うと、ホミカは申し訳なさそうにしている。
「ごめんね、うちのバカオヤジが……やっぱり止めに行かないと!!」
「……今止めに行っても、多分止まってくれないと思いますよ」
「でも!! このままじゃみんなが……!!」
コウキはホミカがいい子なのを再確認しつつ、感情的になってしまうホミカを諭す。ここで彼を止めても止まらないのは、コウキが一番良く知っていた。
「ホミカさんの優しさは尊敬しますが……うーん、そうだ」
「えっ、なんか思いついたの?」
(このままだと、ホミカちゃんの父親の映画は大失敗に終わる。そして、父親は夢を諦めて仕事に戻る……そういうストーリーラインだ。でも、落ち込んだ船長を見たホミカちゃんは悲しそうだったし……できれば、なんとかしてあげたいな)
コウキはそう思って、解決策を考える。今すぐ行かなければ、撮影が始まってしまうだろう。
「僕と一緒に、彼を説得しに行きませんか? 船の仕事をやらせる手段を思いつきました」
「ホ、ホント? 一緒に行ってくれるの?」
「もちろん。彼を止めなければ、みんなが困ってしまいますからね。もちろん僕も!!」
コウキはそう言って、ホミカに笑いかけた。コウキはそこで、ホミカの好感度ゲージの変化に気づく。
「あ、ありがと……じゃあ、行こう!! 早く仕事に戻らせないと!!」
「はい、行きましょうか!!」
(すごい勢いで好感度が上がってる……あ、もう10レベルにまで行った。結構ちょろいのかな……かわいい)
ホミカは駆け足でポケウッドへと走っていく。コウキもそれを追って、ポケウッドに走る。
「……では、『ハチクマン』の撮影枠が決まっていないので、あなたはそこに……」
「親父!! 落ち着けって言ってんでしょ!?」
「ホミカ。止めるなと何度も言って……待て、誰だその男は? まさか彼氏……」
顔を顰めて、ホミカの父親が心配そうに言う。そこでコウキが、自己紹介をし始めた。
「はじめまして、ホミカさんの船長さんですね? 僕の名前はコウキ、通りすがりのポケモントレーナーです。ホミカさんと一緒に、あなたを止めに来ました」
「ホミカ、お前が頼んだのか?」
「そうだよッ!! 親父の夢も大事だけど、それはみんなに迷惑かけていい理由にはならないよ!! 船の仕事に戻りな!!」
ホミカがそう言うが、父親は聞く耳を持たない。
「何度も言ってるだろう? スターと船長を兼業すると。だから、善は急げということで……」
「全ッ然善じゃない、寧ろ悪だし!!」
「……なるほど」
『こうなることはわかっていた。そもそも、通常通りにストーリーラインを進めないと、どうなるかもわからない。だけど……せっかく主人公になれたんだ。幸せになるって宣言したからには……好きにやらせてもらう!!』
コウキは意を決して、その言葉を口にする。
「あのー、どうしますか? あなたが行かないなら、別の人を採用……」
「行きます!! それではホミカ、それとコウキさん。私のスターデビューを見ていてください!!」
「スカウトさん!! 僕とホミカさんを、『ハチクマン』のエキストラにしてくれませんか!!」
コウキが、そう叫ぶ。それを聞いて、その場の全員が目を丸くした。
「えっ? エキストラ……? 確かに、枠は空いてるけど……」
「ちょ、ちょっとタンマ!! なんで勝手に決めて……」
「ホミカちゃんごめん、でも必要なんだ。船長の仕事をやらせるためには……」
コウキが小声でそう言うと、ホミカはそれに頷いた。
「わかった。あなたの言う通りにする……」
「私のエキストラを? それはいい!! 私のスターデビューを、娘達が飾り付けてくれるなんて!! 今日は幸運な日だ、構いませんよね?」
「は、はい。エキストラの枠なら、まだ採用していませんでしたし……」
コウキはそこに、ひとつ付け加える。
「ただし船長さん。条件があります」
