朝起きたらBW2の主人公になってました(全年齢版)   作:とも667

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 ホミカちゃんの登場です。


第四話 輝くスターとロックな猛毒

20番道路を乗り越えて、タチワキに着いた頃のこと。コウキのライブキャスターが鳴り、コウキはそれを受けた。

 

「はい、もしもし」

 

「もしもし、ママだけど。今どこにいるの?」

 

「タチワキシティにいるよ」

 

 コウキがそう言うと、お母さんがコウキにコンビナートを勧めた。

 

「タチワキにいるなら、コンビナートに行ってみたら? あそこの夜景、中々いいのよ!! それに、ポケモンも鍛えられるしね」

 

「わかった、行ってみるよ」

 

「うん!! あなたとポケモン、できることは別々だから、力を合わせてすごいことができるといいね!!」

 

 そう言って、電話が切られた。コウキはそこで目の前に立っている女の子と、男の人が目に入る。

 

「ホミカよ、父を止めないでおくれ。私は自分の可能性を探るため、いざポケウッドへ!! ムービースターでもある船長を目指すのです!!」

 

「あのね、船長でしょ!? 船動かしてくれないと、困る人もいるでしょうが!!」

 

「愛しの娘よ、君はジムリーダーとバンドを掛け持ちしているではないですか? 私にもできるはずなのです!!」

 

 ホミカの父は、そう言って去っていった。ホミカは父親の態度に、地団駄を踏んでいる。

 

「あー、もう!! バカバカバカバカー!! ダメなのは掛け持ちしてることじゃなくて、迷惑かけてることだって!! 船長のワガママで船乗れないとか許さん!!」

 

「あの……なにかお困りですか!?」

 

「うぇぇっ!?」

 

 ホミカはびっくりして、コウキの方に振り向いた。コウキは、彼女がどうして困っているのかを全て知っているが、それを言っても怪しまれるだけだ。

 

「僕はコウキ、ポケモントレーナーです。あなたは?」

 

「あたしはホミカ、この街のジムリーダーだよ。さっきのは、バカな親父……突然『スターになりたい』とか言い出して、船をほっぽりだして……みんな困ってるんだよ」

 

「大変ですね……僕も、ヒウンシティに行きたいんですが」

 

 コウキがそう言うと、ホミカは申し訳なさそうにしている。

 

「ごめんね、うちのバカオヤジが……やっぱり止めに行かないと!!」

 

「……今止めに行っても、多分止まってくれないと思いますよ」

 

「でも!! このままじゃみんなが……!!」

 

 コウキはホミカがいい子なのを再確認しつつ、感情的になってしまうホミカを諭す。ここで彼を止めても止まらないのは、コウキが一番良く知っていた。

 

「ホミカさんの優しさは尊敬しますが……うーん、そうだ」

 

「えっ、なんか思いついたの?」

 

(このままだと、ホミカちゃんの父親の映画は大失敗に終わる。そして、父親は夢を諦めて仕事に戻る……そういうストーリーラインだ。でも、落ち込んだ船長を見たホミカちゃんは悲しそうだったし……できれば、なんとかしてあげたいな)

 

 コウキはそう思って、解決策を考える。今すぐ行かなければ、撮影が始まってしまうだろう。

 

「僕と一緒に、彼を説得しに行きませんか? 船の仕事をやらせる手段を思いつきました」

 

「ホ、ホント? 一緒に行ってくれるの?」

 

「もちろん。彼を止めなければ、みんなが困ってしまいますからね。もちろん僕も!!」

 

 コウキはそう言って、ホミカに笑いかけた。コウキはそこで、ホミカの好感度ゲージの変化に気づく。

 

「あ、ありがと……じゃあ、行こう!! 早く仕事に戻らせないと!!」

 

「はい、行きましょうか!!」

 

(すごい勢いで好感度が上がってる……あ、もう10レベルにまで行った。結構ちょろいのかな……かわいい)

 

 ホミカは駆け足でポケウッドへと走っていく。コウキもそれを追って、ポケウッドに走る。

 

「……では、『ハチクマン』の撮影枠が決まっていないので、あなたはそこに……」

 

「親父!! 落ち着けって言ってんでしょ!?」

 

「ホミカ。止めるなと何度も言って……待て、誰だその男は? まさか彼氏……」

 

 顔を顰めて、ホミカの父親が心配そうに言う。そこでコウキが、自己紹介をし始めた。

 

「はじめまして、ホミカさんの船長さんですね? 僕の名前はコウキ、通りすがりのポケモントレーナーです。ホミカさんと一緒に、あなたを止めに来ました」

 

