お前を無責任保護者罪で逮捕する!   作:アルピ交通事務局

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お前を魔法少女勧誘罪で逮捕する!

「え〜皆さんに大事なお知らせです。非常勤の講師が増えました」

 

「どうも!水堂輪駆(すいどうりんく)です!」

 

 とある地域の私立の女子中学校、何事もなく全校集会が行われる。

 最近の季節の話、流行の話、受験生はしっかりしていろと何処の学校でもよくある話だったがここで1つのイベントが起きた。

 非常勤の講師が増えたのだ。非常勤の講師なんて珍しいと思っていれば爽やかな茶髪の若いイケメンが挨拶をした。イケメン来たぁ!と盛り上がる……

 

「皆さん、お静かに……非常勤の講師はもう1人居ます」

 

 騒いでいる生徒達を校長は静かにさせた。もう1人って事は期待してもいいかな?と視線でワクワクを訴えかけている。

 

「はじめまして、上原純平です。非常勤の講師ですがよろしくお願いします」

 

 しかしそのワクワクは直ぐに消える。

 上原が姿を現し、挨拶をした……上原は爽やかなイケメンでも渋いおじさんでもない。ブサイクな容姿である。

 なんかやたらと女子生徒の顔面偏差値が高い学校でこの容姿……そして先にイケメンが出てきてからのブサイクである……容姿差別はいけないこと?……それがあるからアイドルの様な仕事が生まれるのでなんとも言えない。

 

「水堂さんは2年B組に配属になります」

 

「皆、よろしくね」

 

 イケメンは2年B組にやってくる!

 内心でガッツポーズを取っている者達と落ち込んでいる者達……そして上原も何処かのクラスに配属になるのか?それじゃあハズレは誰になるんだろ?となっていたが、校長は特になにも言わなかった。

 え?あっちは?あっちについては?……特に校長や理事長は深く語らずに居たので逆に気になったのだが、なにも言わなかった。

 

「もう、学校に来るって聞いた時は驚いたんだからね!!」

 

「ごめんごめん……中々に言えなくてね……こっちの世界の文字を覚えるのが思ったより時間がかかったんだ」

 

 上原は置いておいて、学校側からの色々な報告が終わった。

 これにて朝の全校集会は終わりで各々が各々のクラスに帰っている中で水堂に1人の少女が声をかけた。

 水堂が担当することが決まった2年B組の生徒、黒原(くろはら)カジツ。水堂のホントの正体を知っている唯一の人間だ。

 

「え……文字を覚えるだけなの?」

 

「まあね……ボクはこれでもソフト王国の王子だからね……文字さえ読めればこの学校の授業ぐらいは教科書を開けば分かるよ」

 

「うわ!凄く頭のいい人発言じゃない!…………因みに科学とかって大丈夫?」

 

「勿論だよ。ボクはこれでも全部の教科が出来るからね!」

 

 水堂輪駆の正体、それはソフト王国の王子様、リンク。

 ソフト王国はアル大臣の裏切りに遭い、ソフト王国の王家に代々伝わっている命の盃を奪った。命の盃に入れられている命の水を飲むことで圧倒的な力を得た。アル大臣は力に物を言わせた独裁政治を行っており、ソフト王国の第一王子である水堂輪駆の真の正体、リンクはアル大臣を倒す為にソフト王国に伝わる伝説のミックスジュースを生み出す乙女を探しにこの世界に来た。

 黒原カジツはソフト王国に伝わる伝説のミックスジュースを生み出す事が出来る乙女……

 

「伝説ではミックスジュースに必要な材料を生み出す乙女はカジツを含めて4人……なんとか探し出さないと……」

 

「そうは言うけど……なにか手掛かりがあるの?」

 

「ミックスジュースの材料を作れる人にはそれぞれ個性があるんだ……夢が宿る果実、包み込む慈愛の蜜、叡智のミルク……」

 

「後1つは?」

 

「……それが……」

 

「水堂さん、ここにいましたか。もうすぐ授業が始まりますので早く教室に向かわないと」

 

「っ!?」

 

「うぇ!?」

 

 最後の1人の個性についてどんな感じなのかが分からない。

 輪駆はそう言おうとした途端、上原が現れた……上原が声をかけたことで上原の存在に気付いた。

 

「あっ、あのっ……聞いていましたか?」

 

「……聞いていた?もうすぐ授業の時間なのに講堂に居るので迎えに来ただけですが……」

 

