お前を無責任保護者罪で逮捕する!   作:アルピ交通事務局

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お前を無責任保護者罪で逮捕する!

 

「ここからは課長が入る機会は少ないから頑張ってくれ」

 

「はい……えっと…………なにを?」

 

「警察と学校に連絡を入れて保護している事を報告する。保護者に対する連絡はするにはするが、凪人自身が会いたくないと意思を示す。言葉にするだけでいい。その間に俺達はオカルト児童相談所とオカルト弁護士に連絡を入れる」

 

「通常の場合だと証拠集めとかそういうとこからスタートすんだけど、凪くんが裁判を有利に進める証拠を揃えてくれてるから比較的に進めやすいから楽だ」

 

 龍一課長はここからは特に活躍出来そうな場所が無いので俺達に任せる。

 任されたと零羅はなるのだが、具体的にはここから何をすればいいのかが分かっていないので俺は次にする対応を教えた。

 多分だが保護者の捜索願なんかが出ていたりする。集めた証拠の中で父親はスマホどころか携帯すら持っていないという。ならば、人海戦術等を用いての子供の捜索をするのがベストである。

 

 スーさんは今回の一件は比較的に解決しやすい事件で良かったとは言っている。

 

「藤さんもパターン、緑の被害者なんですか?」

 

「藤さん呼びじゃなくてスーさんでいいよ……俺も家との縁を切りたくて色々と悩んだ……」

 

 学校や警察に連絡を入れた。息子さんは無事に保護をしていると言えばやはりと言うべきか捜索願は出されていた。

 保護はしているが保護者との問題等があり児童相談所が間に入ったり場合によっては弁護士を挟まなければならないという話にしており、一先ずは大事にはならなかった。

 

 後は弁護士を探したりとか裁判の手続きとか今後の身振りとか色々としないなといけないなと思っていると凪人がスーさんがパターン、緑の被害者だった事について聞いた。スーさんは自分の呼び方を訂正させた後に家の縁を切ったことについて言い出した。

 

「スーさんも家族関係のトラブルを?」

 

「…………」

 

「末広、言いたくないのは分かるけども話してやらないと。凪人のモチベーションに繋がらないよ」

 

 零羅がスーさんも家族関係のトラブルがあったかと聞けば黙る。

 全ての事情を知っているであろう黄坂さんは色々と言っているのだから教えないといけないと言うが……若干だがプルプルと震えている。悲しいとかでなく面白いという意味合いで笑っている。

 

「スーさん?」

 

「いや、元々うちの家系ってオカルト関係の家系って言うか……オカルト課に所属の道のりってあるだろ?俺は特殊ルートでさ」

 

「特殊、ルート?」

 

「オカルト課に入るルートとして上原みたいに官僚とかのガチエリートな職業からの推薦、あんた達みたいな天之岩戸学園推薦枠、過去にオカルト関係の犯罪を起こした罰で所属する枠、求人募集を掛けて採用した枠以外にも一子相伝とか突然変異種とか歴史の表舞台に立たないけれどもそいつらが居なかったら何処かの段階で今の時代が作られなかったとも言われる秘伝の技術を持っていたりするレア能力者枠があって、末広はその枠……」

 

「え、スーさんってそんなに凄かったんですか!?」

 

 黄坂さんが教えてくれたオカルト課に入るためのルートの1つ、特殊な能力を持っているから使える人材として入れられた枠だと聞いて俺は驚いた。スーさん、仕事とかは真面目にやっているが軽いところは軽かったりするし、何かすごいことをしている印象はない。先輩としてはとても良い人なのだが恩師とかそういう枠組みではない。

 

「黄坂さん……勘弁して。ほんっと勘弁して!」

 

「でも、あんたの一族が居ないと日本人は戦国時代で詰んでたんでしょ?」

 

「戦国時代で!?」

 

「確かにそうだけども!そうだけども!俺、この力のせいで危うくタイに売られかけたからあんまいい思い出がないから!!」

 

 戦国時代でスーさんに一族が居なかったら詰んでいた。スーさんはその力のせいでタイに売られかけたと嫌な思いしかしていない。

 しかし誰が天下を取るのかが分かっていない戦国時代で大活躍した一族……いったい、どんな能力なんだ!?