「ホミカ、お前が頼んだのか?」

 

「そうだよッ!! 親父の夢も大事だけど、それはみんなに迷惑かけていい理由にはならないよ!! 船の仕事に戻りな!!」

 

 ホミカがそう言うが、父親は聞く耳を持たない。

 

「何度も言ってるだろう? スターと船長を兼業すると。だから、善は急げということで……」

 

「全ッ然善じゃない、寧ろ悪だし!!」

 

「……なるほど」

 

『こうなることはわかっていた。そもそも、通常通りにストーリーラインを進めないと、どうなるかもわからない。だけど……せっかく主人公になれたんだ。幸せになるって宣言したからには……好きにやらせてもらう!!』

 

 コウキは意を決して、その言葉を口にする。

 

「あのー、どうしますか? あなたが行かないなら、別の人を採用……」

 

「行きます!! それではホミカ、それとコウキさん。私のスターデビューを見ていてください!!」

 

「スカウトさん!! 僕とホミカさんを、『ハチクマン』のエキストラにしてくれませんか!!」

 

 コウキが、そう叫ぶ。それを聞いて、その場の全員が目を丸くした。

 

「えっ? エキストラ……? 確かに、枠は空いてるけど……」

 

「ちょ、ちょっとタンマ!! なんで勝手に決めて……」

 

「ホミカちゃんごめん、でも必要なんだ。船長の仕事をやらせるためには……」

 

 コウキが小声でそう言うと、ホミカはそれに頷いた。

 

「わかった。あなたの言う通りにする……」

 

「私のエキストラを? それはいい!! 私のスターデビューを、娘達が飾り付けてくれるなんて!! 今日は幸運な日だ、構いませんよね?」

 

「は、はい。エキストラの枠なら、まだ採用していませんでしたし……」

 

 コウキはそこに、ひとつ付け加える。

 

「ただし船長さん。条件があります」

 

「なんです?」

 

「もしも映画が大成功したら、絶対に船の仕事に戻ってください。いいですか?」

 

 コウキがそう言うと、船長はそれに頷いた。

 

「わかりました。船長とスターの掛け持ちをするのが、元々の目的ですからね!!」

 

「よし!! それじゃ、ホミカさん。行きましょうか」

 

「うん……映画か、どんな感じなんだろう」

 

 コウキ達は控え室に入れられて……しばらく待たされることになった。

 

「ここで待ってるの? なんか、退屈だね」

 

「ホミカちゃん、やって欲しいことがある……いいかな?」

 

「ん、なに? あたしにできることなら……」

 

 コウキは、耳元でホミカに作戦を伝えた。するとホミカは……それをすぐに了承する。

 

「って感じなんだ。どう?」

 

「うん、わかったよ。それで親父が、船の仕事に戻ってくれるなら……」

 

「よし!! じゃあ、この作戦は秘密だぞ?」

 

 二人で頷いた時に……丁度スタッフが来て、撮影スタジオに連れてこられた。そしてコウキ達は、奇抜な服装に身を包んだハチク……もとい、『ハチクマン』に出会った。

 

「わっ、なにあの格好……?」

 

「ハチクマン……悪者の格好だよ。ほら、お父さんは……」

 

「あ、ホントだ。ヒーローっぽい……」

 

 そこで監督が声を上げる。撮影開始の合図だ。全員が配置についた。

 

「はい、皆さん配置について。始めますよー」

 

「準備OKだ」

 

「準備できました!!」

 

 コウキ達もそう言って、準備万端。そこで監督がカチンコを構える。

 

「頼むよ!! 3,2,1……アクション!!」

 

 ──カチン。

 

「ゆけ!! 我がポケモン!! この遊園地で暴れるのだ!! 全てを破壊しつくせ!!」

 

「コッターッ!!」

 

 カチンコを合図に、ハチクマンが投げたボールからコマタナが現れて、雄叫びを上げた。それに反応して、エキストラが逃げ惑う。

 

「わぁぁぁぁぁ!?」

 

「助けてぇぇ!!」

 

「フハハ、逃げようとも無駄だぞ!! コマタナ!! 奴らを追いかけろ!!」

 

 ハチクは、ブランクを感じさせない迫真の演技で、バルチャイを二人にけしかける。そこでリオルマンとなった船長が現れた。

 

「お待ちなさいー!!」

 

「リオォー!!」

 

「ヌ……!? 何者だ!!」

 

「真実と理想の使者!! リオルマンの参上です!! おーいおいおい!! ハチクマン君!! 君ねぇ、悪さはいけませんよー!!」

 

 リオルマンはそう言って、ハチクマンを糾弾する。そこでハチクマンは、如何にも悪役らしいことを口にする。

 

「遊園地、それは一時の夢……つまり人々の理想の形!! 理想など破壊してくれる!!」

 

「リオル、『はっけい』です!!」

 

「リオッ!! オォォッ!!」

 

 ──ズダァァン!!

