三国同盟の行先   作:双無 クトゥ

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あらすじにも記入したとおり、設定の確認や矛盾点等をなくすため、AIを使用しています。ご了承下さい。


1話

僕と白双は包囲下にある友軍を救出するため、咆哮と爆発音が鳴り響く平原を駆け抜けていた。

ここらにいる魔獣は研究所から生まれたのか、一部が欠損してもすぐに再生していく。それでも友軍との合流を優先するため、道が開ければすぐに進んでいく。

 

人形では死角となってしまうところは、ヒドラやイージスが対処してくれているみたいで、衝撃を感じる以外は攻撃された感覚はない。

白双の方でも、ユニットを使ってダメージを最小限に抑えているみたいだ。僕とは違い、実弾を使わずに対処を続けている。

 

暫く返り血に濡れながら進み続けると、漸く包囲網へと到着したようで、研究所兵士が現れ始めた。変わらぬ速さで進み続け、それでも獣とは違って地雷や砲撃などの攻撃には対処に苦戦してしまった。

やがて包囲網を完全に突破し、友軍兵士との合流を果たした。

 

「漸く助かった。粘り続けた甲斐があった。よし、できる限りの援護をしよう。君たちに必要かはわからんが。」

 

「援護は不必要だ。そこで体を休めるか撤退の準備を進めるといい。」

 

「いや、いくら君たちと言えどこの数が相手になると苦戦どころの話じゃないだろ。」

 

「疲労状態に見える。無理な戦闘行動は戦線の崩壊につながる。それにこの体を失ったところで死ぬというわけではない。」

「そうだよ。ここは私たちに任せて。」

 

そうして会話を終えると、僕とイージスの兵装展開し、周囲の敵を殲滅していった。白双を確認すると、いくつかの機体を展開していた。何度見ても白双の攻撃原理はよく分からず、一見何もしていないかの様でも、相対した敵は倒れていった。

 

それからさほど時間も経っていないうちに脱出用ヘリが到着し、兵士たちを引き上げていった。その間にも敵からは熾烈な攻撃が繰り返されたが、それが脱出用ヘリへと到達する前に僕か白双がかき消していた。

 

――その頃、皇都・会議室――

 

「あのとき現場にいたやつらは気でも狂っているのか?あんな奴らを皇国内に招き入れ、拘束もせずに野放しにしておくなんて。今にも暴れ出して甚大な被害が出る。」

 

「ちょっとは落ち着きなよ。君は参謀だろ?フローリオ。いつだって冷静沈着でいなきゃだめじゃないか。」

 

「近衛師団長。そうは言ってもあの兵器群体だぞ?災厄のだ。そう簡単に受け入れられる訳が無い。それなのに現場レベルの自己判断で軽々しく招き入れやがって。ついこの間の戦闘訓練も見ただろ?皇国兵が束でかかってもすべて返り討ちだった。」

 

「だから落ち着かないと冷静な話し合いもできないよ?そもそもそこら辺の会議は皇帝陛下が容認したことでまとまったじゃないか。皇帝陛下のご意思を無視するのか?」

 

「そうじゃない。ただ少し慎重にいくべきだと言っているんだ。少しでも首輪をつけて管理下に置いたほうがいい。事が起こってからじゃ遅いんだ。」

 

「それは辞めといたほうがいい。彼らが研究所から逃げて来たのは自由を求めてだ。そんなことしたら、それこそ暴れ出すか逃げ出すかすることになる。それに聞いてるだろ?彼らは皇国兵を救出していたと。噂によれば、救出された隊員の中には君の息子もいるらしいじゃないか。」

 

――皇都・執務室――

 

「救出任務を引き受けてくれてありがとう。おかげで多くの仲間の命が助かった。」

 

「礼を言われるほどのことでもない。」

 

「それでも君たちのおかげというのは変わりない。」

 

「運よく間に合った。ただそれだけの事。」

「そうだね。私達にも気にしないでいいよ。それよりも次はどこの戦線に行けばいい?」

 

「君たちには本当に感謝してるんだけどね。それじゃあ、次は北部に向かってもらおうか。逼迫してるわけではないようだけど、君たちのためにもね。」

 

「僕等の存在意義は戦場にこそ在る。それに、僕等に稼働限界や精神的疲労はない。」

 

「そういうことじゃないんだけどね。そう言えば、今回はエリア-1410だから間違えないようにね。じゃあ明日明後日で到着するぐらいで大丈夫だからね。」

 