 

「スーさん、は……なにが、出来る、の?」

 

「………………房中術」

 

 スーさんはスゴい!と盛り上がり、彩理もスーさんのその秘められた技術に対して聞きたいと聞いた。

 ここまで来た以上は言うしかないと腹を括ったのかボソリとスーさんは房中術の一族と言えば零羅と彩理は汚物を見るような目でスーさんを見た。

 

「房中術って、スーさん、いや、末広さん」

 

「違う!そうじゃない……いや、エロ系の術も使えるけど俺の売り文句はそこじゃないんだ!」

 

 房中術、性行為関係の術であり嫌悪感を剥き出しにする零羅。

 スーさんはイメージしているものじゃないと主張したが、エロ系の術を使えることは否定はしろと思う。そこが嫌われてる主な要素だから。

 

「じゃあ、なにが売りなんですか?」

 

「……DNA検査に引っかからない、おち〇ち〇と、おま〇こを作れる」

 

「………はぁ!?……うわぁ……」

 

「待った!話を、話を最後まで聞いて!……ほら、最近色々とあるだろ」

 

 スーさんが男性器と女性器を作れるという下ネタを挟めば零羅はますます軽蔑をする視線を向ける。

 しかしスーさんは話は最後まで聞いてほしいと頼み込み……歴史上の人物が女性だった系の話をする。

 

「歴史上のこの人は実は女性だった!的なのあるじゃん!この人は実は女性だった的なのあるじゃん!フィクションとかでさ!」

 

「まぁ、あるにはありますけど……それがなにか関係してるんですか?」

 

「関係してるよ……歴史上の人物で、時代的に男しかダメな、男尊女卑が特に酷い時代で性別偽ってたとか普通にあるわけよ……で、ここで問題だけどもその歴史上の偉人達ってどうやって子供を作ったと思う?」

 

「あ……そういう、こと……」

 

 スーさんの質問に対して答えを考えた彩理はスーさんの能力のスゴさが分かった。

 零羅はまだイマイチピンと来ていないのでスーさんは話を続ける。

 

「歴史上の人物で実は女性だった人にさ、一時的に生やすんだよ……おち〇ち〇と金玉を。それで嫁と性行為をして子供を残すんだ」

 

「織田信長が実は女性だったとか義経が女性だったとかの歴史偉人物でどういう風に子供を残してるかってなったら、本来の歴史、男としての信長や義経知っているタイムスリップしてきた男が男女の関係になるパターンだものね……」

 

 零羅は軽蔑の視線は向けなくなったが遠い目をした。

 まぁ……確かにスーさんの能力は魔法とかがホントに存在している世界観ならば確実に探せば居るだろうな一族だな。

 ローマとかギリシャとか男色家の歴史上の偉人とか普通に居るし、なんだったら日本でもそういう文化は普通にあるわけでLGBTとか色々とあるわけだし。その手の術は一定の需要はある。

 

「末広はその中でも特段にスゴいのよ……神様を含めた全てのこの手の術の使い手が引っかかるけど、末広だけはDNA鑑定とかに一切引っかからないのよ」

 

「それはスゴいですね」

 

「……あの〜すみません、スゴさが全くと言って伝わらないんですが」

 

 スーさんの房中術はDNA鑑定とかに引っかからないと言えばそれは確かにスゴい技術でタイに売られかけただけはあると納得をする。しかし零羅はイマイチ、ピンと来ていない。

 

「零羅、DNA、学校で、習わなかった、の?」

 

「保健体育の授業で習ったよ……でも、なにがスゴいのかが」

 

「なら、DNAについて……男と女のDNAの違いについて説明は出来るか?」

 

「確か、染色体が違うんですよね?」

 

「そうだ」

 

 彩理が授業でDNAを習わなかったのかを聞けば保健体育の授業でしっかりと学んでいると言う。

 ならばと俺は男と女のDNAの違いについて聞いてみれば、男と女はDNAの染色体が違うことは知っている……知っているのならば、コレがスゴいと言うのは割と分かるのだがな。

 

「女性は染色体XX、男性は染色体XYを持っている。おち〇ち〇を女性に生やした場合はこの辺が色々とややこしくてね……酷いところだと生まれた赤ん坊が遺伝子的に受け継がないどころか遺伝子的に生まれる筈が無い色の目をしたりとかで、房中術を極めた人が作ったおち〇ち〇でも基本的にはDNA鑑定とかに引っかかるのよ。男性が逆にお〇んち〇を外してオカマになっておま〇こを付けた場合もDNA鑑定とかに引っかかる。この手の術で生まれた子供は血縁関係上にある人の身体的特長とは全くと言って関係無い身体的特長とかが出たり、女性なのに髭とかが生えたりとかあるのよ」