 

 リオルがコマタナに急接近し、平手をコマタナに当てて……そこから力を発することで、小気味よい音と共に、コマタナを吹っ飛ばした。コマタナが倒れる、ここまでは予定通り。

 

(ここまでは大丈夫、問題は次の瞬間だ!!)

 

「わー、何だ!? ヒーローショーでもやってるのか!?」

 

「我輩のポケモンをたったの一撃だと……やるではないか、リオルマン!! だが、しかし!! だが、しかし!! 我輩の悪の奥義で、貴様を跪かせてやろう!!」

 

 ここだ。コウキはそこでホミカに指示を出す。ホミカは合図を受け取って、頷く。そしてハチクマンとバルチャイが、リオルマンとリオルを睨んだ。

 

「さあ!! 覚悟は良いかっ!!」

 

「ひっ……!!」

 

「リオルマーン!! 頑張れーっ!!」

 

「ッ、ホミカ……!?」

 

 ホミカが大きな声で、リオルマンを応援した。それに便乗して、コウキも大きな声で応援する。

 

「リオルマン!! 負けるなーっ!!」

 

「諦めるな、リオルマン!!」

 

「ハチクマンをやっつけろー!!」

 

 船長はそれを聞いて、怯える自分の心が小さくなるのを感じた。

 

(そうだ……ビビってなどいられるものか!! 娘の前なんだ!! 私の心臓よ、持ってくれ!!)

 

「の……望むところだっ!!」

 

「よかろうッ!! 我輩の悪の奥義!! 食らうがよいわーッ!! バルチャイ、『だましうち』!!」

 

「バルルーッ!!」

 

 ──ズゴォッ!!

 

 バルチャイは一瞬で姿を消して、リオルを後ろから蹴りつけて攻撃する。しかし……リオルはそれに耐え切り、バルチャイを掴んだ。

 

「リオォォォ!!」

 

「なぬっ!? 我輩の奥義を受け止めた!?」

 

「リオル、『れいとうパンチ』だ!!」

 

「オォォォォォッ!!!」

 

 ──バキャアァァ!!

 

 リオルのれいとうパンチが、バルチャイの正中線を捉えた。バルチャイは吹っ飛んで、その場に倒れ込む。ハチクマンはそれに、悔しそうな声を上げる。

 

「グムムム……我輩の奥義をものともせず、しかも一撃で沈めるとは……」

 

「ハチクマン!! ここはみんなの理想が詰まった遊園地だ!! 大人しく立ち去れ!!」

 

「よいだろう……今日のところは引いてやる。だがリオルマンが真実と理想の使者なら、現実と幻想の怪人が、このハチクマンよ……覚えておくがいい!!」

 

 そう言って、ハチクマンが舞台上から去る。それを見て、みんなが一気に歓声を上げた。

 

「わーっ!! 見て見て、かっこいい!! リオルマンだって!!」

 

「かっこいいぞー、リオルマン!!」

 

「……怪人ハチクマン、一体何者なんだ……」

 

 ──カチン。

 

 ──ガタッ!!

 

 そこでカチンコが鳴り、監督が立ち上がった。そして、エキストラと共に彼に拍手を浴びせる。

 

 ──パチパチパチ!!

 

「えっ……え?」

 

「いやー、君!! 名演だったよ!! これは絶対にいい映画になるね!!」

 

「そ、そうですか? ありがとうございます……」

 

 船長はそう言って、部屋に戻っていく。すぐに編集が行われ、映画の上映が始まった。それから数時間後……

 

「いやー、よかったね!! ハチクマン!!」

 

「リオルマンのちょっと頼りないけど、みんなの声で立ち上がるところがよかったな!!」

 

「ママー、リオルマンマスク買ってー!!」

 

 みんながそう言う中、経営者のウッドウが彼の肩に両手を置いた。

 

「キミのおかげで、映画は大ヒットだよ!! 初めてとは思えない演技だったね!!」

 

「……ありがとうございます」

 

「ぜひ次からも頼むよ、ね!!」

 

 そう言ってウッドウが去ろうとした時、二人が船長のところにやってきた。

 

「親父、映画見たよ。カッコよかったね……」

 

「約束しましたよね、船長さん」

 

「……ウッドウさん。申し訳ないですが、私は映画スターを引退します」

 

 そう言って、その場の全員が驚愕した。その中でも焦っているのは、コウキだ。

 

(どうして!? 上手くいったはず……一体、なにがいけなかったんだ!? クソッ!!)