「あっ、そ、そう……ならいいや……カジツ、行こうか」

 

「あ、うん」

 

 間もなく授業が始まるのだから早く向かうようにと言われればカジツと輪駆は教室に向かう。

 どうやらさっきまでの話は聞かれていなかったみたいとホッとしながらも輪駆とカジツは教室に辿り着いた。

 

「輪駆先生って幾つなんですか?」

 

「輪駆先生って彼女とかいるんですか?」

 

「輪駆先生ってなにが好きなんですか?」

 

「ははは……参ったな」

 

 爽やか系のイケメンが授業を行う!……前に質問攻めに合う。

 何処からのともなく現れた新入りには色々と話しかける、それは何処の業界も同じことである。

 

「では、授業を始めます……と言いたいところですが、テストを2つ行います」

 

「え〜テスト?」

 

「いきなりなの?」

 

「上原さんより輪駆先生の方がよかったな……」

 

 一方の上原は3年D組に足を運んでいた。

 なにをしているかと聞かれれば普通に授業、担当は数学……テストを行うと言われれば生徒達は嫌そうな声を上げる。いきなりのテストならば誰だって嫌だと思う。しかしそれでも輪駆先生の方がよかった、と言う意見まである。

 まだ初日で授業を受け持つのも文字通り最初なのにいきなりのこの格差……だが、上原にとってはこの差別はよくあること。お年頃の年齢な女子中学生に対してああだこうだ言わずに後ろ向きでテスト用紙を渡した。

 

「テストは7分……次のテストは15分だ……テスト用紙を配り終えたな……開始だ」

 

 腕時計を見て淡々と進めている上原。

 今頃2年B組はイケメンで盛り上がっているのになと殆どの生徒達は思いながらもテスト用紙を捲る。

 

「え!?」

 

 白川未来月(しらかわみくる)はテスト用紙を見て驚いた。

 

 

 問(1) 1+3

 

 問(2) 3✕4

 

 問(3) 21÷3

 

 問(4) 34−19

 

 

 普通の小学生ならば簡単に解くことが出来る問題だ。明らかに中学レベルの問題ではない、XとかYとかは使っていない。

 こんな問題になにを難しく考えないといけないのか……と思ったが直ぐに未来月は焦った。何故ならばこのテストの問題が100問まであった。制限時間がたった7分の中で100問ある。問題自体はすごく簡単だ。パッと頭の中で計算をし書く、書く、書く、書く。

 

「終了だ」

 

「っ……間に合わなかった……」

 

 小学生ならば見ただけでパッと答えが出てくる問題だったが100問あった。

 100問を答えることが出来なかった……学年1位である自分でもパッと答える事が出来ても間に合わなかった。

 勉強に関しては自信がある彼女だったが悔しいなと思っていると2枚目のテスト容姿が配られた。

 

 問(1) (X+3)(X+5)

 

 問(2) (3ーm)(mー3)

 

 

 あ、何時もやってるレベルの中学生の問題だ。

 幸いにも7問だけなのでホントに気持ちを落ち着ければ簡単に答えを出すことが出来る。さっきまでのテストと比べて焦る必要性も無いのだとスラスラと問題を答えていった。

 

「終了だ……さて、授業に入る。何人か問題をミスしているのと時間の問題で基礎の復習だ」

 

「上原さん、テストしなければよかったんじゃないですか?」

 

「全員の理解力や学力が分からなければどのレベルまで説明すればいいのかが分からないからテストをした……数学は数字の世界で物体的なイメージが取りにくいからな」

 

 テスト用紙を回収しパラリと上原は答えを見た。中学生レベルの問題だったが殆どの人がケアレスミス等が多かった。

 やはりこういう事はあるかと上原は復習の時間に入ろうとするが、1人の生徒がテストそのものをしなかったらと言うが生徒のレベルを把握する為にテストをしたと答える……何故に2つ?と殆どの生徒達は疑問に思った。未来月は先に簡単な問題をやったから頭の運動になっていて次に問題が出来たからよかったと思っている。

 最近まで教わっていたところの復習に入る。生徒の中には理系と文系に分かれている……が、上原はとても分かりやすく教えた。今まで何となくでしか掴んでいなかった生徒達も凄く分かりやすい!と受け入れれた。

 

「まったく……質問責めにあって1時間を終えるのは情けないですよ」

 

