プ◯キュア的なのに戦わせるしかないのか……と苦悩を描いてそこで闇の力が発動する的な感じになったのにスゴく淡々としたよ。
「貴方が……アル大臣?」
「ええ、某こそがソフト共和国の大統領!アル大統領」
アル大臣からのコンタクトがあり10日が過ぎた。
伝説のミックスジュースを作る事が出来る乙女……黒原カジツ、白川未来月、羽仁滴、涼風氷花の4人。ソフト王国の王子であるリンク、そしてオカルト課の俺が会合をする。黒原がイメージしていたアル大臣とは違うと言う顔をしている……もっとこう、髭があって如何にもな威厳がある奴かと思っていたが割とイケメンな眼鏡の青年だった。
「アル大臣!!」
「上原さん……ここで向こうが手を出した場合、味方になってくれますよね?」
親の仇を見るような目でアル大臣を睨んでいるリンク。
リンク自身に現段階では不思議な力を持っていない……伝説のミックスジュースを飲むことによって力を得る。しかし、ソフト王国、いや、ソフト共和国の代表として日本、いや、この世界に対して不干渉、鎖国の方針で行くつもりだった。
「お前達についてはまだこちらが色々と権限を握っている……この国で好き勝手にはさせないとだけ言っておく」
「リンク王子、貴方が手を出した場合は……某と貴方、運命共同体の様ですね」
場合によっては最初から無かったかの様に処理しても構わないと言われている。
リンクはこちらを見つめる。黒原もこちらを見つめている。
「悪いのはアル大臣じゃないの!?なんで上原さんは……」
「俺はお前達の仲間でも味方でもない、日本と言う国の日本人の味方なんだ」
聞かされている話ではアル大臣が悪者だと認識している黒原はどうして俺が味方じゃないのか……確かに人としてのなんとなくの感覚でアル大臣は悪人だと言う認識がある。しかし悪党=即座に殺すではない。勿論、見せしめとして殺したり、例え子供でなにも知らなくても存在自体が罪であると撃ち殺せる様にならなければならないのだが。
「某がこちらの世界を不干渉になる条件、それは伝説のミックスジュースを作るのに必要な命の盃の破壊です」
「なっ……コレはソフト王国が泉の神様から授かった命を与える盃なんだ!なんで壊さないといけないんだ!!」
「決まっているじゃありませんか、旧政権にクーデターを起こさせない為です」
命の盃を破壊するのを条件にこちらの世界を干渉しない、その条件は全くと言って聞いていないリンクは驚いた。
どうしてそんなことをしないといけないんだと言えば旧政権のクーデターを起こさせないように防ぐためだとハッキリと言った。
「貴方が去った後のソフト王国……ナナシノゴンベエに言われ、暴力による独裁政治は辞めました……飴を与える事で堕落させる。例え世界が違えども人と言う生き物ならば便利な物を知ってしまえば堕落する生き物なのです」
「それは間違いよ!人間は堕落なんてしない!一歩ずつでも成長していく」
「いや、違うでしょ?私の両親、ガッチガチのパチンカスでスマホ中毒よ?」
人は堕落する生き物と言い切ればそれは違うと否定をする黒原。
氷花が堕落しているダメな人間をしっかりと見ているからその考えには賛同する事が出来なかった。
「あんたは知らないけど、人の好意に甘えたり社会のシステムを都合良く弄くったり利用したりして搾取される人間は沢山居るから……あんたの周りに居ないだけで0だって否定すんのやめてくんない?」
「っ……でも……でもっ、それでも私は人の善意を信じたい!バカだって言われようとも!」
「でもさ、それを他人にまで強要したりするのは少し違うんじゃないかな?自分も苦しいし我慢してるんだからお前も苦しいのを我慢しろって言うのは……自分も幸せになって他人も幸せになれば一番だけど自分が不幸になって他人が幸せになるのが妥当案だと思うな」
黒原の考えを真っ向から否定するのは氷花だけじゃなかった。
滴も人間の色々と嫌な部分をたくさん知っているからそれを無理に強要することはしてはいけないのだと言い切る……黒原はどうして自分の考えや思いが通じないのか、理解者が増えずに敵ばかり生まれるのかが本気で理解する事が出来ずにポロポロと涙を流す。
「おかしい……おかしいよ……伝説のミックスジュースを作る事が出来る乙女達は皆、夢や希望に溢れていて爽やかな人達だって伝説では伝わってる。それなのにどうして……」
「某の考えからして……上原、貴方が原因ではないですか?」
「上原さんが?」
どうして理想通りにならないのか、残っている言い伝えを頼りにやってきた。黒原は伝説の乙女に相応しい人間だった。未来月も滴も……おそらくは氷花もだろう。だがそれなのに上手くいかない。なんでこんな事になっているのだと考えればアル大臣が一番の原因は俺にあるのだと言った。