「すぐに出発する。」

「大丈夫だって。黒双もこんなだけど、ちゃんとしてるからさ。」

 

「ああそれと、今回の一件でまた魔法国家や科学国家群から抗議が届いた。SEPTを独占するな。と。それともう一つ。S型の戦車を派遣するから整備に少々手を貸してやってほしい。」

 

「独占?面白いこと言うね私たちはどの国家にも属さない、独立した存在だと説明はしてるのに。どこで戦おうが私たちの勝手でしょ。」

「わかった。ある程度習熟するまでは目をかけておこう。僕らのほうが理解しているからな。」

 

その後、建物から出ると装甲車が一台駐車していた。その車へ干渉して建物の前まで走らせ乗り込んだ。車に乗るとすぐに走り出し、エリア外へ出ると山道へと差し掛かった。ここは皇都からそれなりに距離があるので、民間人とすれ違うことはない。

 

山の中には人目につかずに成長を続けた魔獣が跋扈している。奴らは傲慢にも僕たちを餌と認識しているのか、車道で待ち構えている。わざわざ降りて対処するのも面倒なので、装甲車の強度に加え、僕達特有のエネルギーであるレヴを装甲車に纏わせて突っ込んでいく。

 

ぶつかった瞬間、若干の衝撃とともに、魔獣が先の方へと転がっていった。更に、魔獣に反応したレヴは触れた対象を侵食していく。完全に黒く染まったところは自壊していき、崩れ落ちていった。その際に発生したほこりは、装甲車の風圧によりかき消されてすぐに見えなくなった。

 

「黒双は荒々しいね。多少避けたっていいんじゃないの?そんなにぶつかってたらすぐに凹んじゃうよ。」

 

「大丈夫だよ。強化もしてる、へこんだのなら修復すればいい。それにわざわざ避けてやる必要もない。コイツラただの害獣だろ?それにヒドラが暴れないか心配だ。」

 

「もうちょっとゆっくり行ってほしいんだけどな。」

 

出発したタイミングも関係しているのか、いつもより魔獣を轢き飛ばす。さらには興奮しているようで、装甲車を見ても怯まない。このまま止められては面倒だと思い、イージスを先行させることにした。僕から分離したイージスは装甲車の前に着くと、装甲車の前方を走っていく。

 

闇の中を白銀の光で灯しながら進んでいく。兵装を展開しながら敵を蜂の巣にし、又は敵を両断することで魔獣を片付けている。イージスは自らが操る大きな盾で魔獣を押しつぶし、金属塊で魔獣に風穴を開けている。過剰ともいえる火力で対処しているため、装甲車で轢き潰す必要性がなくなった。あえて言うのであれば、道に転がっている魔獣の体で車体が揺れる程度のことだ。

 

山から降りるとすぐにエリア-1410が見えてきた。現在は最前線に位置するため、ここからでも周囲の警戒に当たっている皇国兵が見える。基地へと近づいていくと、向かいから皇軍の車両が近づいてきた。

 

「お前らそこで止まれ。所属部隊と目的は?」

 

「皇国軍特務隊零式戦律群。北部防衛参加の命を受けた。」

「同じく皇国軍特務隊零式戦律群所属。竜皇に北部への移動を指示されてきた。」

 

「お前たちがあの特務隊か。君達の話はよく聞く。大方こちら側のほうが平和だからだろう。よし、ついてこい。案内が必要だろう?」

 

「協力の申し出感謝する。後ろを進ませてもらおう。さすがに味方の防衛戦を引き裂きながら進むわけにもいかないからな。」

 

その場で方向転換した装甲車は、ゆっくりと進み始めた。その進路は直線的ではなく、不規則に曲がる必要のある通り道だった。その道を外れることなく進んでいき、エリア-1410へと入ることができた。

 

エリア内には高射砲陣地や対空陣地、指揮所から弾薬庫と言った基本的なものは揃っていた。このエリアに配備されているものを一通り確認したあと、割り当てられた事実を確認しに行った。僕達は特務隊として他の皇国兵からは隔離された部屋が割り当てられている。

 

置いておく荷物もほとんど持ち合わせていないので、すぐに前線へと歩いていった。白双は少し休憩するようで、部屋でくつろいでいた。現在は大きく動きがあるわけではないようで、静かな空間が広がっていた。研究所は負傷兵や戦死者を回収していないようで、点々と転がっていた。生身の兵士にはハゲワシなどの野生動物が集まっている。

 

