龍一課長に挨拶をし、オカルト課付近の物件を見て回りいい感じの物件があったので契約した。
寮生活とかは?と思ったが社宅とかそういうのは無いみたいだ……ただ家賃5万ほど下りるとは聞いている。
「一瞬にして田舎になりましたね」
「東京だって似たようなもんじゃん」
黒代さんは事務仕事があると事務をしており、龍一課長に連れられて山に連れてこられた。
勿論完全な山でなく人が住んでいる。大手のコンビニとかも普通にあるが、華やかな都会から一転してこれかと驚いた。
都会から田舎に田舎から都会になるのはこういうことなのだと知る……龍一課長は東京も似たようなものだと言っているがもうちょっと刻む。
「ついたぞ……」
「学校、ですか?」
「私立天之岩戸学園だ」
田舎の山奥にある私立の学校に連れてこられた。
ホントにトントン拍子で話が進んでいくなと思いながらも入口にいる警備員に話を通している龍一課長を見る。
龍一課長は既にアポを取っているみたいで、中に入ってくださいとすんなりといった。
「君はこれから戦闘能力とこの業界の基礎知識を学んでもらう、原種の日本人だから君の仕事は現場仕事になるよ」
「…………まぁ、一応は国防省の人間ですからそれは覚悟しています……学校、と言う事はここで学べと言うことですよね?」
「そうそう、そんな感じ……すみませーん、鯨六居ますか?」
「あ、理事長のお客さんですね……理事長室に居ます」
職員室に顔を覗かせれば1人の職員が理事長室に居ると言った……案内しますと言われたので案内を受ければ理事長についた。
「うーす、鯨六、お久」
「あ、龍ちゃん、久しぶり〜……去年の忘年会以来かな?」
理事長室に足を運べば如何にもな青年実業家みたいな人が居た。
雰囲気があるなと感じていれば龍一課長は何事もなく気楽な感じで挨拶をし……青年実業家な雰囲気の大人の男性は挨拶をする。
「去年の忘年会は大変だったな……黒代の愚痴が……」
「もう、黒代くんが便利だからって酷使し過ぎだよ。もし仮に黒代くんが何処かの会社に転職するって言い出したら……あの子、アレでも簿記の資格とか持ってるから抜けようと思えば抜けれるんだよ!!」
「いやいや、辞めるならオカルト課が出来る時に辞めてたよ……黒代は文句を言いながらもなんだかんだでついてきてくれるよ」
「そういう考えに甘えてちゃダメ!……オカルト課は何時も忙しいしホントに忙しい時は黒代くんも現場に出るんだから」
「……あの人は事務員じゃないんですか?」
「黒代くんは事務員として働きたいって言ってるけど……ねぇ……あるじゃん、そういうの」
事務員として働いてくださいと言っている中で別の部署の仕事を任せたりする……ブラックなところがあるな。
黒代さんは大丈夫なのだろうか?と思いながらも座ってと言われたのでソファーに座った。
「コーヒー牛乳しかないけどいける口かな?」
「あ、はい。いけます」
「はい、どうぞ……コーヒー牛乳……龍ちゃんから話は聞いているよ。オカルト課に配属になった新人で原種の日本人なんだってね……」
「……その原種の日本人がなんなのか……上原純平と言います」
「私、
「はい、勉強することは苦しいとか辛いとか思いますけどちゃんと出来ます」
「よかった……運転免許の合宿の勢いで基礎を叩き込むから心配してたんだ。もうこれ以上勉強したくないとかそういうのを思ってたら辛いし」
原種の日本人がなにを意味しているのかが気になるが鯨六さんからコーヒー牛乳を貰って話を進める。
俺は2週間の内に基礎的な知識なんかを納める……勉強そのものを苦痛とか自主的に勉強することが出来るかどうかの確認をしてくるので俺は勉強するという事に関しては問題無く出来ると答えた。
「……しかし……こんな大きな学校の理事長をしていてオカルト課に協力も……凄いですね」
「全然凄くないよ……私は……逃げ道を作っただけだから」
「逃げ道?」
「異世界からこの世界が干渉されたって聞いてる?」
「ええ……1000000000個の世界と戦争したレジェンド大戦も……そして今も異世界の来訪者がやって来てます」
「うん……じゃあ、その来訪者が誰とコンタクトを取ってるかも知ってるよね」