「伝説のミックスジュースを作る乙女の4人、ソフト王国の王子、ソフト王国にクーデターを起こした某……ここまでならば伝説通りになるでしょう。きっと伝説のミックスジュースを完成させ王子であるリンクが飲んで某を撃破するでしょう……例えるならば物語の様に。しかしそこにありえないイレギュラーが……上原と言う人間が介入したことで歯車が正しく動かなくなった。上原が介入しなければ順調だったのに」
「…………確かに……カジツが夢が宿る果実なのが分かってこれから他の面々を探すってなって上原さんが……」
本来であれば俺は居てはならない存在、ありえない存在だ。
上手く事が運べば伝説のミックスジュースを作る乙女達は順調に揃い伝説のミックスジュースが作られアル大臣を撃退した。
「……俺のせいか……否定はしない」
「っ!!……お前さえ介入していなければ……」
「いえいえいえ、介入してくれたおかげで目が覚めましたよ……この世界には下手に干渉してはいけないのを……どうやらソフト王国以外の異世界から干渉があったようで……この世界はいい加減で複雑な世界だと気付けました」
俺を憎しみが籠った視線で睨んでくるリンク。
俺さえ居なければニチアサキッズタイムの様な展開になっていた……それは正しい認識で、俺の介入によってアル大臣はこの世界には手を出すのは危険だと認識を改めた。
「伝説、伝説と言っていますが貴方はなにを見返りに?……優しくするだけが人の善意でも好意でもありませんよ?時には厳しく突き放す……それが為政者としての仕事の筈」
「ぐうの音も出ない正論だな……言いたいことは色々と言ったし……命の盃を出してもらおうじゃないか」
本来の目的である命の盃の破壊を行う様に話を進めればリンクが躊躇う。
ここまで来て逃げるのはみっともない、いや、醜いだろう。話し合いに応じると言い出したのだから応じて応えないといけない。ここで何かしらの抵抗をするのならばと考えていたがリンクが素直に命の盃を出した。
「っく……」
「伝説のミックスジュース……それはただ伝説の乙女達が作ればいいと言うものではない……この命の盃に注ぐことではじめて完成される。命の盃自体が力を持っている……現に命の盃に何百年も入っていた聖水はもとはただの水だったのです」
「それ以上は動くな……俺はオカルト課としてこの盃を破壊する」
命の盃を見て、笑みを浮かび上げるアル大臣。
欲しいものが手に入った子供のようにはしゃいでいて色々と情報を語り一歩進んでくるので一歩引いた。アル大臣が命の盃を壊すのでなくオカルト課の人間として壊す。
「黒原、未来月、滴、氷花……伝説のミックスジュースを作るんだ」
「…………は?」
「その後に命の盃を破壊しよう……もとを正せばアル大臣が命の盃の聖水を飲んだからこうなったのだから、似たようなケースが起きては困る」
命の盃に伝説のミックスジュースを注ぐ。
それを提案をすればこの男はなにを言っているんだ?と驚いていた……だが、俺は何事も無く淡々と進めていく。命の盃なんてものは最初から厄災の種だ。だから壊していたほうが良い。だが、その前に伝説のミックスジュースを作らなければならない。
「ちょっ、ちょっと待ってください!話が」
「お前が不干渉を貫く条件として出したのは命の盃の破壊だ、だから命の盃を使って伝説のミックスジュースを作ってはいけないという条件は一切出していない……まさかここまで来て命の盃で伝説のミックスジュースを作る事が出来ないと言うつもりか?」
「っ!」
「そ、そうか!……そうだね!伝説のミックスジュースを作るのに必要な乙女達は揃っているし命の盃もある!アル大臣!貴方を倒す条件は全て整ったんだ!!」
上手く話が進んでいるように見えての急な掌返しに驚くアル大臣。
アル大臣が最初に出した条件は満たそうとしている。伝説のミックスジュースはちゃんと作れるし命の盃を破壊することも出来る。だからなにも問題は無い……そしてここからだ。ここからが問題だ。
「カジツ!未来月!滴!氷花!皆で盃の上に掌を合わせるんだ!!」
「…………!…………ええ、どうぞどうぞ」
そうはさせない!と伝説の乙女達に攻撃をするのかと思ったが、アル大臣がなにかに気付いた。
なにかこちらに対して致命的な穴があるのだと気付き……伝説のミックスジュースを作ることを許可した。黒原が、未来月が、滴が、氷花が盃の上で手を合わせる。果肉と果汁とミルクと蜜、ここまでは前回と同じだが今回はそこに氷が加わった。
虹色のありえない色のドリンクが出来た……なんとなくだが前回以上に神秘的な力があり……リンクが完成したと喜び、伝説のミックスジュースを飲んだ。