回収できる兵士だけは回収し、意識が残っているものは拘束を進めていく。そうするだけで半数ほどの屍が消滅した。残った屍は燃やしていき、掃除を進めていく。いきなり上がった火の手に警戒しているのか、遠くの方から観察するような視線を感じる。

 

「こんなところで何を燃やしているんだ?こんな時に明かりなんて灯したらどこから強襲されるかわかったものじゃないぞ。」

 

「問題ない。奴らは精神的負荷を感じている。燃え広げようとはしない。」

 

「本当か?奴らは死を恐れずに突撃してくるんだがな。」

 

「それだけ私たちを恐れているということ。奴らは自分の手を離れた失敗作が怖いんだ。喉を噛みちぎられることを恐れてる。一度経験したからこそ。」

 

「あんたらが大丈夫って言うんならそうなんだろう。引き続き、警戒任務に当たってくれ。」

 

そう言うと皇国兵は装甲車に乗り込み、どこかへと走っていった。その後も回収と拘束と焼却を進めて行くと、近くから何かが動いているような音が聞こえてきた。様子を確認するためにSEPTを分離し、音が聞こえた方へと移動させた。その瞬間、別視点からの視界により、認識できる範囲が格段に広がった。

 

そのまま分体の方を移動させて音の正体を探すと、ギリースーツに身を包んだ一団を発見した。皇国の特殊部隊かと思ったが、研究所からの刺客のようだ。様子を見ようかと思ったけど、すぐに捕縛することにした。離れてしまう前に捕縛するために更に分体を増やし、静かに包囲していく。

 

こちらの存在を気取られないように気をつけながら包囲を狭めていく。まだ気づいていないようで、こちらを気にしている様子は全くない。更には生身の兵士なので、余計にこちらには気づいていなさそうだ。

そうして近づいていくと同時に分体を集合させていき、最終的には二人の人形にまで集まっていった。その大きさは切り離した当初の液状から130cmほどの大きさの前で成長していた。

 

2人が一気に距離を詰めると、近くにいた敵兵の足を蹴りつけた。生身の兵士には威力が強すぎたのか、ボキッという大きな粉砕音が鳴り響いた。突然の音に驚いた兵士の視線が向き切る前に、目の前の兵士を投げつける。状況を把握しきれていないうちに別の兵士へと走り寄ると、貫手で兵士の顔面を破壊し、胴体に風穴を開けた。

 

抵抗される前に制圧が完了したことのあり、こちらの損耗は軽微であった。さらには、研究所の兵士を捕らえることに成功した。まだ息のある兵士の拘束を済ませると、近くにあった車に干渉して放り込み、白い布を被せたあと皇軍の基地へと走らせた。

 

皇軍の基地に到着したようで基地から強い光が向けられ、車列がでてきている様子が見えた。そこに合流するために増速し、石を弾き飛ばしながら進んでいった。これまでの戦闘の影響なのか、山と比べるまでもなく魔物が見当たらず、平和な道のりだ。

 

皇軍の軍人たちは、一直線に突っ走ってくる様子に警戒を強めていたようだけど、車の上に乗っている僕を見つけて警戒態勢を解いていた。車内に何が積まれているのか察しが付いたのか、今度は受け入れの態勢を取っている。そこへ速度を落としながら近づいていく。

 

「よお黒双。さっきまで焚き火をしていると思ったら何を取ってきたんだ?」

 

「敵対勢力研究所の兵士。偵察しているところを発見した。終了処置は取っていない。好きなように使うといい。」

 

「俺等の方に任せてもいいのか?お前らのところで情報を引き出したっていいんだぞ?聞きたいこともあるだろうしな。」

 

「我々は独自の施設を保持していない。屋外では外聞が悪い。ただでさえ低い評価が地に落ちる。」

 

そう言いながら車の扉を開き、中に転がしてある敵兵を引きずり出して皇軍の装甲車に詰めなおしていく。それも3人分だけだったのですぐに終わってしまった。車の上に座り込むと、皇軍の車列の後ろを進み、帰途へついた。

 

「案外受け入れられると思うけどな。一定数の反発は生まれるだろうが。それにしても気がついてないと思ってるのか?」

 

「なんのことだ?僕等は基本的に白皇の指揮下で動いてるんだけど。どこか問題ある?」

 

「ほんとに白皇陛下なのか?皇帝陛下ではなく?」

「それはともかく、あの白双の方だ。各地を転々として何かを作ってるみたいなんだが、何か心当たりはないか?」

 