 

 黄坂さんはスーさんの術はギャグみたいと言うかガッツリ下ネタではあるが物凄く高度な術である事を教えてくれる。

 流石にここまで来たのならば零羅もスーさんを軽蔑する様な視線を送ることはせずに、スゴい人なんだなと向けている視線を変えた。

 

「そ、そんなスゴい人だったんですか!?」

 

「凪くん、スゴいと思ったのはいいけどあんま気分良くないからその眼差しはやめろ。俺が巨万の富を生み出す金のなる木だって分かった家の連中が一族総出で俺をタイに売ろうとした時とかホントにヤバかった。遺伝子レベルで男性を女性に女性を男性にする事が出来る房中術のせいで国際問題になりかけたんだから割と笑えねえんだから」

 

「なんで、タイ?」

 

「あそこ、ニューハーフの国よ」

 

 凪人がスーさんが物凄い人だったことに驚いたがスーさんはそれで尊敬の眼差しを向けるのはやめろと結構マジな顔をしている。

 能力的に国際問題になる……と言うかLGBT関係の問題を殆ど解決する事が出来る何気にスゴいチートな能力だな。

 彩理がなんでタイに売られかけたのかと聞けば、黄坂さんはタイはニューハーフの国だとハッキリと言った。

 

「でも……嫌だから、縁を切ったんですよね?」

 

「ああ……別に房中術が嫌いとかじゃなかった。おかげで医術は学ぶことが出来たり、LGBTの人達の実態とか知ることが出来たりした。いい人生経験になったとは思う。親の職業が反社と繋がりが無い風俗店の経営なのも、そういうもんだと割り切ってた。俺自身もスケベな人間なのは理解している」

 

 スーさんは3枚のカードを取り出した。

【豊穣の女神 デメテル】と【神を唸らす料理人 アンナ】と【異星の姫君 輝夜】の3枚でありスーさんが実際に手を出した女性である。

 

「俺はタイに売られるのは普通に嫌だったから色々と頑張ってその事をオカルト課の事件のパターン、緑にして一族との関係を切って絶縁した……その事に関しては後悔らしい後悔は一切していない。そこから自分が世間一般で言うところのダメ人間なんだなって自覚してさ、中身は軽くても仕事とかはしっかりしようとか将来に役立つ為の資格の勉強とかしようとか色々と真面目になってさ。凪くんは、海洋系の高校の食品加工科に入りたいんだろ?スゲエわ」

 

「え?」

 

「少子高齢化で色々な業界がブラックだって世間に知られて死なない限りは世代交代しない老害共がトップに立ってて精神論で働けと語るクソみたいなこのご時世で、普通科じゃなくて海洋系の高校で魚の勉強をしてこの仕事に就きたい!ってもう将来を見据えてるんだろ?……俺が中学の頃なんてケモミミと尻尾を性感帯として生やす修行を従兄弟としてたんだぜ?」

 

「スーさん、凪人を褒めるのはいいが比較対象に問題がある」

 

 凪人が立派だなと褒める為にロクでもなかった頃の自分を出すのはアウトだ。

 ケモミミを性感帯として生やす技術を親族で覚えようとしている……分かっていたことだが相変わらずロクでもない業界だな。

 

「そう、ですかね?」

 

「まぁ、そうね……将来の進路とか考えずに地元の普通の高校に行ってそのまま地元の企業とか、人材じゃなくて人手不足なブラックな大手の会社に就職とか普通にあるから。政府の人的にはパソコンとかプログラミングが出来る人も欲しいけど、電気工事士とか配管工とかそっち系の人が全然増えないってなってるから……仮にうちの子供達が将来海洋系の高校に行きたいって言い出したら応援したいわ」

 

 将来の進路とかがぼんやりとだが見えている凪人を黄坂さんも褒める。

 このご時世で将来の進路とかがぼんやりと見えているというか決めている……それは実にいいことであり、黄坂さんは母親目線だったら応援したいと言う。

 

