元王女が操りし二つのサイコロ(俺) 〜俺を振ると、出た目に応じたモンスター娘が現れる〜   作:人間 計

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第十八話:俺は、死なねぇ

 だからこそ、アラネはこれからも退屈な日々を過ごすことが分かるのだ。

 

「くふふふふふ」

 

 シャマラが、笑う。

 

「アラネちゃん、この虹色のサイコロの中に入ってくれないか? この中にいると、いつか君の退屈を解消してくれる、とても面白い存在が現れるから」

 

 シャマラが、そう宣った。

 

「うふふふ、まぁ、貴方が言うならいいでしょう。この森にいても、退屈なだけだし。でも、私はこの森に根を生やしてる。この根がある以上、私はここを離れられないわよ?」

 

「くふふふふ、そんな根なんて、私の力にかかれば、どうってことはないよ」

 

 シャマラのその言葉の通り、目に見えないが確かにこの森全体の地中に蔓延っているアラネの根が、その身体の中に戻っていった。そのことによりアラネは、この森から離れることができるようになった。

 

「うふふふ、流石ね」

 

 アラネはシャマラに対して、微笑む。

 

 そしてアラネはシャマラのかかげるその虹色のサイコロの中に、吸い込まれた。そして、今日にいたる。

 

 

 

 そのアラネの回想が脳内に入り込んできた俺は、アラネの目を見る。

 

「うふふふふふ、どうやら私の過去を把握したみたいねぇ」

 

 アラネが、笑った。

 

「そうだな」

 

 俺は、頷く。

 

「うふふふふふ、あなたが私の退屈を解消してくれるなら、あなたの協力をしてあげるわよ」

 

 アラネが試すかのような目で、俺を見る。どいつもこいつも、簡単には仲間になってくれないようだなぁ。

 

 俺は、アラネの目を見返す。

 

「俺は、死なねぇ!!!!」

 

 俺は、そう叫んだ。俺のその言葉に対してアラネは、きょとんとした表情をした。

 

「うふふふふふ、不思議なことを言うわね? あなたが死なないのと私が退屈しないの、どう関係があるの?」

 

 俺は、自信満々に告げる。

 

「根拠はねぇが、俺は君に寂しい思いをさせたオランとは同じ道を辿らない。俺の仲間になってくれたら今後、俺が老衰で死ぬまで、君の隣にいてやるよ!!」

 

 俺は、そう宣言する。

 

 アラネが顔を、手の平で抑えている。だからこそ俺は、その表情が見えない。

 

(なに? なになに? なんの間?)

 

 俺は突如として現れた無言の時間に対して、ドキドキする。

 

「ぷぷ」

 

 アラネの方から、そんな声が聞こえてきた。

 

「ぷぷぷ、あ~~はっはっは」

 

 アラネはそのキャラに似合わない、とても楽しそうな笑い声を上げた。

 

「な、なんだ? 何がおかしい?」

 

 俺は、きょどきょどとする。

 

「うふふふふ、ここまで愚かだと、逆に面白いなと思ってね」

 

 アラネは楽しそうだが、俺は悲しい。めちゃくちゃ頑張って発した言葉に対して、”ここまで愚か”ってのは、ひどすぎる。

 

 俺は、うなだれた。

 

「うふふふふ、でもいいわ。協力してあげる」

 

 アラネは、そう告げた。

 

「いいのか?」

 

「うふふふふ、先ほどの言葉、ちょっとおもしろかった。だからいいわよ。協力してあげる」

 

 そのアラネの言葉とは裏腹に、茨が蠢き始める。

 

「だけど、先ほどの言葉、忘れないでちょうだいね。もしもあなたが約束を破って死んでしまったら、私が地獄まで行って、あなたを殺すから」

 

 アラネが不敵な笑みで、そう告げる。

 

「お、おう」

 

 俺は怯えながらも、頷く。

 

「うふふふふ、なら行きましょうか」

 

 俺とアラネは廊下に出て、"外"と書かれている表札のついた扉の前に立った。そして俺とアラネは扉を開いて、その先に進んだ。

 

 

 

 

「ふう、戻ってきたぜ」

 

 サイコロの外の世界に戻ってきた俺は、そう告げる。

 

 だがその付近にツターラ及びシズクは、いなかった。ちなみにアラネもブリドラの時と同じく、外の世界に姿を現していない。

 

「どこに行った?」

 

 俺は焦る。早くシズクを助けないと、ツターラに殺されてしまう。

 

 だからこそ俺は、付近をキョロキョロと見回した。

 

(まかせて)

 

 脳内にアラネのその言葉が聞こえてきて俺は、頷く。

 

「頼むぜ」

 

 その言葉と共に俺は、手のひらを地面につけた。その手から紐のように細い茨が付近に伸びていく。

 

 それは、アラネの能力である。

 

 付近に繁茂する細い茨が地面にはびこる。そして少し離れた場所で、その茨の一部が踏まれたことを察知した俺。

 

 二組の走っているような足達が、茨を踏んでいるのを感じるのだ。

 

 俺はそちらに向かって、走る。二組の走っている足の距離が徐々に近づいているのを感じる。だからこそ俺は、ショートカットで走って、そちらに向かった。

 

 

「ひひひひひひ、残念でしたね、元王女様、ここであなたの旅は終わりです」

 

 ツターラがシズクに対して、そう告げる。シズクはツターラに向き合った状態で、顔をしかめる。

 

「そんなことはありません。私は滅んだ私の国を、復興させるのですから」

 

「ひひひひひ、それは、夢で終わりますとも」

 

 ツターラはそう言いながら、地面に茶色のサイコロを転がした。

 

 二つのサイコロは1と3の目を出して、多量の蔦がシズクの方に向かった。

 

 その蔦がシズクに危害を加える……、少し前に、その場に声が響いた。

 

「スキル”アラネ”」

 

 その言葉と共に現れた多量の茨が、ツターラの発現させた蔦と絡まっていく。

 

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