「さあね。何かしら命令されてるのかもしれないし、企みがあるのかもしれないけど何も聞いてないよ。前々から思ってたけど君たちは僕等の間柄について勘違いがあるんじゃないか?そんなに互いのこと理解してる訳じゃない。白双の隷下のこともよく分かってないしね。」

 

「そうなのか?てっきり昔から仲良くやってるもんだと思っていたが。」

 

基地へと到着すると、乗っていた車を鹵獲品として技術者へと引き渡した。未だ研究所の技術には未解明な部分が多いらしく、今回持ち込んだ車以外にもいろいろな兵器が鎮座していた。しばらくの間分解し、各部品の設計図を作成し、性能の確認を行っていた。さらに、皇国の兵器との互換性のテストや製造した兵器の品質確認を行っていた。

 

用事が済むと、自室へと戻った。ここは政治部の敷地とは違い、過ごしやすく感じる。部屋には明かりがともされてないばかりか、窓も厳重に閉じられている。その中には翠と紫の光が灯っている。部屋ではハーベストが兵器を生産していたこれまでの戦いで破損した機体が溜まっているようで、破棄と修復を仕分けている。さらに一部の機体を改造しているようで、見覚えのない機体も並んでいた。

 

「仕事熱心だね。時間を見てやってかないといけないんだろうけどちゃんと休みながらやってよ?大皇に言えば作戦から外れることもできる。」

 

「大丈夫だよちゃんと休みながらやってる。心配ない。それに皇国にはあまり借りをつくらないほうがいい。皇国のすべてが私たちの味方とは限らない。」

 

「わかってるよ。今は一時的に身を寄せているだけ。いずれは僕たちが自由に暮らせる場所を創る。皇国とはそれまでの協力関係。」

「でも、僕等はその後も軍事・経済共に同盟的な関係を続けてもいいんじゃないかと思ってるんだけど。この国にトップは僕等に友好的なんだし。」

 

「それはそうだけど、トップが私たちに友好的だからってその国民もそうってわけじゃない。今は私たちの存在は隠蔽されてるけど、公表されたら大きな反発があるかも。」

 

「そこら辺を話し合うのは研究所を占領したあとでも十分に時間はある。僕等もハーベストと同じような未来を望んでる。とりあえずは、いま急いで決める必要はない。」

 

この会話の最中にもハーベストは破損した機体の無事な部分をつなぎ合わせ、再利用できない機体を取り込み、新たな機体へと作り変えている。その手が止まることはなく、既に所狭しに機体が整列している。

 

「そういえば、これ回収していったほうがいいよね?僕等持ってくよ。」

 

「そうなの?じゃあお願いしようかな。そろそろ私の方で保管しようかと思ってたから。」

 

「じゃあちょうどいいね。この新型のやつ確かめてくるよ。白双も今はネットワークづくり中みたいだし、緊急の指令も届いてないし、早めに戻ってくれると思うよ。」

 

部屋を出ると、手ごろな的を探して平原を歩いていた。けど、偵察部隊を始末したからか、こちらに近づいてくる人の気配は感じられない。周囲の目がないことを確認したあと、白双から借りていた白い機体を起動した。起動すると淡紫色の光が溢れ出した。

 

溢れ出た光が球体を形どると周囲へと広がり、淡紫色のドームとなった。このドームは白い機体を中心に展開しているようで、移動するとともに動いていった。

 

「これで外側からは認識されないみたいだけど、よくわからんな。」

 

「ちゃんと機能してなくても早めに済ませちゃえば問題ないよ。準備は済んでるからこっちに引き寄せちゃって。」

 

「わかった。使い慣れないだろうから危なかったら手を出すからね。」

そう言うと、遠くの方にいた5人の研究所兵士に干渉し、僕から敵対信号を発する。兵士たちが信号を受信すると同時に人間離れした速度で駆け出し、砂ぼこりを立ち上らせた。それと同時に金属のこすれ合う不快な音が鳴り響く。フレームに取り付けられた兵装から銃弾・砲弾・光線等様々な攻撃が繰り出される。

 

それらが僕等に迫りくると、目の前に躍り出たイージスが目の前に隔壁状の機体をだし、全ての攻撃を防ぎきった。防ぎきるとすぐに飛び出し、突出していた敵兵を2人の敵兵を粉砕した。打撃を受けた敵兵は頭部を中心にひしゃげ、胸部も大幅に変形していた。さらに腹部から四肢に掛けては大きなヒビが多数走り、フレームもねじ切れてしまっている。

 