 1時間目の授業を終えれば上原は輪駆に対して呆れていた。

 小学生の転校生でもなんでもないのに1時間目を水堂の質問タイム……具体的になにが好きとかを説明し終えた。

 

「上原さんは無かったんですか?」

 

「ありませんしあったとしても断っています」

 

「硬いな……せっかくの先生なんだからもっと楽しまないと!」

 

「……そういうのは生徒がするもので自分達の仕事ではありません」

 

 質問攻めにあった輪駆、いきなりテストを出した上原、生徒受けが良いのは当然、輪駆だろう。

 生徒と仲良しな関係性に!や楽しむことを教えないと!と上原に対して前向きで明るい言葉をかける。しかし上原は冷静に流す。

 

「最後の4番目はまだ分からないんだ……でも、3つは分かっているんだから先ずは3つを探そう」

 

「うん、分かったわ!……慈愛の蜜……叡智のミルク……叡智って事は、勉強が出来るって事よね?」

 

「まぁ、簡単に言えばそうなるよ」

 

 なんだかんだで授業が終わり、放課後を迎えた。

 部活動をしている人達は部活動に勤しむ中でカジツは輪駆と合流し、ミックスジュースを作る伝説の乙女達の情報をおさらいする。

 聞けなかった4人目がなんなのかな分からないけれども、自分を含めた3つが分かった。慈愛の蜜と叡智のミルク、どちらが簡単に分かりやすいかと言われれば叡智のミルクだった。叡智と聞けばエッチと考えるのはスケベな思春期な男子中学生だが乙女なので叡智のミルクからエッチなミルクは想像しない。

 

「じゃあ、学校で1番頭が良い生徒とかじゃない!」

 

「学校で1番頭が良い生徒……誰かな?」

 

「そりゃ勿論、未来月会長よ!この学校に入ってから学年1位をキープしてるんだから!」

 

 叡智のミルクに相応しい人物は誰なのか?となり、叡智から連想される知性、知性=頭が良い。

 この学校に入学し最初から最後まで体育や美術等のペーパーテストが殆ど無い科目以外学年1位をキープし、生徒会長を務めている白川未来月。理知的な人で学校の為の一生懸命になってくれているところも見受けられている。

 

「叡智のミルクはきっと未来月会長!生徒会室に向かいましょう!」

 

「うん、行こう!」

 

 伝説のミックスジュースを作り出す事が出来る伝説の乙女探しをするカジツ。

 輪駆もきっと叡智のミルクは白川未来月だと思い、生徒会室に向かった。

 

「あ、輪駆先生どうも……貴女は?」

 

「2年の黒原カジツです!未来月会長に大事な話があってきました!」

 

「大事な話?」

 

 生徒会室で事務仕事をしている未来月に突撃するカジツ。

 未来月とカジツの初対面だがカジツは動じることはせずに未来月に大事な話があると言われた。深い関わり合いを持っているわけではないが、後輩が大事な話があると言うのならば聞くしかない。

 幸いにも生徒会室には自分しか居ない。そう、ホントに幸いにも自分しかいない。だから大事な話を聞くにはちょうどいいと輪駆とカジツに椅子に座るように言った。

 

「輪駆先生、カジツさん……大事な話とはなんです?」

 

「実は……ミックスジュースを作ってほしいんです!」

 

「……………はい?」

 

「こらこら、カジツ。色々と飛ばしすぎているよ」

 

 なにを頼まれるのだろうと考えていればカジツは色々と過程をすっ飛ばしてミックスジュースを作ってくれと言われた。

 何故に自分がミックスジュースを作らなければならないの?いや、ミックスジュースなんて喫茶店とかちゃんとした百貨店の地下の食料品売り場に売っているじゃないの?と未来月は疑問を抱いていると輪駆は正しい説明をする。

 

「ソフト王国を支配しているアル大臣を倒す為には伝説のミックスジュースが必要なんだ!伝説のミックスジュースを作るには4人の乙女達の力が必要で……カジツは夢が宿る果実、君は叡智のミルクなんだ……」

 

「……輪駆先生、今時それは無いでしょう?」

 

 そんなニチアサキッズタイムみたいな展開が起こるなんてありえない。

 真面目に設定を考えているのは分かったけれども、そんな事に付き合っている暇は無い。未来月はそれは無いだろうと否定し呆れながら仕事が忙しいので邪魔になるから出ていって!と生徒会室から追い出された。

 

「やっぱり、いきなり信じてくれるのは無理みたいだね……」

 