「……物事の判別や本質をギリギリ見抜けなかったりする中学生や高校生、まるでライトノベルな感じ、ですよね?」
その現場に立ち会っているわけじゃないけれども、ホントにプリ◯ュアみたいな感じのことが起きているらしい。
今のところ俺が見ているファンタジーな要素は呪術での空間拡張と恵比寿様の水属性のなんかの術……他は分からない。だからホントのところはどうなっているのかがよく分からない。俺の知らないことがまだまだ沢山ある。
「その子達が悪者をやっつけたり異世界とのトラブルが解決したら……異世界の住人は何をしてるか知ってるかな?」
「…………この手の話は金銀財宝を貰える……けど……なにもない?」
「そう、ありがとう!の一言で解決する。別に無償の正義は悪とは言わないよ。でもね、彼等の時間はほんの僅かなんだ」
鯨六さんはそう言えば砂時計を取り出した。
砂時計をひっくり返した……砂時計の砂は下に向かって落ちている。
「中学生、高校生はあっという間の時間だよな……小学生の6年間はクソ長くて体感的に10年間で……オカルト課が出来てからは1年は小学生時の3週間ぐらいのペースで体感的に言えば10年ぐらいで死ぬかも」
「龍ちゃん、恐ろしい事を言わないの!……でもその通りだよ……貴重な1年間を異世界に使わないといけないの。場合によっては夏休みなんかの大事なイベントは潰れるし部活動を辞めないといけなかったり参加出来なくなって……行く先々で事件に巻き込まれて精神を病んだり、本来の自分の調子を失う、異世界の住人に干渉されたせいで!」
「一番の代表例は……赤点だな……」
「……異世界について言うなだなんだ言われるかもしくは信じてもらえない。そんな中でもやってくる非日常……普通の生活の感覚を失ってしまう、ですか?」
「うん!そうだよ!!」
龍一課長と鯨六さんが異世界に干渉された結果、色々と普通じゃなくなると教えてくれる。
異世界に干渉されて本来通るべき道を通れなくなった。何時もならば勉強に使う時間を別の事に使わなければならなくなった。中学以降の勉強は真面目に予習復習を繰り返してはじめて点数を取れる。
「彼等のせいで普通じゃなくなった、普通の生活じゃなくなった子を元のレールに戻したい……私自身も昔、イジメにあってて引きこもりとかしていたから……」
「大人になれば逃げることが出来るけど、子どもは逃げるな!って立ち向かう事を強要されるからな……まぁ、そのおかげで天之岩戸学園が出来た……色々と狂ってるが」
「ん〜……何処が狂ってるのかな?皆、理不尽を押し付けるし理不尽を与えられる側だよ?」
「……いや、怖い。怖いから。それマジで怖いから……」
龍一課長は鯨六さんの教育方針が怖いと言っている……どの様な教育をしているのか?
自分でも認めるブサイクな容姿のせいで中学高校は苦労した……大学生になってから容姿差別を受けなくなったな。そういうのもしっかりと考えてくれる学校なのだろうか?
「君みたいにこの業界をなんにも知らない子がしっかりと動けるように2週間で仕上げるから安心してね……」
「はぁ…………2週間で大丈夫なんですか?」
「う〜ん、ぶっちゃけ無理だな」
「ちょっ、龍ちゃん!?」
「いやいやいや、無理でしょうに。2週間で筋肉ムキムキになれる秘密の特訓なんてこの世にあるわけないでしょうに……1年2年とじっくりと時間をかけてはじめて身に付くものとかある」
2週間で基礎を叩き込むと言われており、その2週間で具体的に自分がどういう風になるのかがイメージ出来ない。
いきなりボディビルダーの様な筋肉ムキムキになれなんて言われてもああいうのは徹底して身体を追い詰めているから出来ることで2週間では無理だろうと認識している。
不安要素が多いと思っていれば龍一課長はハッキリと無理だと言ってくれた……時間をかけないと出来ない身につかない。なにかしらの特別な出来事が起きてはじめて身につくのでなく時間で解決する問題があると。
「確かにそうかもしれないけど、もしかしたら物凄く伸びる可能性があるしそもそもで上原くんが何系か分かってないでしょう!そういうのを分かって無駄だっだならそれは仕方ないけどまだなんにも見てないなら無駄って言うのは失礼からね!」
……あの、それは無駄ならば無駄だったと言うということなのでは?