「…………っ!?」
「伝説では乙女達が協力をしてミックスジュースを作る……彼女達は協力し伝説のミックスジュースを作った……だが1人1人想いが違う!手と手を取り合っているが偽りの協力!伝説のミックスジュースの形をした別のなにかだ!」
「な、なんで……」
「……もうこんなのには関わり合いを持ちたくないわ」
「こう言うのは面白いけど、視聴者として見ていたいなって……オタ活が出来ないのはさ」
「コレが終われば生活費とか支援してくれるし、私も将来的にはオカルト課に入りたいって思ってるし……さっさと終われって感じ」
伝説通り伝説のミックスジュースが完成したと思っていたが伝説のミックスジュースは完成していなかった。
ニチアサキッズタイムみたいな状況、そして伝説の乙女達が手と手を取り合って伝説のミックスジュースを作る、ここから考えるには…………黒原達4人が人間として成長しなければならない。それぞれがそれぞれの事情を持っており思想が異なっている。人間として成長をすることではじめて伝説のミックスジュースを作る事が出来る。
「そ、んな……」
「皆、思いを1つにして!!アル大臣を倒してソフト王国に平和を」
「黒原さん……無理よ……」
「黒原先輩、無理です」
「むしろなんであんたは無償の正義を貫けるの?他人にまで押し付けるの?」
伝説のミックスジュースを作る事が出来ない、それが分かれば思いを1つにするように言うが未来月が滴が氷花が断った。
おかしいのはカジツだ……3人の方が正常である……魔法少女勧誘罪の被害者は明確な悪人が居たりするから勘違いし歪むと聞いていたが、なんの迷いもなく命をチップイン出来る……それは異常か正常か……少なくとも今、日本と言う国は貧富の差はあれども皆が望んでいる平和な社会だ。ありえないとだけ言える
「さぁ、命の盃を破壊してもらおうじゃないか」
「ああ、分かった」
俺はそう言うと拳銃を取り出した。
リンクが命の盃は破壊させないと抱えようとするがそれよりも先に撃ち抜いた……やはり銃は誰にでも使えてある一定の威力を叩き出す武器としては最強の武器だな。
命の盃のど真ん中に穴が空いた……ピキピキと音が鳴る。撃ち込んだのは霊力の弾丸で普通に破壊するだけだが命の盃は砂粒レベルになるまでに粉々に砕け散った。
「あっ、ああああああ!!盃が!!命の盃がぁあああ!!」
「…………なんで……なんでこんな酷いことが貴方は出来るの!?」
「何処が酷いのかを言ってみろ」
「アル大臣は命の盃の聖水を飲んでソフト王国を支配下に置いたのよ!平和なソフト王国を闇に」
「それはこちらの世界も、この国も同じだ……この国だって外国に対して闇を持ち込もうとしている。その逆もだ」
「え…………」
「詳しい詳細は知らない、しかし外国や異世界や多国籍企業軍に対してスパイを送り込んでいて色々としている。日本と言う国が比較的に平穏になるように……お前の様に間違っている事を間違っていると言える精神性は立派だ。そこは否定しない……だが、全員が全員、同じ思想、信念、哲学を持っているわけではない……もし全員が善なる心を宿し善行のみをしているのならばそれは人間ではない」
こちら側も白ではない……白だけで政治をやっていくのならば不老不死の絶対的な存在によって世界を動かす。
とあるゲームでは願いを叶える奇跡を起こして人類を救済しようとした神の様な存在が居た。その存在は歴史を都合良く変えた。そして人類を完全な支配下に置いた。その世界では神の様な存在は神として崇め讃えられていた……争いもなにもない平和な世界だが、歴史改変の影響で生まれた被害者達はそんな世の中は間違っていると言い出した。
少なくとも、被害者達の様に立ち上がって動ける人間はほんの一握りだろう。争いが無い平和な世界はあれはあれで多くの人間が救われているだろう。だから間違いとは言えない。思えない。
「…………お前、もしかしてまだ自分が正義の味方か何かだと思っているのか?……貫いた信念が正義になる事はあっても正義というものを貫く事は出来ない。お前はお前が正しいと思っているものをただただ押し付けているだけだ……お前にだって闇はある、お前はそれを自覚していないだけで正義の味方じゃない」
「っ……上原さんは、私の闇を知っているんですか?」
「知っているもなにも………お前を含めて誰も俺の事を先生と呼んでいないだろう?」
「!!」
水堂輪駆になっている輪駆を先生と呼ぶ生徒はそこそこ居る。丸坊主にされたものの、それでも先生と呼んでる。不祥事を起こした感が普通にあるのに許されているのはイケメンだからか?