「うん……でも、大丈夫!未来月会長が叡智のミルクなのは確かだから!……さっきは輪駆が人間の姿だったけれども本当の姿を見せたら信じてくれるわ!!」

 

「……カジツ、それが分かっているならいきなりミックスジュースを作るって言わないの……」

 

 やり方が悪かっただけで逆を言えば正しいやり方さえやっていれば分かってくれた。

 カジツは真っすぐに生きているけれども、少し勢いに乗りすぎているなと少しだけ呆れるがそこがカジツの良いところだと受け入れて笑みを浮かべる。

 

「まったく……良い歳して……」

 

「どうかしたか?」

 

「あ、いえ……なんでもないです」

 

 良い歳してニチアサキッズタイムみたいな事を言い出している。

 未来月は呆れていれば生徒会の事務の用紙に間違いはないのかの二重のチェックをしている上原が声を聞いたので反応する。

 中学2年で異世界だ伝説のミックスジュースだと言えるわけがない。世に言う中二病患者なんだと言い聞かせており、流石に他人にベラベラと言いふらすわけにはいかない…………けど……

 

「上原さんは異世界や魔法を信じますか?」

 

「……存在は信じているが、行きたいかと言われれば別だな……異世界があるという事はその世界独自の文明を築き上げている。白川は外国に行ったことがあるか?」

 

「ええ、ハワイとかには」

 

「ならば文化の違いに驚くこともあるだろう。外国ではチップを要求する文化がある、綿棒等で耳掻きをせずに耳鼻科に行って耳掻きをしてもらう……異世界独自のよく分からない文明を受け入れる事が難しいとは思う」

 

 ふと聞いたことがないソフト王国について考えて気になったので大人の意見を聞いた。

 上原は異世界の存在は信じているが、その世界独自の文明がある。それをあっさりと受け入れるのは難しい、そう結論を出した。

 確かに言われてみればそうかもしれない。剣と魔法のファンタジーな世界にいきなり導入されたとしてもそれをあっさりと受け入れ飲み込むのは難しい。

 

「俺は受け入れるのは難しい……だが、存在は否定しない……出来ないや不可能を決めつけるのは何時だって自分だ。自分の中でそれを可能にするという強い意思があれば、その意思を伝え共感者や仲間を増やせば何時かは不可能を可能にすることが出来る」

 

「……不可能を可能に、か……ありがとうございます……」

 

「いや、別に構わない……先ほど水堂さんが来ていたが」

 

「ああ、ちょっとした質問ですよ……気にしないでくださいね」

 

 少しだけ心のモヤモヤが晴れた。

 手に付かなかった生徒会の事務仕事をパパっと終わらせた未来月は家に帰ろうとする。

 

「未来月会長!」

 

「はぁ……また貴女なのね……」

 

「さっきはすみませんでした!」

 

 帰路についていると再びカジツが現れた。

 またかとため息をつけば未来月に対して頭を下げるカジツ……さっきとは違うわね、そう思っていれば未来月はカジツの肩になにかが乗っているのに気付いた。

 

「ぬいぐるみ?」

 

「コレが僕のホントの姿なんだ!」

 

「喋った!?」

 

 カワウソだかフェレットだかよく分からないが可愛らしいぬいぐるみみたいな見た目の生物が喋った。

 喋ったが……直ぐに分かった。つい先程までに聞いていた声だと……

 

「輪駆先生?」

 

「うん!この姿の時はリンクってよんでほしいかな?」

 

「…………さっきの話、ホントだったの?」

 

 例えるならばニチアサキッズタイムみたいな展開、そんな話はフィクションだと否定していた。

 でも、さっき上原から不可能を可能にするのは自分であるとアドバイスをもらった。だからさっきの話はホントだったと仮定する。恐る恐る聞いてみれば今度は信じてくれた!とカジツは嬉しそうな顔をしている。

 

「はい!そうなんです!」

 

「そうなんだ……っ!!」

 

「どうしたの?」

 

「まさか……コールが来るの!?」

 

「コール?」

 

 やっと話を信じてくれた!と喜びもつかの間、ホントの姿になっているリンクはビクッと反応した。

 なにかあったの?と未来月が聞き、カジツはコールが来る時のリンクの反応だと慌てており……突如として空気が変わった。

 酸素が薄いとかそういうのではない、言葉にするのは難しい。でも、明らかになにかが違う。未来月の中でそう言っている。

 

