僕は魔法少女でそして… 作:くるみ割り人形
良いぐらいに時間を潰した後、学校へ向かっていると、まどかとさやかと出会った。
「おはよっ」
「おはよう、ハルカ君」
「…あ、うん…おはよう…」
「ありゃ?
元気がないねぇ」
「何かあったの?」
「…別に何も無いよ…ただ…結構眠いだけ」
「ならよし」
「昨日、いろんな事が起きたから、眠れなかったよね。私もあんまり眠れなかったよ」
「あたしはぐっすりっ!」
朝から元気だと思いながら学校へ向かう。
◆ ◆ ◆ ◆
教室には既にほむらが座っていた。
まだ、人が彼女に話しかけている。
「げっあいつ」
「うわぁ…」
「さやかちゃん、声大きいよ。ハルカ君も、聞こえちゃまずいよ」
「そうなんだけどさ…昨日の事があったから…そらさ…」
「いや…まぁ…うん…」
ほむらが何食わぬ顔で居るのには僕も思う所がある。
まぁ、今は何も無いとは思う。
マミさんと知り合いになった今、あまりこちらには何もしないだろうから。
「おはよございます、今朝は少し起きるのが遅くなったので、お2人にお会いできませんでしたね…おや?
そちらの方は?」
ほむらの方を見ていると、緑の髪を肩まで伸ばした女の子が、丁寧な口調で話しかけてきた。
「えーと…まどか、この子…は?」
「この子は仁美ちゃん、私とさやかちゃんの友達」
「へー…あ、僕は結城ハルカ…よろしく…ね」
「はい、よろしくお願いいたしますわ」
「おっはよ、仁美ちゃ」
「やあ、おはよう、さやか」
「うへえぇぁ…」
いきなり、キュウベエが仁美さんの後ろから顔を出した。
さやかは変な声を出して、びっくりしている。
「あの…さやかさん、どうかしましたか?」
仁美さんはキョトンとしている。
「やっぱそいつ、あたし達にしか見えないんだ…」
「そうみたい…」
「やっぱりまだ不思議だ…」
「あの…」
少し困惑した顔でこちらを見てくる。
「あぁ、何でも無いから、大丈夫」
さやかは下手な誤魔化しをした。
「は、はぁ」
彼女は少し怪しみながらも、何も無いと結論付けた様だ。
ひとまず、自分の席に向かって授業の準備をしよう。
◆ ◆ ◆ ◆
(あれ…何か頭で考えるだけで会話とか出来るみたいだよ)
休み時間、急にまどかの声が頭に入る。
(えぇ!
あたし達、もう既にマジカルな力がっ!)
(いやいや、今は僕が間で中継しているだけさ。でも、内緒話には便利だろう?)
(確かに、便利だなぁ…キュウベエ、これも魔法?)
(そうさ、少しでも役立ちたいからね)
これなら、授業中や離れた場所からでも会話出来そうだ。
「あの…皆さん、さっきからどうしたのです?
仕切りに目配せしてますけど…」
仁美さんはまたまた困惑した顔で質問する。
「え、いや、これは…その…」
「えーと…」
「な、何も…無いよ…」
「まさか…!
既に目と目で分かり合う間柄ですの!?
お2人はともかく、ハルカさんとまで…たった1日でそこまでの急接近だなんて!
昨日はあの後…一体何が…」
何だか凄く勘違いされているような…
「いやいや、そりゃないわ、流石にさ」
「確かに色々あったんだけどさ」
「別に…そこまでの事じゃ無いと思うんだけど…」
「でもいけませんわ!
女の子2人に男の子1人っ!
ハレンチですっ!
とてもハレンチな恋仲ですのよーー!!」
暴走気味にマシンガントークをし、何処かへ走り去ってしまった。
「ちょっと、授業始まるよ!」
さやかはそう叫んだが、既に彼女は声が届かないほどまで行ってしまった。
「あぁ…今日の仁美ちゃん、何だか…さやかちゃんみたいだったよ」
「どういう意味だよーそれー!」
「えひひっ」
キーンコーンカーンコーン
そんな話をしていたら授業が始まった。
また、席に戻る。
授業中でも、念話って言っていいのか、やりそうだなと思いながら、挨拶をし、着席する。
◆ ◆ ◆ ◆
(つうかさ、キュウベエ…あんた、のこのこと学校まで来て良かったの?
昨日のあいつ、ここの転校生だし、今このクラスに居るし。命狙われてるんじゃ無いの?)
さやかが頭に話しかける。
(むしろ学校の方が安全だと思うな。マミも居るし)
(マミさんは3年生だから、クラスはちょっと遠いよ?)
(確かに…僕には安全とは思えないんだけど)
(ご心配なく。話はちゃんと聞こえているわ)
マミさんの声が聴こえる。
(この程度の距離なら、テレパシーの圏内だよ)
(へー、この距離でも聴こえるんだ…)
(あ、えっと…おはようございます)
(おはよう、鹿目さん。ちゃんと貴方達のことは見守ってるから安心して。それに、あの子だって人前で襲ってくるような真似はしないはずよ)
(そう言うことだから、僕は安全って事さ)
ピョンッ
そう言うと、キュウベエがさやかの頭の上に飛び乗った。
(なら良いんだけど…)
(あ…)
「ぐえ」
(急に乗らないでよ!)
(はは、すまないね)
(まったく…あ、そうだ、あの転校生もマミさんと同じ、えっと、魔法少女なの?)
(そうね、間違いないわ。かなり強い力を持ってるみたい)
(でも、それなら…魔女を倒す…正義の味方みたいなはず……どうして急にまどかを襲ったんですか?)
魔女で無い彼女を襲う理由が想像付かない…
(彼女が狙っていたのは僕だよ。新しい魔法少女が生まれる事を阻止しようとしたんだろうね)
(え?)
(なんで?
同じ敵と戦っているなら、仲間が多い方が良いんじゃないの?)
(仲間が多い方が…危険が少なそうなはず…)
(それがそうでも無いの。むしろ競争になる事の方が多いのよね…)
(そんな…どうして…)
(魔女を倒せばそれなりの見返りがあるの。だから時と場合によっては、手柄の取り合いになって…ぶつかる事もあるのよね)
(じゃあ…つまりあいつは、キュウベエがまどかに声をかけるって最初から目星を付けてて…それで朝からあんなに絡んできたってわけ?)
(多分…そう言う事でしょうね)
そうなると、納得が付く。
…それだけじゃ無いのかもしれないが…
(気にすんなまどか。あいつが何んかちょっかい出して来たら、あたしがぶっ飛ばしてやるからさ、マミさんも付いているんだし)
(僕も…出来る限りだけど…助けになるよ)
(そうよ。2人はともかくとして、私が付いているんだから大丈夫。安全して)
(ともかくって言うな)
(ともかくって言わないでくださいよ…)
「で、今まで勉強してきたみたいな、動作を行う人や物を主語にした表現は能動態と言われます。
例えば…
He likes me.彼は私の事が好き。
これに対して受動態と言うのは、BはAによってどうこうされるみたいに、動作を受ける人や物を主語にした表現なんですね。
例えば……」
念話は、授業の大部分を聞き流しながら行われた。