「なんです?」
「もしも映画が大成功したら、絶対に船の仕事に戻ってください。いいですか?」
コウキがそう言うと、船長はそれに頷いた。
「わかりました。船長とスターの掛け持ちをするのが、元々の目的ですからね!!」
「よし!! それじゃ、ホミカさん。行きましょうか」
「うん……映画か、どんな感じなんだろう」
コウキ達は控え室に入れられて……しばらく待たされることになった。
「ここで待ってるの? なんか、退屈だね」
「ホミカちゃん、やって欲しいことがある……いいかな?」
「ん、なに? あたしにできることなら……」
コウキは、耳元でホミカに作戦を伝えた。するとホミカは……それをすぐに了承する。
「って感じなんだ。どう?」
「うん、わかったよ。それで親父が、船の仕事に戻ってくれるなら……」
「よし!! じゃあ、この作戦は秘密だぞ?」
二人で頷いた時に……丁度スタッフが来て、撮影スタジオに連れてこられた。そしてコウキ達は、奇抜な服装に身を包んだハチク……もとい、『ハチクマン』に出会った。
「わっ、なにあの格好……?」
「ハチクマン……悪者の格好だよ。ほら、お父さんは……」
「あ、ホントだ。ヒーローっぽい……」
そこで監督が声を上げる。撮影開始の合図だ。全員が配置についた。
「はい、皆さん配置について。始めますよー」
「準備OKだ」
「準備できました!!」
コウキ達もそう言って、準備万端。そこで監督がカチンコを構える。
「頼むよ!! 3,2,1……アクション!!」
──カチン。
「ゆけ!! 我がポケモン!! この遊園地で暴れるのだ!! 全てを破壊しつくせ!!」
「コッターッ!!」
カチンコを合図に、ハチクマンが投げたボールからコマタナが現れて、雄叫びを上げた。それに反応して、エキストラが逃げ惑う。
「わぁぁぁぁぁ!?」
「助けてぇぇ!!」
「フハハ、逃げようとも無駄だぞ!! コマタナ!! 奴らを追いかけろ!!」
ハチクは、ブランクを感じさせない迫真の演技で、バルチャイを二人にけしかける。そこでリオルマンとなった船長が現れた。
「お待ちなさいー!!」
「リオォー!!」
「ヌ……!? 何者だ!!」
「真実と理想の使者!! リオルマンの参上です!! おーいおいおい!! ハチクマン君!! 君ねぇ、悪さはいけませんよー!!」
リオルマンはそう言って、ハチクマンを糾弾する。そこでハチクマンは、如何にも悪役らしいことを口にする。
「遊園地、それは一時の夢……つまり人々の理想の形!! 理想など破壊してくれる!!」
「リオル、『はっけい』です!!」
「リオッ!! オォォッ!!」
──ズダァァン!!
リオルがコマタナに急接近し、平手をコマタナに当てて……そこから力を発することで、小気味よい音と共に、コマタナを吹っ飛ばした。コマタナが倒れる、ここまでは予定通り。
(ここまでは大丈夫、問題は次の瞬間だ!!)
「わー、何だ!? ヒーローショーでもやってるのか!?」
「我輩のポケモンをたったの一撃だと……やるではないか、リオルマン!! だが、しかし!! だが、しかし!! 我輩の悪の奥義で、貴様を跪かせてやろう!!」
ここだ。コウキはそこでホミカに指示を出す。ホミカは合図を受け取って、頷く。そしてハチクマンとバルチャイが、リオルマンとリオルを睨んだ。
「さあ!! 覚悟は良いかっ!!」
「ひっ……!!」
「リオルマーン!! 頑張れーっ!!」
「ッ、ホミカ……!?」
ホミカが大きな声で、リオルマンを応援した。それに便乗して、コウキも大きな声で応援する。
「リオルマン!! 負けるなーっ!!」
「諦めるな、リオルマン!!」
「ハチクマンをやっつけろー!!」
船長はそれを聞いて、怯える自分の心が小さくなるのを感じた。
(そうだ……ビビってなどいられるものか!! 娘の前なんだ!! 私の心臓よ、持ってくれ!!)