残った敵兵は依然として攻撃を仕掛け、砲煙に包まれた。その攻撃は連続して行われ、砲煙は晴れる様子を見せないでいる。直後、僕の後ろで多数の爆発が発生し、熱気と共に風が吹き抜けていく。僕達に命中しそうな砲弾はイージスが薙ぎ払い、弾き飛ばされた。万が一、手前や鋼手との接触により炸裂しても、その大きな手によりすべてが振り払われ、一歩も届かなかった。

 

間を見て飛び出したイージスは、間を詰めるとすぐに拳を振り抜き、敵兵の腹部を陥没させた。そこからは銃撃を受けても拳で振り払い、砲撃も自前の翼により防ぎ、行動を続けた。至近距離の為有効な攻撃ができない敵兵は、すぐに数を減らしていき、最後には味方を巻き込みながらも攻撃を行ったが、その判断はあまりにも遅く、壊滅状態となった。

 

「すごくいい感じだよ。前までまともな攻撃方法がなかったから私も有効な攻撃方法が得られて助かるよ。」

 

「それは良かった。ハーベストも喜ぶよ。とは言え、イージスは防衛に専念していてもいいんだよ?攻撃リソースは豊富にあるんだし。」

 

「どちらかといえば自衛手段が欲しいんだよ。攻撃手段を持てるんだから持ったほうがいいと思ってね。それに私が自衛手段を持てば私を気にせず敵を滅することができるでしょ?」

 

「イージスを守るくらい負担じゃないんだけどね。試験も済んだし、そろそろ戻ろう。あんまり長居すると証拠が残る。」

 

敵兵を処分した後すぐに基地へと帰還した。白双に借りた隠密機は十分に機能を果たしていたようで、交戦したことを報告すると驚いた様子だった。加えて処分を終えたことも伝え、自室へと戻った。

白双ももどってきていたようで部屋に戻るとすぐに隠密機の感想を聞きに来た。

 

「早速使ったみたいじゃん。どうだった?ちゃんと効いたでしょ。ここ最近の最高傑作らしいからね。」

 

「白双の方の結界の構築みたいだったから1番目の子かな。2番目かとも思ったけど、こういうの得意なのは1番目の子だったよね。」

 

「そうだよ。ナルバリクが作ったの。あんまり黒双の方と交流できてないからプレゼントするよ。あの子もそのつもりみたいだしね。いつ戦場に呼ばれるか分からないから常に持っといてね。」

 

「わかったけどいいの?僕等がもらっちゃって。僕らはみんな攻撃手段を持ってるからいつ接敵しても十分に対応できる戦力は揃ってるけど。」

 

「いいんだよ。私達も攻撃手段は少ないけど魅力がする方法や索敵手段は豊富だし、そのうち皇軍にも提供するつもりだしね。優先的に黒双にあげる。」

「わたし的にはまだあと何個か使ってもいいぐらいのがあるんだけど、まだどこか完成しきれてないみたいなんだよね。完成したら使ってみてね。」

 

そう言うと白双は白い機体を放り投げてきた。手で受け止めて確認すると、それも白く丸い機体に見える。起動すると細長い棒へと変形した。振り回すと両端に激しいスパークが発生する。

 

「今は丁度研究所がいい的になってくれてるしね。できるだけ役立てよう。」

 

「それもいいけど、助けられる子は助けてかないと。間に合わなくなる前にさ。」

 

「確かにそれは急いだほうがいい。けど今は皇国が態勢を立て直すのが先決だよ。あくまでも研究所を解体するのは皇国と機晶国の連合軍。僕たちが表に出るとしても、その後からじゃないと。」

 

「それは分かってるけどさ。早く助けに行きたいよ。力を持ってるのにすぐに助けに行けないなんて。」

 

「それをあの時選んだんだよ。今は準備期間。機会は必ず来る。その証拠に順調に海に叩き落とせてる。」

 

丁度その時、北部に大軍が集まりつつある気配を感じ取った。防衛線を破壊するつもりなのか、時間が経つに連れて集団の大きさはかなりのものになっていく。現在敗走している部隊も集結しようと動いているらしく、一斉に動き始めた。

すぐに仕掛けを作動し、合流しようとしていた部隊を丸々吹き飛ばす。

 

「別に今始末しなくてもよかったんじゃない?もっと面白いことになるタイミングがあったよ。」

 

「今のほうが面白いことになるよ。気づけたらだけどね。大混乱になるよ。」

 

「そうかな?まあ楽しければ何でもいいよ。殲滅戦といこう。」

 

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