俺のことを思って龍一課長に対して怒っている鯨六さんだったが、鯨六さんは無駄は無駄だとハッキリと言うタイプみたいだった。
怒っているように見えて人のことを酷く言ってくる……なんか怖いなと思いながらも話を続ける。
「基礎的な知識を身に着けて……現場仕事を、それこそ暴力で解決しないといけない系があるのならば」
「うんうん。わかるよ。不安なんでしょ?自分が特になにか特別ななにかを持ってないのを理解しているから。君ぐらいの年頃なら何でも出来る筈だ!よりもなにが出来ないし何をしたくないって諦めたくなるよね。でも、大丈夫。私がしっかりと教えるからね!」
「…………」
「上原、鯨六はそういう奴だ……毒は薬にもなるし薬は毒にもなるから諦めろん」
口が上手いのか下手くそなのかどっちなのかが分からない。
俺のことを思ってくれているのは分かるんだが言葉の所々に棘というか毒が入っている。鯨六さんの毒は地味にキツいなと思っていれば龍一課長はこれが鯨六さんの平常運転だと教えてくれる。
「基礎的な知識を教えるとして……そうだね……具体的に2週間後の自分がどんな風になれるか教えるね……ふぅ」
「あ、それは!」
鯨六さんが髪の毛を一本引き抜いた。
髪の毛に対して息を吹きかければドロン!と煙が上がり鯨六さんの髪の毛は鯨六さんになった。
コレは子供の頃に絵本で読んだことがあるから知っている。西遊記の孫悟空が使っている分身の術だ。
「西遊記の孫悟空の分身の術、ですよね」
「正式名称は身外身の術……ジャンルで言えば仙術だな……見た目は凄く簡単だけども結構高度な技術だから基礎を会得する2週間では無理だと思うぞ?」
「でも、こういうのが出来るようになる!ってイメージがあるかないかでモチベーションが変わるよ……男はこういうのが大好きなんだから!」
西遊記の孫悟空の使っている分身の術……子供の頃に見たことがあるあの術を使える…………
「……かめはめ◯もいけますか?」
「……出来るけれども、アレって凄く疲れるし殆どの人が見た目ほどに威力出ないから……見かけの派手さに囚われないで!」
男ならばかめはめ◯の1つや2つ、憧れる。
こっそりと練習していた、もしかしたら出るんじゃないかと必死になっていたあの頃は俺の中にも確かにある。
鯨六さんにかめはめ◯が出来るかと聞いたが見た目程に威力が出ないあんまりいい技じゃない……でも、でも……不可能とは言っていない。理論上は2週間でかめはめ波を会得することが出来るかもしれない。
「今までで一番強くなったの
「ええ、なるべくやります」
龍一課長は鯨六さんへの仲介人を終えたと理事長室を去っていく。今から2週間で色々と会得する、学習する。
「じゃあ、コレを渡すね」
「コレは……うぉ!?」
鯨六さんが基礎を教えてくれるとなり、先ずはとカードを貰った。
いきなりのカードと思えばカードが光り出して自分の顔写真と……なにも写っていない……なにかが書かれているであろうスペースになにも書かれていない。
「コレはオカルト課のIDカードでスキルカードでもあるんだ」
「……ステータスカードじゃなくて?」
「うん……ステータスカードって呼んでた時期もあったけど、今はスキルカード……RPGゲームみたいにステータスのみを重視して行動判定があるわけじゃないし、出せる最大のパワーってその時その時でコロコロと変わるからね。それよりもどんな技が使うことが出来るのとかそういうのが重要だよ。私のはこんな感じ」
「ぉ…おぉ……びっちりですね」
自分が今使える技がどんなのかが1から10までしっかりと書かれているスキルカード。
俺のはなにも書かれていなかったが……鯨六さんはそれこそ虫眼鏡を使わないといけないぐらいにはびっちりと書かれていた……鯨六さんがスゴい人なのはなんとなくで分かるしさっき孫悟空の分身の術を見せてもらったからホントにスゴい人だろうけれども……
「大丈夫、最初は誰もが通る道だから!」
自分が将来的にそれぐらいになれるのかと不安だった。