「の……望むところだっ!!」
「よかろうッ!! 我輩の悪の奥義!! 食らうがよいわーッ!! バルチャイ、『だましうち』!!」
「バルルーッ!!」
──ズゴォッ!!
バルチャイは一瞬で姿を消して、リオルを後ろから蹴りつけて攻撃する。しかし……リオルはそれに耐え切り、バルチャイを掴んだ。
「リオォォォ!!」
「なぬっ!? 我輩の奥義を受け止めた!?」
「リオル、『れいとうパンチ』だ!!」
「オォォォォォッ!!!」
──バキャアァァ!!
リオルのれいとうパンチが、バルチャイの正中線を捉えた。バルチャイは吹っ飛んで、その場に倒れ込む。ハチクマンはそれに、悔しそうな声を上げる。
「グムムム……我輩の奥義をものともせず、しかも一撃で沈めるとは……」
「ハチクマン!! ここはみんなの理想が詰まった遊園地だ!! 大人しく立ち去れ!!」
「よいだろう……今日のところは引いてやる。だがリオルマンが真実と理想の使者なら、現実と幻想の怪人が、このハチクマンよ……覚えておくがいい!!」
そう言って、ハチクマンが舞台上から去る。それを見て、みんなが一気に歓声を上げた。
「わーっ!! 見て見て、かっこいい!! リオルマンだって!!」
「かっこいいぞー、リオルマン!!」
「……怪人ハチクマン、一体何者なんだ……」
──カチン。
──ガタッ!!
そこでカチンコが鳴り、監督が立ち上がった。そして、エキストラと共に彼に拍手を浴びせる。
──パチパチパチ!!
「えっ……え?」
「いやー、君!! 名演だったよ!! これは絶対にいい映画になるね!!」
「そ、そうですか? ありがとうございます……」
船長はそう言って、部屋に戻っていく。すぐに編集が行われ、映画の上映が始まった。それから数時間後……
「いやー、よかったね!! ハチクマン!!」
「リオルマンのちょっと頼りないけど、みんなの声で立ち上がるところがよかったな!!」
「ママー、リオルマンマスク買ってー!!」
みんながそう言う中、経営者のウッドウが彼の肩に両手を置いた。
「キミのおかげで、映画は大ヒットだよ!! 初めてとは思えない演技だったね!!」
「……ありがとうございます」
「ぜひ次からも頼むよ、ね!!」
そう言ってウッドウが去ろうとした時、二人が船長のところにやってきた。
「親父、映画見たよ。カッコよかったね……」
「約束しましたよね、船長さん」
「……ウッドウさん。申し訳ないですが、私は映画スターを引退します」
そう言って、その場の全員が驚愕した。その中でも焦っているのは、コウキだ。
(どうして!? 上手くいったはず……一体、なにがいけなかったんだ!? クソッ!!)