俺は学校の非常勤の講師になってから生徒達に上原さんと呼ばれており上原先生とは一度も呼ばれていない。教師として生徒をいい方向に導こう!と言う考えを持っているわけではないし、事件が終わればやめるので別にそれはそれで構わない。
「俺はこんな容姿だ、差別されることは今に始まった事じゃない……それを正そうとしないどころか利用する醜い人を多く見た。巻き込まれた。被害に遭った、そして復讐をした……この業界を知る上での研修で言われた。ホントに世界平和を願うのならば世界征服をして地球で一番偉い王様になれと……その上で聞こう、お前はどうして上原先生とは言わない?」
「……それは……あ、ぁ……ぁああああ!!」
「黒原さん!?……上原さん……」
「自分を保てずに心が壊れたんだ」
自分達が正義だなんだと思っていて差別なんてしていないだなんだと思っていたが明確に分かる差別をしっかりとしていた。
それを理解し罪の重さを理解した黒原は叫ぶ……そしてブレスレットが黒く淀んで弾けて壊れた……黒原の心が完全に壊れた。未来月はなにが起きているのかと聞いたので心が壊れたのだと言った。
「クソみたいな現実を理解させたとして……アル大臣、いや、この場合はアル大統領か?……約束通り、命の盃を破壊した。これでこちらの世界に干渉はしない条件は満たしたぞ」
「…………ああ、不可侵条約は結んだ……そしてその不可侵条約は今破棄する!鎖国を取り止める」
約束通り命の盃を破壊したが……お約束と言うか、なんというか当たり前の様に掌を返した。
不可侵条約を破棄すると笑みを浮かべており……黒原カジツに触れればアル大臣の姿が消えて黒原カジツの髪が真っ白に染まった。
「まさか言葉だけで伝説の乙女を倒すとは思いもしませんでした……ですが、好都合!……伝説のミックスジュースは二度と作れない!そして伝説の乙女の力を使える!この力さえあれば某はこの世界をも支配出来る!!!」
「黒原さん!!黒原さん!」
「無駄だよ!彼女の心は完全に壊れた!……ああ、素晴らしい!この力!思うだけで全てが叶いそうな力だ!」
「っちょ、上原さんどうすんの!?ヤバい感じ!」
黒原カジツの肉体を支配下に置いたアル大臣。
目に見える黒いオーラを出現させておりそれが危険な物だと直ぐに理解する事が出来た氷花がどうするのか、色々と言葉を使って黒原と命の盃を壊したのは俺なので聞いてくる。
「……その力を使って、日本に対して侵攻を?」
「いや、地球を奪う!」
そう言うと手を掲げる黒原の肉体を支配したアル大臣。
なにをすると思えばブレスレットが出現した……それは伝説の乙女達が変身するのに使うブレスレットだ。
「ミキサーブレンド」
黒原の肉体を支配したアル大臣はコークと呼ばれる姿には似ているが、色合いが異なる姿に変身した。
「快楽の炭酸!ペパー!」
「っ……ミキサーブレンド!」
「「ミキサーブレンド!!」」
ペパーに変身したアル大臣を見て未来月が変身した。それに続くように滴と氷花も変身をする。
「叡智のミルク!ラテ!」
「慈愛の蜜!ルミエル!」
「闇を照らす氷菓!ロック!」
変身をした3人はペパーと対峙する……が、一歩も動けなかった。
肉体は何処からどう見ても美少女の黒原カジツだから……どうにかして戦わない方法は無いのかを模索している……チラリと俺に視線を向けた。
「いかないならこっちからやらせてもらう」
そう言えば殴りにくるアル大臣。
「3対1を上手く利用しろ……2人で無理矢理動きを抑えるんだ」
一先ずは指示を出す。
アル大臣は黒原の肉体を乗っ取ったがバカとしか言えない……黒原の力は強いのだろうが、人間になったのならば簡単に捕まえれる。
ルミエルとラテが動きを封じて俺がロックに手錠を渡せば手錠で拘束をした。
「っ……は、バカな!伝説の乙女の力を手に入れたのに、どうして……」
「…………いい加減……いい加減現実を見ろ!!バカが!!」
ニチアサキッズタイムみたいな展開を上手い具合に処理しようとしていた。