「リンクの持っている命の盃を奪いに来るアル大臣が送り込んでくる刺客です……」

 

「ハッハッハ!その通り!……今日こそは命の盃を返してもらいますよ」

 

「っ、ヴァッティング!!」

 

 命の盃を奪いに来る、その刺客が送り込まれてくる。

 カジツから説明を受ければそのコールが現れた……コールを生み出しているソフト王国を裏切った男、ヴァッティング。ニヒルな笑みを浮かび上げている。

 

「見ない顔が居ますね……命の盃を返してくれるのならばなにもしませんが、命の盃を返してくれませんよね?」

 

「返すもなにもアレはソフト王国の国宝だ!アル大臣の物じゃない!!そしてヴァッティング、お前のものでもない!」

 

「ならば何時も通り……いけ、ヴァドス」

 

 何処かリンゴを彷彿とさせる怪人をヴァッティングは生み出した。

 その者の名はヴァドス、それを見て困惑する未来月だったがカジツはなれた手付きで動き出す。

 

「ミキサーブレンド!」

 

 手を高く掲げ、叫ぶカジツ。

 するとみるみる内に姿が変貌していった。

 

「夢が宿る果実!コーク!」

 

 まるでニチアサキッズタイムの主人公達の様に変身をした。

 ホントにこんな事があるの!?と驚愕する未来月……コークに変身したカジツはヴァドスに対して飛び蹴りをくらわせる。

 

「……そんな事が……」

 

 コークに変身したカジツはヴァドスと戦う。

 しかし……忘れてはいけない。ヴァッティングが居ることを。

 

「私も学習はしますからね……1人よりも2人の方がなにかと動きやすい」

 

「っ、ダメ!!」

 

 まだ深くは分からない状況だけれども、悪い奴らであることは確かだ。

 未来月はヴァッティングに捕まりそうなリンクを手にし、ヴァッティングから守った。

 

「やれやれ、こんなよく分からないのに関わらなくてもいいじゃないですか」

 

「よく分からないけど……貴方が悪い人なのは分かったわ!!なにをするか分からないけど、貴方にこの子は奪わせない」

 

「未来月……」

 

「リンク、教えて!どうすればいいのを!」

 

「君はきっと伝説の乙女の1人!叡智のミルク……君が心の底から望めば、君も変身が」

 

「いや、しなくていい」

 

「え…………上原さん!?」

 

 君ならばきっと出来るはずだ!リンクから背中を押されれば未来月は戦おう!と決意する。

 眩い光が放たれて未来月の手にはブレスレットが装備された……コレで後はコークに変身したカジツの様に変身出来る……そんな時だった。上原が姿を現した。どうして上原がここに居るの!?と思っていれば上原は植物の種を取り出しヴァドスに向かって投げた。

 

「あ?なんだ?」

 

「咲け叫べ、狂い咲きずに縛り付け……熱を土を経由して奪え」

 

「っがぁああああ!!!」

 

 種が発芽し、ヴァドスの中に根を張った。

 常識的に考えてありえない速度で植物が成長していきヴァドスの見た目は酷く衰弱していった。

 

「なっ、何者なんだ……いや、ここは撤退だ!」

 

「悪くない判断だ……………ただしそれが出来ればだが」

 

 突如として現れた上原に驚いているヴァッティング。

 コレは危険だと判断し、逃げようとする……しかし残念かな、上原は逃げるという事を既に読み切っている。

 

「一拳入魂!」

 

「ッガァ!?」

 

 オカルト課課長である龍一が逃げようとするヴァッティングに霊力を纏った拳骨を叩き込んだ。

 逃げられる前に倒す……のでなく気絶させる。ヴァッティングは殴り倒されれば龍一は手錠を取り出してヴァッティングに付けた。

 

「……白川、大丈夫だったか?」

 

「は、はい………大丈夫です…………」

 

「上原さん、なんでここに居るんですか!?」

 

「……………水堂さん、人間の姿になって話してくれませんか?どうにも気が引き締まらない」

 

 未来月が無事かどうかの確認をすれば無事だと言われ上原は安心する。

 そんな中でリンクがどうしてここに居るかと聞けば水堂は質問に答える前に人間の姿になってくれと言ったので人間の姿になった。それを確認すれば上原は龍一とアイコンタクトを取り……水堂輪駆になったリンクを押さえつけ手錠を付けた。

 

「17時37分、水堂輪駆!お前を魔法少女勧誘罪の現行犯で逮捕する!!」

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