「親父、別にやめろとは言ってないよ!! 船の仕事と一緒に……」
「キミのような人材を失うのは惜しい、頼むよ!!」
ウッドウが嘆願するが、彼は首を横に振る。そして、その理由を言った。
「私がスターになれたのは、彼らがいたからです。ホミカと、それを導いてくれた彼。私は彼らがいなければきっと、最悪の演技をしてしまっていたでしょう。だから、スターは彼らの方です」
「親父……」
「船長さん……」
二人がそう言って、ウッドウも渋々納得する。
「まぁそういう事なら、仕方がないね……」
「勝手ですみません。それでは失礼します……ありがとう、二人とも。おかげで、人生のいい思い出になったよ……さて!! 次は海の上のスターになる番ですね!!」
「……上手くいって、よかった」
コウキは、心の底からホッとしている。ふと、ホミカを見ると……彼女は涙を浮かべて、笑っていた。
「よかったね、親父……」
「泣いてるんですか? ホミカさん……」
「えっ!? な、泣いてねーし!! 目にゴミが入っただけだしっ……!!」
彼女は乱暴に涙を拭って、顔を赤くしながら涙をごまかした。その様子が可愛らしくて、コウキはつい正直に口に出してしまった。
「……かわいい」
「かわッ!? かっこいいじゃなくて……!? もう、その、あの……バカ!!」
「あはは、すみません。つい口に出しちゃって」
コウキはそこで、本来の目的を思い出した。
「そうだ。僕、ジムに挑戦したいんだった……」
「ジム? それなら今からでも……」
「いや、少し準備させて欲しいので……待っていてもらえますか?」
コウキは、まだ準備をしたかった。戦う前に、捕まえておきたいポケモンもいるし……育成もしておきたいからだ。
「しょうがないなぁ!! じゃあ、ライブしながら待っててあげる!! 言っとくけど、手加減なんて全くできないから!!」
「手加減なんてして欲しくないです。全力のホミカさんと戦いたいですし」
「言ったね!? じゃあ、いつでも来なよ!! アンタの理性、ぶっ飛ばしてあげるからさ!!」
「……さて。今日はホテルに泊まって、レベル上げは明日からだな」
コウキはそう呟いて、欠伸をしながら宿泊するホテルに向かった。
その日の夜。ホミカは不思議な気分を抱えて、ジムへと歩いていた。
(なんだろう、この感じ……あの人のこと考えると、ドキドキしちゃう。ライブの時の胸の高鳴りとは違う……これは、なに?)
「……モヤモヤする時は、これに限る!!」
「仕事をサボってどこに行っていたの、ジムリーダー?」
そう言って、ギターを取り出したホミカに冷や水をかけるような、冷たい声。それで一気に現実に戻された彼女が、目の前のエリートトレーナーに言う。
「アンタ、誰? 挑戦者?」
「そうよ。まだ開いてるわよね? 私の相手をして欲しいの」
「いいよ、丁度ライブしようと思ってたんだ。アンタ、名前は?」
そこでエリートトレーナーが、ボールを取り出しながら名乗る。
「私の名前はサレナ。目的のためにも……あなたに負けてはいられないの」
そして、次の日。タチワキコンビナートでコウキは、親方のお願いで作業員達とポケモンバトルをしていた。
「チャオブー、『ニトロチャージ』!!」
「チャブゥッ!!」
「エレキィィ……」
チャオブーがニトロチャージで、エレキッドを撃破した。コウキは作業員に一礼して、賞金をもらう。
「いやぁ、おかげで目が覚めた。さてと、仕事に戻るか!!」
「これで全員だな……よし」
「おぉ、やってくれたな!! これはほんの気持ちだ、受け取れ!!」
そこでもらったのは『いわくだき』のわざマシンだ。コウキはお礼を言って、草むらに行く。
「さて、トレーナーは大体倒したし……レベリングついでに、捕まえないとな。おっと、早速見つけた!!」
「ルルッ!?」
コウキはコイルにボールを投げつけて、戦闘に入る。そこでコウキは、あえてチャオブーに全力で攻撃するように指示した。
「チャオブー!! 『ニトロチャージ』だ!!」
「チャアブゥゥッ!!」
「ルルルゥゥ……」
コイルは吹っ飛ばされて弱っているが……倒れていない。そして出てくる、特性『がんじょう』の表示。