しかし、ニチアサキッズタイムみたいな展開に対してそろそろ我慢が限界に達した……今の今まで我慢していた、抑えていた感情を解き放った。
「そんなに力を会得してなにが嬉しい?競い合う相手が居るのか?独占欲を満たしたいのか?威張りたいのか?お前が不可侵条約を破らないならばこのまま返していた。お前から持ちかけていた提案を受け入れたが、このザマだ……ありがとう、お前を殺す為の大義名分を与えてくれて」
どうせ裏切るのだろうと考えていたが予想通りの展開だった。
黒代さんがこういう感じになるんじゃねえの?と言っていたがホントにその通りの展開になっている……きっと俺がいなければここで他の3人が奇跡を起こすのだろうがそんなものは不要だ。
「上原さん、なんか出てるよ!ゾワゾワって感じ!」
「コレは……闇か?」
抑えていたものを放てば身体から闇が出ていた。
負の感情を抑えてみれば消える……なんてことはなく純粋な闇が出現していた。ロックがなんなのそれはと怯えている。それと同時に龍一課長が現れた。
「うぉ、珍しい!意思が無い純粋な闇を出せてるじゃん……流石は原種の日本人、俺でも意思が無い純粋な闇を出せないのにスゲえな……」
「龍一課長……終わりですか」
「ああ……もう終わりだ……」
龍一課長が現れた事で終わりが告げられる。
龍一課長の手には弓が握られている。矢は無い……矢を射る構えを取り……矢を放った……ペパーに変身した黒原の肉体を乗っ取ったアル大臣から光る球が出た。それを確認すれば龍一課長がボラロイドカメラを取り出し写真を撮った。白髪に染まっていた黒原の髪の色が元に戻った。
「即座にやらなきゃヤバいからやるぞ……霊術封印!呪術封印!魔術封印!魔法封印!仙術封印!妖術封印!電子封印!物理封印!からの物理封印!電子封印!妖術封印!仙術封印!魔法封印!魔術封印!呪術封印!霊術封印!…………OK、大丈夫だ」
「……そうですか」
「あの、なにをしたんです?」
「色々と調べた結果、封印することが出来ると分かった……この世界の理に干渉を受ける様にし、様々な術を使い封印をした」
ボラロイドカメラから出てきた写真に何重にも封印を施す龍一課長を見て何をしているのかをラテが聞いてきた。
色々と調べ実験した……そして殺す方法が分かった……だから封印をすることになった。
「封印って……倒さなくていいの?」
倒す為に色々としていたし先程殺すための大義名分を得たと言っていたのに封印した事を疑問に思うルミエル。
それはもっともらしい疑問だろう。しかしそれについて龍一課長が答えてくれた。
「勿論殺す……色々と調べたがこいつらは寿命で死ぬ存在だ……だから衰弱死してもらう……封印されている間は中の時間が動かないとかいう都合の良い展開は無い。中の時間は通常の数百倍で動くようにしている」
「いや、それを奪いに来るやつが」
「大丈夫やで!」
そんな危険なものを持っているのならば奪いに来る悪人が居るだろうとロックが主張する。
その時、恵比寿様が現れた……が、恵比寿様だけでなく見たことが無い人達が数人居る。
「ホンマに……ええ加減にしてほしいわ……昔は7歳までは子供は神様のもんやなんや言われてたり、過去に戦争が起きたことを語る人達がおるのに異世界から来て自分はヒーローだなんだ勘違いさせよって……こないな辺鄙な土地よりもヨーロッパ方面に行けや……全員準備出来とるか?」
「ええ、写真は太陽に置きましょう」
「鍵の1つは木星の破片に置きましょう」
「鍵の残りは北斗七星に置きましょう」
「あの、その方達は?」
「太陽とか木星とか北斗七星を司る神様仏様や……この封印されたアル大臣の写真は太陽に縛り付ける。封印を解除する鍵は木星にある衛星の何処かに置く。北斗七星の何処かに置く」
見たことが無い3人がテキパキと動いている。
なにをするのか何者なのかをラテが聞けば1人は太陽を司る神様、1人は木星を司る神様、1人は北斗七星を司る神様と教え……封印されているアル大臣を太陽に縛り付ける。その封印を解除出来る鍵を木星の周りにある破片の何処かに置く。北斗七星の何処かに置く。