「まぁ、逆にeスポーツとか動画配信者とかお笑い芸人とかなら家族会議になるけど……ニコチンが切れたから摂取してくるわ」

 

 ちゃんとした意味での母親をしているしっかりとした母親だな。

 黄坂さんはニコチンが切れたとタバコを取り出してオカルト課の喫煙室に向かうべくオカルト課の事務室を出ようとする。その瞬間、インターホンが鳴った。

 

「……黒代、カメラとボイスレコーダーの起動をしといて」

 

「了解」

 

 ニコチンを摂取しようとした黄坂さんがピタリと足を止めた。

 今まで会話に加わらなかった龍一課長が黒代さんにカメラとボイスレコーダーの起動をしておいてと言った。

 

「俺達も?」

 

「ボールペンタイプのカメラだ」

 

「え?え?」

 

 本来は鳴らない筈のインターホンが鳴った。

 今までの流れからして誰がやって来たのかがなんとなくで予想することが出来るので、俺達もカメラやボイスレコーダーを起動していた方がいいんじゃないのかと聞けば、ボールペンの見た目をしているカメラを支給されるので衣服の胸ポケットに装着する。

 

「あたし、今めっちゃニコチン摂取したいんだけど……」

 

「現場を抑えてからだ」

 

「っく……」

 

 ドン!ドン!ドン!と鳴り響くオカルト課の事務室の玄関ドア。

 ボイスレコーダーの起動やカメラの起動等を終えたのだがこれからなにが起きるのかが分かっている黄坂さんがタバコを吸わせろと明らかに不機嫌になっているが黒代さんが現場を抑えてからと諦めるように言う。

 

「はいはい。用事があるからって殴るな!」

 

 龍一課長が事務室の玄関ドアを開いた。

 ドアの向こう側にはつい先程顔写真で見た男、拳藤頑強が立っている…………っ!!

 

「ああ、そういやお前あのタイプははじめてか」

 

「なんなんですか?」

 

「アレが壁を越えた奴だ」

 

 拳藤頑強が立っており、オカルト課の事務室をジッと見つめた。

 ただそれだけなのだが俺の中に重圧感だと感じる重圧感を感じており、黒代さんは拳藤頑強の様なタイプははじめてだったなと気付いたのでなんなのかと聞けば壁を越えた実力者と説明をしてくれて納得も直ぐにした。

 

「福島県警から連絡を頂きまして、こちらに愚息がやって来ていると聞いております……金光殿、愚息は?」

 

「ああ、来てるぞ……神社を経由せずに福島県からわざわざ神戸まで走ってきたとは中々に鍛えているな」

 

「ええ……ですが、もうすぐ壁に差し掛かる頃なので……凪人、何処だぁ!!!」

 

「喧しい!!防音系の術を使ってねえから小声にしろ!」

 

 福島県警を通じて凪人がオカルト課で保護をされているという事を知った拳藤頑強。

 龍一課長と少し会話をすれば額に青筋を浮かべながら大声で叫んだので黒代さんがうるさいとキレた。しかしそんな事は知ったことじゃないと拳藤頑強は闘気を漲らせて一歩ずつオカルト課の事務室の中に入っていき……凪人と顔を合わせる。

 

「父さん……勝手にオカルト課に来たことについては謝らないよ!」

 

「凪人ぉ!親や学校の先生を心配させてごめんなさいの一言も言えんのか!!!」

 

「ぐぅ!?」

 

 自分は色々と悩んだ末にオカルト課に親が無責任保護者罪で訴えることが出来ないのかを相談に来た。

 凪人はオカルト課に来たことについては謝罪をするつもりは無いと言えばごめんなさいと謝らない事について激怒した拳藤頑強が正拳突きを叩き込んだ。

 

「凪人、今がお前の大事な時期なんだぞ!お前が壁を越えるか越えれないかの大事な時期だと言うのに……分かっているのか!?」

 

「まぁまぁ、落ち着け」

 

「金光殿!貴方には弟子が居ないからわかり……え?」

 

「はい、午前10時58分。拳藤頑強。お前を無責任保護者罪の容疑で逮捕する」

 

 龍一課長が拳藤頑強を落ち着かせようとすれば拳藤頑強がなにかを言おうとした……が、その瞬間に黒代さんが拳藤頑強を無責任保護者罪の容疑で逮捕した。

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