僕は魔法少女でそして… 作:くるみ割り人形
引き続き、読みたくなければ飛ばしていただいて構いません。
男が家に来てから一週間が経った。
母さんと男は家にいる時、いつもイチャついていた。
仕事は母さんがしており、男は家に居たり何処かに行っていたりと、まだ分からないところばかりだ。
まぁ、母さんは定時で帰ってこられるようになり、以前よりもいい顔をするようになったので、まだ良い事だと思っていた。
ただ、食事中にイチャついたり、一緒に風呂に入っているのは止めて欲しかった。
また、母さんの言葉や僕に対しての反応はきつくなっていた。
その原因は男の口調にあるのだろう。。
口調があの男ににており、母さんは染められやすい人なのだろうと分かった。
そして気持ち悪いとも思った。
「おーい!
茶入れろよ♪」
「私のもー♪」
「おい、そんなのなたりまえだろ♪」
「えー?
確かにー♪」
「「えはははっは」」
気持ち悪い…
人が染められていくのは、見るに堪えない。
それが母さんであれば、どう思えばよいのか分からない。
「おい、遅いぞ!
あと、飯も頼むぜー♪
早くしろやー!」
「ねー、早く~♪」
僕はもう嫌だった。
でも、反抗すれば酷い事をされるかもしれない。
僕は大人しく従う。
せめて美味しく作ろうと、本を買ったりと、少しながらも努力してみた。
まぁ、不味かった時、どうなるか怖かっただけなのだが…
でも、食べる所は見ていなかった。
作った後、自分の分は自分の部屋で食べるからだ。
一緒にはあまり居たくなかった。
この前、母さんが
「一緒に食べないの~?」
と言ったが、遠慮した。
◆ ◆ ◆ ◆
あれから1ヶ月が経った。
相変わらず2人はイチャ付いている。
僕は遅めに家に帰るようになった。
あまり家には帰りたくなかったが、補導されたりすればあの男は
「面倒なことをよぉ!」
と言われ、殴られるに違いない。
なので、補導されない、あまり男に何も言われないぐらいの時間まで公園やショッピングモールなどで時間を潰す。
この日も、男からほぼ命令のように、家事をさせられる。
以前、逆らってみた事があった。
何故、反抗したのかと、自分を恨んだ。
思った通り、酷い事をされた。
しかも、母さんの居る部屋とはまた別の部屋などの、見えない所に連れて行かれて。
「クソックソッ!
俺の言う事が聞けねえのか!
父親であるこの俺のをよぉ!
このクソガキがぁ!!」
ボコッバコッボコッ
「がぅっぐっうおぇっ」
「うるせえな、バレんだろが。だが、いい反応だな。口塞いでやるから、もっとやらせろよ♪
おらぁ!!」
ボコッドゴッ
「んぐっんげっ」
口を塞がれ、助けを求められなくした上で、殴られ、蹴られ、踏まれる。
しかも、そのどれもが服で隠れる場所で、誰にも気付かれない。
1度、顔を殴られた時、母さんから聞かれたが、
「友達と喧嘩した」
と言い訳をした。
何故、本当の事を言わなかったのか。
それは、男がこちらを見ており、言えばどうなるか分るよなと言わんばかりの顔をしていたからだ。
◆ ◆ ◆ ◆
あれからまた1ヶ月、日に日にあの男からの暴力はエスカレートして行く。
何もしていなくても、男は殴るようになった。
多分、ストレス発散として僕をサンドバッグにしているのだろう。
抵抗しようにも、力負けする。
しかも、結構な頻度で夜遅くにあの2人の部屋から母さんが殴られている様な声が聞こえるようになった。
母さんも暴力を振られているのか…
1度気になって覗いたことがあった。
見ると、母さんに男が馬乗りの状態になって居た。
母さんは腹を殴られていた。
しかし、
「おらっ!
もっと泣けよ、この豚女がぁ!」
ボコッバコッ
「ぐげっごげっ、あっありがとうございましゅうぅぅぅ!」
「うへひひひひっ、やっぱいい女だわお前♪
中も最高だしっ、俺のもんにできてマジ嬉しいわ~♪
お前も嬉しいよなぁ?」
「はひぃぃっうれひいでしゅうぅぅぅ」
「んんはははっひーひ、気持ちいいわぁ、マジで♪
ふへへへははっ」
気持ち悪い…見るに堪えない…
…この家に居たくない…
でも、他に行く当てもない…
結局、自分の部屋で布団を被り、何も聞かないように眠りについた。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
中学生になると、暴力は少なくはなった。
まぁ、ずっと前から反抗するという考えを無くしていたからなのか、それとも身体が大きくなったからなのか…いや後者は無いだろう。
完全にあちらの方が大きい。
前者においては、反抗どころか、何かを考える事すらあまり無くなった。
少なくとも家の中では、心を閉ざしていたと言えば…カッコ良く聞こえるだろうか…
本当は逃げているだけだ…
本当に間抜けだ…
…もう嫌だな…本当に…
もう…忘れたいな…
また…忘れば…いつも通りの日々を…
…いつもの毎日を…
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
いつの間にか、夜が明けていた。
僕は、まだ眠い身体と頭を起こし、支度をし、誰かが起きてくる前に家を出て、今日はどこで時間を潰すかと頭を働かせる。
…どんな夢だったか…僕は…もう覚えていない…