「こういう異世界の住人を封印した場合、太陽に封印したものを縛り付ける。封印を解除する事が出来る鍵は木星や北斗七星なんかに置いていくんや……もし、誰かがどうにかしたいと思っとったら先ずは宇宙に行くことから始めなアカン……太陽系の惑星で人がまともに住めるのは地球で火星は今どうなんか調べとる世界やから北斗七星に向かうなんて何百年以上先の世界や」
「……恵比寿様……一歩間違えればスター◯◯ーズの世界に入りませんか?」
「大丈夫や、今んとこ全員寿命でくたばったから」
一歩間違えれば◯◯ーウォーズの世界に入ることをサラッとやっている。
今のところは異世界の住人達は寿命で死んでいることを言ってくれる……なにもない空間で何百年以上も過ごす……発狂して死ぬだろう……。
「さ……後始末しよか」
ソフト王国を支配したアル大臣は封印された。
太陽という人間が近づく事が出来ない場所に封印され、封印を解除する鍵も遥か彼方に置かれた。コレで伝説のミックスジュースを作るのに必要な乙女達は戦わずに済んだ……コークは何回か戦ったがラテ、ルミエル、ロックはペパーの動きを封じて手錠で捕獲するだけしかしていない。文字通り彼女達は被害が無い……コーク、いや、黒原カジツ以外は被害を受けていない。
恵比寿様が転移魔法を使った。オカルト課の本部……から少し歩いた所にある神社に転移した。見えている景色が終わったのでもう全てが終わったのだと変身を解除。白川未来月、羽仁滴、涼風氷花に戻った。
「終わり……で、いいんですよね…………はぁ……………よかった……よかった……」
「なにがよかったのか言えるか?」
「……アル大臣の一件を新しい暴力で納めようとする、それを私達に強要する……もし、あのままの状況だったら私は大きな勘違いをしていました……間違いや勘違いを起こす前に、異変に気付けて対応が出来ました」
全ては終わっていないが大まかな事は終わった。アル大臣を封印したしアル大臣の刺客はもう居ない。
未来月はもう戦わなくていいのか、戦うことを強要されなくて済むのか、そしてあのままだと大変な目に遭っていた事を理解した。
「上原さん……上原先生、失礼な態度を取ってしまい申し訳ありませんでした」
「先生と呼ばなかった事については別に構わないことだ……俺は人になにかを教えれる程に立派な人間じゃない」
「そうかな?上原先生の授業、スゴく分かりやすいよ?」
「……悪いがこれからも上原さんで通してくれ」
「え、これからもってどういうこと?もう終わった感じじゃないの?」
未来月と滴が掌返しをしているとは言わないし、思うことは無い。
しかし非常勤の講師が数日で丸坊主になったり容姿がブサイクな奴をいきなり先生と呼ばれれば色々と怪しまれる。だから上原さんで通してくれと言えば終わりじゃないのか?と氷花は聞いてくる。
「一応はまだ1ヶ月は学校に残る……その間に司法取引した氷花を色々とする……氷花……お前は被害者でもあり加害者でもある。幸いにも本格的に命を奪ったわけではないし情状酌量の余地はある。オカルト課に所属する事でお前は仮釈放をされる……が、問題を起こせば強制的に刑務所行きだ」
「嘘!?許されない感じなの!?」
「大丈夫だ、猿七が弁護士としてついてくれるから裁判できっと勝訴をもぎ取ってくれる」
話の流れ的に許してもらえる展開があると思っただろうが、早々に上手くはいかない。
司法取引をしているのだが一応は裁判を起こしておかないといけない。龍一課長がこの手の裁判を引き受けている猿七さんならば問題ない、このケースで有罪は早々に無い。十数年単位の執行猶予が付くぐらいだと優しく説明した……が、経歴に傷がついた事実は変わりはないだろう。
感情に身を任せてパワーアップをするとかそういう感じの展開を書きたかった……でも、作者には無理だったみたい。
王道的な主人公書けないよ……まぁ、酒の勢いで書いてるところあるからいいんだけど。