 

「親父、別にやめろとは言ってないよ!! 船の仕事と一緒に……」

 

「キミのような人材を失うのは惜しい、頼むよ!!」

 

 ウッドウが嘆願するが、彼は首を横に振る。そして、その理由を言った。

 

「私がスターになれたのは、彼らがいたからです。ホミカと、それを導いてくれた彼。私は彼らがいなければきっと、最悪の演技をしてしまっていたでしょう。だから、スターは彼らの方です」

 

「親父……」

 

「船長さん……」

 

 二人がそう言って、ウッドウも渋々納得する。

 

「まぁそういう事なら、仕方がないね……」

 

「勝手ですみません。それでは失礼します……ありがとう、二人とも。おかげで、人生のいい思い出になったよ……さて!! 次は海の上のスターになる番ですね!!」

 

「……上手くいって、よかった」

 

 コウキは、心の底からホッとしている。ふと、ホミカを見ると……彼女は涙を浮かべて、笑っていた。

 

「よかったね、親父……」

 

「泣いてるんですか? ホミカさん……」

 

「えっ!? な、泣いてねーし!! 目にゴミが入っただけだしっ……!!」

 

 彼女は乱暴に涙を拭って、顔を赤くしながら涙をごまかした。その様子が可愛らしくて、コウキはつい正直に口に出してしまった。

 

「……かわいい」

 

「かわッ!? かっこいいじゃなくて……!? もう、その、あの……バカ!!」

 

「あはは、すみません。つい口に出しちゃって」

 

 コウキはそこで、本来の目的を思い出した。

 

「そうだ。僕、ジムに挑戦したいんだった……」

 

「ジム? それなら今からでも……」

 

「いや、少し準備させて欲しいので……待っていてもらえますか?」

 

 コウキは、まだ準備をしたかった。戦う前に、捕まえておきたいポケモンもいるし……育成もしておきたいからだ。

 

「しょうがないなぁ!! じゃあ、ライブしながら待っててあげる!! 言っとくけど、手加減なんて全くできないから!!」

 

「手加減なんてして欲しくないです。全力のホミカさんと戦いたいですし」

 

「言ったね!? じゃあ、いつでも来なよ!! アンタの理性、ぶっ飛ばしてあげるからさ!!」

 

「……さて。今日はホテルに泊まって、レベル上げは明日からだな」

 

 コウキはそう呟いて、欠伸をしながら宿泊するホテルに向かった。

 

 

 

 その日の夜。ホミカは不思議な気分を抱えて、ジムへと歩いていた。

 

(なんだろう、この感じ……あの人のこと考えると、ドキドキしちゃう。ライブの時の胸の高鳴りとは違う……これは、なに?)

 

「……モヤモヤする時は、これに限る!!」

 

「仕事をサボってどこに行っていたの、ジムリーダー?」

 

 そう言って、ギターを取り出したホミカに冷や水をかけるような、冷たい声。それで一気に現実に戻された彼女が、目の前のエリートトレーナーに言う。

 

「アンタ、誰? 挑戦者?」

 

「そうよ。まだ開いてるわよね? 私の相手をして欲しいの」

 

「いいよ、丁度ライブしようと思ってたんだ。アンタ、名前は?」

 

 そこでエリートトレーナーが、ボールを取り出しながら名乗る。

 

「私の名前はサレナ。目的のためにも……あなたに負けてはいられないの」

 

 

 

 そして、次の日。タチワキコンビナートでコウキは、親方のお願いで作業員達とポケモンバトルをしていた。

 

「チャオブー、『ニトロチャージ』!!」

 

「チャブゥッ!!」

 

「エレキィィ……」

 

 チャオブーがニトロチャージで、エレキッドを撃破した。コウキは作業員に一礼して、賞金をもらう。

 

「いやぁ、おかげで目が覚めた。さてと、仕事に戻るか!!」

 

「これで全員だな……よし」

 

「おぉ、やってくれたな!! これはほんの気持ちだ、受け取れ!!」

 

 そこでもらったのは『いわくだき』のわざマシンだ。コウキはお礼を言って、草むらに行く。

 

「さて、トレーナーは大体倒したし……レベリングついでに、捕まえないとな。おっと、早速見つけた!!」

 

「ルルッ!?」

 

 コウキはコイルにボールを投げつけて、戦闘に入る。そこでコウキは、あえてチャオブーに全力で攻撃するように指示した。

 

「チャオブー!! 『ニトロチャージ』だ!!」

 