「よし、モンスターボール!!」
──カチリ。
「コイルゲットだ!! さて、一旦ポケセンに行くか……あれっ、あの人は確か……」
「……」
そこでコウキは、ヒオウギジムで出会った彼女と再会した。思わず見ていると、その視線に気づかれて……睨まれた。
「あ、すみません……」
「……何よ。人のことジロジロ見ないでよ」
「行っちゃった……とりあえず、ポケセン行くか」
コウキはポケセンに行ったあと、またレベリングを始めた。コイルやルリリ達のレベルを、どんどん上げていく。
「すごい勢いでポケモンを倒してる……なに、あの人?」
「さぁ、なんなんだろう……」
「ルリリ、『バブルこうせん』だ!!」
「ブビィィィ!!」
ブビィを倒して、またレベルアップ。そこで、コウキは少し気になることがあった。
『ここには何故か、ブビィとエレキッドがどちらもいた。ブラック版かホワイト版か、ここで見分けられると思ってたが……もしかして、混ざってるのか?』
「ルリッ!?」
「進化か……!!」
ルリリの体が光り、体の形が変化……ルリリは、マリルに進化した。
「レベルは19……次のレベルで進化して、アクアテールを覚えるはずだな」
コウキはそう思って、マリルの追加された図鑑データを見る。しかし……そこには、コウキが驚愕する内容が書いてあった。
「……!? フェアリータイプだと!?」
「リル~?」
(どうなってる? BW2に、フェアリータイプが存在するはずないのに……いや、あの時から兆候はあった。ルリリがレベル15で覚えた技の、『とびはねる』……あれは、XYから覚えるようになった技だ!!)
コウキは混乱する。ここはBW2の世界、つまりフェアリータイプがまだ流入していない世界なのではないのかと。しかし、現実は目の前に書いてある。
「……おめでとうマリル、まだまだ頑張って鍛えような?」
「マリッ!!」
(フェアリータイプが入ってるなら、育成を大きく変えないとな……全員のレベルを25まで上げよう、マリルリはそれで『じゃれつく』を習得するはずだ)
コウキはそう思って、全員をレベル25になるまで鍛え始めるのだった。そして……日が暮れた頃。
「よし。全員レベル25になったな……」
レベルが上がったことで、マリルはマリルリに進化している。そして、マリルリの技構成も変化した。
(じゃれつく、アクアテール、とびはねる、あまえる……とりあえずの技構成はこうだな)
「あとの三人は……チャオブーはニトロチャージ、まるくなる、ころがる、つっぱり……だな」
「チャブッ!!」
そしてコイルはでんじは、エレキボール、いやなおと、でんきショックだ。どうやら完全に技は第八世代……SVの並びになっているらしい。
「この世界には『テラスタル』や、『ダイマックス』もあるってことか……?」
コウキはそう呟きながら、最後にクルミルの育成を開始する。そして、レベル20に達したところで……予想通り、進化の光が出始めた。
「ミルッ!?」
「……わっ!!」
「ミルゥゥ!?」
クルミルは驚いて、進化を止めた。コウキは、進化キャンセルを行ったのである。何故なら……
「ごめんな、クルミル。進化はもうちょっとあとだ」
「ミル……」
(進化キャンセルを行ったポケモンは、経験値が普通より多めに入る。だから、その分レベリングが楽になるはずだ)
コウキは進化しそうになる度に、進化を止めていき……レベル25に達したところで、進化させる。
「ミルッ……!!」
「いいぞ、クルミル」
「……マユゥゥ!!」
クルミルはクルマユに進化した。そこでクルマユが、『まもる』を習得する。
「よし……1,2の……」
──ポカン。
「マユッ?」
「『たいあたり』を忘れて、『まもる』を覚えたな。よし……予定通りだ」
クルマユの技構成はむしくい、はっぱカッター、まもる、いとをはく。コウキの育成は至って順調に進んでいた。
「さて、まだ間に合いそうだし……行くか!!」
そう言ってコウキは、首を長くして待っているであろう、ホミカのところへと向かうのだった。
次回、ジム戦です。