僕は魔法少女でそして… 作:くるみ割り人形
念話は、授業の大部分を聞き逃しながら行われた。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
昼食の時間、屋上で僕はまどかとさやかと一緒に食べることにした。
女の子と並んで食べるのは初めてだったので、少し緊張している。
「はい」
「あーん…んぐ、もぐ…美味しいね、これ」
「ふへへ、そうでしょお。うちのお父さんご飯美味しいんだよ」
キュウベエはまどかの弁当を分けて貰っている。
「…そう言えばさ…まどかとさやかは願い事…何か考えた?」
昨日の事を聞いてみる。
「うーん…私はまだ、さやかちゃんはどう?」
「あたしも全然っ。なんだかなぁ…いっくらでも思いつくと思ったんだけどなぁ、欲しい物とか、やりたい事とか、いっぱいあるけど…やっぱ命懸けってとこで引っかかっちゃうよね…そうまでする程のもんじゃねぇなぁって」
「うん…ハルカ君は?
もし叶うんなら」
「……特に…考えてないか…な」
考えても無駄なだけだ、どうせ叶わないのだから…
「意外だなぁ、大抵の子は2つ返事なんだけど」
「まぁ、きっと…あたし達がバカなんだよ」
「え…馬鹿…」
「ふぇ、そうかな…」
「そう、幸せバカ」
別に馬鹿にした訳じゃなかった。
「別に珍しくなんかないはずだよ。命と引き換えにしてでも叶えたい望みとかを抱えている人は、世の中に大勢居るんじゃないかな…だから、ソレが見つからないあたし達って、その程度の不幸しか知らないってことじゃん。恵まれ過ぎてバカになっちゃっているんだよ。何んであたし達なのかな…不公平だと思わない?
こういうチャンス、本当に欲しいと思っている人は他にいるはずなのにね」
「さやか…」
「さやかちゃん…」
自分の望みを叶えたくても叶えられない…
そう言う人は本当に…たくさん居る…
…本当に…不公平だ…
ガチャッ
ほむらがドアを開け出て来た。
「…え」
「!!」
「…昨日の続き…ってことかよ」
「…」
さやかは睨み、ほむらはこちらを見据える。
「いいえ、そのつもりは無いわ。そいつが鹿目まどかと接触する前にケリを付けたかったけど…今更ソレも手遅れだし。…で、どうするの?
貴方も魔法少女になるつもり?」
「私は…」
「あんたに、とやかく言われる筋合いはないわよ」
「…まどか、昨日の話…覚えている?」
「…うん」
昨日の話?
昨日ほむらと会ったのか?
「ならいいわ。忠告が無駄にならないよう、祈っている」
「ほむらちゃん…あ、あの、あなたはどんな願い事をして…魔法少女になったの?」
「…」
彼女は振り返ったが、何も言わずドアの向こうへ消えて行った。