「チャアブゥゥッ!!」

 

「ルルルゥゥ……」

 

 コイルは吹っ飛ばされて弱っているが……倒れていない。そして出てくる、特性『がんじょう』の表示。

 

「よし、モンスターボール!!」

 

 ──カチリ。

 

「コイルゲットだ!! さて、一旦ポケセンに行くか……あれっ、あの人は確か……」

 

「……」

 

 そこでコウキは、ヒオウギジムで出会った彼女と再会した。思わず見ていると、その視線に気づかれて……睨まれた。

 

「あ、すみません……」

 

「……何よ。人のことジロジロ見ないでよ」

 

「行っちゃった……とりあえず、ポケセン行くか」

 

 コウキはポケセンに行ったあと、またレベリングを始めた。コイルやルリリ達のレベルを、どんどん上げていく。

 

「すごい勢いでポケモンを倒してる……なに、あの人?」

 

「さぁ、なんなんだろう……」

 

「ルリリ、『バブルこうせん』だ!!」

 

「ブビィィィ!!」

 

 ブビィを倒して、またレベルアップ。そこで、コウキは少し気になることがあった。

 

『ここには何故か、ブビィとエレキッドがどちらもいた。ブラック版かホワイト版か、ここで見分けられると思ってたが……もしかして、混ざってるのか?』

 

「ルリッ!?」

 

「進化か……!!」

 

 ルリリの体が光り、体の形が変化……ルリリは、マリルに進化した。

 

「レベルは19……次のレベルで進化して、アクアテールを覚えるはずだな」

 

 コウキはそう思って、マリルの追加された図鑑データを見る。しかし……そこには、コウキが驚愕する内容が書いてあった。

 

「……!? フェアリータイプだと!?」

 

「リル~?」

 

(どうなってる? BW2に、フェアリータイプが存在するはずないのに……いや、あの時から兆候はあった。ルリリがレベル15で覚えた技の、『とびはねる』……あれは、XYから覚えるようになった技だ!!)

 

 コウキは混乱する。ここはBW2の世界、つまりフェアリータイプがまだ流入していない世界なのではないのかと。しかし、現実は目の前に書いてある。

 

「……おめでとうマリル、まだまだ頑張って鍛えような?」

 

「マリッ!!」

 

(フェアリータイプが入ってるなら、育成を大きく変えないとな……全員のレベルを25まで上げよう、マリルリはそれで『じゃれつく』を習得するはずだ)

 

 コウキはそう思って、全員をレベル25になるまで鍛え始めるのだった。そして……日が暮れた頃。

 

「よし。全員レベル25になったな……」

 

 レベルが上がったことで、マリルはマリルリに進化している。そして、マリルリの技構成も変化した。

 

(じゃれつく、アクアテール、とびはねる、あまえる……とりあえずの技構成はこうだな)

 

「あとの三人は……チャオブーはニトロチャージ、まるくなる、ころがる、つっぱり……だな」

 

「チャブッ!!」

 

 そしてコイルはでんじは、エレキボール、いやなおと、でんきショックだ。どうやら完全に技は第八世代……SVの並びになっているらしい。

 

「この世界には『テラスタル』や、『ダイマックス』もあるってことか……?」

 

 コウキはそう呟きながら、最後にクルミルの育成を開始する。そして、レベル20に達したところで……予想通り、進化の光が出始めた。

 

「ミルッ!?」

 

「……わっ!!」

 

「ミルゥゥ!?」

 

 クルミルは驚いて、進化を止めた。コウキは、進化キャンセルを行ったのである。何故なら……

 

「ごめんな、クルミル。進化はもうちょっとあとだ」

 

「ミル……」

 

(進化キャンセルを行ったポケモンは、経験値が普通より多めに入る。だから、その分レベリングが楽になるはずだ)

 

 コウキは進化しそうになる度に、進化を止めていき……レベル25に達したところで、進化させる。

 

「ミルッ……!!」

 

「いいぞ、クルミル」

 

「……マユゥゥ!!」

 

 クルミルはクルマユに進化した。そこでクルマユが、『まもる』を習得する。

 

「よし……1,2の……」

 

 ──ポカン。

 

「マユッ?」

 

「『たいあたり』を忘れて、『まもる』を覚えたな。よし……予定通りだ」

 

 クルマユの技構成はむしくい、はっぱカッター、まもる、いとをはく。コウキの育成は至って順調に進んでいた。

 

「さて、まだ間に合いそうだし……行くか!!」

 

 そう言ってコウキは、首を長くして待っているであろう、ホミカのところへと向かうのだった。




次回、ジム戦です。
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